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答申書(平成30年度答申第20号)

2023年2月17日

ページ番号:459456

諮問番号:平成30年度諮問第18号
答申番号:平成30年度答申第20号

答申書

第1 審査会の結論
 本件審査請求については、棄却すべきである。

第2 審査請求に至る経過
1 処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)は、平成29年10月11日、審査請求人に「平成29年度市民税・府民税納税通知書兼税額変更(決定)通知書」を送付した。
 なお、当該通知書の送付にあたり、審査請求人に係る生活保護受給の事実が判明したため、「平成29年度市民税・府民税減免申請書」(以下「減免申請書」という。)を同封した。
2 審査請求人は、平成30年4月11日、減免申請書を処分庁へ提出した。
3 処分庁は、審査請求人からの減免申請書について、大阪市市税条例(以下「市税条例」という。)第60条第1項第1号に規定する期限を過ぎて提出されたことを理由として平成30年5月15日付けで平成29年度個人の市民税及び府民税減免不承認処分(以下「本件処分」という。)を行った。
4 審査請求人は、平成30年5月21日、大阪市長に対し、本件処分の取消しを求めて審査請求をした。

第3 審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
(1) 減免申請の紙がもらえなかった。
(2) 平成29年度中に8月を含めて数回市税事務所に行ったが手続ができなかった。
(3) 行政活動には、給付行政と規制(侵害)行政があり、今回、私に当てはまるのが給付行政は生活保護であり、規制行政が地方税にあたる。生活保護の調査では市税事務所への照会やハローワーク、年金事務所への照会も行っていないと言われた。生活保護法第8条を確認するには行わなければならないことである。市税事務所、船場事務所、財政局の行ったことには法的根拠がない。
(4) 生活保護を受給してから行うのではなく、受給前か生活保護と同時に行うべきである。生活保護の前に社会保険の遡及を行わないと、給付金を発生した保険料の負担金が払えるのは当該保険のみである。租税や公課は生活保護費には含まれないため、生活保護受給者に納付義務を発生するより、生活保護受給前にきちんと調査して減免しても厚生労働大臣の定めた基準になるのかの判断を裁量と大阪市はしているが、他の公共団体は厳格に行っている。大阪市は本末転倒行政を行っている。
(5) 企業も大阪市も正しく手続を行っていない。企業の犯罪行為を黙認して、労働者に対して奴隷となる扱いを行っている。
(6) 国民健康保険の被保険者の資格を喪失せしめられるのは、貧困のために地方税を免除される者である。
(7) 違法企業に逸失利益を求められない処分をする大阪市は、税や公課を不納せん動する行政を行っている。
(8) 異動届の内容が私だと断定できないし違う。
2 処分庁の主張
(1) 個人市民税の減免申請期限について、市税条例第60条第1項第1号において、普通徴収の方法によって徴収する市民税について減免を受けようとする者については当該市民税の各納期限までに減免申請書を提出しなければならないと定められている。
 なお、府民税については、地方税法(以下「法」という。)第45条により、市民税が減免となった場合については、当該府民税についても市民税に対する減免額の割合と同じ割合によって減免されることとなる。
(2) 審査請求人から提出された減免申請書は、平成30年4月11日付けで提出されており、平成29年度の個人市民税及び府民税の減免申請期限である各納期限を経過している。
 このことから、審査請求人については、市税条例第60条第1項第1号に定める期限までに市民税の減免申請手続がなされていないため、大阪市個人市民税減免取扱要綱第8条第4項により、平成30年5月15日付け「平成29年度市民税・府民税減免不承認決定通知書」を審査請求人あて通知したものであり、本件処分は適正である。
(3) 減免申請書については、平成29年10月11日に「平成29年度市民税・府民税納税通知書兼税額変更(決定)通知書」に同封して送付している。
(4) 市民税及び府民税の減免及びその申請期限等の説明については、次のとおり文書又は口頭により行っている。
ア 審査請求人からの平成29年9月20日付けの問合せに対し、個人市民税及び府民税の税額算定方法及び生活保護受給者や失業者等特別な事情により全額納付が困難と認められる場合については、申請により税額が減額・免除される場合があること、また、その申請については申請期限がある旨を回答する書面を平成29年10月4日付けで審査請求人あてに送付した。
イ 平成29年10月16日に来庁した審査請求人に対し、減免の申請方法及び提出期限等について説明を行ったが、審査請求人による当該申請は行われなかった。
ウ 審査請求人からの平成29年11月30日付けの問合せに対し、1月2日以後に生活扶助の受給を開始した場合については、本人からの申請により扶助を受ける期間中に納期限が到来する部分の個人市民税及び府民税が免除となること及び免除申請期限は免除を受けようとする各納期限である旨を回答する書面を平成29年12月14日付けで審査請求人あて送付した。

第4 審理員意見書の要旨
1 結論
 本件審査請求には理由がないため、行政不服審査法第45条第2項の規定により、棄却されるべきものと判断する。
2 理由
(1) 本件処分の適法性及び妥当性について
 市民税の減免を受けようとする場合は、その各納期限までに減免申請書を提出しなければならないとされている。本件処分の対象となる税額は平成29年度の個人市民税及び府民税第3期分及び第4期分であり、当該税額に係る納期限は、第3期は平成29年10月31日、第4期は平成30年1月31日であるところ、審査請求人から減免申請書が提出された日は平成30年4月11日であることから、減免申請期限をいずれも経過している。
 したがって、処分庁が市税条例第60条第1項第1号に定める期限を過ぎて減免申請書が提出されたことを理由として、本件処分を行ったことは適正である。
(2) 審査請求人の主張について
 審査請求人の主張については、本件処分に対する違法性や不当性に係る主張ではないため、いずれも認められない。
(3) 上記以外の違法性又は不当性についての検討
 他に本件処分に違法又は不当な点は認められない。

第5 調査審議の経過
 当審査会は、本件審査請求について、次のとおり調査審議を行った。
  平成30年12月4日  諮問書の受理
  平成30年12月7日  調査審議(処分庁あて資料の要求)
  平成30年12月13日  処分庁から資料の収受
  平成30年12月17日  調査審議

第6 審査会の判断
1 関係法令等の定め
(1) 市民税等の減免申請手続について
ア 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村民税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の条例の定めるところにより、市町村民税を減免することができる(法第323条)。
イ 市町村長が個人の市町村民税又はその延滞金額を減免した場合においては、当該納税者に係る個人の道府県民税又はその延滞金額についても当該市町村民税又は延滞金額に対する減免額の割合と同じ割合によって減免されたものとする(法第45条)。
ウ 生活保護法の規定による扶助を受ける者及び失業者等のうち市民税の全額負担に堪えることが困難であると市長が認めるものに対しては、申請に基づき、市税条例第41条の納期に係る納付額ごとに、市民税を減免する(市税条例第57条第1項)。
(2) 減免申請書の提出期限について
 普通徴収の方法によって徴収する市民税について減免を受けようとする者は、当該市民税の各納期限までに、市税条例第60条第2項各号に掲げる事項を記載した申請書に、その証拠となる書類を添付して市長に提出しなければならない(市税条例第60条第1項第1号)。
(3) 普通徴収に係る個人の市民税の納期について
ア 普通徴収の方法によって徴収する個人の市町村民税の納期は、6月、8月、10月及び1月中(当該個人の市町村民税額が均等割額に相当する金額以下である場合にあっては、6月中)において、当該市町村の条例で定める(法第320条)。
イ 普通徴収の方法によって徴収する個人の市民税の納期は、次のとおりとする(市税条例第41条第1項)。
第1期 6月17日から同月30日まで
第2期 8月1日から同月31日まで
第3期 10月1日から同月31日まで
第4期 1月1日から同月31日まで
2 争点等について
(1) 減免申請について
 普通徴収の方法によって徴収する市民税の減免を受けようとする場合には、上記1(2)のとおり、当該市民税の各納期限までに減免申請書を提出しなければならないとされている。
 審査請求人が減免申請書を提出した日は平成30年4月11日であり、減免申請の対象となる平成29年度市民税及び府民税第3期分の納期限(平成29年10月31日)及び第4期分の納期限(平成30年1月31日)をいずれも徒過しているものであって、処分庁において申請期限を徒過したことを理由として行った本件処分に違法又は不当な点は認められない。
 なお、審査請求人は減免申請に関して、減免申請の紙がもらえなかった旨や平成29年度中に8月を含めて数回市税事務所に行ったが手続ができなかった旨主張するが、平成30年12月13日付けで処分庁から提出のあった資料の内容によれば、①処分庁は平成29年10月10日付けで「平成29年度市民税・府民税納税通知書兼税額変更(決定)通知書」に減免申請書を同封して送付している、②処分庁は審査請求人が平成29年10月16日に来所した際に減免申請の方法及び提出期限等について説明を行うも、審査請求人は減免申請を行わなかったという事実が認められることから、審査請求人の主張には理由がない。
(2) その他の審査請求人の主張について
 その他の審査請求人の主張については、本件処分に対する違法性や不当性に係る主張ではないため、いずれも採用することはできない。
3 審査請求に係る審理手続について
 本件審査請求に係る審理手続について、違法又は不当な点は認められない。
4 結論
 よって、本件審査請求に理由がないものと認められるので、当審査会は、第1記載のとおり答申する。

(答申を行った部会名称及び委員の氏名)
 大阪市行政不服審査会税務第2部会
 委員(部会長)岸本佳浩、委員 鹿田良美、委員 瀬川昇

答申書(平成30年度答申第20号)

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