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答申書(令和元年度答申第11号)

2022年12月22日

ページ番号:489738

諮問番号:令和元年度諮問第9号
答申番号:令和元年度答申第11号

答申書

第1 審査会の結論
  本件審査請求については、棄却すべきである。

第2 審査請求に至る経過
1 審査請求人は、平成23年度市民税及び府民税(普通徴収)第2期分から第4期分、平成29年度市民税及び府民税(普通徴収)第1期分から第4期分並びに平成30年度市民税及び府民税(普通徴収)第1期分から第4期分について、別紙1徴収金明細の「納期限」欄記載の日までに納付しなかった。
2 処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)は、審査請求人に対し、別紙1徴収金明細の「督促状発付日」欄記載の日(以下「督促状発付日」という。)に上記1の各徴収金に係る督促状を発付した。
3 審査請求人が督促状発付日から起算して10日を経過した日までに別紙1徴収金明細記載の各徴収金(以下「本件各徴収金」という。)を完納しなかったため、処分庁は、本件各徴収金を徴収するため、令和元年5月28日付けで、審査請求人が○○○○から支払いを受けるべき令和元年6月支給分以降の毎月の給料等(給料、賃金、俸給、歳費、退職年金及びこれらの性質を有する給与に係る債権をいう。以下同じ。)のうち、国税徴収法(以下「徴収法」という。)第76条第1項各号に掲げる金額を控除した金額の支払請求権に対する差押処分(以下「本件処分」という。)を行った。
4 審査請求人は、令和元年6月3日、大阪市長に対し、本件処分の取消しを求めて審査請求をした。

第3 審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
  別紙2審理員意見書(写し)第3、1記載のとおりであるから、これを引用する。
2 処分庁の主張
  別紙2審理員意見書(写し)第3、2記載のとおりであるから、これを引用する。

第4 審理員意見書の要旨
1 結論
 本件審査請求には理由がないため、行政不服審査法第45条第2項の規定により、棄却されるべきものと判断する。
2 理由
  別紙2審理員意見書(写し)第4、2記載のとおりであるから、これを引用する。

第5 調査審議の経過
  当審査会は、本件審査請求について、次のとおり調査審議を行った。
  令和元年9月18日 諮問書の受理
  令和元年10月3日 調査審議
  令和元年10月23日 処分庁から資料の収受
  令和元年10月28日 調査審議

第6 審査会の判断
1 関係法令等の定め
(1) 市民税及び府民税の滞納処分について
ア 市町村民税に係る滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して10日を経過した日までにその督促に係る地方団体の徴収金を完納しないときは、市町村の徴税吏員は、当該地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押さえなければならない(地方税法(以下「法」という。)第331条第1項第1号)。
 地方団体の徴収金の滞納処分については、徴収法に規定する滞納処分の例による(同条第6項)。
イ 個人の道府県民税の徴収は、法第2章第1節第2款に特別の定めがある場合を除くほか、当該道府県の区域内の市町村が、当該市町村の個人の市町村民税の徴収の例により、当該市町村の個人の市町村民税の徴収と併せて行うものとする(法第41条第1項)。
ウ 市町村は、個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金について督促状を発し、及び滞納処分をする場合においては、法に特別の規定がある場合を除くほか、当該個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金についてあわせて行うものとする(法第334条)。
(2) 給料等の差押禁止額について
ア 給料等については、次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押さえることができない(徴収法第76条第1項前段)。
(ア) 所得税法の規定によりその給料等につき徴収される所得税に相当する金額(同項第1号)
(イ) 法の規定によりその給料等につき特別徴収の方法によって徴収される道府県民税及び市町村民税に相当する金額(同項第2号)
(ウ) 健康保険法その他の法令の規定によりその給料等から控除される社会保険料に相当する金額(同項第3号)
(エ) 滞納者(その者と生計を一にする親族を含む。)に対し、これらの者が所得を有しないものとして、生活保護法に規定する生活扶助の給付を行うこととした場合におけるその扶助の基準となる金額で給料等の支給の基礎となった期間に応ずるものを勘案して政令で定める金額(同項第4号)
(オ) その給料等の金額から上記(ア)から(エ)までに掲げる金額の合計額を控除した金額の100分の20に相当する金額(その金額が(エ)に掲げる金額の2倍に相当する金額を超えるときは、当該金額)(同項第5号)
イ 徴収法第76条第1項第4号に規定する政令で定める金額は、滞納者の給料等の支給の基礎となった期間1月ごとに100,000円(滞納者と生計を一にする配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)その他の親族があるときは、これらの者一人につき45,000円を加算した金額)とする(国税徴収法施行令第34条)。
2 争点等について
(1) 差押要件の該当性について
 上記1(1)アのとおり、滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して10日を経過した日までにその督促に係る地方団体の徴収金を完納しないときは、市町村の徴税吏員は、当該地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押さえなければならないとされている。
 これを本件についてみると、本件処分においては、審査請求人に対して別紙1徴収金明細の「督促状発付日」欄記載のとおり督促状が発付され、当該督促状の発付日から10日を経過した日までに本件各徴収金が完納されていないことが認められる。したがって、本件処分については、法令に規定する差押えの要件を充足している。
 また、令和元年10月21日付けで処分庁から提出のあった資料によると、本件処分が行われるまでの間、処分庁は審査請求人に対して、平成30年7月27日に納税注意書、平成30年8月24日に予告納付書、平成31年4月26日に差押予告書を発付等していたところ、審査請求人が納付に応じなかったため、本件処分に至ったものであり、その手続について、違法又は不当な点は認められない。
(2) 審査請求人の主張について
 審査請求人は、経済面で非常に逼迫しており、支払う余裕が全くない旨主張している。
 しかしながら、徴収法第76条では、給与収入が一般の給与生活者の生計に占める重要性を考慮し、給与生活者の最低生活の維持等に充てられるべき金額に相当する給与の差押えが禁止されているところ、本件処分において、処分庁は当該規定に則り、審査請求人が○○○○から支払いを受けるべき令和元年6月支給分以降の毎月の給料等のうち、徴収法第76条第1項第1号から第5号に掲げる金額を控除した金額の支払請求権を差し押さえたことが認められる。
 したがって、処分庁が差押禁止の範囲を超えて違法に差し押さえた事実は認められず、また、本件処分が不当となる事情はなく、審査請求人の主張は採用することができない。
3 審査請求に係る審理手続について
  本件審査請求に係る審理手続について、違法又は不当な点は認められない。
4 結論
  よって、本件審査請求に理由がないものと認められるので、当審査会は第1記載のとおり答申する。

(答申を行った部会名称及び委員の氏名)
 大阪市行政不服審査会税務第2部会
 委員(部会長)岸本佳浩、委員 鹿田良美、委員 野村宏子

別紙1 省略

 

別紙2 審理員意見書(写し)

令和元年9月17日

大阪市長 松井 一郎様

審理員 ○○○○

 行政不服審査法(以下「行審法」という。)第42条第2項の規定に基づき、審査請求人 ○○○○が令和元年6月3日に行った、処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)による令和元年5月28日付け差押処分(以下「本件処分」という。)についての審査請求(令和元年度財第10号)(以下「本件審査請求」という。)の裁決に関する意見を次のとおり提出します。

第1 裁決に関する意見
 本件審査請求は棄却するのが相当です。

第2 事案の概要
1 審査請求人は、別紙徴収金明細記載の各徴収金(以下「本件徴収金」という。)について、「納期限」欄記載の日までに納付しませんでした。
2 処分庁は、別紙徴収金明細の「督促状発付日」欄記載の日(以下「督促状発付日」という。)に、審査請求人に対し、本件徴収金に係る督促状を発付しました。
3 審査請求人は、督促状発付日から起算して10日を経過した日までに本件徴収金を完納しなかったため、処分庁は、本件徴収金を徴収するため、審査請求人が○○○○から支払いを受けるべき令和元年6月支給分以降の毎月の給料等(給料・賃金・俸給・歳費・退職年金及びこれらの性質を有する給与に係る債権をいう。以下同じ。)のうち、国税徴収法(以下「徴収法」という。)第76条第1項各号に掲げる金額を控除した金額の支払請求権(以下「本件債権」という。)に対して、令和元年5月28日付けで本件処分を行いました。
4 審査請求人は、令和元年6月3日付けで大阪市長に対し、本件審査請求を提起しました。

第3 審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
 経済面で非常に逼迫しており、支払う余裕が全く無い為、本件処分の取り消しを求める。
2 処分庁の主張
(1) 本件処分について
 本件処分は、審査請求人が本件徴収金を各納期限までに完納しておらず、本件徴収金に係る督促状が送達された後にも完納していないことから、滞納となっている本件徴収金を徴収するため、本件処分を行ったものである。なお、本件徴収金については、納期別に督促状を送付した。したがって、本件処分は地方税法(以下「法」という。)第331条第1項に定める要件を満たしている。
 さらに、給与等については、差し押さえることができない金額(以下「差押禁止額」という。)が定められているが(徴収法第76条第1項)、本件処分に係る給与債権については差押禁止額が控除されており、本件処分は適正かつ適法になされている。
(2) 審査請求人の主張について
 審査請求人は、経済面で非常に逼迫しており支払う余裕が全くない為、審査請求をしたと主張している。しかしながら、前記(1)のとおり、本件処分に係る給与債権については差押禁止額が控除されており、差押禁止額には生活費に相当する金額が含まれていることから(徴収法第76条第1項第4号)、本件処分に係る給与債権については、生活費に相当する金額が控除されていることになる。
 したがって、審査請求人の主張する事情により、本件処分を取り消しすることはできない。

第4 理由
1 本件に係る法令等の規定について
(1)  市民税及び府民税の滞納処分について
 市町村民税に係る滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して10日を経過した日までにその督促に係る市町村民税に係る地方団体の徴収金を完納しないときは、市町村の徴税吏員は、当該市町村民税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押えなければならないとされ(法第331条第1項)、当該市町村民税に係る徴収金の滞納処分については、国税徴収法に規定する滞納処分の例によるとされています(同条第6項)。
 また、市町村は、個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金について督促状を発し、滞納処分をする場合においては、法に特別の規定がある場合を除く外、当該個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金についてあわせて督促状を発し、滞納処分をするものとされています(法第334条)。
(2)  差押えの手続きについて
 債権の差押えは、第三債務者に対する債権差押通知書の送達により行うこととされています(徴収法第62条第1項)。
(3) 給料等の差押禁止額について
 給料等については、次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は差し押えることができないとされています(徴収法第76条第1項)。
ア 所得税法の規定によりその給料等につき徴収される所得税に相当する金額
イ 法その他の規定によりその給料等につき特別徴収される道府県民税及び市町村民税に相当する金額
ウ 健康保険法その他の法令の規定によりその給料等から控除される社会保険料等に相当する金額
エ 滞納者及びその者と生計を一にする親族に対し、これらの者が所得を有しないものとして、生活保護法に規定する生活扶助の給付を行うこととした場合におけるその扶助の基準となる金額(徴収法施行令第34条において、給料等の支給の基礎となった期間1月ごとに100,000円(滞納者と生計を一にする配偶者その他の親族があるときは、これらの者1人につき45,000円を加算した金額)とされています。)
オ 給料等の金額から前記アからエまでに掲げる金額の合計額を控除した金額の100分の20に相当する金額
2 本件処分について
 本件処分は、前記第2事案の概要の1から3のとおり、審査請求人が本件徴収金を各納期限までに納付しておらず、督促状発付日から起算して10日を経過した日までに本件徴収金を完納しなかったため行われたものであるところ、これらの点について特段の争いはなく、本件処分は、前記1(1)に定める要件を満たしています。
 また、前記1(3)のとおり、給料等については、差押禁止額が定められていますが、本件債権については、差押禁止額が控除されており、さらに、本件処分は前記1(2)に定める手続きによって適正になされています。
 なお、審査請求人は、経済面で非常に逼迫しており、支払う余裕が全く無い為、本件処分の取り消しを求める旨主張していますが、前記のとおり本件処分は適正になされており、審査請求人の主張する事情は、本件処分の違法性又は不当性に影響を及ぼすものではありません。
3 上記以外の違法性又は不当性についての検討
 他に本件処分に違法又は不当な点は認められません。

第5 結論
 以上のとおり、本件審査請求には理由がないため、行審法第45条第2項の規定により、棄却されるべきものと判断します。

別紙 省略

答申書(令和元年度答申第11号)

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