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答申書(令和2年度答申第7号)

2023年2月17日

ページ番号:519672

諮問番号:令和2年度諮問第7号
答申番号:令和2年度答申第7号

答申書

第1 審査会の結論
 本件審査請求は棄却されるべきである。

第2 審査請求に至る経過
1 審査請求人は、令和元年10月23日、大阪市市税条例(以下「市税条例」という。)第57条第1項第2号に該当するとして令和元年度市民税・府民税に係る減免申請書を処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)あて提出した。
2 処分庁は、前記1と同日付けで、令和元年度市民税・府民税納税通知書兼税額変更(決定)通知書(以下「本件決定通知書」という。)を審査請求人あて送付し、前記、令和元年度市民税・府民税のうち、第3期分(納期限:令和元年10月31日)の税額に係る減免を承認した。
3 審査請求人は、令和2年3月13日、失業(求職)状況申告書(以下「失業申告書」という。)を処分庁あて提出した。
4 処分庁は、大阪市個人市民税減免取扱要綱(以下「要綱」という。)第6条第5項に定める期日までに、審査請求人から引き続き失業している旨の申告がないことを理由として、令和2年3月23日付けで令和元年度市民税・府民税減免不承認決定通知書を審査請求人あて送付し、前記令和元年度市民税・府民税のうち、第4期分(納期限:令和2年1月31日)の税額に係る減免不承認決定処分(以下「本件処分」という。)を行った。
5 審査請求人は、令和2年4月3日、大阪市長に対して、本件処分の取消しを求めて審査請求をした。

第3 審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
(1) 第3期分から減免措置があることを知り、あべの市税事務所で手続きをした。
 第4期分も手続きすることを知らず減免になっていなかったため、電話であべの市税事務所に問い合わせたところ、第3期分手続き時に、第4期分の書類は窓口で渡しており、それを提出していないので減免できないと言われた。窓口でもらった記憶はないので調べてほしいと言ったが、渡し終えたと書類に記載してあるので必ず渡しているとの一点張りだった。
 後日、手渡しではなく郵送しており間違いだったと言われた。郵送されているはずの書類も自宅には届いておらず、あべの市税事務所の言うことが二転三転し書類も、送っているのかどうか信じられない。
 あべの市税事務所は手渡しをした証拠があると言っており、事務の杜撰な管理体制があるのだと感じた。
(2) 弁明書の事実の経緯に、令和元年10月23日、減免の審査を行う旨を口頭で行ったとあるが、電話で確認した際は、書類を手渡ししたと言われた。書類が手元にないため、再確認してほしい旨伝えたところ、後日書類は手渡ししていなかったと認めた。減免が数度にわたりあることの理解ができておらず、口頭で説明を受けた記憶はない。
 失業者が減免を受けるためには雇用保険受給資格者証の写し等必要書類の申告がなければならない旨は理解した。ただ、送ったと言われた書類は自宅には届いていない。せめて失業期間が確実であると判断できる間の失業者に係る個人市民税等の減免だけは認めてもらえないかと切に願う。
2 処分庁の主張
(1) 令和元年10月23日、令和元年度市民税・府民税に係る減免申請書が提出された際に、失業を理由とする減免については、期別に失業・求職状況を申告する必要があり、第3期分の減免が承認されても第4期分の減免は失業申告書等の提出をもって減免の審査を行う旨を口頭で説明した。
 令和元年10月25日、本件決定通知書を郵送した際に第4期分の納期限である令和2年1月31日時点においても失業状態が継続し納付が困難であり減免を受けようとする場合は令和2年2月10日までに失業申告書等の提出が必要な旨を記載した重要事項確認書及び失業申告書を同封した。なお、当該通知書について未着返戻となった記録はない。
 令和2年3月6日、審査請求人から電話により、失業状態が続いているにもかかわらず、期日までに失業申告書の提出がないことのみを理由に、第4期分の減免ができないことについて納得できない旨の申出があった。
 令和2年3月13日、審査請求人から郵送により、個人市民税等の第4期分の減免に係る失業申告書の提出があり、受理した。
 令和2年3月23日、市税条例第60条及び要綱第6条第5項の規定により、申告期限を経過していることから、第4期分の減免について不承認の決定を行った。
 令和2年3月24日、審査請求人あてに、令和元年度市民税・府民税減免不承認決定通知書を郵送した。
(2) 審査請求人は、第4期分の減免については別途申告書の提出が必要であることを窓口でも郵送でも知らされていなかったため、提出期限を経過したことを理由に減免不承認の決定をしたことに納得がいかないと主張しているが、本市からの申告手続に関する案内の有無にかかわらず、令和2年2月10日までに、申請期限(第4期分の納期限である令和2年1月31日)の日現在において、引き続き失業している旨を申告しなければならないことは要綱に規定されている。
 以上のことから、本件処分は、失業申告書関係書類の提示・提出期間を経過して、令和2年3月13日に提出されたことによるものであり適法である。
 なお、令和元年10月23日に減免申請を受け付けた際に、第4期分の減免には再度失業申告書関係書類の提出が必要であることを口頭で伝えた記録があり、あわせて第3期分の減免の適用に伴い令和元年10月25日に郵送した本件決定通知書に、失業申告書及び重要事項確認書を同封した発送記録があり、当該通知書は返戻された記録がないことから、必要な申告手続きの案内についても適切に行っている。

第4 審理員意見書の要旨
1 結論
 本件審査請求には理由がないため、行政不服審査法第45条第2項の規定により、棄却されるべきものと判断する。
2 理由
 失業者に該当する者の市民税の減免は、市税条例第57条第1項において、申請に基づき、納期に係る納付額ごとにするものと定められており、同条同項ただし書において、失業期間中に納期限が到来する部分の税額の減免に限ると定められている。
 また、減免の申請手続について、市税条例第60条第1項第1号において、当該市民税の各納期限までに、申請書に、その証拠となる書類を添付して、市長に提出しなければならないと定められており、その細部について、要綱第6条第5項において、2以上の納期について減免の申請をした場合には、各納期に係る申請期限から起算して10日以内に、雇用保険受給資格者証の写し又は失業により求職活動を行っていることを証する書類の写しを提示又は提出して当該申請期限の日現在において引き続き失業している旨を市長に申告しなければならないと定められている。
 審査請求人から処分庁に失業申告書の提出があったのは、令和2年3月13日であり、令和元年度の第4期の納期限である令和2年1月31日から起算して10日を経過していることは明らかであることから、法令等の規定に照らし、本件処分は適正に行われている。
 なお、審査請求人は、第4期分も手続きが必要であることを窓口でも郵送でも知らされていなかった旨主張しているが、減免の申請手続については法令等に定められていること、「必要な申告手続きの案内についても適切に行っている」との処分庁の主張に不合理な点はないことから、審査請求人の主張は採用できず、本件処分の違法性又は不当性に影響を及ぼすものではない。

第5 調査審議の経過
 当審査会は、本件審査請求について、次のとおり調査審議を行った。
  令和2年9月15日 諮問書の受理
  令和2年9月24日 調査審議
  令和2年10月12日 調査審議
  令和2年10月26日 調査審議

第6 審査会の判断
1 関係法令等の定め
(1) 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村民税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の条例の定めるところにより、市町村民税を減免することができる(地方税法(以下「法」という。)第323条)。
(2) 個人の道府県民税の賦課徴収は、法第2章第1節第2款に特別の定めがある場合を除くほか、当該道府県の区域内の市長村が、当該市町村の個人の市町村民税の賦課徴収の例により、当該市町村の個人の市町村民税の賦課徴収と併せて行うものとする(法第41条第1項)。
(3) 個人の道府県民税の減免について、市町村長が個人の市町村民税を減免した場合においては、当該納税者に係る個人の道府県民税についても当該市町村民税に対する減免額の割合と同じ割合によって減免されたものとする(法第45条)。
(4) 失業者等に該当する者のうち市民税の全額負担に堪えることが困難であると市長が認めるものに対しては、申請に基づき、市税条例第41条の納期に係る納付額ごとに、市民税を減免する。ただし、失業者については、失業期間中に納期限が到来する部分の税額の減免に限る(市税条例第57条第1項)。
(5) 普通徴収の方法によって徴収する市民税について、市税条例第57条の規定によって減免を受けようとする者は、当該市民税の各納期限までに、申請書に、その証拠となる書類を添付して、市長に提出しなければならない(市税条例第60条第1項第1号)。
(6) 市税条例第57条第1項第2号の失業者に該当する者が2以上の納期又は徴収月に係る税額について減免の申請をした場合には、各納期又は徴収月に係る申請期限から起算して10日以内に、雇用保険受給資格者証の写し又は失業により求職活動を行っていることを証する書類の写しを提示又は提出して当該申請期限の日現在において引き続き失業している旨を市長に申告しなければならない(要綱第6条第5項)。
2 争点等について
 審査請求人は、第3期分から減免措置があることを知り、手続きをしたが、第4期分も手続きすることを知らずに減免になっていなかったため、令和2年3月13日に提出した失業申告書によって減免を認めてほしい旨及びあべの市税事務所が第4期分の書類を窓口で渡したと言うのは間違いであり、郵送したと言うが自宅には届いておらず、あべの市税事務所の言うことは二転三転し、書類も送っているのかどうか信じられない旨を主張している。
 失業者に該当する者に係る個人の市民税については、前記1(4)のとおり失業期間中に納期限が到来する部分の税額の減免に限り、各納期に係る納付額ごとに、減免すると定められている。また、その手続については前記1(5)のとおり当該市民税の各納期限までに、申請書に、その証拠となる書類を添付して、市長に提出しなければならないと定められているところであるが、前記1(6)のとおり、失業者に該当する者が2以上の納期に係る税額について減免の申請をした場合には、各納期に係る申請期限から起算して10日以内に、当該申請期限の日現在において引き続き失業している旨を市長に申告しなければならないとされている。
 これを本件においてみると、審査請求人から引き続き失業している旨を申告する書類として失業申告書の提出があったのは、令和2年3月13日であり、令和元年度第4期分の納期限である同年1月31日から起算して10日を経過していることは明らかである。
 また、処分庁からの減免申請手続に係る案内や提出書類の送付は法令等によって義務付けられているものではないため、仮に審査請求人が主張するような処分庁からの説明誤りや書類の不着等の経緯があったとしても、当該経緯の如何が減免の承認の可否に影響を及ぼすものではない。
 したがって、本件処分に違法又は不当な点は認められず、審査請求人の主張を採用することはできない。
3 審査請求に係る審理手続について
 本件審査請求に係る審理手続について、違法又は不当な点は認められない。
4 結論
 よって、本件審査請求には理由がないものと認められるので、当審査会は第1記載のとおり答申する。

(答申を行った部会名称及び委員の氏名)
 大阪市行政不服審査会税務第2部会
 委員(部会長)  永井秀人 、委員 野村宏子 、委員 櫻井多美

答申書(令和2年度答申第7号)

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