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答申書(令和3年度答申第8号)

2023年2月17日

ページ番号:550292

諮問番号:令和3年度諮問第5号
答申番号:令和3年度答申第8号

答申書

第1 審査会の結論
 本件審査請求は棄却されるべきである。

第2 審査請求に至る経過
1 処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)は、別紙物件目録記載の家屋(以下「本件家屋」という。)に係る平成30年度から令和2年度の固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)について、地方税法(以下「法」という。)附則第15条の6に規定する新築された住宅に対する固定資産税の減額措置(以下「本件減額措置」という。)の適用期間を5年として適用する旨を記載した課税明細書を納税通知書に同封し、賦課決定処分をそれぞれ行った。
2 本件家屋に係る本件減額措置の適用期間は、正しくは3年であることが判明したため、処分庁は、本件家屋に係る令和3年度の固定資産税等について、本件減額措置を適用せず、令和3年4月1日付けで賦課決定処分(以下「本件処分」という。)を行った。
3 審査請求人は、令和3年6月17日、大阪市長に対して、本件処分を不服として、審査請求をした。

第3 審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
 「住減5年」という記載で通知を受けていたにも係わらず、住減3年が正しく、令和3年度より適用できない旨通知があり、単なる表記ミスであるとの説明であった。
2 処分庁の主張
 審査請求人は、本件減額措置を5年度分適用することを求めているものと理解するが、本件家屋は平成29年に建築された2階建ての住宅用家屋であり、中高層耐火建築物(主要構造部を耐火構造とした建築物で地上階数3以上を有するもの)でないため、本件家屋に対する本件減額措置の適用は、新たに固定資産税が課されることとなった平成30年度から令和2年度の3年度分となる。
 よって、本件処分は適正である。

第4 審理員意見書の要旨
1 結論
 本件審査請求には理由がないため、行政不服審査法第45条第2項の規定により、棄却されるべきものと判断する。
2 理由
 審査請求人は、本件家屋について、本件減額措置を新築後新たに固定資産税が課されることとなった年度から5年度分適用して、固定資産税を減額することを求めていると解することができる。
 この点、本件減額措置が5年度分適用されるのは、地上階数3以上の建築物とされているところ法附則第15条の6第2項)、本件家屋は地上2階建てであることから、法附則第15条の6第2項の規定には該当せず、法附則第15条の6第1項に基づき、新たに固定資産税が課されることとなった年度から3年度分の固定資産税に限り適用されることとなる。
 本件家屋は、平成29年に新築され、平成30年度から新たに固定資産税が課されていることから、本件減額措置が適用されるのは当該年度から3年度である令和2年度までの固定資産税であり、令和3年度の本件処分においては適用することができない。
 本件処分では、本件減額措置の適用はされておらず、処分庁の判断は適正である。

第5 調査審議の経過
 当審査会は、本件審査請求について、次のとおり調査審議を行った。
  令和3年9月24日 諮問書の受理
  令和3年10月5日 調査審議
  令和3年10月19日 調査審議

第6 審査会の判断
1 関係法令等の定め
(1) 固定資産税等の賦課期日について
ア 固定資産税等の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする(法第359条及び法第702条の6)。
イ 都市計画税の賦課徴収は、固定資産税の賦課徴収の例によるものとし、固定資産税の賦課徴収と併せて行う(法第702条の8)。
(2) 新築された住宅に対する固定資産税の減額措置について
ア 市町村は、昭和38年1月2日から令和4年3月31日までの間に新築された住宅で政令で定めるものに対して課する固定資産税については、当該住宅に対して新たに固定資産税が課されることとなった年度から3年度分の固定資産税に限り、当該住宅に係る固定資産税額の2分の1に相当する額を当該住宅に係る固定資産税額から減額するものとする(法附則第15条の6第1項)。
イ 市町村は、昭和39年1月2日から令和4年3月31日までの間に新築された中高層耐火建築物(主要構造部を耐火構造とした建築物又は建築基準法第2条第9号の3イ若しくはロのいずれかに該当する建築物で、地上階数(政令で定めるところにより計算した地上階数をいう。)3以上を有するものをいう。)である住宅で政令で定めるものに対して課する固定資産税については、次条第1項若しくは第2項又は附則第15条の8第1項から第3項までの規定の適用がある場合を除き、当該住宅に対して新たに固定資産税が課されることとなった年度から5年度分の固定資産税に限り、当該住宅に係る固定資産税額の2分の1に相当する額を当該住宅に係る固定資産税額から減額するものとする(法附則第15条の6第2項)。
ウ 前記ア、イに規定する住宅で政令で定めるものは、住宅で、区分所有に係る住宅以外の住宅では、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下である住宅(共同住宅等にあっては、基準住居部分を有する住宅)に該当するものとする(法施行令附則第12条第3項第1号)。
2 争点等について
 審査請求人の主張は、本件家屋に係る本件減額措置について、これまで課税明細書に「住減5年」と記載して、適用期間は5年である旨の通知を受けていたにもかかわらず、表記ミスであるとの説明のみで令和3年度から当該減額措置が適用されないことには納得できず、適用すべきであるとの主張であると解される。
 この点、本件減額措置の適用期間が5年となるのは、前記1(2)イ及びウのとおり、中高層耐火建築物(主要構造部を耐火構造とした建築物で、地上階数3以上を有するもの)で区分所有に係る住宅以外の住宅においては、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下である住宅とされている。
 これを本件においてみると、本件家屋は、別紙物件目録のとおり、平成29年7月6日に新築された鉄筋コンクリート造2階建て、床面積162.10平方メートルの住宅用家屋であることが認められ、中高層耐火建築物には該当しない。
 したがって、本件家屋は、前記1(2)ア及びウに基づき、新たに固定資産税が課されることとなった平成30年度から3年度分の令和2年度までの固定資産税に限り本件減額措置を適用することとなり、本件処分においては処分庁が本件減額措置を適用しないとしたことに違法又は不当な点は認められない。
 なお、審査請求人が主張する、これまでの課税明細書に「住減5年」と記載されていたことについては、本件処分とは異なる年度の賦課決定処分に係る課税明細書に記載された内容であり、仮にこれに記載の誤りがあったとしても、当該記載内容は、当該年度にどのような減額措置を適用して賦課決定処分を行ったのかを記載したものにすぎず、令和3年度に係る本件処分に影響を及ぼす事項ではないため、これを本件処分に対する不服の理由とすることはできない。
3 審査請求に係る審理手続について
 本件審査請求に係る審理手続について、違法又は不当な点は認められない。
4 結論
 よって、本件審査請求には理由がないものと認められるので、当審査会は第1記載のとおり答申する。

(答申を行った部会名称及び委員の氏名)
 大阪市行政不服審査会税務第2部会
 委員(部会長) 永井秀人、委員 野村宏子、委員 櫻井多美

別紙省略

 

上記答申書に関する問合せ先
財政局税務部管理課(審査監察グループ)
電話:06-6208-8236  ファックス:06-6202-6953

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