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答申書(令和3年度答申第18号)

2023年2月17日

ページ番号:561513

諮問番号:令和3年度諮問第20号
答申番号:令和3年度答申第18号

答申書

第1 審査会の結論
 本件審査請求は棄却されるべきである。

第2 審査請求に至る経過
1 処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)は、審査請求人に対して、令和3年4月1日付けで、○○区○○丁目○番○上に存する家屋(以下「本件区分所有に係る家屋」という。)のうち、家屋番号が○○の家屋(以下「本件家屋」という。)に係る令和3年度固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)の賦課決定を含む令和3年度固定資産税等賦課決定処分(以下「本件処分」という。)を行った。
2 審査請求人は、本件処分のうち、本件家屋に係る部分の固定資産税等の相当税額を不服として、令和3年6月3日、大阪市長に対して、審査請求をした。

第3 審理関係人の主張の要旨
1 審査請求の趣旨等
 本件処分のうち、本件家屋の固定資産税等の相当税額が1円を超える部分を取り消す。
 審査請求の理由は、課税庁による税額あん分の根拠の説明を待って、審査請求理由書をもって主張する。
2 処分庁の主張の要旨
 大阪市では、区分所有に係る家屋に対して課する固定資産税等の税額について、課税床面積により評価額をあん分する方法を用いて算出している。そして、区分所有に係る家屋等に対して課する固定資産税等の額のあん分割合の補正については、条例第84条第1項において、「区分所有者全員が専有部分の天井の高さ、附帯設備の程度又は仕上部分の程度の差違に応じて協議して定めた補正の方法を申し出た場合において、市長が当該補正の方法を適当と認めるときは、当該補正の方法により当該割合を補正することができる。」と規定している。
 本件区分所有に係る家屋については、平成元年2月24日付けで大阪市中央区長あてに「区分所有に係る家屋の固定資産税のあん分割合の補正方法に関する申出書」(以下「本件申出書」という。)が提出されており、本件申出書に基づき、家屋の建築工事費の負担割合により評価額をあん分する方法を用い、固定資産税等の税額をあん分している。よって本件家屋についての賦課決定処分は適正である。

第4 審理員意見書の要旨
1 結論
 本件審査請求には理由がないため、行政不服審査法第45条第2項の規定により、棄却されるべきものと判断する。
2 理由
 審査請求人は、本件処分のうち、本件家屋に係る部分の固定資産税等の相当税額が1円を超える部分を取り消すよう主張している。
 区分所有に係る家屋に対して課する固定資産税等については、各区分所有者は、区分所有に係る家屋に係る固定資産税等の税額を専有部分の床面積の割合により按分した額、又は総務省令の定める専有部分の床面積の割合を補正した割合により按分した額を負担することとなり(法第352条第1項、法第702条の8第1項)、当該補正した割合とは、法施行規則第15条の3第2項の準用する同規則第7条の3第2項及び第3項において規定された補正の方法によるもの、又は当該家屋の区分所有者の申出による補正の方法で市町村長が適当と認めたもの(法施行規則第15条の3第3項、条例第84条第1項)をいう。大阪市においては、かかる税額を、評価額をあん分する方法を用いて算出している。
 これを本件においてみると、本件区分所有に係る家屋については、平成元年2月24日付けで当該区分所有者の全員から大阪市中央区長あてに、条例第84条第1項に定めるところの本件申出書が提出されており、本件申出書に基づきあん分された本件家屋の評価額が家屋課税台帳に登録されていることが認められる。
 そして、本件家屋の課税標準は家屋課税台帳に登録された価格であり、その固定資産税等は当該課税標準に税率を乗じ算出されている。
 以上により、本件処分は、その税額の算出過程からみて、本件区分所有に係る家屋の税額を大阪市長が適当と認めた本件申出書に定める補正の方法による割合に応じ配分したものであるといえ、法第352条第1項及び第702条の8第1項の趣旨に反するとまではいえない。
 他に本件処分に違法又は不当な点は認められない。

第5 調査審議の経過
 当審査会は、本件審査請求について、次のとおり調査審議を行った。
  令和4年1月6日 諮問書の受理
  令和4年1月7日 調査審議
  令和4年1月18日 調査審議

第6 審査会の判断
1 関係法令等の定め
(1) 固定資産税等の賦課期日等について
ア 固定資産税等の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする(法第359条及び第702条の6)。
イ 都市計画税の賦課徴収は、固定資産税の賦課徴収の例によるものとし、固定資産税の賦課徴収と併せて行う(法第702条の8)。
(2) 固定資産税等の課税標準について
ア 土地又は家屋に対して課する固定資産税の課税標準は、土地課税台帳等又は家屋課税台帳に登録された価格とする(法第349条)。
イ 土地又は家屋に対して課する都市計画税の課税標準は当該土地又は家屋に係る固定資産税の課税標準となるべき価格とする(法第702条第2項)。
(3) 区分所有に係る家屋に対して課する固定資産税について
ア 当該区分所有に係る家屋の専有部分に係る区分所有者は、当該区分所有に係る家屋に係る固定資産税額を同法第14条第1項から第3項までの規定の例により算定した専有部分の床面積の割合(専有部分の天井の高さ、附帯設備の程度その他総務省令で定める事項について著しい差違がある場合には、その差違に応じて総務省令で定めるところにより当該割合を補正した割合)により按分した額を、当該各区分所有者の当該区分所有に係る家屋に係る固定資産税として納付する義務を負う(法第352条第1項)。
イ 当該家屋の区分所有者の全員が専有部分の天井の高さ、附帯設備の程度又は仕上部分の程度の差違に応じて協議して定めた補正の方法を当該市町村の条例で定めるところにより市町村長に申し出た場合において当該市町村長が当該補正の方法によることが適当と認めるときは、当該補正の方法により行うことができる(法施行規則第15条の3第3項)。
ウ 法第352条第1項に規定する建物の区分所有等に関する法律第14条第1項から第3項までの規定の例により算定した専有部分の床面積の割合について、区分所有者全員が専有部分の天井の高さ、附帯設備の程度又は仕上部分の程度の差違に応じて協議して定めた補正の方法を申し出た場合において、市長が当該補正の方法を適当と認めるときは、当該補正の方法により当該割合を補正することができる(条例第84条第1項)。
2 争点等について
(1) 審査請求人は、本件審査請求の趣旨として、本件処分のうち、本件家屋に係る部分の固定資産税等の相当税額が1円を超える部分の取消しを求めており、本件審査請求の理由は、審査請求理由書をもって主張するとしている。
 しかしながら、審査請求人は、審査請求理由書について審理員からの提出の求めにも応じることなく、未だ提出しておらず、本件審査請求の理由は明らかではない。
 したがって、審査請求人の主張を本件家屋に係る部分の固定資産税等の税額が正しいかどうかについての不服と解し、以下判断する。
(2) 家屋に対して課する固定資産税等の課税標準については、前記1(2)のとおり、家屋課税台帳等に登録された価格とされ、固定資産税等の税額は、当該課税標準に税率を乗じて算出される。
(3) そして、区分所有に係る家屋に対して課する固定資産税等については、前記1(3)アのとおり、各区分所有者は、区分所有に係る家屋に係る固定資産税等の税額を専有部分の床面積の割合によりあん分した額、又は総務省令で定める専有部分の床面積の割合を補正した割合によりあん分した額を負担することとされ、当該補正した割合は、前記1(3)イ、ウのとおり、区分所有者全員が協議して定めた補正の方法を申し出た場合において、市長が当該補正の方法を適当と認めるときは、当該補正の方法により補正した割合とされている。
 これを本件においてみると、本件区分所有に係る家屋に対する固定資産税等については、平成元年2月24日付けで当該区分所有者全員から本件申出書が提出されていることが認められ、当該申出書に基づき補正された床面積の割合で固定資産税額等が算出されている。
 以上のとおり、本件家屋に係る部分の固定資産税等の相当税額は適正であり、その他、本件処分のうち、本件家屋に係る部分の賦課決定に関して、違法又は不当な点は認められない。
3 審査請求に係る審理手続について
 本件審査請求に係る審理手続について、違法又は不当な点は認められない。
4 結論
 よって、本件審査請求は不適法であると認められるので、当審査会は第1記載のとおり答申する。

(答申を行った部会名称及び委員の氏名)
 大阪市行政不服審査会税務第2部会
 委員(部会長) 永井秀人、委員 野村宏子、委員 櫻井多美

 

上記答申書に関する問合せ先
財政局税務部管理課(審査監察グループ)
電話:06-6208-8236  ファックス:06-6202-6953

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住所: 〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所4階)
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