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答申第138号

2019年9月9日

ページ番号:562710

概要

(1)開示請求の内容

「大阪市こども相談センター保有の本人の相談記録等すべての情報(会議記録、検査結果等)平成26年12月から直近まで」及び「大阪市こども相談センター保有の本人のすべての情報(相談記録、検査結果、会議記録等)開始から平成26年11月まで」との開示請求(以下、「本件請求」といいます。)がありました。

(2)実施機関(=大阪市長)の決定

実施機関は、本件請求に係る保有個人情報を、「相談開始から開示請求日現在までの、大阪市こども相談センターが保有保管する本人の児童記録票、検査結果等の情報すべて。」(以下「本件各情報」といいます。)と特定した上で、「請求者以外の個人の氏名、年齢等」(以下「本件非開示部分1」といいます。)については大阪市個人情報保護条例(平成7年大阪市条例第11号。以下「条例」といいます。)第19条第2号に、「請求者以外の個人から聴取した内容にかかる記述」(以下「本件非開示部分2」といいます。)については、同条第2号及び第6号に、「実施機関等による評価、所見等にかかる記述」(以下「本件非開示部分3」といい、「本件非開示部分1」及び「本件非開示部分2」とあわせて「本件各非開示部分」といいます。)については、同条第6号にそれぞれ該当することを理由に、それぞれ部分開示決定を行いました。

(3)異議申立ての内容

本件各非開示部分の開示を求めて、異議申立て(以下「本件異議申立て」といいます。)がありました。

(4)答申の結論

実施機関が、開示しないこととした本件各非開示部分のうち、別表に掲げる部分を開示すべきである。

(5)答申のポイント

審議会は次のとおり判断しています。

ア 本件非開示部分1の条例第19条第2号該当性について
実施機関に確認したところ、本件非開示部分1については、本人以外の保有個人情報であって、当該情報そのものにより本人以外の特定の個人を識別することができることから、本件各請求の対象ではないとし、請求対象外であることを示すため、白い紙等を貼って複写する「白抜き」処理を行ったとのことであった。
改めて、実施機関に「白抜き」処理の妥当性について確認したところ、本人の児童記録票に記載されている情報については、本人以外の個人情報が記録されていたとしても本人に係る保有個人情報であることから、本件非開示部分1については、新たに決定を行ったとのことである。
よって、本件非開示部分1については、条例第19条第2号該当性について判断するまでもなく、異議申立ての利益はなくなったものと認められることから、実施機関は本件異義申立てのうち、「白抜き」処理されている本件非開示部分1の開示を求める部分については、行政不服審査法(平成26年法律第68号による改正前のもの)第47条第1項に基づき不適法となることから却下すべきである。

イ 本件非開示部分2の条例第19条第2号及び第6号該当性について
(ア) 審議会において本件非開示部分2を実際に見分したところ、本件非開示部分2のうち別表の項番1及び項番2に掲げる情報を除いて、確かに、開示請求者以外の個人から聴取した内容にかかる記述であり、これを開示すると、学校やその他の関係機関・関係者との信頼関係を損なうのみならず、今後、関係機関・関係者からの積極的な情報提供がなされなくなり、今後も反復継続される同種の相談業務の円滑な執行に著しい支障を及ぼすおそれがあることから、条例第19条第6号に該当する。
(イ) しかしながら、本件非開示部分2のうち別表の項番1及び項番2に掲げる情報については、実施機関と関係機関が電話をしたことが記載されている。
実施機関に確認したところ、当該情報を開示することにより、関係者との信頼関係を損なうのみならず、今後、関係機関・関係者からの積極的な情報提供がなされなくなり、今後も反復継続される同種の相談業務の円滑な執行に著しい支障を生ずると主張している。
しかしながら、本件各情報の140ページに記載している内容から、実施機関が当該関係者と電話をしたことは本人には明らかになっている。
(ウ) 上記(イ)を踏まえると、本件非開示部分2のうち別表の項番1及び項番2に掲げる情報については、本人へ開示したとしても、今後、関係機関・関係者からの積極的な情報提供がなされなくなり、今後も反復継続される同種の相談業務の円滑な執行に著しい支障を及ぼすおそれがあるとは認められないことから、条例第19条第6号に該当せず、また、別途、本人に開示済みの情報であることから条例第19条第2号ただし書アに該当するため、条例第19条第2号にも該当しない。
(エ) なお、当該情報の開示の可否に係る当審議会の判断は上記のとおりであるから、実施機関は、本件非開示部分2について、条例第19条第2号該当性も主張しているが、上記(イ)を除き当該情報の条例第19条第2号該当性については、判断しない。

ウ  本件非開示部分3の条例第19条第6号該当性について
(ア) 審議会において本件非開示部分3を実際に見分したところ、本件非開示部分3のうち別表の項番3から項番14までに掲げる情報を除いて、確かに、実施機関等による評価、所見等にかかる記述で あり、これを開示すると、相談者との信頼関係が損なわれ、今後の相談業務全般の執行に支障を及ぼすおそれがあることから、条例第19条第6号に該当する。
(イ) しかしながら、本件非開示部分3のうち別表に掲げる情報については、次のとおりであることから、条例第19条第6号には該当しない。
A 項番3について
実施機関が本人のある関係機関における状況について、その関係機関から聞き取った内容が記載されている。
実施機関に確認したところ、開示することで関係機関がこども相談センターに対して必要な情報提供を控える可能性があり、その結果、適切な相談業務に支障がでるおそれがあると主張している。
しかしながら、項番3の情報を開示しても、当該情報が誰からの提供であるのかは記載されておらず、誰から提供されたものであるかは明らかにはならないため、適切な相談業務に支障を及ぼすおそれがあるとは認められない。
B 項番4について 
実施機関が本人の本籍地を関係機関へ問い合わせた事実と本人の本籍地が記載されていることが認められる。
実施機関に確認したところ、こども相談センターの調査内容が開示されると、調査対象者が関係機関にこども相談センターからの調査に回答しないよう要求したり、関係機関が調査協力を拒否したりする等、今後の調査業務の円滑な遂行に支障がでると主張している。
しかしながら、実施機関が本人の本籍地を調査する場合は、当該関係機関へ問い合わせることは十分想定され、また、当該問い合わせは法令に基づくものであることから、今後、当該関係機関が調査協力を拒否することは考えられないため、項番4の情報を開示しても、今後の調査業務の円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは認められない。
C 項番5から項番8までについて
本人の入所先として候補にあがっていた施設名が記載されていることが認められる。
実施機関に確認したところ、実施機関は入所候補施設名を本人や保護者に明らかにしておらず、入所候補施設名が開示されると、本人や保護者が希望施設に入所承諾を求める等、今後の入所措置業務の円滑な遂行に支障がでると主張している。
しかしながら、当該情報が開示されていなくても、保護者が希望施設に入所承諾等を求めることは、一般的に想定されることである。項番5から項番8までの情報を開示しても、今後の入所措置業務の円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは認められない。
D 項番9について
実施機関が作成した児童記録票に記載された本人の世帯状況等の情報である。
実施機関に確認したところ、項番9の情報については、本人や保護者には知らせておらず、守秘義務のもと関係機関で情報共有を行っているが、当該情報が本人や保護者に知られると、関係機関との信頼関係を損ない、支援の実施に支障がでると主張している。
しかしながら、本件各情報の611ページに記載している内容から、項番9の情報については本人には明らかになっていることが認められるため、項番9の情報を開示しても、関係機関との信頼関係を損ない、支援の実施に支障を及ぼすおそれがあるとは認められない。
E 項番10から項番14までについて
実施機関が作成した援助方針会議提出シートに記載された援助方針会議の目的と援助方針会議における決定事項の情報であり、項番10及び項番11については平成26年12月、項番12及び項番13については平成27年2月、項番13については平成27年3月にそれぞれ作成されたものである。
実施機関に確認したところ、項番10及び項番11については、実施機関が本人及び異議申立人の意向に関わらず方針を検討したものであり、項番10及び項番11の情報が開示されると、本人の進路決定を行った平成27年2月よりかなり前である平成26年12月に家庭引き取りの方針を決めていたことが明らかになり、本人及び保護者がこども相談センターに拒否感を抱き、今後の相談支援業務に支障を来す可能性があると主張している。
また、項番12から項番14までについては、開示されると項番10及び項番11の情報が明らかになることから非開示にしたと主張している。
しかしながら、本人の進路決定を行った平成27年2月(本件各情報667ページ)の会議においては、平成26年12月と同じ資料(本件各情報611ページ)を使用していることが認められ、実施機関の方針が平成26年12月から変わっていないことは明らかである。
以上から、項番10から項番13までの情報を開示しても、本人及び保護者がこども相談センターに拒否感を抱き、今後の相談支援業務に支障を及ぼすおそれがあるとは認められない。
(ウ) 上記(イ)で述べたとおり、本件非開示部分3のうち別表の項番3から項番14までに掲げる情報については、本人へ開示したとしても、支援の実施及び今後の調査・入所措置・相談支援業務等に支障を及ぼすおそれがあるとは認められないことから、条例第19条第6号に該当しない。

答申第138号

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