ページの先頭です

答申第149号

2019年9月9日

ページ番号:590299

概要

(1)開示請求の内容

本人及びその家族が作成し、実施機関へ提出した手紙・要望書・資料並びに関係機関が本人及びその家族からのいじめの申立てに関して作成した報告・記録・メモ等の開示を求める請求(以下「本件請求」という。)がありました。

(2)実施機関(=大阪市教育委員会)の決定

実施機関は、本件請求に係る保有個人情報を、答申第149号の別表1に掲げる文書に記載された情報(以下「本件情報」という。)と特定した上で、大阪市個人情報保護条例(平成7年大阪市条例第11号。以下「条例」という。)第23条第1項に基づき、「個人の氏名、生年月日、住所、性別及び続柄」・「個人の主観、主張及び自己評価」(以下「本件非開示部分1」という。)を条例第19条2号に該当するとして、「関係機関との協議やケース会議の内容」(以下「本件非開示部分2」という。)を条例第19条6号に該当するとして、「要保護児童対策地域協議会における検討・協議の情報」(以下「本件非開示部分3」といい、本件非開示部分1から本件非開示部分3までをあわせて「本件各非開示部分」という。)を条例第19条8号に該当するとして、本件決定を行いました。

(3)審査請求の内容

本件各非開示部分の開示を求めて、異議申立てがありました。

(4)答申の結論

実施機関が、開示しないこととした本件各非開示部分のうち、答申第149号の別表2及び別表3に掲げる部分を開示すべきである。

(5)答申のポイント

審議会は次のとおり判断しています。

ア 本件非開示部分1の条例第19条第2号該当性について

(ア) 本件非開示部分1のうち答申第149号の別表2に掲げる情報を除く情報については、本人以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより、本人以外の特定の個人を識別することができるもの又は本人以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお当該個人の権利利益を害するおそれがあるものと認められることから、条例第19条第2号本文に該当し、またその性質上、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。

(イ) 本件非開示部分1のうち答申第149号の別表2に掲げる情報については、次のとおりである。

A 項番1、2、5、6及び21について

本人、家庭と学校の間で相互に情報交換を行うために本人が学校へ持参する連絡帳に記載されている情報又は当該情報と同じ内容の情報であった。

B 項番3、8、13、16、17及び25について

本人がその場にいた際の、本人以外の個人の行動に係る情報であった。

C 項番4、7、11、12、14、18、19、22、24及び26から29までについて

本件決定で本人に開示されている情報から了知できる情報であった。

D 項番9、10及び15について

本人を申立人とした申立人代理人からの照会を受け、大阪市立A小学校が作成した報告書に記載された情報であった。

E 項番20について

本人の保護者の住所及び氏名であった。

F 項番23について

大阪市立A小学校の職員が本人から聴き取った情報であった。

(ウ) 本件非開示部分1のうち答申第149号の別表2に掲げる情報については、本人以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより、本人以外の特定の個人を識別することができるもの又は本人以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお当該個人の権利利益を害するおそれがあるものと認められるが、上記(イ)のAからFまでを踏まえると、本人であれば知り得る情報であることから、条例第19号第2号ただし書アに該当する。

よって、条例第19条第2号には該当しない。

イ 本件非開示部分2の条例第19条第6号該当性について

(ア) 実施機関に確認したところ、関係機関への相談に係り実施機関が、本人や本人保護者についての個別具体的な意見や相談、評価や方針を率直に表明・記載したものであり、必ずしも本人や本人保護者が当該意見や相談、評価や方針について納得するとは限らず、実施機関や関係機関に対して感情的に反発したり、無用な誤解を招いたりするといった事態が生じることが考えられ、その結果実施機関と本人及び本人保護者との信頼関係を著しく損ない、相互の信頼関係の下で適切に行われるべき相談業務や支援業務の適切かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとのことであった。

また、大阪市立A小学校における本人、本人保護者及び関係機関等との対応経過が記載されている情報については、関係機関と協議していることや相談回数を本人に知られると本人及び本人保護者の不安が高まり、学校及び関係機関による本人への安全確保や安全確認に支障を及ぼすおそれがあるとのことであった。

(イ) 本件情報は本人及び本人の保護者からのいじめの申立てに係る情報であり、当審議会で本件情報を実際に見分したところ、当該事案への実施機関の対応については、本人及び本人保護者と実施機関の間で事案への認識の差異がある等のすれ違いが生じており、双方が本人への対応内容について合意している状況になかったことが認められ、また、本件決定時点においては、本人は大阪市立A小学校に在籍しており、実施機関による本人への相談業務や支援業務は継続していたものと考えられる。

本件非開示部分2を実際に見分したところ、本件非開示部分2のうち答申第149号の別表3に掲げる情報を除いて、実施機関が本人への学校現場での対応に関し弁護士、スクールソーシャルワーカー及び第三者専門家チーム(以下「各専門機関」という。)へ相談した内容、当該相談に係り助言を受けた内容並びに関係機関との対応の経過が記載されており、これらの情報は必ずしも本人又は本人保護者の希望に沿ったものであったとは限らず、実施機関の意向と本人又は本人保護者の意向とが合致しなかったことも十分想定できる。

以上を踏まえ検討するに、本件非開示部分2のうち答申第149号の別表3に掲げる情報を除いた情報は、実施機関による評価、所見及び各専門機関の助言等に係る記述であるところ、上記のとおり、本人及び本人保護者と実施機関の関係は複雑化していたと考えられ、そのような状況下でこれらを開示すると、本人が実施機関に不信感を抱いたり、本人及び本人保護者の不安が高まったであろうことは相当程度予想される。

そうすると、本人及び本人保護者と実施機関において、本来問題解決に向けて双方で建設的な協議がされるべきであったところ、それが期待できなくなり、本件決定時点におけるその後の本人への相談業務・支援業務の遂行に支障を及ぼす相当の蓋然性があったと認められる。

よって、条例第19条第6号に該当する。

(ウ) しかしながら、本件非開示部分2のうち答申第149号の別表3に掲げる情報については、次のとおりである。

A 項番1について

本人が了知していた本人の心身に係る情報及び通学状況に係る客観的な事実が記録されている情報であった。

B 項番2及び3について 

実施機関が各専門機関に相談するにあたって、相談事案の経過が記載されているが、これらの情報は本件決定により開示した他の情報により既に本人に開示されていた情報であった。

C 項番4について

大阪市立A小学校における本人、本人保護者及び関係機関等への対応内容が記載されているが、本件決定により開示した他の情報により大阪市立A小学校が関係機関とやり取りしていることは開示されていたことが認められる。

また、大阪市立A小学校におけるいじめ事案に学校として対応した客観的事実が記録されている情報であり、項番4の情報はいずれも本人が了知していた情報であった。

D 上記AからCまでを踏まえると、本件非開示部分2のうち答申第149号の別表3に掲げる情報については、本人へ開示したとしても、本件決定時点におけるその後の本人への相談・支援業務の遂行に支障を及ぼす相当の蓋然性は認められないことから、条例第19条第6号に該当しない。

ウ 本件非開示部分3の条例第19条第8号該当性について

要保護児童対策協議会は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第25条により要保護児童の適切な保護を図るために必要な情報の交換を行うとともに、要保護児童等に対する支援の内容に関する協議を行うものとされており、同法第25条の5により、当該協議会の構成員に対する守秘義務が課せられている。

審議会において本件非開示部分3を実際に見分したところ、要保護児童対策協議会における検討・協議に係る情報が記載されていることが認められた。実施機関は当該協議会の構成員であり、当該協議会における検討・協議に係る情報は実施機関が職務に関して知り得た情報であり、守秘義務が課せられている情報にあたる。

したがって、本件非開示部分3は、条例第19条第8号に該当する。

答申第149号

Adobe Acrobat Reader DCのダウンロード(無償)別ウィンドウで開く
PDFファイルを閲覧できない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Acrobat Reader DC をダウンロード(無償)してください。

探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先

大阪市 総務局行政部行政課情報公開グループ

住所:〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所1階)

電話:06-6208-9825

ファックス:06-6227-4033

メール送信フォーム