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答申第161号

2019年9月9日

ページ番号:590665

概要

(1)開示請求の内容

「平野区のぼくのせいかつほごの平成31年4月分~令和2年2月4日分までのケース記録票」の開示を求める旨の請求(以下「本件請求1」という。)、「大阪市平野区のぼくのせいかつほごの令和2年2月~令和2年4月21日までのケース記録票」の開示を求める旨の請求(以下「本件請求2」という。)、「大阪市平野区のぼくのせいかつほごの令和2年4月22~令和2年5月22日までのケース記録票」の開示を求める旨の請求(以下「本件請求3」という。)及び「大阪市平野区のぼくのせいかつほごの令和2年5月22日~令和2年10月5日までのケース記録票」の開示を求める旨の請求(以下「本件請求4」といい、本件請求1から4をあわせて「本件各請求」という。)がありました。

(2)実施機関(=大阪市長)の決定

実施機関は、本件各請求に係る保有個人情報を「ケース記録票」(なお、本件請求1は「令和元年6月14日から令和2年1月29日まで」、本件請求2は「令和2年2月から令和2年4月21日まで」、本件請求3は、「令和2年4月22日から令和2年5月22日まで」、本件請求4は「令和2年5月22日から令和2年10月5日まで」の各期間のもの。)と特定した上で、大阪市個人情報保護条例(平成7年大阪市条例第11号。以下「条例」という。)第23条第1項に基づき、本件請求1から3については、「実施機関の開示請求者に対する評価及び所見並びに援助方針」(以下「本件非開示部分1」という。)を、本件各請求については、「関係機関に関する情報及び提供された情報」(以下「本件非開示部分2」という。)を条例第19条第6号に該当することを理由に、本件各請求に対してそれぞれ部分開示決定(本件請求1に対する決定を「本件決定1」、本件請求2に対する決定を「本件決定2」、本件請求3に対する決定を「本件決定3」、本件請求4に対する決定を「本件決定4」といい、本件決定1から4をあわせて「本件各決定」という。)を行いました。

(3)審査請求の内容

本件各決定の取消しを求めて、審査請求がありました。

(4)答申の結論

実施機関が行った本件決定1は、妥当である。

実施機関が、本件決定2で開示しないこととした部分のうち、答申第161号の別表1及び別表2に掲げる部分を開示すべきであり、その余の部分は妥当である。

実施機関が、本件決定3で開示しないこととした部分のうち、答申第161号の別表1に掲げる部分を開示すべきであり、その余の部分は妥当である。

実施機関が行った本件決定4は、妥当である。

(5)答申のポイント

審議会は次のとおり判断しています。

ア 本件非開示部分1の条例第19条第6号該当性について

(ア) 本件非開示部分1について実施機関に確認したところ、生活保護制度においては、被保護者とケースワーカー等との良好な人間関係を構築した上で、被保護者の自立を支援していくことが重要であり、そのため、ケースワーカー等は、ケースワークの援助技術として受容的な態度で指導を行う一方で、被保護者(世帯)の実情を正確に把握し、それをもとに処遇方針を定めて保護決定を行う必要がある。そのため、ケースワーカー等は、被保護者に対する評価等をケース記録票等に率直に記録するものである以上、当該記録は被保護者自身の所感と異なる場合もあり得ることから、本件非開示部分1を被保護者に開示した場合、被保護者に無用の不信感や感情的な反発を生じさせることになり、事務の性質上、被保護者に対する支援のみならず、将来の生活保護事務全般の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとのことであった。

(イ) これに鑑みれば、本件非開示部分1のうち答申第161号の別表1に掲げる情報を除いた部分は、ケースワーカーが審査請求人に対する生活保護の実施に関し適正な判断を行うために、審査請求人に対する評価及び所見を率直に記録しており、これを開示すると、審査請求人が実施機関に不信感を抱き、今後の生活保護事務の適正な遂行に支障を及ぼす相当の蓋然性が認められることから、条例第19条第6号に該当する。

(ウ) しかしながら、本件非開示部分1のうち答申第161号の別表1に掲げる情報については、次のとおりである。

A 項番1について

審査請求人に関する今後の対応について本人に告知済みの情報であった。

B 項番2、項番4、項番7及び項番10について

審査請求人が行った大阪市行政手続条例(平成7年条例第10号)第35条に基づく申出に係る事務処理経過に関する記載であり、通常取られる対応経過が記録されている情報であった。

C 項番3、項番8について

審査請求人が発言した内容が記録されている情報であった。

D 項番5、項番13乃至項番17について

審査請求人と実施機関との窓口での対応記録であり、本人も了知している事項が記録されている情報であった。

E 項番6について

既に審査請求人に開示されている情報と重複した内容が記録されている情報であった。

F 項番9について

審査請求人から提出された書類の内容と当該書類に対し通常取られる事務処理が記録されている情報であった。

G 項番11及び項番12について

組織内部で方針を決める際に通常行われる事務手順と担当者の職名が記録されている情報であった。

(エ) 上記(ウ)のAからGまでを踏まえると、本件非開示部分1のうち答申第161号の別表1に掲げる情報については、審査請求人に開示したとしても、実施機関と審査請求人との間の信頼関係が損なわれ、生活保護事務の適正な遂行に支障が生じるおそれがあるとは認められないことから、条例第19条第6号に該当しない。

イ 本件非開示部分2の条例第19条第6号該当性について

(ア) 本件非開示部分2について、実施機関に確認したところ、実施機関が関係機関から収集した情報については、関係機関と連携していることを審査請求人に伝えていないため、本人の意に反する内容が含まれていた場合、審査請求人との間の信頼関係が損なわれて生活保護事務の適正な遂行に支障を生じるおそれがある。仮にこれが開示されることになれば、情報提供を行った関係機関が本人から抗議を受け、情報提供に非協力的ないし消極的となって、その結果、実施機関での正確な事実の把握が困難になるおそれがあること、また、本人の感情や反応を考慮するあまり、実施機関が関係機関から提供を受けた情報を簡略化して記録することになりケース記録票等の内容が形骸化するおそれがあることから、生活保護事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとのことであった。

(イ) これに鑑みれば、本件非開示部分2のうち答申第161号の別表2に掲げる情報を除いた部分は、審査請求人に係る生活保護事務の適正な遂行のために関係機関と協議ややり取りをした経過、関係機関やその他第三者から収集した情報が記録されていることから、当該非開示部分が開示されることとなると、実施機関は関係機関と連携していることを審査請求人に伝えていないため、実施機関と審査請求人との間の信頼関係が損なわれたり、また、今後、関係機関等が実施機関への情報提供に消極的となって、その結果、実施機関での正確な事実の把握が困難になり、必要な情報が十分に得られなくなるおそれがあるとともに、本人の感情や反応を考慮してケース記録票等の記録内容を簡略化・定型化することが予想され、生活保護事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められることから、条例第19条第6号に該当する。

(ウ) しかしながら、本件非開示部分2のうち答申第161号の別表2に掲げる情報については、次のとおりである。

A 項番1について

関係機関との間で実施機関が一般的に依頼している事務処理の確認をした内容が記録されている情報であった。

B 項番2について

書類の提出に関する対応記録であり、本人も了知している事項が記録されている情報であった。

(エ) 上記(ウ)のA及びBを踏まえると、本件非開示部分2のうち答申第161号の別表2に掲げる情報については、審査請求人に開示したとしても、実施機関と審査請求人との間の信頼関係が損なわれ、生活保護事務の適正な遂行に支障が生じるおそれがあるとは認められないことから、条例第19条第6号に該当しない。

答申第161号

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