答申第525号
2025年2月14日
ページ番号:598069
概要
(1)公開請求の内容
(2)実施機関(=大阪市教育委員会)の決定
(3)審査請求の内容
(4)答申の結論
(5)答申のポイント
審査会は、次の理由により、上記(4)のとおり判断しています。
ア 本件決定の相当性について
教育委員会会議で議決された移管計画の内容を見分すれば、当該移管の対象となる各学校(以下「対象学校」という。)については基本的に現状のまま移管することとし、工業系高校に関しては、移管前に大阪市において策定した再編整備計画に基づき、3校について再編整備を行い、移管後に新工業系高校を開設するものであるとされていたことが認められる。そして、この内容を前提とすれば、実施機関が、市立の高等学校等で学ぶ生徒にとっては、今回の移管計画によって教育の内容や教育環境に大きな変更が生ずる性質のものではないと認識していたとしても、特段、不自然、不合理ではないものと認められる。
したがって、子どもの権利条約第3条及び第12条に基づく生徒の最善の利益の考慮や、生徒に自由に自己の意見を表明する権利を確保する必要性はないと考え、そのような取扱いを行わなかったことから、審査請求人の請求に係る公文書は存在しないとする実施機関の説明には、特段、不自然、不合理な点は認められない。
なお、審査請求人の請求書、意見書、口頭意見陳述における主張に照らせば、同人は、市立の高等学校等で学ぶ生徒にとっては今回の移管計画により教育の内容や教育環境に大きな変更が生ずる性質のものではないとする実施機関の認識が事実と合致しているか否かについて、審査会の判断を求め、対象となる公文書の存否に付いて調査を求めているものと解される。しかしながら、公文書の公開の当否を審議する審査会においては、対象となる公文書を作成していないとする実施機関の主張に不自然、不合理な点があるか否かを判断するために必要な限度で実施機関がどのような認識を有していたのかを判断したものであって、当該認識が事実と合致しているかについては審査会において判断する立場になく、また、実施機関の主張に不自然、不合理な点があるか否かを判断するために必要な限度を超えて、公文書を探索する等、強制的な調査を行う立場にもない。
イ 本件決定の理由について
本件決定の理由には、大阪市立の高等学校等の移管については、大阪市会及び大阪府議会において、関連条例の改正案が可決されたことにより決定したことが記載されている。
また、この間、府内中学校の進路指導担当者対象の入学者選抜に関する説明会、在校生の保護者向けに文書送付による周知などにより、丁寧な説明を行ってきたとの記載があるが、この記載については、子どもの権利条約第3条及び第12条の規定は適用されないものの、審査請求人が主張する、「児童の最善の利益が主として考慮される」「自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する」に対する配慮として、大阪市立の高等学校等の移管については、府内中学校の進路指導担当者や生徒の保護者等を通じて生徒の理解が得られるよう最大限努めてきたことを審査請求人に説明するものと解することが可能である。
以上の点を踏まえると、本件決定に付された理由は、必ずしも明確ではないが、誤りがあるものではなく、また、本件決定につき、条例第10条第2項に基づいて不存在とした根拠が審査請求人に了知しえないものとまでは言えない。
したがって、本件決定を違法とするまでの理由付記の違法性、不当性は認められない。
答申第525号
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