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答申第178号

2019年9月9日

ページ番号:605491

概要

(1)開示請求の内容

答申第178号の別表1(以下、単に「別表1」といいます。)項番1から項番7までの(え)欄に記載の保有個人情報の開示請求(以下「本件各請求」といいます。)がありました。

(2)実施機関(=大阪市長)の決定

実施機関は、本件各請求のうち個人情報を保有していると判断したものについては、別表1項番1、2及び4から7までの(か)欄に記載の保有個人情報を特定した上で、開示しない部分がある情報については当該部分及び開示しない理由を別表1項番1、2、4から6までの(き)欄に記載のとおり付して改正前の大阪市個人情報保護条例(平成7年大阪市条例第11号。以下「条例」といいます。)第23条第1項に基づき同項の(お)欄に記載の部分開示決定を、全部を開示できる情報については別表1項番7の(き)欄に記載の情報を条例第23条第1項に基づき同項の(お)欄に記載の開示決定を行った。

また、本件各請求のうち個人情報を保有していないと判断したものについては、保有していない理由を別表1項番3の(き)欄に記載のとおり付して条例第23条第2項に基づき同項の(お)欄に記載の不存在による非開示決定(以下、別表1(お)欄に記載の決定を項番順に「本件決定1」から「本件決定7」といい、あわせて「本件各決定」といいます。)を行った。

なお、実施機関は、本件決定1、2及び4から6までについて、別表1項番1、2及び4から6までの(く)欄に記載の情報を非開示とした決定を取り消し、新たに開示する旨の変更決定(以下「本件変更決定」といいます。)を行った。

(3)審査請求の内容

本件各決定の取消しを求めて、それぞれ審査請求(以下、順に「本件審査請求1」から「本件審査請求7」といいます。)がありました。

(4)答申の結論

実施機関が行った本件各決定のうち、本件決定1(令和3年6月18日付け大淀保福第327号による変更開示決定により取り消された部分を除く。)、3及び7は妥当である。ただし、本件決定1のうち別表1項番1の(く)欄に記載された情報に係る審査請求は却下すべきである。

本件決定2については答申第178号の別表2(以下、単に「別表2」といいます。)に掲げる部分を開示すべきであり、また、別表1項番2の(く)欄に記載された情報に係る審査請求は却下すべきであり、その余の部分は妥当である。

本件決定4から6までについては別表2及び答申第178号の別表3(以下、単に「別表3」といいます。)に掲げる部分を開示すべきであり、また、別表1項番4から6までの(く)欄に記載された情報に係る審査請求は却下すべきであり、その余の部分は妥当である。

(5)答申のポイント

審議会は次のとおり判断しています。

ア 本件各請求において実施機関が保有個人情報として特定した情報が記載された文書及び本件各決定における非開示部分(本件変更決定により開示された部分を除く。)の条例第19条第2号及び第6号該当性については次のとおりである。

(ア) 実施機関が条例第19条第6号に該当する旨主張している非開示部分(以下「本件非開示部分1」という。)のうち、別表2に掲げる情報を除く部分については、関係機関から提供された情報、関係者から聴き取った関係機関の職員の評価を伴う情報及び実施機関における虐待対応方針に係る情報であることが認められる。

関係機関から提供された情報及び関係者から聴き取った関係機関の職員の評価を伴う情報を開示すると、虐待通報者が特定されることにより養護者が攻撃的な行動に出る等通報者に不利益が生じるおそれがあり、また、対象者等(虐待をしている疑いがある者)との衝突等や不信をおそれて報告が形骸化する、特定をおそれて虐待通報を躊躇する等、実施機関が適時に高齢者虐待を把握し、適切に対応することが困難となり、虐待対応業務の適正な遂行に支障を及ぼす相当の蓋然性があると認められる。さらに、虐待対応方針に係る情報を開示すると、実施機関が高齢者虐待通報に対してどのような情報をもとにどのように対応をするのかを推測する一端ともなり、虐待の発覚を免れるための予防措置を講じられる等、将来の虐待対応業務の適正な遂行に支障を及ぼす相当の蓋然性があると認められる。

したがって本件非開示部分1のうち、別表2に掲げる情報を除く部分は条例第19条第6号に該当する。

(イ) 本件非開示部分1のうち別表2に掲げる情報については、次のとおりである。

A 項番1について

本件虐待案件に係る客観的な事実経過や実施機関の対応経過等の記録であり、虐待通報者が特定される情報や実施機関の虐待対応方針に係る情報であるとは認められない。

B 項番2について

実施機関が虐待対応業務において連携することが容易に推測できる関係機関との事務的な連絡内容であることが認められる。

C 項番3について

本件各決定で開示されている情報、実施機関が審査請求人に伝えた内容及び審査請求人が申述した内容等の審査請求人が了知している情報であることが認められる。

D 項番4について

本件虐待案件に係る弁護士等による専門相談の際の相談内容の要旨及び成年後見申立に係る後見人の選任に係る情報であるが、虐待対応に係り通常想定されるような相談事項及び虐待対応に係る一般的な手続の情報であると認められる。

(ウ) 上記(イ)AからDまでを踏まえると、別表2に掲げる情報については、審査請求人に開示したとしても、実施機関の主張する本件虐待案件に係る虐待対応事務若しくは将来の同種の事務に支障が生じるおそれがあるとは認められない。

(エ) 上記(ア)乃至(ウ)により、本件非開示部分1のうち別表2に掲げる情報については条例第19条第6号に該当せず、別表2に掲げる情報を除いた部分については条例第19条第6号に該当する。

(オ) 実施機関が条例第19条第2号に該当すると主張している部分(以下「本件非開示部分2」という。)について審議会で見分したところ、別表3に掲げる情報を除く部分については、審査請求人以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより、審査請求人以外の特定の個人を識別することができるものと認められることから、条例第19条第2号本文に該当する。

(カ) 本件非開示部分2のうち別表3に掲げる情報については、当該部分を開示したとしても特定の個人を識別することができる情報とは認められない。

(キ) 上記(オ)及び(カ)より、本件非開示部分2のうち別表3に掲げる情報については条例第19条第2号に該当せず、別表3に掲げる情報を除いた部分については条例第19条第2号に該当する。

イ 本件変更決定において取り消した部分に係る審査請求の利益の有無について

本件決定1、2及び4から6までについては、本件変更決定により取り消されていることが認められる。

したがって、本件審査請求1、2及び4から6までのうち、別表1項番1、2及び4から6までの(く)欄に記載の情報の開示を求める審査請求は本件変更決定により当該情報を非開示とする決定が取り消されていることから、審査請求の利益を欠く不適法なものであり、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第45条第1項に基づき却下すべきである。

ウ 本件審査請求3について

実施機関は、虐待の事実を確認するために生活の場である家屋内に立ち入ることもあるが、本件虐待案件については一度も実施機関の職員が家屋内に立ち入っていないことから、「家(住居内)の写真」に該当する公文書をそもそも作成又は取得していない旨主張している。

また、審議会において本件各決定に係る対象情報を確認したところ、実施機関の主張のとおり、本件虐待案件について実施機関の職員が家屋内に立ち入っている記録はなく、また関係機関から入手している記録も確認できなかった。

審査請求人は、本件請求3に係る保有個人情報が存在するはずであるとする主張の根拠を提出せず、また、実施機関の上記主張を覆すに足る事実も認められないことから、実施機関が行った本件決定3に不自然不合理な点は認められず、妥当である。

エ 本件審査請求7について

実施機関は、審査請求人の家族についての情報として「住民票の写し」を、家の土地の状態及び土地の価額に係る情報として「全部事項証明書(土地)」を、審査請求人及び審査請求人の家族に係る情報として「審査請求人から送付された文書3通」を特定している。

審査請求人は、審査請求人の家の土地は合計5筆で一体の土地であり、実施機関は審査請求人の家の土地5筆すべての全部事項証明書を保有しているはずであるのに、1筆分、つまり一部の土地の全部事項証明書しか開示していない旨を主張している。

実施機関によれば、土地の調査に当たっては、審査請求人の母等からのヒアリングやこれまでの対応業務により把握している範囲で調査しており、実施機関において審査請求人の母が所有する土地について知り得た情報は本件決定7で特定した「全部事項証明書(土地)」に記載された1筆分であり、その他の土地については所有していることを把握していないとのことである。

審議会において、「成年後見開始の申立書」に添付されている財産目録を確認したところ、審査請求人の母が所有している土地として本件決定7で特定した1筆分のみの土地に係る記載があり、実施機関が審査請求人の家の土地として当該1筆分を把握していたとする主張に不自然不合理な点は認められない。

また、実施機関が本件決定7で特定した全部事項証明書に記載された土地以外について把握していたはずであるとする審査請求人の主張の根拠も確認できない。

よって、本件決定7は妥当である。

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