ページの先頭です

答申第179号

2019年9月9日

ページ番号:605492

概要

(1)開示請求の内容

「小学校側からこども相談センターに渡された子供の情報に関する一切のもの 平成31年4月1日以降分」の開示を求める旨の開示請求(以下「本件請求」といいます。)がありました。

(2)実施機関(=教育委員会)の決定

実施機関は、本件請求に係る保有個人情報を「大阪市立〇〇小学校作成文書『〇―〇A 2019.1学期の経過』」、「大阪市立〇〇小学校作成文書『令和元年6月17日 B養教より』」、「大阪市立〇〇小学校作成文書『8月27日から9月27日の経過』」、「大阪市立〇〇小学校作成文書『〇年〇組A 2学期の記録(養護日誌抜粋)』」、「大阪市立〇〇小学校作成文書『A 9/17~20の状況』」、「大阪市立〇〇小学校作成文書『本人から虐待ホットラインに電話し、初めて子相がA宅を訪問した経緯について』」及び「大阪市立〇〇小学校作成文書『令和元年9月24日(火)A(学校で)』」(以下「本件情報」といいます。)と特定した上で、改正前の大阪市個人情報保護条例(平成7年大阪市条例第11号。以下「条例」といいます。) 第23条第1項に基づき、「当該児童への虐待に関する発言、記述」(以下「本件非開示部分1」といいます。)を条例第19条第1号に該当することを理由に、「開示請求者以外の個人の氏名」(以下「本件非開示部分2」といいます。)及び「開示請求者以外の個人の主観、評価に関する発言」(以下「本件非開示部分3」といいます。)を条例第19条第2号に該当することを理由に、「諸機関との協議内容」(以下「本件非開示部分4」といいます。)を条例第19条第6号に該当することを理由に、部分開示決定(以下「本件決定」といいます。)を行いました。

(3)審査請求の内容

本件決定の取消しを求めて、審査請求がありました。

(4)答申の結論

実施機関が行った本件決定で開示しないこととした部分のうち、答申第179号の別表1乃至別表3(以下、単に「別表1」、「別表2」、「別表3」といいます。)に掲げる部分を開示すべきであり、その余の部分は妥当である。

(5)答申のポイント

審議会は次のとおり判断しています。

ア 本件非開示部分1の条例第19条第1号該当性について

本件非開示部分1について審議会で見分したところ、本人児童の母から本人児童への虐待に関する発言等を記述したものであることが認められる。本件請求は本人児童の母が、未成年者である本人児童の法定代理人として行ったものであるところ、実施機関はその意見書の中で審査請求人が本件非開示部分1について把握しているとは認知できないと主張しているが、実施機関がここで言う「審査請求人」は法定代理人である母のことを指しているものと解される。審議会では、その解釈の下、以下、母に対して本件記述を開示することにより、当該本人児童の生命等を害するおそれがあるか検討する。

本件審査請求では、審査請求人は、学校からこども相談センターに報告されたような虐待の事実はないと主張し、実施機関による虐待の認定や本人児童及び母に対する対応について様々な主張を行っているが、審議会は、実施機関が行った保有個人情報開示請求に対する開示決定等の妥当性について調査、審議する機関であり、虐待事実の有無や実施機関による児童虐待認定や処遇方針の適否を判断する立場にはない。したがって、開示決定等の妥当性の判断を行うに当たっては、実施機関が本件請求時点で母の本人児童に対する虐待があったものと認定していた状況を前提として行わざるを得ない。

よって、母が虐待に関する本人児童の新たな事実を知ることによって、更なる虐待を生むおそれがあり、本人児童に深刻な問題を引き起こす可能性があるとする実施機関の主張は首肯でき、当該新たな事実を含む情報について、これを母に開示することは、本人児童の権利利益を侵害するおそれがあるものと認められる。

しかし、実施機関によれば、本件決定とは別に実施機関から母に情報提供した文書があるとのことである。当該文書を審議会で見分したところ、別表1に掲げる情報については、当該文書に同様の記載がなされていると認められることから、これを開示することで母は虐待に関する本人児童の新たな事実を知ることになるとは認められず、本人児童の生命、身体、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報に当たらない。本件非開示部分1のうち、別表1に掲げる情報を除いた部分については虐待に関する情報であり、母が知っている事実であると認めるに足る事情も見受けられない。

したがって、本件非開示部分1のうち別表1に掲げる情報については条例第19条第1号に該当せず、別表1に掲げる情報を除いた部分については条例第19条第1号に該当する。

イ 本件非開示部分2の条例第19条第2号該当性について

(ア) 本件非開示部分2について審議会で見分したところ、別表2に掲げる情報については、審査請求人以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより審査請求人以外の特定の個人を識別することができるものと認められることから、条例第19条第2号本文に該当する。

しかし、別表2に掲げる情報については、次のとおり、慣行として審査請求人が知ることができ、又は知ることが予定されている情報であることから、条例第19条第2号ただし書アに該当する。

(ア)A 項番1、5、7、11、12、13、17、19、23、26、27及び28について

母が情報提供を受けた文書を審議会で見分したところ、同様の記載がなされていると認められる。

(イ)B 項番2、3、4、6、8、9、10、14、15、16、18、20、21、22、24及び25について

本人児童と一緒にいた者の名であり、当然に審査請求人が知っている情報であると認められる。

(イ) 本件非開示部分2のうち別表2に掲げる情報を除いた部分については、審査請求人以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより審査請求人以外の特定の個人を識別することができるものと認められることから、条例第19条第2号本文に該当し、またその性質上、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。

(ウ) 上記ア及びイより、本件非開示部分2のうち別表2に掲げる情報については条例第19条第2号に該当せず、別表2に掲げる情報を除いた部分については条例第19条第2号に該当する。

ウ 本件非開示部分3の条例第19条第2号該当性について

本件非開示部分3について審議会で見分したところ、審査請求人の関係者から聞き取った内容が記載されており、審査請求人以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより、審査請求人以外の特定の個人を識別することができるもの又は審査請求人以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお当該個人の権利利益を害するおそれがあるものと認められることから、条例第19条第2号本文に該当し、またその性質上、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。

したがって、本件非開示部分3については条例第19条第2号に該当する。

エ 本件非開示部分4の条例第19条第6号該当性について

本件非開示部分4について実施機関は、当該情報を開示することにより、個人の評価、診断、判定、相談、選考等に係る事務に関し、当該事務若しくは将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、又はこれらの事務の公正若しくは円滑な遂行に支障が生じるおそれがあると主張しているが、母が情報提供を受けた文書を審議会で見分したところ、別表3に掲げる情報については、母が情報提供を受けた文書に同様の記載がなされていると認められることから、これを開示することで個人の評価、診断、判定、相談、選考等に係る事務の公正若しくは円滑な遂行に支障が生じるおそれがあると認められない。

本件非開示部分4のうち、別表3に掲げる情報を除いた部分については、実施機関が当該本人児童に関して関係諸機関と協議した内容及び対応方針が記載されており、これらの情報を開示すると、関係諸機関からどのような情報を取得し、どのような協議を行っているかが明らかになるほか、実施機関がどのような点について、どのような協議を行い、その結果どのような方針を決定したのかという、児童虐待の判断の内容が明らかになる。それにより、児童虐待に関してどのような情報をもとにどのように対応をするのかを推測する一端となり、虐待の発覚を免れるための予防措置を講じられる等、将来の虐待対応業務の適正な遂行に支障を及ぼす相当の蓋然性があると認められる。

したがって、本件非開示部分4のうち別表3に掲げる情報については条例第19条第6号に該当せず、別表3に掲げる情報を除いた部分については条例第19条第6号に該当する。

答申第179号

Adobe Acrobat Reader DCのダウンロード(無償)別ウィンドウで開く
PDFファイルを閲覧できない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Acrobat Reader DC をダウンロード(無償)してください。

探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先

大阪市 総務局行政部行政課情報公開グループ

住所:〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所1階)

電話:06-6208-9825

ファックス:06-6227-4033

メール送信フォーム