ページの先頭です

答申第209号

2019年9月9日

ページ番号:622727

大個審答申第209
令和6年3月29

大阪市長 横山 英幸 様

大阪市個人情報保護審議会
会長 金井 美智子

答申書

 大阪市個人情報の保護に関する法律の施行等に関する条例(令和5年大阪市条例第5号)附則第3項の規定によりなお従前の例によることとされた同条例による改正前の大阪市個人情報保護条例(平成7年大阪市条例第11号。以下「旧条例」という。)第45条に基づき、大阪市長(以下「実施機関」という。)から令和4年7月6日付け大東住保護第358号により諮問のありました件について、次のとおり答申いたします。

第1 審議会の結論
 実施機関が令和4年5月23日付け大東住保護第168号により行った不存在による非開示決定(以下「本件決定」という。)は、妥当である。

第2 審査請求に至る経過
1 開示請求
 審査請求人は、令和4年5月11日に、旧条例第17条第1項に基づき、実施機関に対し、「2012年の8月に当時東住吉区役所の職員の〇〇係員が私を〇〇の〇〇医院(もしくはクリニック)へ連れて行くに至った経緯の分かるもの」の開示を求める開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。
2 本件決定
 実施機関は、本件請求に係る保有個人情報を保有していない理由を次のとおり付して、旧条例第23条第2項に基づき、本件決定を行った。

 当区役所保護課において保有している開示請求人にかかる公文書には、請求内容に合致する記載がなかったことから、当該公文書をそもそも作成又は取得しておらず、実際に存在しないため。
3 審査請求
 審査請求人は、令和4年6月7日に本件決定を不服として、実施機関に対して、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。

第3 審査請求人の主張
 審査請求人の主張は、おおむね次のとおりである。
 本件決定を取り消し、開示決定を求める。
 2012年8月に当時東住吉区役所の職員の〇〇係員が私を〇〇の〇〇医院(もしくはクリニック)へ連れて行かれた。
 その後年金が二級から一級に変更された。から記録があるはずだ。

第4 実施機関の主張
1 本市における生活保護制度について
 生活保護法は日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としている。なお、生活保護の要否、種類、程度及び方法の通知については、生活保護法24条第5項にて「申請のあつた日から14日以内にしなければならない」と定められている。
2 本件情報について
 審査請求人は、「2012年8月に当時東住吉区役所の職員の〇〇係員が私を〇〇の〇〇医院(もしくはクリニック)へ連れていかれた。その後年金が2級から1級に変更された。記録されているはず。」と主張している。しかしながら、東住吉区役所保護課において保有する開示請求人にかかるすべての記録を点検したところ、請求内容に係る記録は存在しなかった。また、当時の情報を知るものも存在しなかった。

第5 審議会の判断
1 基本的な考え方
 旧条例の基本的な理念は、第1条が定めるように、市民に実施機関が保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める具体的な権利を保障し、個人情報の適正な取扱いに関し必要な事項を定めることによって、市民の基本的人権を擁護し、市政の適正かつ円滑な運営を図ることにある。したがって、旧条例の解釈及び運用は、第3条が明記するように、個人情報の開示、訂正及び利用停止を請求する市民の権利を十分に尊重する見地から行わなければならない。
2 争点
 実施機関は、本件各情報が存在しないとして本件決定を行ったのに対して、審査請求人は本件情報が存在するはずだと主張し、本件情報の開示を求めて争っている。
 したがって、本件審査請求の争点は、本件情報の存否である。
3 本件保有個人情報の存否について
 審査請求人は、〇〇係員が2012年8月に〇〇医院(もしくはクリニック)に連れて行ったと主張しているが、事務局職員をして実施機関に確認させたところ、当時〇〇係員は実施機関の東住吉区役所保健福祉課に在籍していたものの、障がい者福祉に係る事務を担当しており、生活保護に係る事務は担当していなかったとのことである。
 なお、2012年当時においては、東住吉区役所保健福祉課においては、障がい者福祉に係る事務及び生活保護に係る事務を所管しており、同区役所の保護課は存在していなかったが、その後平成27年(2015年)4月の組織再編により、本件決定を行った時点の東住吉区役所保健福祉課においては、障がい者福祉に係る事務のみを所管しており、生活保護にかかる事務は同区役所の保護課が所管することとなった。そのため、本件請求に対しては、障がい者福祉に係る事務に関する保有個人情報については保健福祉課が、生活保護に関する事務に係る保有個人情報については保護課が、それぞれ個別に不存在による非開示決定を行っているものであり、審査請求人は保護課の決定についてのみ審査請求を行っているものである。
 審査請求人の〇〇医院の受診に同行した事実の有無について、実施機関が○○係員に聴き取りを行ったところ、2012年8月ころに審査請求人が障がい福祉サービスの利用にかかる申請を行うにあたり、〇〇医院を受診する必要が生じ、本来は親族等が受診に同行し、職員が同行することはないが、親族から受診に同行しないとの申出があったため、審査請求人のみで手続きを行うことが困難であると判断して受診に同行し、そして、この経過については、特段、記録を残していないとのことである。
 一方、生活保護に係る事務においては、一般に、保護受給者の受診を促したり、診察にかかる説明を一緒に聞くため同行受診したりすることはあるものの、審査請求人と同行受診した事実はないとのことである。
 また、保護課における審査請求人にかかる記録等は、審査請求人が当実施機関において生活保護を受給していた際に審査請求人との接触状況を記録したケース記録票を始め、生活保護に係る審査請求人からの申請書類及び保護台帳、受付面接記録票等、支給状況を記録した文書を編綴しているケースファイルに保存期間満了等の理由で廃棄されることなく保管されており、本件決定にあたっては、そのすべてを探索したものの、請求内容に係る記録の記載が存在しないとのことである。
 したがって、〇〇医院に職員が同行した経緯を記載した記録が存在しないとする実施機関の主張に、不自然不合理な点は認められない。
4 結論
 以上により、第1記載のとおり、判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
 委員 金井 美智子、委員 岡澤 成彦、委員 塚田 哲之、委員 野田 崇

(参考)調査審議の経過 令和4年度諮問受理第10号
 略

答申第209号

Adobe Acrobat Reader DCのダウンロード(無償)別ウィンドウで開く
PDFファイルを閲覧できない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Acrobat Reader DC をダウンロード(無償)してください。

探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先

大阪市 総務局行政部行政課情報公開グループ

住所:〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所1階)

電話:06-6208-9825

ファックス:06-6227-4033

メール送信フォーム