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答申第221号

2025年2月5日

ページ番号:649973

大個審答申第221
令和7年3月27

大阪市長 横山 英幸 様

大阪市個人情報保護審議会
会長 岡澤 成彦

答申書

 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)第105条第3項において準用する同条第1項に基づき、実施機関から令和5年1016日付け大天保生第1365号により諮問のありました件について、次のとおり答申いたします。

第1 審議会の結論
 実施機関が令和5年9月15日付け大天保生第1349号により行った不存在を理由とする不開示決定(以下「本件決定」という。)は、妥当である。

第2 審査請求に至る経過
1 開示請求
 審査請求人は、令和5年9月1日、法第77条第1項の規定に基づき、実施機関に対し、保有個人情報を特定するに足りる事項として「2022年夏~秋頃に(生活)保護の受給証明書を天王寺区へ申請した書面の写し」と表示して保有個人情報の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。
2 本件決定
 実施機関は、本件請求に係る保有個人情報(以下「本件情報」という。)を保有していない理由を「令和4年(2022年)度に請求人から生活保護適用証明書交付申請を受理しておらず、生活保護適用証明書を交付した事実もないことから、当該個人情報をそもそも取得しておらず、実際に存在しないため。」として、本件決定を行った。
3 審査請求
 審査請求人は、令和5年9月29日に本件決定を不服として、実施機関に対して、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。

第3 審査請求人の主張
 審査請求人の主張は、おおむね次のとおりである。
 本件決定の取り消しを求める。
 申請したのは請求書に記した2022年ではなく2021年であったようだが「頃」と添えており、1年の誤差はこれまで天王寺区が決定してきたこちらの指定とは数年の差を鑑みれば2021年を上記「頃」とみなし存在し開示決定をするべきだから。

第4 実施機関の主張
 実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。
1 審査請求人の生活保護適用証明書について
 実施機関が、生活保護適用証明書交付申請書が保管されている平成30年度以降において、審査請求人に生活保護適用証明書を交付したのは、令和3年(2021年)6月及び7月の2回のみであり、令和4年(2022年)度には交付していない。
2 本件情報について
 審査請求人は、本件請求において「2022年夏~秋頃」と時期を指定しており、実施機関では、本件情報は、対象の範囲を広く解しても令和4年(2022年)度中の生活保護適用証明書交付申請書であり、令和3年(2021年)度の生活保護適用証明書交付申請書は本件情報に該当しないと判断し本件決定を行った。
3 審査請求の理由について
 審査請求人は、審査請求書において「申請したのは請求書に記した2022年ではなく2021年であったようだが『頃』と添えており1年の誤差はこれまで天王寺区が決定してきたこちらの指定とは数年の差を鑑みれば2021年を上記『頃』とみなし存在し開示決定をするべきだから」と主張している。しかしながら「頃」は辞書において「ある事の起こった時などを、その前後を含めて漠然とさす語」(『岩波国語辞典第六版』20001117日発行)と記述されていることから、「2022年夏~秋頃」と記載されている本件請求において、特定の対象を前後1季節とした実施機関の判断に誤りはない。

第5 審議会の判断
1 基本的な考え方
 法第3条は、個人情報がプライバシーを含む個人の人格と密接な関連を有するものであり、個人が「個人として尊重される」ことを定めた憲法第13条の下、慎重に取り扱われるべきことを示すとともに、個人情報を取り扱う者は、その目的や態様を問わず、このような個人情報の性格と重要性を十分認識し、その適正な取扱いを図らなければならないとの基本理念を示しており、本市は、かかる基本理念を十分に踏まえて個人情報の保護に取り組む必要がある。
 そして、法は、何人も自己を本人とする保有個人情報について、開示(法第76条第1項)、訂正(法第90条第1項)及び利用停止(法第98条第1項)を請求することができることを規定するとともに、これらの請求を受けた行政庁が、一定の場合に開示(法第78条第1項)、訂正(法第92条)又は利用停止(法第100条)をすべき義務を負っていることを規定しているところである。
 したがって、当審議会において、法の定める個人情報の開示、訂正、利用停止の各請求に対する処分の当否を審議するにあたっては、上記の法の理念を踏まえ、個人の人格と密接な関連を有するものであることに配慮し、個人情報の開示、訂正及び利用停止を請求する市民の権利を十分に尊重する見地から行うこととする。
2 争点
 実施機関は、本件情報が存在しないとして本件決定を行ったのに対して、審査請求人は本件情報が存在するはずだと主張し、本件情報の開示を求めて争っている。
 したがって、本件審査請求の争点は、本件情報の存否である。
3 本件情報の存否について
 審査請求人は、審査請求書において、本件請求における「2022年夏~秋頃」との記載には、令和3年も含まれるとして、令和3年に審査請求人が提出した生活保護適用証明書交付申請書の写しの開示を求めている。
 しかし、開示請求書の「2022年夏~秋頃」との記載については、文理上、令和3年に作成された文書を含む文書の開示を求めていると解することはできない。
 また、審査請求人は令和4年度中に生活保護適用証明書交付申請を行っていないという点については争っていないうえ、当審議会においても、実施機関の上記主張を覆すに足りる事実や資料を確認することはできなかったから、本件情報は存在しないものと認められる。
4 結論
 以上により、第1記載のとおり、判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
委員 岡澤 成彦、委員 小岩井 理史、委員 篠原 永明、委員 野田 崇

(参考)調査審議の経過 令和5年度諮問受理第23号

答申第221号

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