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答申第223号

2025年2月5日

ページ番号:649975

大個審答申第223
令和7年3月27

大阪市長 横山 英幸 様

大阪市個人情報保護審議会
会長 岡澤 成彦

答申書

 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)第105条第3項において準用する同条第1項に基づき、実施機関から令和5年9月28日付け大天保生第1357号により諮問のありました件について、次のとおり答申いたします。

第1 審議会の結論
 実施機関が令和5年8月30日付け大天保生第1338号により行った不存在を理由とする不開示決定(以下「本件決定」という。)は、妥当である。

第2 審査請求に至る経過
1 開示請求
 審査請求人は、令和5年8月18日、法第77条第1項の規定に基づき、実施機関に対し、保有個人情報を特定するに足りる事項として「天王寺区生活保護担当(天王寺区保健福祉センター内)が保有する、請求人が緊急連絡先欄に署名の「令和3年8月26日付け『大天保生第1548号』」で開示された契約書」と表示して保有個人情報の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。
2 本件決定
 実施機関は、本件請求に係る保有個人情報(以下「本件情報」という。)を保有していない理由を「請求人の氏名が緊急連絡欄に署名されている令和3年8月26日付け大天保生第1548号で開示決定した契約書を保有しておらず、実際に存在しないため。」として、本件決定を行った。
3 審査請求
 審査請求人は、令和5年9月22日に本件決定を不服として、実施機関に対して、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。

第3 審査請求人の主張
 審査請求人の主張は、おおむね次のとおりである。
 本件決定を取り消すとの裁決を求める。
 全部を開示しない決定の理由を「保有しておらず、実際に存在しないため」としているが私は当時担当係長だった〇〇職員に原本を渡して「複写した」との旨を受けているし、契約者である私の家族が開示請求した時は(無断で〇〇という同課の職員の曲解にて「情報提供」に切り替えられた分も含め)存在したため。決定通知の「開示しないこととした理由」欄にある「~開示決定した契約書を保有しておらず」は、契約書の“原本”を保有しておらずという詭弁ではないかと疑念を抱き、本庁の個人情報開示の担当職員より実施機関へ電話で確認してもらったところ先方(天王寺区)職員の〇〇というモノが「契約書の複写は存在するが請求人(〇〇〇〇)が緊急連絡先になった契約書は“複写”をも保有しておらず実際に存在しない」と回答してきたらしい。ということは、いったい誰(含む法人)がその緊急連絡先に署名捺印してあるのか。それこそ、現在審査請求し審議中らしい そして「引越したいならその請求を取り下げるよう働きかけよ」と大阪市内の複数の不動産業者へ伝えているらしい、私と私の家族であり上記契約書の契約者(賃借人)の知らない契約書が存在することを示唆していると受け取れてしまう(もしそうだとしたら犯罪らしい)。

第4 実施機関の主張
 実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。
1 令和3年8月26日付け大天保生第1548号について
 実施機関は、審査請求人の家族による開示請求(以下「前件開示請求」という。)に対し、前件開示請求者本人が契約者であり、かつ居住者である居住用建物賃貸借契約書の写し(「以下「契約書写し」という。)の開示決定を行った。
2 契約書写しの緊急連絡先欄について
 契約書写しには、審査請求人が署名したと主張する緊急連絡欄がそもそも存在しないことから、審査請求人の署名も存在しない。なお、契約書写しには前件開示請求者以外の個人の氏名は存在するが、前件開示請求者の連帯保証人となっている審査請求人以外の個人の氏名である。
3 契約書写しの本件情報該当性について
 上記1、2のとおり、契約書写しには審査請求人の氏名は存在しておらず、そもそも契約書写し自体は、審査請求人以外の個人に係る居住用建物賃貸借契約書の写しであることから、審査請求人の保有個人情報には該当しない。

第5 審議会の判断
1 基本的な考え方
 法第3条は、個人情報がプライバシーを含む個人の人格と密接な関連を有するものであり、個人が「個人として尊重される」ことを定めた憲法第13条の下、慎重に取り扱われるべきことを示すとともに、個人情報を取り扱う者は、その目的や態様を問わず、このような個人情報の性格と重要性を十分認識し、その適正な取扱いを図らなければならないとの基本理念を示しており、本市は、かかる基本理念を十分に踏まえて個人情報の保護に取り組む必要がある。
 そして、法は、何人も自己を本人とする保有個人情報について、開示(法第76条第1項)、訂正(法第90条第1項)及び利用停止(法第98条第1項)を請求することができることを規定するとともに、これらの請求を受けた行政庁が、一定の場合に開示(法第78条第1項)、訂正(法第92条)又は利用停止(法第100条)をすべき義務を負っていることを規定しているところである。
 したがって、当審議会において、法の定める個人情報の開示、訂正、利用停止の各請求に対する処分の当否を審議するにあたっては、上記の法の理念を踏まえ、個人の人格と密接な関連を有するものであることに配慮し、個人情報の開示、訂正及び利用停止を請求する市民の権利を十分に尊重する見地から行うこととする。
2 争点
 実施機関は、本件情報が存在しないとして本件決定を行ったのに対して、審査請求人は本件情報が存在するはずだと主張し、本件情報の開示を求めて争っている。
 したがって、本件審査請求の争点は、本件情報の存否である。
3 本件情報の存否について
 本件請求は、令和3年8月26日付け大天保生第1548号で開示された契約書の開示を求めるものであるため、当審議会において実施機関より提出を受けた当該契約書写しを見分したところ、緊急連絡先欄のみならず、契約書のいずれの欄にも審査請求人の個人情報が記載されていないことが確認できた。
 また、審査請求人は審査請求書において、当該契約書写し以外に実施機関が契約書を保有している旨を主張するが、本件請求の記載からは前件開示請求で実施機関が特定した契約書以外の開示を求めているものと解することはできない上に、他に契約書が存在するものとは認められないことは、令和3年8月26日付け大天保生第1548号決定に係る令和5年1226日付け大個審答申第181号のとおりである。
4 結論
 以上により、第1記載のとおり、判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
委員 塚田 哲之、委員 林 晃大、委員 堀田 善之、委員 矢口 智春

(参考)調査審議の経過 令和5年度諮問受理第18号

答申第223号

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