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答申第230号

2026年3月6日

ページ番号:674108

大個審答申第230号 

令和8年3月6日 

大阪市長 横山 英幸 様

大阪市個人情報保護審議会 

会長 岡澤 成彦 

答申書

 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)第105条第3項において準用する同条第1項に基づき、実施機関から令和6年1226日付け大東住戸第181号により諮問のありました件について、次のとおり答申いたします。

第1 審議会の結論

 実施機関が令和6年11月8日付け大東住戸第169号により行った部分開示決定(以下「本件決定」という。)で開示しないこととした情報のうち、以下の情報を不開示とした部分を取り消し、その余の部分に対する同月29日付け審査請求(以下「本件審査請求」という。)は、棄却すべきである。

・「手数料」欄の左隣の表内部左上に記載の各項目

・「□ 委任状」から「□ 戸籍」のチェックボックスの記載がある表の右隣の表の左側の項目

第2 審査請求に至る経過

1 開示請求

 審査請求人は、令和6年1029日、法第77条第1項の規定に基づき、実施機関に対し、「私の本籍住所 大阪府大阪市東住吉区○○ 私以外の第三者が平成28年9月以降~請求日時時点迄 戸籍の附票の写しを請求した者や申請が存在したか の開示を請求致します。」と表示して保有個人情報の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

 2 本件決定

 実施機関は、本件請求に係る保有個人情報を、戸籍の附票の写し請求書(令和6年8月1日受付分)と特定した上で、「請求者の住所、氏名、生年月日、連絡先、続柄、使用目的、提出先、本人確認資料の種別、本市職員の署名」(以下「本件不開示情報」という。)を開示しない理由を次のとおり付して、本件決定を行った。

 法第78条第1項第2号に該当

 (説明)

 請求者の情報については、開示請求者以外の個人情報に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人が識別される情報であると認められ、かつ同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しないため。

 本市職員の署名については、開示請求者以外の個人に関する情報であって、当該情報に含まれる形状や記述により開示請求者以外の特定の個人を識別できるものであり、また、開示することにより偽造あるいは転用され当該個人の権利権益を害するおそれも認められ、氏名は開示する慣行があるが、署名を開示する慣行はないため、同号ただし書きロ及びハにも該当しないため。

3 審査請求

 審査請求人は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき、本件審査請求を行った。

第3 審査請求人の主張

 審査請求人の主張は、おおむね次のとおりである。

1 申立の趣旨

 保有個人情報の開示をする旨の決定の通知に関して決定を取り消して全ての黒塗りの部分の開示を求める。

2 審査請求書における主張

 本件決定において公開しないこととされた部分は、非公開情報に該当しない為。

 私、○○○○の附票は、個人情報である為、正しく、適正な使用目的により交付されたのか、知る権利がある(同封の書類通りなのか)。

 私、○○○○の個人情報は保護されていない。

第4 実施機関の主張

1 本件不開示情報の法第78条第1項第2号該当性について

 法第78条第1項第2号において、開示請求者以外の個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)若しくは個人識別符号が含まれるもの又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるものについては、不開示情報であると明記されている。

 また、法第78条第1項第2号ただし書において、「イ 法令の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報」、「ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報」、「ハ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法第2条第4項に規定する行政執行法人の職員を除く。)、独立行政法人等の職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員及び地方独立行政法人の職員をいう。)場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容の部分」は開示できることとなっている。

 今回、開示しないこととした本件不開示情報のうち、請求者の住所・氏名・生年月日・連絡先・続柄・使用目的・提出先・本人確認資料の種別は、開示請求者以外である戸籍の附票の写しの請求者個人に関する情報であり、そして本市職員署名は開示請求者以外である職員個人に関する情報であり、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより、特定の個人が識別されるものである。以上のことから本件不開示情報は法第78条第1項第2号に該当するものと判断した。

 2 戸籍の附票の写しの交付の正当性について 

 戸籍の附票の写しの交付に係る事務については、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号。以下「住基法」という。)の規定に基づき行われる。住基法では、戸籍の附票の写しの交付の請求をすることができる者について、附票に記録されている者又はその配偶者、直系尊属、若しくは直系卑属以外にも、住基法第20条第3項において自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の附票の記載事項を確認する必要がある者、国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある者、戸籍の附票の記載事項を利用する正当な理由が有るものについて、戸籍の附票の写しの交付が必要である旨の申出があり、当該申出が相当であると認められた時は、戸籍の附票の写しの交付を受けることができると定められている。

 大阪市においては戸籍の附票の写し等の交付に関して大阪市住民基本台帳事務処理要領を定めており、要領においては(1)請求できる場合、(2)請求につき明らかにさせる事項、(3)請求者の本人確認、(4)代理権限の確認方法、(5)郵送請求(6)交付方法、各請求事由に応じて請求につき明らかにさせる事項を定め交付の判断を行っている。本件は住基法第20条第3項を理由とした戸籍の附票の請求に対して大阪市住民基本台帳事務処理要領に沿って交付されたものである。

第5 審議会の判断

1 基本的な考え方

 法第3条は、個人情報がプライバシーを含む個人の人格と密接な関連を有するものであり、個人が「個人として尊重される」ことを定めた憲法第13条の下、慎重に取り扱われるべきことを示すとともに、個人情報を取り扱う者は、その目的や態様を問わず、このような個人情報の性格と重要性を十分認識し、その適正な取扱いを図らなければならないとの基本理念を示しており、本市は、かかる基本理念を十分に踏まえて個人情報の保護に取り組む必要がある。

 そして、法は、何人も自己を本人とする保有個人情報について、開示(法第76条第1項)、訂正(法第90条第1項)及び利用停止(法第98条第1項)を請求することができることを規定するとともに、これらの請求を受けた行政庁が、一定の場合に開示(法第78条第1項)、訂正(法第92条)又は利用停止(法第100条)をすべき義務を負っていることを規定しているところである。

 したがって、当審議会において、法の定める個人情報の開示、訂正、利用停止の各請求に対する処分の当否を審議するに当たっては、上記の法の理念を踏まえ、個人の人格と密接な関連を有するものであることに配慮し、個人情報の開示、訂正及び利用停止を請求する市民の権利を十分に尊重する見地から行うこととする。

 2 争点

 実施機関が本件請求に係る保有個人情報を「戸籍の附票の写し請求書(令和6年8月1日受付分)」と特定し、「請求者の住所、氏名、生年月日、連絡先、続柄、使用目的、提出先、本人確認資料の種別、本市職員の署名」を法第78条第1項第2号を理由に不開示としたのに対し、審査請求人は、本件不開示部分は開示すべきであるとして争っている。よって、本件審査請求の争点は、本件各不開示部分の法第78条第1項第2号該当性である。

3 法第78条第1項第2号該当性について

(1) 法第78条第1項第2号の基本的な考え方について

 法第78条第1項第2号は、開示請求者以外の個人に関する情報として不開示となる情報について規定している。

 開示請求に係る保有個人情報の中に、開示請求の対象となる保有個人情報に係る本人以外の個人(第三者)に関する情報が含まれている場合において、第三者に関する情報を本人に開示することにより当該第三者の権利利益が損なわれるおそれがあるものは、不開示とされている。

 具体的には、次に該当するものは不開示情報となる。

・  氏名、生年月日その他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別することができる情報(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は個人識別符号が含まれるもの

・  開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるもの

なお、次の情報は、開示請求者以外の個人に関する情報として不開示となる情報から除かれている。

・  法令の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報

・  人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報

・  公務員等の職及び職務の遂行に係る情報

(2) 本件情報の法第78条第1項第2号該当性について

 当審議会において本件不開示部分のうち本市職員の署名以外の部分を見分したところ、審査請求人以外の特定の個人が識別される情報であり、開示することにより個人の権利利益を害するおそれがある情報であると認められることから、次の部分を除いて不開示とするのが妥当である。

 「手数料」欄の左隣の表内部左上に記載の各項目及び「□ 委任状」から「□ 戸籍」のチェックボックスの記載がある表の右隣の表の左側の項目については、申請書の様式の項目に過ぎず、特定の個人が識別される情報であり、開示することにより個人の権利利益を害するおそれがある情報とまでは言えないことから開示とすべきである。

 また、本市職員の署名について見分したところ、手書きで職員の氏名の一部を表している記載がされていたことが認められることから、開示請求者以外の個人に関する情報であって、当該情報に含まれる形状や記述により開示請求者以外の特定の個人を識別できるものであり、また、開示することにより偽造あるいは転用され当該個人の権利利益を害するおそれも認められることから不開示とするのが妥当である。

 なお、署名を不開示とする趣旨が、主として公開された署名及び印影の偽造により個人の権利利益が損なわれることを防止する点にあることを考慮すれば、必ずしもその全部を非公開とする必要はないと認められることから、今後、実施機関においてこれらの署名を不開示とする場合であっても、署名の一部を開示するなど、偽造防止に配慮しつつ署名が記録されていることがわかる措置をとるとともに、署名に記された氏名情報を別途の方法により請求者に提供するといった取扱いを徹底するよう努められたい。

5 結論

 以上により、第1記載のとおり、判断する。

 (答申に関与した委員の氏名)

委員 岡澤 成彦、委員 小岩井 理史、委員 篠原 永明、委員 野田 崇

 (参考)調査審議の経過 令和6年度諮問受理第8号

略 

答申第230号

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