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答申第228号

2026年3月6日

ページ番号:674270

大個審答申第228号 

令和8年3月6日 

大阪市長 横山 英幸 様

大阪市個人情報保護審議会 

会長 岡澤 成彦 

答申書

 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)第105条第3項において準用する同条第1項に基づき、実施機関から令和5年1024日付け大天保生第1379号により諮問のありました件について、次のとおり答申いたします。

第1 審議会の結論

 実施機関が令和5年9月21日付け大天保生第1354号により行った部分開示決定(以下「本件決定」という。)に対する同年10月6日付け審査請求(以下「本件審査請求」という。)は、棄却すべきである。

第2 審査請求に至る経過

1 開示請求

 審査請求人は、令和5年8月8日、法第77条第1項の規定に基づき、実施機関に対し、「2012年~現在までの天王寺区が保有する生活保護に関しての住宅扶助に関係する全て(賃貸借契約書 火災保険等の保険契約 家賃保証会社の契約等)等」と表示して保有個人情報の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

2 本件決定

 実施機関は、本件請求に係る保有個人情報を次のとおり特定した。

(1) 平成25年2月1日に提出されたAによる住宅費証明書(以下「本件情報1」という。)

(2) 平成261111日付けAによる生活保護法第29条に基づく調査について(回答)(以下「本件情報2」という。)

(3) 平成28年7月1日にBから提出されたFAX送付のご案内(以下「本件情報3」という。)

(4) ケース診断会議記録票(平成28年9月16日付け)(以下「本件情報4」という。)

(5) ケース診断会議記録票(平成28年9月27日付け)(以下「本件情報5」という。)

(6) 平成281227日に提出されたCによる住宅費証明書(以下「本件情報6」という。)

(7) 平成2910月4日に提出された貸主Dによる住宅費証明書(以下「本件情報7」という。)

(8) ケース記録票(平成30年9月3日及び5日付け)(以下「本件情報8」という。)

(9) 令和3年7月19日にEから提出されたFAX送付状(以下「本件情報9」という。)

(10) ケース記録票(令和3年7月27日付け)(以下「本件情報10」という。)

(11) ケース記録票(令和3年7月28日及び29日付け)(以下「本件情報11」という。)

(12) ケース記録票(令和3年7月30日付け)(以下「本件情報12」という。)

(13) 令和3年7月30日にFから提出された住宅家賃等にかかる代理納付願(以下「本件情報13」という。)

(14) 令和3年7月30日にFから提出された住宅家賃等にかかる代理納付 口座振替依頼書(以下「本件情報14」という。)

(15) 令和3年7月30日にFから提出された普通預金明細表(以下「本件情報15」という。)

(16) ケース記録票(令和3年8月2日付け)(以下「本件情報16」という。)

(17) 住宅扶助費代理納付通知書決裁(令和3年8月2日付け)(以下「本件情報17」という。)

(18) 共益費代理納付通知書決裁(令和3年8月2日付け)(以下「本件情報18」という。)

(19) 住宅扶助費代理納付通知書の写し(令和3年8月2日付け)(以下「本件情報19」という。)

(20) 共益費代理納付通知書の写し(令和3年8月2日付け)(以下「本件情報20」という。)

(21) ケース記録票(令和3年8月6日付け)(以下「本件情報21」という。)

(22) 令和3年8月11日に提出されたFによる住宅費証明書(以下「本件情報22」という。)

(23) ケース記録票(令和3年9月27日付け)(以下「本件情報23」という。)

(24) 令和3年9月30日にFから提出された住宅家賃にかかる代理納付変更・中止届出書(以下「本件情報24」という。)

(25) ケース記録票(令和5年1月25日及び26日付け)(以下「本件情報25」という。)

(26) ケース記録票(令和5年2月6日及び7日付け)(以下「本件情報26」という。)

(27) 令和5年1月30日付けGによる住宅家賃等にかかる代理納付変更・中止届出書(家主の変更)(以下「本件情報27」という。)

(28) 令和5年1月30日付けGによる住宅家賃等にかかる代理納付変更・中止届出書(不動産管理会社等の変更)(以下「本件情報28」という。)

(29) Gによる令和5年1月及び2月分の住宅扶助費を正しい家主に送金したことを証する書面(以下「本件情報29」という。)

(30) ケース記録票(令和5年2月14日付け)(以下「本件情報30」という。)

 実施機関は本件情報1から30について、法第82条第1項に基づき「法人の印影」、「開示請求者以外の個人の氏名」、「開示請求者以外の個人の生活実態に関する情報」、「個人の印影」、「開示請求者との面談にかかるケースワーカーの所見に関する記録」、「開示請求者以外の関係機関から聴取した内容」及び「法人の口座情報」を開示しない部分として、開示しない理由を次のとおり付して、本件決定を行った。

 法第78条第1項第2号に該当

 (説明)

 開示請求者以外の個人の氏名については、開示請求者以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより開示請求者以外の特定の個人が識別される情報、又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお、開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがある情報であると認められ、かつ同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しないため。

 開示請求者以外の個人の生活実態に関する情報については、開示請求者以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより開示請求者以外の特定の個人が識別される情報、又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお、開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがある情報であると認められ、かつ同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しないため。

 個人の印影については、開示請求者以外の個人に関する情報であって、当該情報に含まれる形状や記述により開示請求者以外の特定の個人を識別できるものであり、また、開示することにより偽造あるいは転用され当該個人の権利利益を害するおそれも認められ、氏名は開示する慣行があるが、印影まで開示する慣行はないため、同号ただし書イに該当せず、同号ただし書ロ及びハにも該当しないため。

 法第78条第1項第3号に該当

 (説明)

 法人の印影については、法人等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、開示することにより偽造あるいは転用のおそれがあり、当該法人等の事業運営が損なわれるおそれがあると認められ、かつ同号ただし書にも該当しないため。

 法人の口座情報については、法人等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、開示することにより当該法人等の事業運営が損なわれるおそれがあると認められ、かつ同号ただし書にも該当しないため。

 法第78条第1項第7号に該当

 (説明)

 開示請求者との面談にかかるケースワーカーの所見に関する記録については、生活保護事務における個人の評価、診断、判定等に関する情報であり、開示することによりケースワーカー及び区役所保健福祉課に対し不信感を抱き、被保護者の支援に支障を及ぼすおそれがあり、保健福祉課における事務若しくは将来の同種の事務の目的の達成ができなくなり、またこれらの事務の公正若しくは円滑な遂行に支障が生じるおそれがあると認められるため。

 開示請求者以外の関係機関から聴取した内容については、本市が業務遂行のために関係機関の協力を得て収集した情報であって、開示することにより関係機関との信頼関係を損なうおそれがあるとともに、今後、本市に積極的な情報提供がなされなくなり、本市生活保護業務の円滑な遂行に著しい支障が生ずるおそれがあるため。

3 審査請求

 審査請求人は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき、本件審査請求を行った。

第3 審査請求人の主張

 審査請求人の主張は、おおむね次のとおりである。

1 本件審査請求の趣旨

 本件決定を取り消すとの裁決を求める。

2 本件審査請求の理由

 不開示とした理由に該当しない。もしくはそれぞれの号のただし書に該当するものが多く不開示とされた中に含まれるため。

第4 実施機関の主張

 実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。

1 本件情報について

 実施機関では、審査請求人からの開示請求に対し、平成24年以降の審査請求人に対する住宅扶助に関する保有個人情報を計134件特定し、そのうち不開示情報を含む30件について本件決定を行った。

2 不開示情報について

 法第78条第1項で「行政機関の長等は、開示請求があったときは、開示請求に係る保有個人情報に次の各号に掲げる情報(以下この節において「不開示情報」という。)のいずれかが含まれている場合を除き、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示しなければならない。」と定められており、同項各号に該当する情報は不開示情報となる。

3 部分開示の理由について

 審査請求人は審査請求書において、「不開示とした理由の(1)(7)に該当しないもしくはそれぞれの号のただし書に該当するものが多く不開示とされた中に含まれるため」と主張するが、実施機関は次のとおり法第78条第1項各号にあてはめて不開示情報を判断している。

(1) 法人の印影については、法人等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、開示することにより偽造あるいは転用のおそれがあり、当該法人等の事業運営が損なわれるおそれがあると認められるため、法第78条第1項第3号に該当し、かつ同号ただし書に該当しない。

(2) 開示請求者以外の個人の氏名については、開示請求者以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより開示請求者以外の特定の個人が識別される情報、又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお、開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがある情報であると認められるため、法第78条第1項第2号に該当し、かつ同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しない。

(3) 開示請求者以外の個人の生活実態に関する情報については、開示請求者以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより開示請求者以外の特定の個人が識別される情報、又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお、開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがある情報であると認められるため、法第78条第1項第2号に該当し、かつ同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しない。

(4) 個人の印影については、開示請求者以外の個人に関する情報であって、当該情報に含まれる形状や記述により開示請求者以外の特定の個人を識別できるものであり、また、開示することにより偽造あるいは転用され当該個人の権利利益を害するおそれも認められ、氏名は開示する慣行があるが、印影まで開示する慣行はないため、法第78条第1項第2号に該当し、同号ただし書イに該当せず、同号ただし書ロ及びハにも該当しない。

(5) 開示請求者との面談にかかるケースワーカーの所見に関する記録については、生活保護事務における個人の評価、診断、判定等に関する情報であり、開示することによりケースワーカー及び区役所保健福祉課に対し不信感を抱き、被保護者の支援に支障を及ぼすおそれがあり、保健福祉課における事務若しくは将来の同種の事務の目的の達成ができなくなり、またこれらの事務の公正若しくは円滑な遂行に支障が生じるおそれがあると認められるため、法第78条第1項第7号に該当する。

(6) 開示請求者以外の関係機関から聴取した内容については、本市が業務遂行のために関係機関の協力を得て収集した情報であって、開示することにより関係機関との信頼関係を損なうおそれがあるとともに、今後、本市に積極的な情報提供がなされなくなり、本市生活保護業務の円滑な遂行に著しい支障が生ずるおそれがあるため、法第78条第1項第7号に該当する。

(7) 法人の口座情報については、法人等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、開示することにより当該法人等の事業運営が損なわれるおそれがあると認められるため、法第78条第1項第3号に該当し、かつ同号ただし書にも該当しない。

第5 審議会の判断

1 基本的な考え方

 法第3条は、個人情報がプライバシーを含む個人の人格と密接な関連を有するものであり、個人が「個人として尊重される」ことを定めた憲法第13条の下、慎重に取り扱われるべきことを示すとともに、個人情報を取り扱う者は、その目的や態様を問わず、このような個人情報の性格と重要性を十分認識し、その適正な取扱いを図らなければならないとの基本理念を示しており、本市は、かかる基本理念を十分に踏まえて個人情報の保護に取り組む必要がある。

 そして、法は、何人も自己を本人とする保有個人情報について、開示(法第76条第1項)、訂正(法第90条第1項)及び利用停止(法第98条第1項)を請求することができることを規定するとともに、これらの請求を受けた行政庁が、一定の場合に開示(法第78条第1項)、訂正(法第92条)又は利用停止(法第100条)をすべき義務を負っていることを規定しているところである。

 したがって、当審議会において、法の定める個人情報の開示、訂正、利用停止の各請求に対する処分の当否を審議するにあたっては、上記の法の理念を踏まえ、個人の人格と密接な関連を有するものであることに配慮し、個人情報の開示、訂正及び利用停止を請求する市民の権利を十分に尊重する見地から行うこととする。

2 争点

 審査請求人は、本件決定を取り消し、本件各不開示部分を開示すべきと主張しているのに対して、実施機関は、本件各不開示部分は法第78条第1項第2号、第3号又は第7号に該当すると主張している。

 したがって、本件審査請求における争点は、本件各不開示部分の法第78条第1項第2号、第3号及び第7号該当性である。

3 本件決定の妥当性について

(1) 法第78条第1項第2号該当性について

 当審議会において、本件不開示部分を見分したところ、本件情報3、9、101112162123252629及び30にはいずれも法人の担当者の氏名が含まれていることが認められた。法人の担当者の氏名は審査請求人以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより、審査請求人以外の特定の個人を識別することができるものと認められることから、法第78条第1項第2号本文に該当し、また、その性質上、同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しないものと認められる。

 なお、本件情報6において、法人の担当者のものと思われる訂正印が開示されている箇所があったことが認められた。当該情報については個人の氏名として本来不開示であるところ、開示の実施は行われていないとのことであり、開示の実施に当たっては当該情報についてマスキング等適切に処理した上で行うべきものであることを指摘しておく。

 本件情報4及び5にはいずれも審査請求人の関係者である個人の生活実態に関する情報が含まれていることが認められた。これらの情報は審査請求人以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより審査請求人以外の特定の個人が識別される情報であると認められ、法第78条第1項第2号本文に該当し、また、その性質上、同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しないものと認められる。

 本件情報7には住宅の貸主の印影が含まれていることが認められた。当該情報は審査請求人以外の個人に関する情報であって、当該情報に含まれる形状や記述により審査請求人以外の特定の個人を識別できるものであり、また、開示することにより偽造あるいは転用され当該個人の権利利益を害するおそれも認められ、法第78条第1項第2号本文に該当し、また、その性質上、同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しないものと認められる。

(2) 法第78条第1項第3号該当性について

 本件情報1、2、6、131422242728及び29にはいずれも法人の印影が含まれていることが認められた。これらの情報は法人等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、開示することにより偽造あるいは転用のおそれがあり、当該法人等の事業運営が損なわれるおそれがあると認められるため、法第78条第1項第3号本文に該当し、また、その性質上、同号ただし書に該当しないものと認められる。

 本件情報1415171819及び20にはいずれも法人の口座情報が含まれていることが認められた。これらの情報は法人等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、開示することにより当該法人等の事業運営が損なわれるおそれがあると認められるため、法第78条第1項第3号本文に該当し、また、その性質上、同号ただし書にも該当しないものと認められる。

(3) 法第78条第1項第7号該当性について

 本件情報8には、審査請求人との面談にかかるケースワーカーの所見に関する記録が含まれていることが認められた。当該情報は生活保護事務における個人の評価、診断、判定等に関する情報であり、開示することによりケースワーカー及び区役所保健福祉課に対し不信感を抱き、被保護者の支援に支障を及ぼすおそれがあり、保健福祉課における事務若しくは将来の同種の事務の目的の達成ができなくなり、またこれらの事務の公正若しくは円滑な遂行に支障が生じるおそれがあると認められるため、法第78条第1項第7号に該当するものと認められる。

 本件情報122526及び30には、いずれも法人の担当者から審査請求人について聴取した内容が含まれていることが認められた。これらの情報については、本市が業務遂行のために関係機関の協力を得て収集した情報であって、開示することにより関係者との信頼関係を損なうおそれがあるとともに、今後、本市に積極的な情報提供がなされなくなり、本市生活保護業務の円滑な遂行に著しい支障が生ずるおそれがあるため、法第78条第1項第7号に該当するものと認められる。

4 結論

 したがって第1の記載のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)

委員 岡澤 成彦、委員 小岩井 理史、委員 篠原 永明、委員 野田 崇

 (参考)調査審議の経過 令和5年度諮問受理第27

答申第228号

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