答申第237号
2026年3月26日
ページ番号:675636
大個審答申第237号
令和8年3月26日
大阪市長 横山 英幸 様
大阪市個人情報保護審議会
会長 岡澤 成彦
答申書
個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)第105条第3項において準用する同条第1項に基づき、実施機関から令和6年6月4日付け大天保福第52号により諮問のありました件について、次のとおり答申いたします。
第1 審議会の結論
実施機関が令和6年5月7日付け大天保福第28号により行った不存在を理由とする不開示決定(以下「本件決定」という。)に対する同月10日付け審査請求(以下「本件審査請求」という。)は、棄却すべきである。
第2 審査請求に至る経過
1 開示請求
審査請求人は、令和6年4月19日、法第77条第1項の規定に基づき、実施機関に対し、「令和5年6月2日に天王寺区役所の身体障がいの手帳の〇〇氏に身休障がいの発行をして下さいと言った。(別紙添付)それによって答えの検討内容のわかる文章。」と表示して保有個人情報の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。
2 本件決定
実施機関は、本件請求に係る保有個人情報(以下「本件情報」という。)を保有していない理由を「開示請求者は身体障がい者手帳の申請をしていないことから、保有個人情報開示請求書に記載の「答えの検討内容のわかる文章」に合致する公文書をそもそも作成又は取得しておらず、実際に存在しないため。」として、本件決定を行った。
3 審査請求
審査請求人は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき、本件審査請求を行った。
第3 審査請求人の主張
審査請求人の主張は、おおむね次のとおりである。
1 申立の趣旨
本件決定を取り消すとの裁決を求める。
2 審査請求における主張
審査請求人(本人が)に説明をしてほしい。
大阪市長は大阪大学で開示2010年12月07日の開示請求の明細を見てほしい。
3 反論書における主張
大天保福第90号の弁明書の内容がおかしい。大阪大学の開示請求の資料(大阪からの返却された)。見たら分かる通りの事です。
(私のバス介護付の証明が無いと料金がかかって困るため。)
第4 実施機関の主張
1 身体障がい者手帳の申請手続きについて
身体障がい者手帳の申請は、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第15条に基づき、同法別表に掲げる身体上の障害のある者は、その居住地(居住地を有しないときは、その現在地)の都道府県知事に、都道府県知事の定める医師の診断書を添付して、書面によりすることになっている。
本件請求日時点で、審査請求人は身体障がい者手帳無料診断制度実施要綱第3条に基づき、身体障がい者手帳の申請に必要な診断を無料で受けることを希望し、その申し込みをしているのみで、身体障害者福祉法第15条所定の手続きをしていない。
2 開示請求書及び審査請求書添付の書面について
審査請求人が本件審査請求書に添付している紹介状(診療情報提供書)は、入院期間中の病院の記録であるため、身体障がい者手帳の申請に必要な都道府県知事の定める医師の診断書に代わるものではない。
第5 審議会の判断
1 基本的な考え方
法第3条は、個人情報がプライバシーを含む個人の人格と密接な関連を有するものであり、個人が「個人として尊重される」ことを定めた憲法第13条の下、慎重に取り扱われるべきことを示すとともに、個人情報を取り扱う者は、その目的や態様を問わず、このような個人情報の性格と重要性を十分認識し、その適正な取扱いを図らなければならないとの基本理念を示しており、本市は、かかる基本理念を十分に踏まえて個人情報の保護に取り組む必要がある。
そして、法は、何人も自己を本人とする保有個人情報について、開示(法第76条第1項)、訂正(法第90条第1項)及び利用停止(法第98条第1項)を請求することができることを規定するとともに、これらの請求を受けた行政庁が、一定の場合に開示(法第78条第1項)、訂正(法第92条)又は利用停止(法第100条)をすべき義務を負っていることを規定しているところである。
したがって、当審議会において、法の定める個人情報の開示、訂正、利用停止の各請求に対する処分の当否を審議するに当たっては、上記の法の理念を踏まえ、個人の人格と密接な関連を有するものであることに配慮し、個人情報の開示、訂正及び利用停止を請求する市民の権利を十分に尊重する見地から行うこととする。
2 争点
実施機関は、本件情報が存在しないとして本件決定を行ったのに対して、審査請求人は本件情報が存在するはずだと主張し、本件情報の開示を求めて争っている。
したがって、本件審査請求の争点は、本件情報の存否である。
3 本件情報の存否について
実施機関は、本件請求について審査請求人が身体障がい者手帳の申請を行った事実はないとして、不存在を理由とする不開示決定を行ったが、実施機関の弁明書では、「本件請求日時点で、請求人は身体障がい者手帳無料診断制度実施要綱第3条に基づき、身体障がい者手帳の申請に必要な診断を無料で受けることを希望し、その申し込みをしている」との記載がある。このことからすると、審査請求人は、実施機関に身体障がい者手帳の申請に係る相談を行っている可能性があり、この相談に係る情報も請求内容に含まれるとも考えられる。
そこで、当審議会において事務局職員をして、身体障がい者手帳の交付申請に係る手続きの流れや、審査請求人との相談に係る情報の有無等について実施機関に確認したところ、身体障がい者手帳の申請に先立ち相談が行われることは手続き上必須ではなく、審査請求人が相談を行ったとする記録は残されていないことから、相談の事実はない、または相談の事実はあったとしても記録に残す必要がない問い合わせ程度の内容のものであるとの説明があった。当該実施機関の説明に不自然、不合理があるとは認められないと判断するのが妥当であり、本件情報は存在しないものと認められる。
4 結論
以上により、第1記載のとおり、判断する。
(答申に関与した委員の氏名)
委員 塚田 哲之、委員 林 晃大、委員 堀田 善之、委員 矢口 智春
(参考)調査審議の経過 令和6年度諮問受理第1号
略答申第237号
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