答申第546号
2026年6月29日
ページ番号:681793
大情審答申第546号
令和8年6月29日
大阪市教育委員会
教育長 多田 勝哉 様
大阪市情報公開審査会
会長 小谷 真理
答申書
大阪市情報公開条例(平成13年大阪市条例第3号。以下「条例」という。)第17条に基づき、大阪市教育委員会(以下「実施機関」という。)から令和4年10月20日付け大市教委第2001号及び同日付け大市教委第2003号により諮問のありました件について、次のとおり答申いたします。
第1 審査会の結論
実施機関が令和4年6月3日付け大市教委第864号により行った不存在による非公開決定(以下「本件決定1」という。)に対する同年8月22日付け審査請求(以下「本件審査請求1」という。)は、棄却すべきである。
実施機関が令和4年8月19日付け大市教委第1546号により行った部分公開決定(以下「本件決定2」といい、本件決定1と併せて「本件各決定」という。)に対する同年9月12日付け審査請求(以下「本件審査請求2」といい、本件審査請求1と併せて「本件各審査請求」という。)において、実施機関が公開しないこととした下記1の部分のうち、下記2の部分を取り消し、その余の部分は、棄却すべきである。
1 公開しないこととした部分
(1) 法人の印影及び口座情報(以下「本件非公開部分1」という。)
(2) 測点に係る情報(以下「本件非公開部分2」といい、本件非公開部分1と併せて「本件各非公開部分」という。)
2 取り消すべき部分
本件非公開部分2のうち、次の部分。
(1) 個人の土地と無関係の測点に関する情報(以下「公開部分1」という。)
(2) 水平角の値のうち、特定の目盛り付近又は特定の値を示す情報(以下「公開部分2」という。)
(3) 空欄又は測量結果に該当しない文言が記載されている情報(以下「公開部分3」という。)
(4) 誤差及び精度指標に該当する情報(以下「公開部分4」という。)
(5) 測点名及び回転方向を示す記号(以下「公開部分5」という。)
(6) 目標高、器械高、測標高(以下「公開部分6」という。)
(7) 個人の土地と関係する測点に関する情報のうち、法務局に提出した座標及び測点間の距離並びに当該情報から算出可能な情報(以下「公開部分7」という。)
(8) トラバース計算書内の合計欄の値(公開することにより、個別の値が判明する場合を除く。)(以下「公開部分8」という。)
第2 審査請求に至る経過
1 公開請求
審査請求人は、令和4年5月20日、条例第5条の規定に基づき、実施機関に対し、請求する公文書の件名又は内容として、下記(1)のとおり表示して公文書の公開請求(以下「本件請求1」という。)を行った。
審査請求人は、令和4年7月6日、上記の規定に基づき、実施機関に対し、請求する公文書の件名又は内容として、下記(2)のとおり表示して公文書の公開請求(以下「本件請求2」という。)を行った。
(1) 本件請求1について
大阪市教育委員会 施設整備課 御中
不動産登記測量業務委託(A高等学校外11校)につきまして以下の資料の提示をお願いいたします。(以下、測量法は法、作業規程の準則は準則といたします)
1)令和3年10月12日の施設整備課のメールでは「法第6条に規定される測量に位置づけられるものです」とご説明いただきましたがどのような根拠に基づき「法第6条の測量」と規定されるのかその根拠資料。
2)法第6条の測量ということですので法第46条第1項で規定された「別表6」を(国土交通省提出、国土地理院受付)あらかじめ提出されていると思いますので国土地理院の受付印が押印されました別表6の写し(存在すれば)。国土地理院近畿地方測量部には令和元年以降、令和3年12月28日までには大阪市教育委員会の名前では提出されていない、とのご回答をいただいておりますが他の名称(例えば大阪市、で)で提出されたのか、それとも全く提出されていないのであれば法に定められたことを守らなくて良いとする根拠資料。
3)「今回の測量は土地の境界確定を主たる目的としており…よって公共測量(法5条)ではありません」とご説明いただきましたが法、若しくは準則の何条に境界確定は「公共測量ではない」と規定されていますでしょうか。準則第590条から第602条、いわゆる「法務局調査~復元~境界確認~承諾した権利者よりの署名捺印受領、土地境界確認書作成(いわゆる境界協議)」まですべて作業規程の準則に規定された測量です。また、境界確定に伴う測量はその測量の費用、実施主体者、既知点の種別(公共基準点か否か)から法第5条に該当するのか判断されるものです。申請人が理解できていない法令等に基づいてご説明いただいたことと思いますのでその境界確定は公共測量ではない、断定されました根拠資料。
4)法第10条2に「測量業とは基本測量(法4条)、公共測量(法5条)、基本測量及び公共測量以外の測量(法6条)を請け負う営業をいう」と規定されていますし、法55条1項には「測量業を営もうとするものは測量業者としての登録を受けなければならない」と規定されています。また法55条14には(無登録営業の禁止)「第55条の5第1項の規定による登録を受けない者は、測量業を営むことができない。」と規定されていますが何故、無登録の者と教育委員会が契約できて無登録の者を主務者と定めることができるのかその根拠となる資料。
5)前述の施設整備課のメールには「測量法に定める公共測量ではありません、よって測量法違反ではありません」とご説明いただきましたが4)にも関係いたしますが何故違反していません、と主張できますでしょうか。前述のとおり法第6条(教育委員会が計画し、執行した測量)の測量だとしても法の適用を受ける測量は法4条、5条、6条です。よってこの3種類の測量は測量業者以外はできません。なのに法第5条の測量ではありません。法第6条の測量です。よって測量法には違反していません。」(審査会注:原文ママ)と矛盾した主張ができる根拠資料です。
6)この業務の「測量業務特記仕様書」1-1総則には「準則の内容に準拠し、履行しなければならない」と規定されていますが準則第7条には「測量業者以外の者に、この準則を適用して行う測量を請け負わせてはならない。」と規定されていますがこの条文の規定を守らなくても良いとする根拠資料。
要するに法で規定された法6条の測量は測量業者以外は行ってはならない、と法に規定されていますが教育委員会のご説明では「法6条の測量です。だから測量法には違反しません」とご説明されていると思いますが読み返されて矛盾していると思いませんか。それとも参照しています法令等が違うのでしょうか。以前にも説明させていただいたと思いますが公共基準点(既知点)を2点以上使用して行う測量(要するに世界測地系座標を算出)は測量面積の大小、測量延長の長短にかかわらずすべて公共測量に該当いたします。また、「座標変換計算」も1点でも変換計算を行えば公共測量に該当いたします(費用、主体者によります)。これは別の法令に規定されていますし、国土地理院(つくば市の本院)でこの認識で間違いないことは確認済みです。以上、1)から6)につきまして法、準則の条文を示して資料のご提示をお願いいたしましたので教育委員会におかれましても法令、条例、若しくは作業規程等に基づきました明確な根拠とする資料をお願いいたします。
なお、この契約にともなう測量業務はすべて終了していると思いますが「間違っていました、法6条ではありませんでした」などと訂正はしないでいただけますでしょうか。法6条に基づいて事業を執行し、完了されていますのですべて無効となります。以上、よろしくお願いいたします。
(2) 本件請求2について
大阪市教育委員会 施設整備課 御中
不動産登記測量業務委託(A高等学校外8校)(以下「外8校」とします)及び不動産登記測量業務委託(A高等学校外9校)(以下「外9校」とします)、不動産登記測量業務委託(A高等学校外11校)(以下「外11校」とします)以上の3業務委託、並びにB高等学校、A高等学校、C高等学校、D中学校・高等学校、E高等学校についての以下の資料。
1)積算基準は3業務委託とも国土交通省公共嘱託登記積算基準、及び同省測量業務積算基準(歩掛も含む)、同省公共工事労務単価、同省設計業務委託等技術者単価を使用されていますでしょうか。違うのであればその積算基準が分かる基準名資料をお願いいたします。
2)3業務委託において提示されている「測量・地質調査及び設計等業務委託仕様書」、並びに「作業規程の準則」で規定されている基準点測量(多角測量(4)を含む)、補助基準点の設置の5高校の測量資料。B高校については境界測量に関する測量資料もお願いいたします。(境界点に関します写真は不要です)ただし境界点間精度管理表、及び点間距離計算書は5校分必要です。また、令和3年7月15日のB高校の現地立ち合い時にX土地家屋調査士よりご説明いただきました申請人と東側隣家の間の北側、水路蓋の上に設置された補助基準点A(点名は仮に私が付けたものです。昨年に図面をお送りしていますのでご確認ください)の手薄計算簿等、及び令和3年10月12日の施設整備課よりのメールでご説明いただきまいた補助基準点18より境界点測量を行った、という手薄計算簿等、並びに境界点5,500の手薄、計算簿等の資料は必ず漏れのないようお願いいたします。
3)「外8校」「外9校」業務委託で提出、作成された資料(製品仕様書、成果検定書、主要測量機器の検定書若しくは等級、機能、有効期限が記載された資料等、契約書3条、19条で示された資料、及び業務計画書、業務工程表等)。
4)「外8校」「外9校」業務委託において測量業務特記仕様書2、資料調査2-4下段に規定されています「登記記録・戸籍調査等には公用請求を活用すること」ですが法務局調査で使用されました公用申請は受注者に何通渡して何通使用して何通返却があったかわかる資料。
5)「外8校」「外9校」業務委託の随意契約とした根拠資料。2業務委託とも同一理由でしたらその2業務委託名を記載していただきましたら一通のみで結構でございます。
6)「外8校」「外9校」業務委託において上記5高校の道路交通法第77条1項1号に規定されている「道路使用許可」の写し(鑑と測量箇所図のみで結構です)。許可をとっていないみたいですが許可を取らなくて良い、とする根拠資料(または理由書)。
7)3業務委託において上記5校の現況測量の数量算出根拠となる資料。
8)「外9校」業務委託のF高等学校、G高等学校において明細書に計上されている「準備打ち合わせ」と記載されていますが着手時、中間1回、納品時という意味ですか。「1業務」としか記載されていませんので1業務の内容がわかる資料。「外11校」はまだいただいておりませんが併せてお願いいたします。
9)「外8校」「外9校」「外11校」業務委託の大阪市教育委員会より受注者への委託代金の支払い日がわかる資料(各業務ごとのメモ書きでもかまいませんが教育委員会での作成ということがわかるようにお願いいたします)。
補足説明
A)基準点測量(多角測量(4)を含む)、補助基準点の設置につきまして3業務で行われた5高校すべての測量資料。
B)境界測量につきましてはB高校は3業務で行われたすべての測量資料。ただし、写真関係は不要です。
B高校を除いた4高校の境界測量関係で必要な資料は境界点間精度管理表と境界点間距離補正計算書のみです(別途、点間手薄がありましたらお願いいたします)。
C)その他、「外8校」「外9校」業務委託の契約書、仕様書、特記仕様書、「測量・地質調査及び設計等業務委託仕様書」、並びに「作業規程の準則」、法令等で定められたA)、B)以外の資料。
以上、よろしくお願いいたします。
2 本件決定
実施機関は、本件請求1に係る公文書を保有していない理由を次のとおり付して、条例第10条第2項に基づき、本件決定1を行った。
【本件請求1に係る公文書を保有していない理由】
本件請求1の1)~6)について、不動産登記測量業務委託(A高等学校外11校)に係る測量は、土地家屋調査士が行う測量であることから、当該公文書をそもそも作成又は取得しておらず、実際に存在しないため。
実施機関は、本件請求2に係る公文書を、「業務完了通知書、業務着手通知書、主任担当者通知書、主務従事者通知書、誓約書、業務工程表、支出命令情報、請求書、観測手簿、計算書」(以下「本件文書」という。)と特定した上で、本件各非公開部分を公開しない理由を次のとおり付して、条例第10条第1項に基づき、本件決定2を行った。
【本件各非公開部分を公開しない理由】
(1) 本件非公開部分1について
条例第7条第2号に該当
(説明)
本件非公開部分1のうち、印影については、法人等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、公にすることにより偽造あるいは転用のおそれがあり、当該法人等の事業運営が損なわれるおそれがあると認められ、かつ同号ただし書にも該当しないため。
本件非公開部分1のうち、口座情報については、法人等の事業活動を行う上での内部管理に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等の権利その他正当な利益が損なわれるおそれがあると認められ、かつ同号ただし書にも該当しないため。
(2)
本件非公開部分2について
条例第7条第1号に該当
(説明)
公開しないこととした部分のうち、測点に係る情報については、所在地に関する情報であるため、個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより、特定の個人が識別される情報であると認められ、かつ同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しないため。
3 審査請求
審査請求人は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき、本件各審査請求を行った。
第3 審査請求人の主張
本件各審査請求における審査請求人の主張は、おおむね次のとおりである。
1 本件審査請求1について
(1) 審査請求の趣旨
本件請求1の1)~5)について本件決定1を取り消し、公開決定を求める。
(2) 審査請求の理由
ア 大阪市教育委員会が今回の測量は測量法第6条の測量に規定される測量に位置づけられるものです、と教育委員会のメールで説明をしていただいたが何故、民間(事業主体者)が行う測量を大阪市教育委員会が行うのか。当然、教育委員会としては何らかの根拠に基づき民間が実施する測量(第6条)を測量業無登録業者に発注していると思うので根拠がないはずはない。よってその根拠資料を提示していただきたいと思う。
イ 測量法第6条の測量を行うのであれば測量法第46条第1項に規定された届け出書を提出しなければならないが提出していないので測量法違反だと思われるが教育委員会としてはなんらかの根拠に基づき提出されていないと思われるのでその根拠資料の開示をお願いする。でなければ根拠なしに提出していないのであれば測量法違反となる。だから根拠がないはずはない。
ウ 境界協議は測量法に定められた測量だがこの作業についても当然測量業者以外はできないはずだがそれが何故、測量業無登録の者ができるのか当然なんらかの理由があると思われるのでその理由とする資料の提示をお願いする。
エ 教育委員会が位置づけされた測量法第6条の測量は民間(事業主体者)が行う測量だが測量法の適用を受ける測量と測量法に規定されている。もちろん調査士でも測量業の無登録の者は法第6条の測量はできないと測量法に規定されているがなんらかの根拠に基づき契約が行われていると思われるのでその根拠資料を示していただきたいと思う。
オ 公共測量(第5条)ではないので測量法違反ではない、とご説明されていると思うが何度もいうが測量法6条の測量も測量法の適用を受ける測量である。何らかの根拠に基づき測量法の適用を受ける測量だが測量法の規定(無登録業者の測量禁止)に違反しても違反ではない根拠資料を提示していただきたいと思う。
ア~オ 教育委員会の説明は測量法第6条の測量だから土地家屋調査士が行っても違反にならない、と述べられていると思うが測量法第6条の除外規定(測量法施行令第1条)のどの部分に該当するのか。また、測量法、土地家屋調査土法若しくは不動産登記法の何条に「土地家屋調査士の行う測量は測量法第6条だが測量法第6条の適用から除外される」と規定されているのか。要するに土木施工管理技士であろうと建築士であろうと土地家屋調査士であろうとまた、測量士であろうと測量法第6条に該当する測量は測量業無登録の者は行ってはならない。なのに行っているので当然、何かの理由、根拠に基づき行っていると思うのでその根拠資料の提示をお願いする。
以上、アからオについて根拠となる資料がないのであれば測量法違反となるし大阪市教育委員会よりの公文書(メール)にも記載されているのでない、不存在ということはないはずである。また、メールの記載内容は職員個人の見解ではない、ということは確認している。よって根拠となる公文書は必ず存在する。
(3) 令和6年4月18日付け意見書
大阪市教育委員会による審査請求人からの内容証明郵便による問い合わせに対し2021年10月12日に公文書(メール)で「測量法第6条に規定される測量に位置づけられるものです。」との説明、回答をいただいた。なお、測量法の適用を受ける測量として第4条(基本測量)国が実施する測量、第5条(公共測量)国、若しくは公共団体がその測量費用の一部、若しくは全部を負担して行う測量、第6条(基本測量及び公共測量以外の測量と規定されているが教育委員会の説明では「測量法第6条の測量だが土地家屋調査士の測量だから測量法の適用は受けない」と説明されていると思うが測量法第2条に規定されているように土地家屋調査士法と測量法の間には特別の定めはない。よって優先、劣後の関係はなく、測量法に規定されている測量を実施するには測量法の適用を受けるということである。このあたりの説明を図も書いて説明したし、所管官庁(国土交通省国土地理院)の説明文も提示したが頑なに認めようとはしなかった。またこの件で申請人が国土地理院に質問したところ、回答をいただいた。この件で令和4年に住民監査請求「大監第39号令和4年12月23日」を行ったがこの時に初めて監査委員に対して「第6条の測量」と説明したのは間違いだった、と説明したようだが申請人には一切の訂正等の説明はない。住民監査請求による通知文書の中には「申請人に説明したが申請人が訂正は受けいれないと表明した」と説明しているが勿論、そのような事実はない。この件に関してはただいま「教育委員会の誰が、いつ、どのような方法で申請人に説明したのか」、「申請人がいつ、どのような方法で受け入れないと表明したのか」について情報公開を求めているところである。なお、上記大阪市教育委員会よりの公文書(メール)を戴いた後に令和3年10月24日、同年11月22日、12月19日、12月21日と教育委員会の説明が間違っていることが確認できる資料を送付したが一切説明はなかった。またその後に大阪市に「大阪市民の声」という組織があり、事情を説明し、市民の声としてメールを出しているので返事をいただきたい旨、伝えていただいたがそれでも説明の連絡はいただけなかった。
結論として1)~6)の公開請求は全て「測量法第6条です」という説明に起因するものである。また、上記で説明したように再三、再四の説明要請にも説明、回答いただけないということは必ずなんらかの根拠に基づいて「測量法第6条に位置づけられるものです」と公文書で説明したのではないか。その根拠とした資料の開示を求める。
なお、監査請求通知文書にこの部分についての説明があるがこれも虚偽の説明である。教育委員会は公共団体である。また契約相手方のH協会は民間の受託は法律で禁止されている。また「民間の嘱託登記」などという登記方法はない。
補足説明として今回の測量が「測量法の第5条の公共測量に該当する」ことの説明を概略であるが行う。
第五条 この法律において「公共測量」とは、基本測量以外の測量で次に掲げるものをいい、建物に関する測量その他の局地的測量又は小縮尺図のその他の高度の精度を必要としない測量で政令で定めるものを除く。
一 その実施に要する費用の全部又は一部を国又は公共団体が負担し、又は補助して実施する測量
上記の政令(測量法施行令第1条第1項第4号)
ロ 路線の長さが六キロメートル(北海道にあっては、十キロメートル)未満であり、かつ、基本測量又は公共測量によって設けられた三角点、図根点又は多角点を二点以上使用しない多角測量
要するに公共基準点等の成果を2点以上使用すれば全て公共測量(世界測地系)だということである。
(4) 令和6年6月4日付け意見書
大阪市教育委員会の弁明書が測量法に対する理解がなく、想像で説明されているので補足説明する。
ア そもそも「公共測量ではなく、測量法第6条に規定される測量に位置づけられるものです。」と説明されたのは教育委員会である。測量法第46条に規定のとおり「あらかじめ…」別表6を提出するよう、規定されている。
イ 測量法第6条(教育委員会が言うところの)も測量業登録者のみしか受注できない。
ウ 添付資料は、大阪市が国土地理院に質問した内容に対して国土地理院が大阪市に回答した文書に関し、国土地理院から私にその意味するところを説明いただいた内容である。この内容の解釈が教育委員会は間違っている。国土地理院の回答を簡単に説明すると、a「測量法は測量士について、調査士法は調査士についての規定であって測量法に調査士について調査士法には測量士についての規定はありません」という意昧である。b、cについてはこれ以上の説明は不要だと思うので省略する。dについては測量法第6条の測量にも適用される。そもそも特記仕様書等にも教育委員会が作業規程の準則に準拠しなければならない、と規定されている。この質問内容が非常に絞滑な質問の仕方である。要するに調査士の行う測量は測量法には無関係と地理院に言わせたかったのであろうが地理院の説明は測量法と調査士法は関係ない。よってそれぞれの法律に規定された事項は守って、という意昧である。教育委員会はこのことを全く理解していない。だから表示登記に必要な調査、測量であっても(調査士が行う測量であっても)測量法に規定された測量を行うのであれば測量法の規定に従わなければならない、という意昧である。要するに故意かどうかはわからないが質問内容に肝心の内容が抜けている。「土地家屋調査士が行う表示登記に必要な測量の中に測量法に規定の第5条、第6条の測量に該当する測量があっても測量法の適用は受けない、と考えて良いですか。」と質問しなければならないのではないか。そもそも特記仕様書に「作業規程の準則に準拠」とされているのに「この業務の作業規程は作業規程の準則ですが作業規程に従う必要ないと考えますがこの考えで間違いないですね」なんて恥ずかしくて質問できないであろう。また、eについても質問内容を見ると教育委員会が説明の「測量法第6条に位置づけられる測量ですが届け出は必要ないと考えますがこの考えで間違いないですね」とはこれも恥ずかしくて聞けないのではないか。要するに肝心の文言を故意に隠し地理院から自分たち(教育委員会)に有利な言質を取ろう、としたようだが国土地理院はそうはいかない。また、地理院に質問したのは土地家屋調査士だからその氏名は個人情報に該当すると説明しているが「大監39」の通知文には大阪市が架電、となっている。どちらが事実なのか。そもそもこの業務は令和4年3月末で終了しているのに何故大阪市の職員でない者が地理院に問い合わせしたのか。また調査士名を黒塗りしたつもりかもしれないが「○○」と表示されている。また、大監39では請求人に説明したが受け入れない、と言った、と説明しているがそのような事実もない。この件で「教育員会のだれが、いつ、どのような方法で説明したのか、また、申請人がいつ、どのような方法で受け入れない、と表明したのかそのことが確認できる資料の情報公開請求をしたが資料はない、とのことである。説明した、とする資料がないのに受け入れるも受け入れないも判断の仕様がない。長々と述べたが「第6条」に位置付けたのならその根拠資料は必ず存在するはずである。それとも思い付きで位置付けしたのか。なお、公平性の観点から土地家屋調査士、H協会の監督官庁である大阪法務局、及び法務省民事局第2課に対し「表示登記に必要な調査、測量の中に公共測量に該当する測量が存在する場合、土地家屋調査士のみの資格で受注できますか」、「土地家屋調査士法第3条第1項を根拠に土地家屋調査士法は測量法に優先する、と考えて差し支えないですか」と文書で照会したが教育委員会が主張するような回答はなかった。
(5) 令和7年12月2日付け意見書
大阪市教育委員会による本審査請求に対しての弁明書には本件請求1の1)~5)に対し何ら説明がなされていないので再度、請求内容を述べる。
ア 本件請求1の1)について
再三の説明となるが大阪市教育委員会が公文書で「測量法第6条に位置付けられるものです」と説明しているので何らかの根拠に基づき「第6条に位置付けた」のではないか。その位置付けた根拠となる資料の提示を求めている。まさか何の根拠も無しに位置付けることはできない。
イ 本件請求1の2)について
あらかじめ申請書を提出しなければならない。弁明書を確認すると「受注者に提出を求めていません」とあるが、この届出書は発注者が作成しなければならない。
ウ 本件請求1の3)について
境界協議の作業は、純然たる公共測量に該当する測量である。
エ 本件請求1の4)、5)について
教育委員会が国土地理院に質問したという内容では概略すると「測量士と土地家屋調査士では適用される法律が違うので土地家屋調査士は測量法に適用されない」と説明するが請求人に教育委員会が公文書で説明した「測量法第6条に位置付けられるものです」という文言を故意に省いて国土地理院に質問し、地理院の言質を取ろう、とした。
請求人、地理院に質問、回答した内容を合わせると「測量法第6条に位置付けられるものですが土地家屋調査士が表示登記に必要な調査、測量ですが測量法には適用されない」と、質問しなければならない。しかし故意に省いて質問すれば当然、調査士と測量士では適用される法律が違うので地理院の回答はこのような回答となるが、しかし、地理院の回答にあるように「測量法第5条、6条に該当しないのであれば測量法適用外です」と、説明しているが言い換えれば第5条、6条に該当すれば測量法の適用を受ける測量になる、という意昧である。
また、地理院の公文書で説明されているとおり「表示登記のための測量であっても公共測量に該当する測量は測量業者でなければなりません。」と、説明されている。
土地家屋調査士法の所官庁、及びH協会の監督官庁である法務省民事局民事第2課及び大阪法務局いずれも調査士法が測量法に優先するのか、また、調査士のみの資格で表示登記の中に公共測量が含まれていた場合、調査士のみの資格で公共測量に該当する調査、測量は受託、実施は可能か、可能であれば可能であることが確認できる資料の開示請求を求めたが両者とも「そのような文書はない」ということだった。
また、国土地理院回答で説明しているように「調査士の測量でも公共測量に該当する測量は測量法の適用を受ける」と説明されている。
なお、測量法では測量業無登録者が公共測量に該当する測量を行えば2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(第61条の2)、また罰金以上の刑に処せられると測量士、士補の資格取り消し(測量法第52条)となるし資格の取り消し処分を受けると、今度は土地家屋調査士法第5条の規定により調査士の資格を失う。勿論、資格を失うと調査士法第15条の規定により調査士の登録が取り消される。
また、法務省民事局が規定している「法務省不動産登記法第14条第1項地図作成等基準点測量作業規程」という作業規程があるが同規程第8条には「測量法に規定する届け出を行うとともに…」と規定されている。
なお、H協会が実施した「土地家屋調査士法第3条第1項の不動産表示登記に必要な測量」(謂査士はこの測量しかできない)で公共測量として国土地理院に公共測量実施計画書を提出し、助言を受け、審査も受けたことが確認できる資料を提示する。この公共測量は2級基準点2点であるから2点×500メートル×1.5倍≒2キロメートル、4級が8点×50メートル×1.5倍≒0.6キロメートルなので2級+4級合計して約2.6キロメートルしかならない。よって測量法施行令第1条第4項(ロ)の6キロメートル以内の測量延長となるので「局地的測量」となるので大阪市の規定どおりなら公共測量としての申請は受け付けていただけないので公共測量とはならないが、なぜこれが公共測量として計画書を提出し、認証を受けなければならないかというと測量法に規定の三角点、若しくは公共基準点成果を2点以上使用しているから公共測量としての申請が必要となる。
国土地理院の説明にある「路線長が短くても(公共)基準点を2点以上使用すれば令1条該当しなくなり、測量法が適用されることをご承知ください」と回答されているし、公共測量の手引き(国土地理院作成)の面画にあるように局地的測量で測量法の手続が不要となる測量欄4.に記載されているとおり「測量の中で基準点を全く使用しない、若しくは1点しか使用しない」のであれば手続不要、と規定されているとおり、2点以上使用すれば公共測量となる、という意味である。
同じく同手引きの図にあるように既知点~新点~既知点(単路線という)の基準点測量でこれが4級であれば路線長は100メートルとなるし3級でも400メートルとなる。なお、2級、1級ではこの単路線方式ではできない。
また、前述した作業規程の準則の解説と運用(日本測量協会)という逐条解説書で説明されているように「注意すべきは、測量の規模が政令に示された範囲内であっても、基本測量又は公共測量によって設けられた基準点を2点以上使用する測量はその目的において相当の精度が期待できますので法の適用を受ける測量となります。」と、説明されていることから測量規模に関係なく公共基準点の成果を使用し、公共団体がその測量費用の一部でも負担すれば公共測量となる。
また、なぜ、2点以上、と規定されているか、というと2点となければ座標計算ができないし基準点測量は必ず精度確認を行わなければならない。
よって公共測量か否かはその測量費用の負担が公共団体であれば測量法第5条となり民間等が実施主体者であれば6条の基本測量及び公共測量以外の測量となる。
なぜ民聞が行う測量に測量法で規定しているかというと算出された座標(世界測地系座標)は公共基準点等の成果を使用すればその座標は極端な説明をすれば世界のどこからでもその位置が特定できるので当然、高度の位置精度を持った座標でなければならない、ということで測量法で規定している。
長々と説明したが請求人が求めているのは大阪市教育委員会が請求人に対し「測量法第6条に位置付けられるものです」と説明があったので位置付けた根拠が確認できる資料を求めているが弁明書では測量法第5条についてのみの説明となっている。
(6) 口頭意見陳述
ア 教育委員会は本件業務委託が、測量法第6条(基本測量及び公共測量以外の測量)に基づくと説明するが、本来これは民間業者が担当すべき内容であり、公共団体やH協会は出来ない業務のはずである。
説明が間違っているのではないかと、何度もメールで問い合わせたが、返答は無かった。
教育委員会は公共測量ではないから、測量法と土地家屋調査士法は関係ないと述べているが、そもそも測量法第6条にのっとった業務であると説明したのであり、その根拠が無いというのはおかしい。
弁明書において、測量士と土地家屋調査士は適用される法律が異なり、測量法に基づく資料を求めても存在しない旨を説明するが、そうであるならば、何故、測量法第6条と説明したのか。
本件請求1の2)で求めた文書を提出していないのに、何故、測量法第6条に基づくといえるのか、その根拠が分からない。
請求人が請求した内容を確認できる資料は無いのではないかと思うが、無いにせよ、何か根拠があって、測量法第6条と説明したはずである。
住民監査請求を行った際に、説明を誤ったと述べていたが、何故間違ったのか不明であるし、請求人への説明もない。
測量法第6条の測量が民間を行う業務であることは、国土地理院に確認している。しかし、大阪市が何の根拠もなく、測量法第6条と説明するとは思えないため、その根拠を見せて欲しい。
イ 提出した資料の一部について、ある人が測量法と土地家屋調査士法の関係について国土地理院に対し行った質問及び回答である。その中に一括発注を行う場合においても、不動産登記を目的とした地積測量図の作成を除き、測量業者でなければならない旨が記載されている。
ウ 提出した資料の一部について、土地家屋調査士が表示登記を行う際、測量法第5条の公共測量が含まれていた場合に土地家屋調査士が業務を実施可能な根拠を法務省に求めたが、存在しないとのことだった。
エ 提出した資料の一部について、国土地理院に確認したところ、土地家屋調査士が行う業務に測量法に規定した測量が含まれている場合は、土地家屋調査士ができない旨の回答があった。
オ 提出した資料の一部について、国土地理院が公開している公共測量であり、法務省が土地家屋調査士法第3条第1項に基づく調査を行っているが、公共測量としての申請がされている。適用される法律が異なるという実施機関の説明を踏まえると、申請を出す必要は無いはずであるが、本来はこのような手続が必要である。そのため、測量法と土地家屋調査士法は関係がないとする説明は誤っている。
カ 提出した資料の一部について、教育委員会が国土地理院に電話で確認したようであり、同内容の質問を請求人が国土地理院に行い、いただいた回答である。
教育委員会は、当該回答を踏まえ、測量法と土地家屋調査士は関係が無い旨を主張する。しかし、当該質問は測量法第6条に触れずに行われており、当該測量が、測量法第5条及び第6条の測量に該当しない場合には、土地家屋調査士は測量法の縛りは無いものと考える。
キ 法務省に公開請求した資料について、土地家屋調査士が行う測量に公共測量が含まれる場合、土地家屋調査士の資格のみでもできるのか確認したところ、そのような文書は不存在である旨の回答があった。
ク 国又は公共団体が費用を負担し、若しくは補助して実施される用地測量で、政令の定めで除かれるものでなければ、公共測量に該当する。
2 本件審査請求2について
(1) 審査請求の趣旨
本件決定2を取り消し、公開決定を求める。
(2) 審査請求の理由
条例第7条第1号ただし書アに該当。条例により位置情報そのものがすでに公開されている。また公共基準点はその測量成果(座標値等)を一般の閲覧に供しなければならない、と法律で規定されている。
また、観測手簿の倍角差、観測差、高度定数、高度定数差、セット間較差は測定値ではない。観測値が制限値内かどうかの点検値である。よってこれらの数値から位置情報を特定することはできない。もしこれらを黒塗りするのであれば「トラバース計算書」下段の角の閉合差、精度の数値も消さなければならない。また、計算書は黒塗りされているのに何ゆえ下段には座標値そのものが表記されているのか。
(3) 令和6年4月18日付け意見書
令和4年7月6日付けの公開請求について部分公開の決定が大阪市教育委員会よりなされたが基準点測量(多角測量)観測手簿、計算書の全部公開を求める。理由として、教育委員会の説明では「測点に係る情報については、所在地に関する情報であるため、個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより、特定の個人が識別される情報であると認められ…」とあるが基準点測量(多角測量)は後続作業の基準とする作業であってこの基準点によって境界測量等を行うための測量である。また境界測量等の成果により登記のために法務局に提出する「地積測量図」に必ず記載しなければならない位置情報である。以上に基づいて作成されたのが今回の地積測量図である。要するに最終的に個人(この場合、個人ではないが)の位置情報は公表されている。不動産登記法第1条に規定されているとおり位置情報(座標値)が確定された土地について公開することによって所有者が所有する土地等について第三者に所有権を主張できる、ということである。また、今回請求して部分公開された資料だが公共基準点も黒塗りされている。公共基準点は測量法で公開することが義務付けされている。また大阪市ホームページ(大阪市公共基準点配点図閲覧サービス)で説明しているとおり大阪市建設局測量明示課でだれでも閲覧できる。それを何故、教育委員会が黒塗りできるのか。そもそも黒塗り部分は令和4年7月6日付けの公開請求で別図面が全面公開されている。要するに同じ情報公開請求に基づき請求しているにも関わらず矛盾した決定通知がされている、ということである。またジオイド高計算書にあるジオイドが何故位置情報に該当するのか。ジオイドというのはある地点において準拠楕円体より海水面を引き入れたときの海水面までの高さである。以上により大阪市教育委員会の決定理由には全く根拠のない主張、説明である。なお、申請人がなぜこれほど強く公開を求める理由を説明するが結合トラバース計算書が虚偽の方法に基づいて作成された疑いが強く疑われるからである。この部分の観測値を公開することにより虚偽の証明ができる。
(4) 令和7年12月2日付け意見書
対象文書の一部の黒塗り部分は公共基準点の成果に該当する。また、当該部分の下部で公開されている座標と本来同一でなければならない。寄って当該部分を黒塗りはできない。
当該黒塗り部分の左端に測点名が印字されているが同点は公共基準点と言うことが確認できる。
よって黒塗りすることは測量法第42条「…これらを一般の閲覧に供しなければならない」違反となる。
なお、今回の使用された公共基準点は国土地理院が都市再生事業に伴い実施された公共測量の成果を大阪市が管理、保全している公共基準点成果である。よってこれらを2点以上使用しその測量費用を公共団体が負担すれば測量規模(測量延長に関係なく)公共測量に該当する測量となる。教育委員会の説明では「公共測量ではないので測量法にはとらわれない」と説明しているが大阪市公共基準点に関する条例等は全て測量法に準拠して規定されたものである。
なお、この審査請求と公共測量かどうかはあまり関係がないと思うが教育委員会が「公共測量が」の弁明をしているので簡単に説明する。
なお、公共測量でない、と言い張るのであれば何故、測量法で規定された公共基準点を使用し世界測地系座標と表示し第6系で座標縮尺まで記載するのか。
ところがこの業務で登記された地積測量図には「任意座標」と記載(だから通常、世界測地系で測量したのであれば基準点網図を記載し、世界測地系と表示し併せて座標系、縮尺係数も表示しなければならない)しているので一見この「任意座標」とした地積測量図との辻棲は合致しているようにみえるがこの地積測量図を作成したもう一つの根拠が周囲の土地確定協議図があるが全て世界測地系で実施したと記載し第6系、縮尺係数も記載されているということである。
また、隣接地が大阪市道部分についても大阪市建設局が教育委員会に交付した道路区域明示図も世界測地系の座標値である。
要するに地域測量図は任意、その地積測量図を作成した境界協議図には世界測地系と相反する資料を作成し虚偽の登記がなされている、ということである。
説明を元にもどすが計算書は黒塗りだがその計算書の成果となる基準点(多角点)網図は全面公開されているし、そもそも個人の所有地が確定された境界点自体が地積測量図及び境界協議図で全て公開されている。
同じく対象文書に記載されているジオイド高は架空の高さだがこの高さを以て個人の位置を特定することは不可能である。
説明が飛んで申し訳ないが境界点自体が測量法に規定の三角点等を基準に測量し、その座標値を表示されなければならないし、いわゆる個人情報となる座標値を公表することによって第三者、隣接地権者に所有権が及ぶ範囲を主張できる、ということである。
(5) 口頭意見陳述
ア 計算書において、個人情報に該当するとして黒塗りされている箇所があるが、その中に公共基準点に該当するものが多く含まれている。公共基準点の成果は、測量法に基づき、公表しなければならないため、黒塗りにすることは異様である。
イ 計算書では黒塗りになっている情報が、計算書を基に作成された資料である多角点網図において公表されており、辻褄が合わなくなっている。
ウ 対象文書の一部について、ジオイド高が1カ所黒塗りされているが、ジオイド高とは、準拠楕円体から仮の海面までの高さのことである。これで、位置は特定できないので、黒塗りの意味は無い。
エ 対象文書の一部について、表の下部で公開されている公共基準点の座標と同内容の部分が黒塗りされている。
オ 位置情報の座標は不動産登記規則により記入されることとなっている。
カ 非公開部分のうち、法人の印影、口座情報の公開は求めていない。
第4 実施機関の主張
実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。
1 決定の理由
(1) 本件決定1について
ア 土地家屋調査士と測量士について
土地家屋調査士は、法務省が所管する資格であり、土地家屋調査士法第1条で「不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家」と規定されており、業務の内容については、同法第3条第1項第1号において「不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量を行う」と規定されている。
一方、測量士は、国土交通省が所管する資格であり、測量法の規定に基づき「基本測量」や「公共測量」を行っている。
なお、処分庁において、測量に関する制度を所管する国土地理院へ確認を行い、測量法の規定にのっとった測量を行わなければならないのは、測量士のみであることは確認済みである。
イ 不動産登記測量業務委託について
処分庁がH協会へ委託をしている不動産登記測量業務委託は、土地家屋調査士法及び不動産登記法に基づく公共嘱託登記業務委託である。
今回、審査請求人により行われた公開請求は、測量法の規定に基づく測量において作成しなければならない書類等を求めるものである。本件業務委託の目的は不動産登記であり、測量法等を準拠することとしているものの、測量法等に定めのある書類等は登記上必要な書類ではないことから作成及び提出を求めていない。
以上のとおり、審査請求人は当該業務委託とは関係のない測量法等に規定されている書類の公開請求をしており、H協会は、本件請求に係る書類等の作成はしておらず、また処分庁も提出を求めていないことから、実際に資料を保有していない。
(2) 本件決定2について
審査請求人は、本件各非公開部分のうち「観測手簿」及び「計算書」における測点に係る情報が非公開情報に該当しないことを理由に本件決定の取り消しを求めており、当該部分以外の非公開部分の公開の可否について争っていないため、「測点に係る情報」を公開しないこととした理由に絞って本件決定の理由を説明する。
ア 測量法の規定に基づく測量について
測量法は、「基本測量」や「公共測量」の定義や測量業務に携わる測量士の資格等について定めた法律であり、測量の制度を所管する国土地理院に処分庁において確認したところ、測量法の規定にのっとった取扱いを行わなければならないのは、測量士のみであることを確認した。
イ 処分庁が実施した不動産登記測量業務委託について
処分庁がH協会へ委託している不動産登記測量業務委託は、土地家屋調査士法及び不動産登記法に基づく土地家屋調査士による公共嘱託登記業務委託である。
ウ 本件非公開部分2の条例第7条第1号の該当性について
本業務委託は、不動産登記を目的としてH協会へ委託したものであり、測量法の規定に基づき行わなければならないものではない。
そのため本業務委託においては、測量法で規定されている測量成果の国土地理院への提出も必要がないことは、前述のとおり確認をしている。
また、今回、非公開とした測量成果、点検値等については、個人の土地の財産に該当する部分であり、位置情報が把握できるか否かに関わるものではない。
そのため、本市の財産に係る土地の情報については、公共のものであることから公開はしているが、個人の土地の情報については、条例第7条第1号に該当するものとして非公開としたものである。
以上のとおり、審査請求人は本業務委託とは関係のない測量法等の規定に基づく公文書の公開請求をしており、処分庁においては、個人の財産に関わる以外の部分は実際に資料を保有していない。
2 結論
以上の次第であり、本件各決定は条例にのっとった適正なものである。
第5 審査会の判断
1 基本的な考え方
条例の基本的な理念は、第1条が定めるように、市民の公文書の公開を求める具体的な権利を保障することによって、本市等の説明責務を全うし、もって市民の市政参加を推進し、市政に対する市民の理解と信頼の確保を図ることにある。したがって、条例の解釈及び運用は、第3条が明記するように、公文書の公開を請求する市民の権利を十分尊重する見地から行われなければならない。
しかしながら、条例は全ての公文書の公開を義務付けているわけではなく、第7条本文において、公開請求に係る公文書に同条各号のいずれかに該当する情報が記載されている場合は、実施機関の公開義務を免除している。もちろん、この第7条各号が定める情報のいずれかに該当するか否かの具体的判断に当たっては、当該各号の定めの趣旨を十分に考慮しつつ、条例の上記理念に照らし、かつ公文書の公開を請求する市民の権利を十分尊重する見地から、厳正になされなければならないことは言うまでもない。
2 争点
(1)
本件審査請求1について
審査請求人は、本件審査請求1において、本件請求1の1)~5)に該当する文書が存在するはずであると主張するのに対し、実施機関は、存在しないとして争っている。
したがって、本件審査請求1における争点は、本件請求1の1)~5)において公開を求めている文書(以下「本件請求文書」という。)の存否である。
(2) 本件審査請求2について
審査請求人は、本件審査請求2において、本件非公開部分2は非公開情報に該当しない旨を主張するのに対し、実施機関は、条例第7条第1号に該当するものとして争っている。
したがって、本件審査請求2における争点は、本件非公開部分2の条例第7条第1号該当性である。
なお、審査請求人は、本件請求1の6)の存否及び本件非公開部分1の条例第7条第2号該当性について争っていないことから、審査会はこれらの妥当性については判断しない。
3 争点の検討について
(1) 本件審査請求1について
ア 前提
審査請求人は、実施機関から「不動産登記測量業務委託(A高等学校外11校)」(以下「本件業務委託」という。)における測量(以下「本件測量」という。)について、「測量法第6条に規定される測量に位置づけられる」旨の説明を受けたことを踏まえ、(ア)測量法第6条の測量と規定される根拠資料(イ)測量法第6条の測量であれば提出されているはずである測量法第46条第1項で規定された「別表6」の写し、提出されていないのであれば、法に定められたことを守らなくて良いとする根拠資料(ウ)測量法第5条の公共測量ではないと断定された根拠資料(エ)何故、測量業者としての登録を受けていない無登録の者と教育委員会が契約でき、無登録の者を主務者と定めることができるのかその根拠となる資料(オ)測量法第6条の測量であっても、測量業者以外出来ないのに、測量法違反ではないと主張できる根拠等を求める本件請求1を行った。
一方、実施機関は、当初、審査請求人の主張のとおり、本件測量を測量法第6条に規定された測量である旨を説明していたが、その後、当該説明は誤りであり、本件業務委託は、土地家屋調査士法及び不動産登記法に基づいて行われたものである旨を述べている。
そして、実施機関は、本件測量は、土地家屋調査士が行う測量であり、本件請求1は、本件業務委託とは関係のない測量法等に規定されている書類の公開を求めるものであることから、本件請求文書はない旨を主張している。
イ 本件請求文書の存否について
上記のとおり本件請求は、本件測量が測量法に基づくものであるということを前提にその根拠資料を求めるものであることから、実施機関が本件測量は測量法に基づくものではないと認識していることを踏まえると、本件請求文書は存在しないという実施機関の主張には、一定の合理性があると考えられる。
しかし、審査請求人の主張するとおり、実施機関が、当初、測量法第6条に規定された測量である旨を説明している以上、当該説明の根拠となる文書が存在するのであれば、本件請求文書に該当する可能性がある。
また、本件請求1の3)に該当する「測量法第5条の公共測量ではないと断定された根拠資料」については、実施機関が、本件業務委託を土地家屋調査士法及び不動産登記法に基づくものであると説明を変更するに当たり、当該説明の根拠となる文書が存在するのであれば、当該文書は、本件測量が測量法第5条の公共測量ではないことを示す文書であるとも考えられることから本件請求文書に該当する可能性がある。
上記の内容について、実施機関に確認を行ったところ、「当初、明確な根拠等がないまま測量法にのっとった業務であると説明をした」、「根拠法令については、H協会へ口頭で確認した内容であるため、本件請求日時点において、作成又は取得した根拠資料は存在しない。」旨の回答があり、当該回答を踏まえると、本件請求文書は存在しないとする実施機関の主張に特段、不自然、不合理な点は認められない。
ウ その他の審査請求人の主張について
審査請求人は、本件業務委託が測量法第5条の公共測量に該当することから、土地家屋調査士にはできない業務である旨を主張しており、実施機関の主張とは相違のある状況である。
この点、測量法の適用について検討がなされた住民監査請求に対する監査においては、土地家屋調査士法は、「土地家屋調査士が行う」測量業務に、測量法は、「測量士が行う」測量業務に、それぞれ別途適用され、重複して適用されることはないものとする解釈で概ね一致していることが認められること、測量法の解釈において、同法の適用を受ける測量は「広域的かつ高精度な測量」であるとされており、「登記内容の明確化」を目的とする測量は「局地的測量」として、土地家屋調査士法が適用される測量であると分類されていること、土地家屋調査士法を管轄する法務省からは、測量士が業として他人(官公署、個人を問わない)の依頼を受けて、不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査、測量をすること及び地籍測量図等を作製することは、土地家屋調査士法第19条第1項(現行第68条第1項)に抵触する旨の見解が示されていること、土地家屋調査士法第3条第1項第1号が土地家屋調査士の業務として規定する業務の一部に、法的に土地家屋調査士が担うことのできない業務(例えば、測量士しか担うことのできない業務)が含まれるとすれば、土地家屋調査士が担う業務の内容を定めた同号の意義が失われるものと解され、このような解釈を同法が想定しているとも言い難いことを理由に、測量法の適用を認めない見解が示されているところである。(令和7年3月7日付け大監第53号参照)
しかしながら、本件審査請求1の争点は、上記アのとおり、本件業務委託における測量が測量法第6条に規定される測量であることを前提とした根拠文書の存否であり、本件業務委託の適法性にかかわらず、上記イのとおり、本件対象文書は存在しないと考えるのが妥当であり、また、審査会は、公開決定等又は公開請求に係る不作為に関する審査請求があった際に調査審議を行う機関であり、実施機関の行う事業の是非を判断する機関ではない。
よって、審査会において、本件業務委託の適法性については検討しない。
(2) 本件審査請求2について
ア 条例第7条第1号の基本的な考え方について
条例第7条第1号本文は、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」は原則として非公開とすることを規定するが、同号ただし書において、「ア
法令若しくは条例…の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報、イ 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報、ウ
当該個人が公務員等…である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」は、条例第7条第1号本文に該当する場合であっても、公開しなければならない旨規定している。
イ 条例第7条第1号該当性について
実施機関は、本件非公開部分2について、個人の土地における測量成果、点検値等であり、個人の土地の財産に該当する部分であることから、非公開情報である旨を主張している。
この点について、実施機関に詳細な説明を求めたところ、「境界点付近の情報を示すことにより、実測面積等の個人の財産に該当する部分が判明するおそれがある」、「個人の土地の一部を表すものであり、詳らかに土地の面積を明らかにするものではないが、個人の土地の一辺が明らかになることにより、より精緻な計算ができるものと認識している」旨の回答があった。
本件文書のうち、本件非公開部分2が含まれるのは、「観測手簿」及び「計算書」(名称に「計算書」を含まない「観測手簿」以外の文書を含む。以下同じ。)であり、審査会において見分したところ、観測手簿には、各測点における測量結果が、計算書には、測量結果等を基に算出された各測点における座標や各測点間の距離等が記載されていた。
そして、ある測点が個人の土地に関する測点である場合、当該測点に関する測量結果等は、個人に関する情報であり、また、その所有者は不動産登記簿で閲覧可能であることを踏まえると、特定の個人を識別することができることから、原則として、条例第7条第1号本文に該当し、かつただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しないことから非公開が妥当であると考えられる。
一方、本件非公開部分2には、そもそも個人に関する情報に該当しない情報など、条例第7条第1号に該当しないと考えられる情報も含まれていることから、以下、検討する。
(ア)公開部分1について
本件非公開部分2には、個人の土地とは無関係の測点に関する情報が含まれており、当該情報は、個人に関する情報であるとは認められない。
よって、当該情報は、条例第7条第1号に該当しない。
なお、当該情報には、審査請求人が非公開情報に該当しない旨を主張する公共基準点及びジオイド高(本件非公開部分2に含まれるのは、公共基準点におけるジオイド高のみである。)が含まれる。
(イ)公開部分2について
観測手簿に記載された水平角のうち、「観測角」又は「水平角」欄の一部の値については、測量の手順上、0度付近等、特定の目盛り付近を示す。また、「結果」欄の一部の値については、計算に当たり、0度と記載される。
これらの情報については、測量の性質上、ある程度定まった数値であり、個人に関する情報であるとは認められない。
よって、当該情報は、条例第7条第1号に該当しない。
(ウ)公開部分3について
観測手簿の「目標高」、「反射鏡定数」、「気象補正」及び「定数」欄並びに計算書の表中には、空欄若しくは測量結果に該当しない文言が記載されている場合があり、当該情報は、個人に関する情報であるとは認められない。
よって、当該情報は、条例第7条第1号に該当しない。
なお、空欄であることから、条例第8条第1項ただし書の「当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるとき」に該当し、公開の義務がないとも考えられるが、当該情報は、ある項目の記載がない旨を示す情報であり、条例第8条第1項ただし書には該当しない。
(エ)公開部分4について
観測手簿の「倍角」、「較差」、「倍角差」、「観測差」、「定数差」、「セット内較差」、「セット間較差」及び「反射鏡定数」欄並びに計算書の「偏差」、「標準偏差」及び「重量」欄は誤差及び精度指標であることから、当該情報は、個人に関する情報であるとは認められない。
よって、当該情報は、条例第7条第1号に該当しない。
(オ)公開部分5について
測点名は、測量に当たって使用された測点の名称であり、記号は、測量に当たっての望遠鏡の回転方向を示すものに過ぎないことから、当該情報は、個人に関する情報であるとは認められない。
よって、当該情報は、条例第7条第1号に該当しない。
(カ)公開部分6について
目標高、器械高、測標高については、地面から設置した測量機器の反射鏡までの高さであり、土地の高さではないことから、当該情報は、個人に関する情報であるとは認められない。
よって、当該情報は、条例第7条第1号に該当しない。
(キ)公開部分7について
上記のとおり、ある測点が個人の土地と関係する測点である場合、当該測点に関する測量結果等は、原則として、非公開が妥当である。しかし、審査請求人の主張するとおり、当該情報が法令等により公開されている場合は、条例第7条第1号ただし書ア「法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」に該当し、非公開事由はないと考えられる。
この点、実施機関に確認したところ、一部の個人の土地と関係する測点に関する情報は、登記に当たり、地積測量図に記載の上、法務局に提出しているとのことであった。
よって、地積測量図に記載された測点の座標及び測点間の距離は、条例第7条第1号ただし書アに該当し、当該情報は、条例第7条第1号に該当しない。
また、実施機関によると、「境界点座標、多角点座標及び公共基準点の座標が判明するならば煩雑な作業となるが、計算により平面距離、縮尺補正、球面距離、夾角、方向角、逆算方向角及び逆算距離は判明する」とのことであるから、これらの座標が判明する場合は、平面距離等の算出可能な情報についても、条例第7条第1号に該当しない。
(ク)公開部分8について
計算書には、「トラバース計算書」という名称が含まれた表が記載されており、各測点における夾角や距離の合計が記載されている。
そして、これらの値を公にしたとしても、条例第7条第1号に該当する各測点における個別の値が判明することがない場合には、当該情報は、個人に関する情報であるとは認められない。
よって、当該情報は、条例第7条第1号に該当しない。
4 結論
以上により、第1記載のとおり、判断する。
5 付言
本件決定1において、実施機関は、「本件測量は、土地家屋調査士が行う測量であること」のみを理由に不存在決定を行っている。
この点について、実施機関は、弁明書の記載を踏まえると、「土地家屋調査士が行う測量であることから、適用されるのは土地家屋調査士法等であり、測量法ではないことから、請求人が求める測量法に基づく根拠等は存在しない」旨の説明を意図していると考えられるが、上記の理由から当該意図を読み取ることは困難である。
また、上記第5.3.(1)イのとおり、本件測量が測量法に基づくものではないことのみでは、「測量法第5条の公共測量ではないと断定された根拠資料」の不存在を説明する理由としては不十分である。
そのため、本件における理由付記は、処分を取り消すべきものには至らないものの、適切であるとは言えず、今後、実施機関において決定を行う際には、条例第10条第3項の趣旨を踏まえ、適切な理由付記に一層留意するよう努められたい。
また、審査請求人は、実施機関が別途公開した多角点網図等において、公開とされている情報が、本件非公開部分2に含まれており、矛盾する旨の主張を行っている。
この点については、審査請求人の主張するとおり、実施機関の対応に矛盾が生じていることが一部において確認できる。これは、実施機関が本来、非公開とすべき情報を誤って公開したものと考えられ、当該情報が条例第7条第1号に該当するのであれば、非公開が妥当である。
このような矛盾した対応を行っている以上、本件決定等に当たり、実施機関における確認は不十分であったと言わざるを得ず、今後、決定を行う場合には、内容の確認に一層留意するよう努められたい。
(答申に関与した委員の氏名)
委員 小谷 真理、委員 奥村 裕和、委員 村田 尚紀
(参考)答申に至る経過
令和4年度諮問受理第36号、令和4年度諮問受理第37号
(略)
答申第546号
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