答申第548号
2026年6月29日
ページ番号:681795
大情審答申第548号
令和8年6月29日
大阪市長 横山 英幸 様
大阪市情報公開審査会
会長 小谷 真理
答申書
大阪市情報公開条例(平成13年大阪市条例第3号。以下「条例」という。)第17条に基づき、大阪市長(以下「審査庁」という。)から令和4年7月7日付け大総務第e-7号により諮問のありました件について、次のとおり答申いたします。
第1 審査会の結論
大阪市消防長(以下「実施機関」という。)が令和4年5月31日付け大消予第150号により行った部分公開決定(以下「本件決定」という。)で実施機関が公開しないこととした下記1の部分のうち、下記2記載の部分を取り消し、その余の部分については、本件決定に対する令和4年6月22日付け審査請求(以下「本件審査請求」という。)を棄却すべきである。
1 公開しないこととした部分
(1) 火災調査報告書
火元等欄の年齢・火元者住所、原因欄の出火箇所(備考を含む。)・発火源・経過・着火物・出火原因・断定推定別・具体的内容・発見状況・通報状況・初期消火状況、損害欄のり災程度の一部・焼損表面積合計・損害額合計(内訳を含む。)、予防調書にある火元欄の年齢・火元者住所、建物欄の所有責任者住所・所有責任者氏名・防火管理欄の火災発生時の滞在人員・出火階の滞在人員・出火室の滞在人員(以下「本件非公開部分1」という。)(2) 火災実況見分・原因判定書
出火原因、実況見分の立会人、目次の一部、個人情報及び法人情報に該当する部分及び写真、供述内容・建物内部の情報を記載した図面(付図№2から№15)(以下「本件非公開部分2」という。)
(3) 傷病者一覧表(以下「本件非公開部分3」という。)
(4) 出火出場時の見分調書
個人情報に該当する負傷者の情報、出火場所の情報、防犯カメラの状況(以下「本件非公開部分4」という。)
(5) 聞込み状況書
個人情報に該当する住所・職業・氏名・年齢・電話番号・火元との関係・聞込み場所・供述内容(以下「本件非公開部分5」という。)
(6) 理化学試験結果通知書
出火原因に係る部分及び検知結果の内容及び4階クリニックの焼損面積(以下「本件非公開部分6」という。)
(7) 火災による死傷者状況調査表
出火原因、出火者、死傷者欄、死傷者の発生した建物等欄の受傷した階数(建物)箇所・焼損表面積、火元建物等欄の出火箇所、出火時死者のいた場所欄の箇所・室等・出火箇所との同別、死者の発生した場所欄の箇所・室等・いた箇所との同別、出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数欄の同棟・同室等・死者1人、同一建物内等での死者数、同一建物内等での負傷者数、出火時死者と一緒にいた者の年齢別欄(以下「本件非公開部分7」という。)
(8) 損害明細表の一部(以下「本件非公開部分8」という。)
(9) 損害状況表の一部(以下「本件非公開部分9」という。)
(10)資料任意提出書
住所・氏名・電話番号、提出物件及び採取箇所欄(以下「本件非公開部分10」という。)
(11)別添資料
警備状況及び自動火災報知設備作動履歴のデータ等(以下「本件非公開部分11」という。)
(12)理化学試験依頼書
調査の概要・試験項目・採取場所(以下「本件非公開部分12」という。)
(13)り災状況申告書及び損害査定表の一部(以下「本件非公開部分13」という。)
(14)参考資料
1.防犯カメラの映像(以下「本件非公開部分14の1」という。)
2.自動火災報知設備受信機の表示内容(以下「本件非公開部分14の2」という。)
3.4階クリニック内のイメージ図(以下「本件非公開部分14の3」といい、「本件非公開部分14の1」、「本件非公開部分14の2」及び「本件非公開部分14の3」をあわせて「本件非公開部分14」といい、本件非公開部分1から本件非公開部分14までをあわせて「本件各非公開部分」という。)
2 取り消すべき部分
以下、「2021年12月17日発生の大阪市北区のビル火災について大阪市消防局の火災調査書類」を対象文書といい、頁数は対象文書に振られた頁番号を記載している。
また、取り消すべき部分の示し方としては、例えば、対象文書中に
氏名 〇〇 〇〇
という記載があった場合、前者部分を「氏名」欄と、後者部分を「氏名」欄に記載された情報と呼称している。
(1) 本件非公開部分1のうち、対象文書2頁の「原因」欄の「出火箇所」欄、「経過」欄、「着火物」欄、「出火原因」欄、「断定推定別」欄、「損害」欄の「損害額合計」欄、「(内訳)」欄の「建物」欄、「収容物」欄、対象文書3頁の予防調書にある「建物」欄の「所有責任者住所」欄、「所有責任者氏名」欄、「防火管理」欄の「火災発生時の滞在人員」欄、「出火階の滞在人員」欄、「出火室の滞在人員」欄に記載された情報部分
(2) 本件非公開部分2のうち、対象文書6頁の出火原因として記載された情報、対象文書7頁の目次のうち5、(1)及び(2)の見出し、対象文書8頁の目次のうち11の見出し、対象文書11頁の「(4)結論」の非公開部分、対象文書13頁の(1)及び(2)の見出し、対象文書14頁の(2)、ア、イ、ウの見出し、「(3)結論」の中の出火原因として記載された情報、対象文書22頁の11の見出し部分
(3) 本件非公開部分3のうち、1行目及び1列目と2列目(搬送救急隊)から5列目(搬開時間)までに記載された情報部分
(4) 本件非公開部分4のうち、対象文書132頁の非公開部分に記載された情報部分
(5) 本件非公開部分5のうち、対象文書153頁の「住所」欄、「職業」欄、「火元との関係」欄、「聞込み場所」欄に記載された情報、対象文書154頁の供述内容部分中の3行目から6行目までに記載された情報部分
(6) 本件非公開部分6のうち、出火原因に係る部分及び検知結果の内容部分(対象文書165頁の「1 事案の概要」、「(3) り災状況」中の非公開部分を除く。)
(7) 本件非公開部分7のうち、対象文書238頁から265頁までの「出火原因」欄に記載された情報、対象文書238頁の「出火者」欄、「(死傷者)」欄の「死傷程度」欄、「死傷者の区分」欄に記載された情報、対象文書238頁から265頁までの「(死傷者)」欄の「性別」欄に記載された情報、対象文書238頁の「死傷因」欄に記載された情報、対象文書238頁から265頁までの「死傷者の発生した経過」欄、「(死傷者の発生した建物等)」欄の「受傷した階数(建物)・箇所」欄、「(火元建物等)」欄の「出火箇所」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「(出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数)」欄の「同棟」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「同室等」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「死者1人」欄(空欄として公開されているものを除く。)に記載された情報、対象文書238頁から265頁までの「(出火時死者と一緒にいた者の年齢別)」欄の「0-5歳: 人」等の様式規定部分
(8) 本件非公開部分8のうち、対象文書266頁の「合計」列中「損害額」欄に記載された情報(空欄を非公開としている部分を除く。)、「合計」列中の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、「整理番号」欄の「1-1~ 」の「業態」欄及び「氏名」欄に記載された情報、「整理番号」欄の「1-1~ 」から「1-①~ 」までの「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、対象文書273頁の「整理番号」欄の「1-1~2」の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、対象文書274頁の「整理番号」欄の「1-1~4」、「1-㉙~ 」の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分
(9) 本件非公開部分9のうち、対象文書275頁の一人目の「り災者」欄、「備考」欄に記載された情報部分
(10)本件非公開部分10のうち、「2 提出物件及び採取箇所」の「品名」欄、「数量」欄に記載された情報部分
(11)本件非公開部分11のうち、対象文書311頁の表の枠組み、記載された情報の項目名(単位を含む。)、「略称名称」欄に記載された情報、対象文書335頁の表題、提出日、提出先、「自家用電気工作物を設置する者」の郵便番号、法人番号、住所、名称、役職、代表者の氏名、表題を含めて数えた10行目から11行目までの前文に相当する部分、対象文書336頁から対象文書337頁までの電気関係報告規則の様式第13で規定されている部分(具体的には、様式名、表題、項目番号1から11までの項目番号及び項目名、項目番号2の1)と2)の細項目番号及び細項目名、項目番号7の1)と2)と4)と5)の細項目番号及び細項目名)、対象文書336頁の「4.事故発生の電気工作物」欄の「事故発生の電気工作物:」から「事業場の受電容量:」までの項目名、「7.被害状況」欄の3)として記載された項目名、「8.復旧日時」欄の細項目名部分、「2.報告事業者」欄の「1)事業者名:」欄、「2)住所:」欄、「3.発生日時」欄に記載された情報、「4.事故発生の電気工作物」欄の「事故発生の電気工作物:」から「事業場の受電容量:」までの項目名、「5.状況」欄に記載された情報、「4)供給支障」欄の供給支障の有無及び供給支障時間に係る情報、「4)供給支障」欄の「内容」欄に記載された情報、対象文書338頁の左上の別紙名、対象文書338頁及び339頁の表題、対象文書338頁の「5.状況」、対象文書338頁及び339頁の「5.状況」欄の(1)から(4)までの細項目番号及び細項目名と(1)、(2)、(4)内の細項目番号((4)を除く。)及び細項目名、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(1)事故発生前の状況」欄の「①気象」欄に記載された情報、「(2)事故発生時の経緯」欄の「①事故発生時の経緯」欄の1行目から2行目までに記載された情報、対象文書339頁の「5.状況」欄の「(4)復旧作業」欄の2行目に記載された情報、対象文書340頁の左上の別紙名、対象文書340頁及び341頁の表題、対象文書340頁及び341頁の3、5、8を除いた項目番号及び項目名と1、4、9、11の細項目番号(9及び11を除く。)及び細項目名、対象文書340頁の「1.被害状況」欄の「1.3.供給支障期間」欄に記載された情報、対象文書342頁の左上の別紙名、表題、1として記載された項目名、(1)から(4)として記載された細項目番号及び細項目名、(1)の1行目に記載された細項目名、(2)、(3)、(4)の各細項目名、「(4)点検状況」欄の「[年次定期点検]」欄の表の枠組み、「1.電気工作物1の概要」欄の「(3)設置場所」欄の「[住所]」欄及び「[場所]」欄に記載された情報部分
(12)本件非公開部分12の全ての部分
(13)本件非公開部分13のうち、対象文書358頁の文書名、右上の頁数、拝啓から敬具までの挨拶等部分、作成日、表3つの枠組みとそれぞれの項目名及び表の下の「お願い」部分、対象文書369頁の「申告者等」欄に記載された情報、「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「経過年数」欄に記載された情報、「残存率」欄に記載された情報、「3.3㎡当り評点数」欄の情報、「1㎡当り時価単価」欄の情報、「建物」欄の「消火損害」欄の「範囲等」欄、「時価」欄、「減損率」欄、「損害額」欄の情報、対象文書370頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)、「申告者」欄に記載された情報、「※1 経過年数」欄に記載された情報、「※1 経過残存率」欄に記載された情報、「用途」欄、「建物構造」欄に記載された情報、「焼損等の内訳(項目別)」欄の「37㎡焼損」、対象文書374頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「建物」欄の「経過年数」欄に記載された情報、対象文書375頁の表の上の本損害計算用紙の説明部分及び表の様式部分、「用途」欄、「建物構造」欄、「建物面積」欄、「経過年数」欄、「時価単価A」欄の「延面積」欄、「り災時の建築費指数(別表第15)」欄の「り災年月」欄、「B」欄(計算式内の同欄を含む。)、「建築時の建築費指数(別表第15)」欄の「建築年月」欄、「C」欄(計算式内の同欄を含む。)に記載された情報部分、対象文書531頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「経過年数」欄に記載された情報、「残存率」欄に記載された情報、対象文書532頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)、「用途」欄、「建物構造」欄、「※1 経過年数」欄、「※1 経過残存率」欄、「焼損等の内訳(項目別)」欄の2行目に記載された情報部分、対象文書537頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「経過年数」欄、「残存率」欄に記載された情報、対象文書541頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)、「用途」欄、「建物構造」欄、「※1 経過年数」欄、「※1 経過残存率」欄、「焼損等の内訳(項目別)」欄の2行目に記載された情報部分、対象文書542頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「経過年数」欄、「残存率」欄に記載された情報、対象文書543頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)、「用途」欄、「建物構造」欄、「※1 経過年数」、「※1 経過残存率」欄、「焼損等の内訳(項目別)」欄の2行目に記載された情報部分
(14)本件非公開部分14のうち、対象文書552頁の3行目に記載された情報、8行目から11行目までに記載された情報部分、対象文書575頁から対象文書584頁までの表の枠組み及び項目名を非公開とした部分
第2 審査請求に至る経過
1 公開請求
審査請求人は、令和4年4月25日、条例第5条の規定に基づき、実施機関に対し、請求する公文書の件名又は内容として、「2021年12月17日発生の大阪市北区のビル火災について大阪市消防局の火災調査報告書すべて」と表示して公文書の公開請求(以下「本件請求」という。)を行った。
2 本件決定
実施機関は、本件請求に係る公文書を、「2021年12月17日発生の大阪市北区のビル火災について大阪市消防局の火災調査書類」と特定した上で、上記第1、1記載部分を公開しない理由を次のとおり付して、条例第10条第1項に基づき、本件決定を行った。
【本件各非公開部分を公開しない理由】
条例第7条第1号に該当
(説明)
本件非公開部分1~本件非公開部分14は、個人に関する情報であって、当該情報そのものにより又は他の情報と照合することにより、特定の個人が識別されるもの、又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものであると認められ、かつ同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しないため。
条例第7条第2号に該当
(説明)
本件非公開部分2、本件非公開部分11、本件非公開部分13及び本件非公開部分14の2は、法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められ、かつ同号ただし書にも該当しないため。
条例第7条第5号に該当
(説明)
本件非公開部分1、本件非公開部分2、本件非公開部分5、本件非公開部分11、本件非公開部分12、本件非公開部分14の2及び本件非公開部分14の3は、関係者の協力により得られる情報であり、公にすることにより火災の原因究明のために必要な情報が得られにくくなり、今後の火災原因調査等の適正な業務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるため。
条例第7条第6号に該当
(説明)
本件非公開部分4、本件非公開部分6及び本件非公開部分14の1は、犯罪捜査上の情報であり、公にすることにより、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じるおそれがあるため。
3 審査請求
審査請求人は、審査庁に対して、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき、本件審査請求を行った。
第3 審査請求人の主張
本件審査請求における審査請求人の主張は、おおむね次のとおりである。
1 審査請求の趣旨
本件決定を取り消し、公開決定を求める。
2 審査請求の理由
本件決定において、公開しないこととされた、
・火災調査報告書(出火箇所、発火源・経過・着火物・出火原因・断定推定別・具体的内容・発見状況・通報状況・初期消火状況、損害欄のり災程度の一部・焼損表面積合計・損害額合計、出火階の滞在人員・出火室の滞在人員)
・火災実況見分・原因判定書(出火原因、建物内部の情報を記載した図面)
・出火出場時の見分調書(出火場所の情報、防犯カメラの状況)
・聞き込み状況書(供述内容)
・理化学試験結果通知書、依頼書
・火災による死傷者状況調査表(出火原因、死傷者の発生した建物欄の受傷した階数箇所・焼損表面積、火元建物欄の出火箇所、出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数、同一建物内等での死者数)
・警備状況及び自動火災報知設備作動履歴のデータ等
・自動火災報知設備受信機の表示内容、4階クリニック内のイメージ図
は非公開情報に当たらないため。
第4 実施機関の主張
実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。
1 決定の理由
審査請求人は本件審査請求の内容として、本件非公開部分のうち、①「火災調査報告書(出火箇所、発火源・経過・着火物・出火原因・断定推定別・具体的内容・発見状況・通報状況・初期消火状況、損害欄のり災程度の一部・焼損表面積合計・損害額合計・出火階の滞在人員・出火室の滞在人員)」、②「火災実況見分・原因判定書(出火原因、建物内部の情報を記載した図面)」、③「出火出場時の見分調書(出火場所の情報、防犯カメラの状況)」、④「聞込み状況書(供述内容)」、⑤「理化学試験結果通知書、依頼書」、⑥「火災による死傷者状況調査表(出火原因、死傷者の発生した建物欄の受傷した階数箇所・焼損表面積、火元建物欄の出火箇所、出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数、同一建物内等での死者数)」、⑦「警備状況及び自動火災報知設備作動履歴のデータ等」、⑧「自動火災報知設備受信機の表示内容、4階クリニック内のイメージ図」について、「非公開情報に当たらないため」公開が認められるべきであるとし、部分公開決定を取り消し、公開決定を求めているため、本件決定の理由を説明する。
(1) 火災調査の法的根拠及び目的について
火災調査とは、消防法(昭和23年法律第186号)第31条から第35条の4までに規定している権限及び義務に基づき、火災の原因と損害を究明し、類似火災の防止等を図る出火予防措置、消防行政上必要な情報を取得して延焼を防止する等の消防行政目的を達成するために行うものである。
火災調査報告書については、実施機関の大阪市消防局火災の原因及び損害の調査に関する規程(昭和44年12月10日消達第16号)第22条及び第25条に、火災調査書類を作成し、保存しなければならない旨を定めている。さらに、火災損害調査要綱(昭和50年消防長訓(警)第19号)において様式を定めている。
(2) 本件非公開部分について
ア 本件非公開部分の各部分の性格及び条例第7条第1号の該当性について
火災調査報告書、火災実況見分・原因判定書、出火出場時の見分調書、聞込み状況書、理化学試験結果通知書、依頼書、火災による死傷者状況調査表、警備状況及び自動火災報知設備作動履歴のデータ等、自動火災報知設備受信機の表示内容、4階クリニックのイメージ図には、火元建物関係者や火災の発見者等特定個人の職業、氏名、年齢、発言、行動、財産等の情報が記載されている。したがって、これらは個人に関する情報であって、開示することにより、特定の個人が識別される情報又は個人の権利利益を害するおそれがある情報である。
イ 本件非公開部分の各部分の性格及び条例第7条第2号の該当性について
火災実況見分・原因判定書のうち建物内部の情報を記載した図面、警備状況及び自動火災報知設備作動履歴のデータ等、自動火災報知設備受信機の表示内容は、建物関係会社から取得した情報であり、公にすることにより、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあることに加え、人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であるとは認められない情報である。
ウ 本件非公開部分の各部分の性格及び条例第7条第5号の該当性について
消防法第32条に定める質問権は、原因調査及び損害調査を行うために必要なものであるが、警察機関等の捜査とは根本的に目的が異なり、また調査に関する強制力を有しないため、あくまでも、本人の意思を尊重し、情報提供者の任意な意思に従わなければならないものである。
また、消防法第4条第4項に「関係のある場所に立ち入って検査又は質問を行った場合に知り得た関係者の秘密をみだりに他に漏らしてはならない」とあり、質問等により知り得た関係者の情報は、公表しないことが前提となっている。
このように、火災調査に当たっては、火元者及び関係者の積極的な協力なくして真実の探求は困難であると同時に、それを公表することにより、情報提供者の信頼を失うおそれがある。したがって、火災調査報告書、火災実況見分・原因判定書、聞込み状況書、警備状況及び自動火災報知設備作動履歴のデータ等、理化学試験依頼書、自動火災報知設備受信機の表示内容、4階クリニックのイメージ図を開示すると、本件に限らず今後の火災調査に当たり、市民等からの信頼を失い、情報収集活動や火災関係資料の入手が困難となるため、ひいては火災調査に著しい支障を来すことになる情報である。
エ 本件非公開部分の各部分の性格及び条例第7条第6号の該当性について
出火出場時の見分調書のうち、出火場所の情報及び防犯カメラの状況、理化学試験結果通知書は、公にすることにより、犯罪の捜査等に支障が生じ、公共の安全と秩序の維持に支障が生じる情報である。
2 結論
以上の次第であり、本件決定は条例にのっとった適正なものである。
第5 審査庁の主張
審査庁の主張は、おおむね次のとおりである。
・令和8年4月9日付け意見書
1 第7条第1号又は第5号該当としている対象文書1頁の「火元等」欄の「火元者住所」欄(対象文書3頁の予防調書にある「火元」欄の「火元者住所」欄も同じ。)部分に記載された情報は法人の所在地であり、公にしたとしても、当該法人等の権利を害するおそれは認められないことから公開の対象となる情報であると判断する。
対象文書2頁の「損害」欄の「り災程度」欄の非公開部分に記載された情報及び「損害」欄の「焼損表面積合計」欄に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。
2 対象文書165頁の「1 事案の概要」、「(3) り災状況」中の非公開部分に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号と判断する。
3 対象文書238頁から265頁までの「(死傷者の発生した建物等)」欄の「焼損表面積」欄に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。
4 対象文書266頁の「焼損面積」欄に記載された情報のうちの非公開部分に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。
5 「1-1~
」、「1-1~1」、対象文書273頁の「1-㉗~ 」から対象文書274頁の「1-1~5」までの「損害額」欄に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。
6 対象文書275頁の一人目から対象文書276頁の二人目までと対象文書283頁の二人目及び三人目の「り災物件及びり災程度」欄において非公開とされた部分に記載された情報、対象文書275頁の二人目から対象文書276頁の二人目までと対象文書283頁の二人目及び三人目の「備考」欄に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。
7 対象文書285頁と対象文書334頁の「住所」欄、「氏名」欄、「電話番号」欄に記載された情報は、いずれも法人ないしは業を営む個人として提出した情報であるものの、事業活動に関する取引先の内容であり、公開されることで当該法人の競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。
8 対象文書591頁から対象文書593頁までのイメージ図は法人の内部管理に関する情報であり、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められる。よって非公開理由を第7条第2号に差し替える。
第6 審査会の判断
1 基本的な考え方
条例の基本的な理念は、第1条が定めるように、市民の公文書の公開を求める具体的な権利を保障することによって、本市等の説明責務を全うし、もって市民の市政参加を推進し、市政に対する市民の理解と信頼の確保を図ることにある。したがって、条例の解釈及び運用は、第3条が明記するように、公文書の公開を請求する市民の権利を十分尊重する見地から行われなければならない。
しかしながら、条例は全ての公文書の公開を義務付けているわけではなく、第7条本文において、公開請求に係る公文書に同条各号のいずれかに該当する情報が記載されている場合は、実施機関の公開義務を免除している。もちろん、この第7条各号が定める情報のいずれかに該当するか否かの具体的判断に当たっては、当該各号の定めの趣旨を十分に考慮しつつ、条例の上記理念に照らし、かつ公文書の公開を請求する市民の権利を十分尊重する見地から、厳正になされなければならないことは言うまでもない。
2 争点
審査請求人は、少なくとも上記第3、2において列記した部分が非公開情報に該当しないと主張するのに対して、実施機関は、本件各非公開部分は条例第7条各号に該当するものとして争っている。
したがって、本件審査請求における争点は、本件各非公開部分の条例第7条各号該当性である。
3 争点について
(1) 実施機関が該当性を主張する条例第7条各号の基本的な考え方について
ア 条例第7条第1号について
条例第7条第1号本文は、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」は原則として非公開とすることを規定するが、同号ただし書において、「ア 法令若しくは条例…の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報、イ 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報、ウ 当該個人が公務員等…である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」は、条例第7条第1号本文に該当する場合であっても、公開しなければならない旨規定している。
イ 条例第7条第2号について
条例第7条第2号は、法人その他の団体(以下「法人等」という。)の事業活動や正当な競争は、社会的に尊重されるべきであるとの理念のもとに、「法人等に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」は、原則として非公開とすることを規定している。そして、この「権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは、ア 法人等の事業者が保有する生産技術上又は販売上の情報であって、公開することにより、当該法人等の事業者の事業活動が損なわれるおそれがあるもの、イ 経営方針、経理、人事等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、公開することにより、法人等の事業者の事業運営が損なわれるおそれがあるもの、ウ その他公開することにより、法人等の事業者の名誉、社会的評価、社会的活動の自由等が損なわれるおそれがあるものがこれに当たると解される。
ウ 条例第7条第5号について
条例第7条第5号は、本市の機関等が行う事務又は事業の目的を達成し、公正、円滑な執行を確保するため、「本市の機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」は公開しないことができると規定している。
ここで「当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とは、事務又は事業に関する情報を公開することによる利益と支障を比較衡量した上で、公開することの公益性を考慮しても、なお、当該事務又は事業の適正な遂行に及ぼす支障が看過し得ない程度のものをいい、また、こうした支障を及ぼす「おそれがある」というためには、抽象的な可能性では足りず、相当の蓋然性が認められなければならないと解される。
エ 条例第7条第6号について
条例第7条第6号は、「公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報」は、原則として公開しないことができると規定している。
そして、「人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護……に支障が生じると認められる情報」とは、例えば、公にすることにより、犯罪の被疑者、参考人、情報提供者等が特定され、その結果これらの人の生命若しくは身体に危害が加えられ、又はその財産若しくは社会的な地位が脅かされるおそれがあると認められる情報、公にすることにより、特定の個人の行動予定、家屋の構造等が明らかになり、その結果、これらの人が犯罪の被害を受けるおそれがあると認められる情報をいうと解される。
(2) 対象文書について
消防法(昭和23年法律第186号)第7章「火災の調査」の第31条は、「消防長又は消防署長は、消火活動をなすとともに火災の原因並びに火災及び消火のために受けた損害の調査に着手しなければならない。」と規定し、それを受けて火災の原因及び損害の調査に関する規程(昭和44年12月10日消達第16号)が制定されている。
同規程の第22条は、「署長は、火災調査書類を作成しなければならない。」と規定しており、同条に基づき作成されたのが、本件火災調査書類である。
また、同規程の第24条は、「局長は、火災調査書類に基づき調査結果を分析及び検討して火災の実態を明らかにするとともに、消防行政に活用するものとする。」と規定している。
さらに、火災の原因及び損害の調査に関する規程において定められた火災の原因調査を行うために火災原因調査要綱(昭和50年4月26日消防長訓(警)第13号)が、火災の原因及び損害の調査に関する規程において定められた火災の損害調査を行うために火災損害調査要綱(昭和50年7月14日消防長訓(警)第19号)が制定されており、対象文書は、両要綱の規定に則り、作成されたものである。
(3) 本件火災調査書類の対象となった火災について
本件火災については、実施機関において、令和3年12月17日の火災発生当日の22時に報道発表がなされており、当該報道発表では、火災発生場所や当日19時時点での死傷者数、当該火災のあった建物の被害状況、消防隊の活動状況等が公表されている(なお、当該報道発表資料については、公開期限が過ぎており、現在大阪市のホームページでは閲覧できない状態である。)。
また、死傷者数の多さもあり、多数のマスメディアでも本件火災が報じられているところであり、上記実施機関報道発表情報に加えて、本件火災の原因等が報じられているところである。
なお、上記マスメディアの報道は、本件火災当時のみならず、現在においても、定期的に報道がなされていることが認められる。
(4) 本件火災の特殊性を踏まえた公開/非公開判断について
下記(5)から本件の公開/非公開判断を行っていくが、その判断に当たっては、本件火災の特殊性を踏まえる必要があると考えているので、まず、その点について述べる。
火災について、通常多く認められるのは、失火に伴う個人宅の火災であると思われる。その場合、例えば、失火原因が寝たばこであれば、仮にそれを公にすることによって、当該被災建物居住者の行動が明らかになる。そして、そのような過失原因は、「個人に関する情報」であり、公開請求に当たっては既に当該失火者の住居が特定されている以上、特定の個人が識別され得ることから、火災原因も含めて非公開とすることに一定の合理性を認め得る。
一方、本件は、大規模な商業ビルにおいて発生した放火による火災であり、上記(3)にも記載しているとおり、マスメディアによる報道等が大々的になされていることから、その点も考慮して、公開/非公開の判断を行うべきと考える。
(5) 火災調査報告書(対象文書1頁から5頁まで)について
ア 火災調査報告書の概要について
火災調査報告書は、実施機関が制定した火災原因調査要綱第35条第1項の「調査員は実況見分の結果に基づき、火災調査報告書(様式第21号)を作成しなければならない。」との規定に基づき作成されたものであると認められる。
その内容としては、出火日時、火元、消火活動の状況、気象状況、出火原因、出火による損害、防火管理の状況等が記載されている。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、火元等欄の年齢・火元者住所、原因欄の出火箇所(備考を含む。)・発火源・経過・着火物・出火原因・断定推定別・具体的内容・発見状況・通報状況・初期消火状況、損害欄のり災程度の一部・焼損表面積合計・損害額合計(内訳を含む。)、予防調書にある火元欄の年齢・火元者住所、建物欄の所有責任者住所・所有責任者氏名・防火管理欄の火災発生時の滞在人員・出火階の滞在人員・出火室の滞在人員(本件非公開部分1)であり、その理由は、条例第7条第1号又は第5号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分1のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書1頁の「火元等」欄の「年齢」欄(対象文書3頁の予防調書にある「火元」欄の「年齢」欄も同じ。)、対象文書2頁の「原因」欄の「出火箇所」欄の「備考」欄、「発火源」欄、「具体的内容」欄、「発見状況」欄の非公開部分全て、「通報状況」欄の非公開部分全て、「初期消火状況」欄の非公開部分全てに記載された情報であるが、「火元等」欄の「年齢」欄部分に記載された情報は「氏名」欄に記載の者の、「原因」欄の「出火箇所」欄の「備考」欄、「発火源」欄、「具体的内容」欄に記載された情報は出火原因者の、「原因」欄の「発見状況」欄の非公開部分全て、「通報状況」欄の非公開部分全て、「初期消火状況」欄の非公開部分全てに記載された情報は本件火災を通報した者等の「個人に関する情報」であり、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書1頁の「火元等」欄の「火元者住所」欄(対象文書3頁の予防調書にある「火元」欄の「火元者住所」欄も同じ。)部分に記載された情報、対象文書2頁の「損害」欄の「り災程度」欄の非公開部分、「損害」欄の「焼損表面積合計」欄に記載された情報であるが、「火元者住所」欄(対象文書3頁の予防調書にある「火元」欄の「火元者住所」欄も同じ。)部分に記載された情報は火元者の、「損害」欄の「焼損表面積合計」欄に記載された情報は本件火災により被害を被った本件ビル所有者の、「損害」欄の「り災程度」欄の非公開部分は、上記両者の情報であると認められる。ここで、これらの情報は、条例第7条第2号の「法人その他の団体(中略)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報」に該当し得るとしても、条例第7条第1号の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)」には該当しない。
ここで、上記第2、2記載のとおり、本件決定に付された理由では、本件非公開部分1の非公開理由として、条例第7条第2号の適示がない。そのため、条例第7条第1号該当性が認められない以上当該部分について取消しを行うべきか、非公開とすべきであるという点については一定の蓋然性が認められることから、条例第23条第4項に基づき実施機関に求釈明を行い、提出された意見書及びそれに対する審査請求人の反論を踏まえて判断すべきかが問題となる。
この点、平成8年(行ツ)第236号同11年11月19日最高裁第二小法廷判決・民集53巻8号1862頁は、「本件〔逗子市情報公開〕条例9条4項前段が、前記のように非公開決定の通知に併せてその理由を通知すべきものとしているのは、本件条例2条が、逗子市の保有する情報は公開することを原則とし、非公開とすることができる情報は必要最小限にとどめられること、市民にとって分かりやすく利用しやすい情報公開制度となるよう努めること、情報の公開が拒否されたときは公正かつ迅速な救済が保障されることなどを解釈、運用の基本原則とする旨規定していること等にかんがみ、非公開の理由の有無について実施機関の判断の慎重と公正妥当とを担保してそのし意を抑制するとともに、非公開の理由を公開請求者に知らせることによって、その不服申立てに便宜を与えることを目的としていると解すべきである。そして、そのような目的は非公開の理由を具体的に記載して通知させること(実際には、非公開決定の通知書にその理由を付記する形で行われる。)自体をもってひとまず実現されるところ、本件条例の規定をみても、右の理由通知の定めが、右の趣旨を超えて、一たび通知書に理由を付記した以上、実施機関が当該理由以外の理由を非公開決定処分の取消訴訟において主張することを許さないものとする趣旨をも含むと解すべき根拠はないとみるのが相当である。」(〔〕内審査会補足)と判示しており、判決当時の逗子市情報公開条例第9条第4項に対応する(本市)条例第10条第3項も、非公開の理由の有無について実施機関の判断の慎重と公正妥当とを担保してその恣意を抑制するとともに、非公開の理由を公開請求者に知らせることによって、その不服申立てに便宜を与えることを目的とする以上に、一たび通知書に理由を付記した以上、上級行政庁である審査庁が当該理由以外の理由を非公開決定の審査請求において主張することを許さないものとする趣旨をも含むと解すべき根拠はない。
上記は訴訟手続についての話であるが、宇賀克也『行政法概説Ⅱ 行政救済法』〔第8版〕有斐閣、2025年、67頁に、「処分庁は、審査請求手続において、原処分と異なる理由を追加したり、差し替えて原処分を維持し、取消し等を免れることができるかという問題がある。通常、理由の追加・差替えと呼ばれるのは、この問題である。実務上一般にはこれが認められているが、当然のことながら、審査請求人、参加人に対して不意打ちとならないように追加・差替えがされた理由について十分な反論の機会を保障する必要がある。」とあるとおり、審査請求手続にも当てはまると言える。
よって、審査庁による理由の差し替え自体は認められると解する。
次に、理由の差し替え自体は認められるとしても、どの程度の違いまでであれば認められるかが問題となる。
ここで、上記判例は、当時の逗子市情報公開条例の第5条第2号ウとの理由付記を行っていたのを、取消訴訟中に同号アとの理由を追加したというものであるが、上記の第5条第2号のアとウは、いずれもいわゆる事務事業遂行情報であり、事務事業遂行情報という大枠が変わらないため理由の追加が認められたのか、それとも、例えば、事務事業遂行情報との理由に個人情報という理由を追加することも認められるのかが問題となる。
この点、大橋寛明・最高裁判所判例解説民事篇(平成11年度)830頁では、「次に、本判決は、結論として、本件条例5条(2)ウの理由が付記された本件において、同条(2)アの主張を許すべきものと判断している。この点については、いわゆる事務事業情報の非公開を定める同条(2)のウとアの間での理由の差替えであるからこそ、被処分者に「格別の不利益」を与えるものではないと考えて、これを許したとみることもできなくはない。しかし、本件条例の理由付記の規定が理由の差替えを制限する趣旨を含むと解すべき根拠がないとの説示に続けて、特段の説明を加えないまま、本件における理由の差替えを許すという結論を導いていることからみて、差替え前後の理由の類似性等を特に問題としていないと理解することも十分可能であろう。」と解説されている。
また、実質的にも、本件のような条例第7条第1号該当から同第2号該当への理由の差し替えを認めなければ、当該条例第7条第1号該当とした部分を取り消す旨の裁決を行ったところで、改めて条例第7条第2号該当として部分公開決定がなされることが容易に想定される一方、柔軟に理由の差し替えを行うことを認めて、理由の差し替えが記載された意見書を条例第27条第1項に基づき審査請求人に送付することとすれば、審査請求人にとっても反論の機会が確保された上で、一回的解決に資すると考える。
よって、審査庁から理由の差し替えを求める主張があれば、理由の差し替えを認めることとする。
以上を踏まえ、審査会より、審査庁(諮問庁)に対して、条例第23条第4項に基づき、意見書の提出を求めたところ、令和8年4月9日付けで「第7条第1号又は第5号該当としている対象文書1頁の「火元等」欄の「火元者住所」欄(対象文書3頁の予防調書にある「火元」欄の「火元者住所」欄も同じ。)部分に記載された情報は法人の所在地であり、公にしたとしても、当該法人等の権利を害するおそれは認められないことから公開の対象となる情報であると判断する。
対象文書2頁の「損害」欄の「り災程度」欄の非公開部分に記載された情報及び「損害」欄の「焼損表面積合計」欄に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。」との主張を記載した意見書が提出された。
そこで、当該主張を踏まえ、これらの情報の条例第7条第2号該当性について検討すると、対象文書1頁の「火元等」欄の「火元者住所」欄(対象文書3頁の予防調書にある「火元等」欄の「火元者住所」欄も同じ。)部分に記載された情報は火元となった事業者の住所を示すものであり、対象文書2頁の「損害」欄の「り災程度」欄の一部、「損害」欄の「焼損表面積合計」欄に記載された情報は火元者及び本件火災により被害を被った本件ビル所有者の損害状況を示すものであり、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
以上より、本件非公開部分1のうち、対象文書1頁の「火元等」欄の「年齢」欄(予防調書にある「火元」欄の「年齢」欄も同じ。)、「火元等」欄の「火元者住所」欄(対象文書3頁の予防調書にある「火元等」欄の「火元者住所」欄も同じ。)に記載された情報、対象文書2頁の「原因」欄の「出火箇所」欄の「備考」欄、「発火源」欄、「具体的内容」欄に記載された情報、「発見状況」欄の非公開部分全て、「通報状況」欄の非公開部分全て、「初期消火状況」欄の非公開部分全て、「損害」欄の「り災程度」欄の非公開部分、「損害」欄の「焼損表面積合計」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分1のうち取り消すべき部分について
まず、対象文書2頁の「原因」欄の「出火箇所」欄、「経過」欄、「着火物」欄、「出火原因」欄に記載された情報であるが、仮に条例第7条第1号本文の「個人に関する情報」に該当するとしても、本件火災の出火箇所や出火原因に関しては、多数の報道により公知の事実となっているところであり、「慣行として公にされ(中略)ている情報」であると認められ、同号ただし書アに該当する。
また、実施機関は、これらの情報について条例第7条第5号該当性も主張していることから、その理由について実施機関に確認したところ、上記記載事項は任意の供述も判定の資料としており、これら任意の供述を公にすることで火災の原因究明のために必要な情報が得られにくくなり、今後の火災原因調査等の遂行に支障を及ぼすおそれがあるためとのことであった。
しかし、上記のとおり、対象文書2頁の「原因」欄の「出火箇所」欄、「経過」欄、「着火物」欄、「出火原因」欄に記載された情報は、本件決定時点において多数の報道によって公知の事実となっており、そうであれば、当該情報を公にすることによって、「火災の原因究明のために必要な情報が得られにくくなり、今後の火災原因調査等の適正な業務の遂行に支障を及ぼすおそれがある」とは認められない。
さらに、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書2頁の「原因」欄の「出火箇所」欄、「経過」欄、「着火物」欄、「出火原因」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書2頁の「原因」欄の「断定推定別」欄に記載された情報であるが、当欄は、火災原因調査要綱第36条の「出火原因を決定するにあたっては、発火源、経過及び着火物を明らかにし、その調査資料の多寡によって出火原因を次に掲げる3段階に区分しなければならない。」との規定に基づき、第1号の断定(各資料の証明力を総合することにより、全く疑う余地がなく極めて具体的かつ科学的にその原因が決定され、少しの推理も必要としないもの。)、第2号の推定(断定するに至らないが、当該資料を基礎として専門的立場から合理的にその原因が推測できるもの。)、第3号の不明(原因を決定するための資料が全くないとき、又は若干の資料があっても、それらの資料の証明力が極めて少なく、これに多少の推理を加えてもその原因を合理的に推測できないもの。)のいずれであるかを消防署長が判断し、記載されているものと認められる。
そうであれば、本情報は、条例第7条第1号の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)」には該当しないし、当該判断が公にされることによって、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とも認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書2頁の「原因」欄の「断定推定別」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書2頁の「損害」欄の「損害額合計」欄、「(内訳)」欄の「建物」欄、「収容物」欄に記載された情報であるが、これらは、対象文書266頁のそれぞれの対応箇所を転記したものと認められ、本件火災による個人及び法人等の損害額合計であると認められる。
そうであれば、下記のとおり、多数の個人及び法人等が損害を被っている本件においては、当該損害額合計は、条例第7条第1号の「個人に関する情報」には該当せず、また、これらの情報が公にされることによって、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とも認められない。
また、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書2頁の「損害」欄の「損害額合計」欄、「(内訳)」欄の「建物」欄、「収容物」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書3頁の予防調書にある「建物」欄の「所有責任者住所」欄、「所有責任者氏名」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、本件火災の出火場所となった建物の所有者の住所及び氏名である。これに関しては、「火元等」欄の「出火場所」欄に記載された情報が対象文書1頁で公開されており、同地に所在する建物の所有者及びその所有者住所は、原則として、不動産登記簿(不動産登記法(平成16年法律第123号)第2条第9号)において登記されている情報であると言える。そこで、審査会において、大阪市情報公開条例第23条第4項に基づき、不動産登記の全部事項証明書を取得し見分したところ、所有責任者住所と同じ住所の記載が認められた。
なお、本件所有責任者住所及び所有責任者氏名について、実施機関は条例第7条第1号に該当すると主張しているが、本件建物の所有者は法人であった。そこで、不動産登記簿に本件建物の所有者として登記されている法人について、商業登記簿(商業登記法(昭和38年法律第125号)第1条の2第1号)の履歴事項全部証明書を取得し見分したところ、当該法人の代表者として、対象文書3頁の予防調書の「建物」欄の「所有責任者氏名」欄に記載されている者が登記されていると認められた。
よって、対象文書3頁の予防調書にある「建物」欄の「所有責任者住所」欄に記載された情報は、本件火災調査報告書の公開情報から容易に知り得る情報であると言え、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められず、また、「所有責任者氏名」欄に記載された情報は、条例第7条第1号の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」には該当するが、同号ただし書アの「法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により(中略)公にされ(中略)ている情報」に該当すると認められる。
また、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書3頁の予防調書にある「建物」欄の「所有責任者住所」欄、「所有責任者氏名」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書3頁の予定調書にある「防火管理」欄の「火災発生時の滞在人員」欄、「出火階の滞在人員」欄、「出火室の滞在人員」欄に記載された情報であるが、そこに記載された情報が1名や2名であれば、公にすることによって、個人が特定されたり、火災発生時の所在地調査の際に、個人特定をおそれて、滞在者から任意の供述を得られなくなったりすることも考えられなくもない。
しかし、審査会において、対象文書の該当部分を確認したところ、本件の滞在者は多数に上っていることが確認できた。
そうであれば、公にすることによって、個人が特定されるとはおよそ考え難いことから、条例第7条第1号にも同第5号にも該当しないと認められる。
また、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書3頁の予定調書にある「防火管理」欄の「火災発生時の滞在人員」欄、「出火階の滞在人員」欄、「出火室の滞在人員」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
以上より、本件非公開部分1のうち、対象文書2頁の「原因」欄の「出火箇所」欄、「経過」欄、「着火物」欄、「出火原因」欄、「断定推定別」欄、「損害」欄の「損害額合計」欄、「(内訳)」欄の「建物」欄、「収容物」欄、対象文書3頁の予防調書にある「建物」欄の「所有責任者住所」欄、「所有責任者氏名」欄、「防火管理」欄の「火災発生時の滞在人員」欄、出火階の「滞在人員」欄、「出火室の滞在人員」欄に記載された情報部分は、公開すべきである。
(6) 火災実況見分・原因判定書(対象文書6頁から125頁まで)について
ア 火災実況見分・原因判定書の概要について
火災実況見分・原因判定書は、実施機関が制定した火災原因調査要綱第33条第1項の「調査員は、次の各号に掲げる区分に従い、系統的かつ明確に火災実況見分・原因判定書(様式第20号)を作成しなければならない。」との規定に基づき作成されたものであると認められる。
その内容としては、火災の概況、出火建物の判定、出火階の検討及び判定、出火箇所の検討及び判定、出火原因の検討及び判定、延焼経路、火災による死傷者の状況及び発生した経過等が記載されている。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、出火原因、実況見分の立会人、目次の一部、個人情報及び法人情報に該当する部分及び写真、供述内容・建物内部の情報を記載した図面(付図№2から№15)(「本件非公開部分2」)であり、その理由は、条例第7条第1号、第2号又は第5号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分2のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書6頁の「実況見分の立会人」欄に記載された情報であるが、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、本情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、火災実況見分・原因判定書(対象文書9頁から23頁まで)中の個人の供述部分については当該供述者の、火気取扱者の行動を描写した部分については当該火気取扱者の、死傷者の状況を記載した部分については当該死傷者の「個人に関する情報」であり(なお、死者は、権利利益の主体とはなり得ないが、死者の名誉に関する市民感情や、死者の情報が公開されることによりその遺族・関係者のプライバシーが侵害されるおそれがあることを考慮すれば、条例第7条第1号に規定する「個人」には、死亡した個人も含まれるものと解する。)、他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができる情報であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、火災実況見分・原因判定書(対象文書9頁から125頁まで)中の当該り災建物に係る被害状況、り災建物内部の写真とその説明、建物内部の情報を記載した図面(「3 出火室の検討及び判定」中のクリニック内概要図及び付図№2から№15)については、当該り災建物所有法人の財産情報であり、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、条例第7条第2号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書には該当しない。
以上より、本件非公開部分2のうち、対象文書6頁の「実況見分の立会人」欄に記載された情報、火災実況見分・原因判定書(対象文書9頁から23頁まで)中の個人の供述部分、火災実況見分・原因判定書(対象文書9頁から125頁まで)中の当該り災建物に係る被害状況、り災建物内部の写真とその説明、建物内部の情報を記載した図面(「3 出火室の検討及び判定」中のクリニック内概要図及び付図№2から№15)を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分2のうち公開すべき部分について
まず、対象文書6頁の出火原因として記載された情報、対象文書14頁の「(3)結論」の中の出火原因として記載された情報であるが、対象文書2頁の「原因」欄の「出火原因」欄と同じ情報である。そうであれば、上記(5)、エと同じ理由が当てはまり、また、公知の事実である本情報が、条例第7条第2号の「法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。」とは認められず、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書6頁の出火原因として記載された情報、対象文書14頁の「(3)結論」の中の出火原因として記載された情報は、取り消すべきである。
次に、対象文書7頁の目次のうち5、(1)及び(2)の見出しとそれに対応する対象文書13頁の(1)及び(2)の見出しであるが、これらの情報については、出火原因の検討及び判定に当たっての一般的な調査内容であると認められる。そうであれば、これらの調査を行ったこと自体が条例第7条第1号の「個人に関する情報」に該当するとは認められない。
また、これらの情報を公にしたとしても、そこから判明するのは、記載されている内容に係る調査が行われたということに過ぎず、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とは認められない。
さらに、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書7頁の目次のうち5、(1)及び(2)の見出し、対象文書13頁の(1)及び(2)の見出し部分については、取り消すべきである。
次に、対象文書8頁の目次のうち11の見出しとそれに対応する対象文書22頁の11の見出しであるが、本情報は通報者に関するものであり、条例第7条第1号の「個人に関する情報」に該当する。しかし、当該見出しに記載された情報が、同条同号の「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であるとは認められない。また、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」であるとも認められない。よって、本情報は、条例第7条第1号に該当しない。
また、本情報を公にしたとしても、通報場所がわかるに過ぎず、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とは認められない。
さらに、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書8頁の目次のうち11の見出し、対象文書22頁の11の見出し部分については、取り消すべきである。
次に、対象文書11頁の「(4)結論」の非公開部分であるが、本部分に記載された情報は、出火箇所に係る情報である。当該箇所に記載された出火箇所と対象文書2頁の「原因」欄の「出火箇所」欄に記載された出火箇所は、名称こそ異なるが、実施機関によれば、同じ箇所を指しているとのことである。そうであれば、上記(5)、エと同じ理由が当てはまり、また、公知の事実である本情報が、条例第7条第2号の「法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。」とは認められず、また、その他の非公開事由に該当するとも認められないことから、対象文書11頁の「(4)結論」の非公開部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書14頁の(2)、ア、イ、ウの見出しであるが、これらは、対象文書13頁の(2)の見出し記載の内容についてのさらなる詳細な検討内容に係る見出しである。これらの見出しについては、(2)の見出し記載の内容に係る調査に当たっての一般的な調査内容であると認められる。そうであれば、これらの調査を行ったこと自体が条例第7条第1号の「個人に関する情報」に該当するとは認められない。
また、これらの情報が条例第7条第2号の「法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。」とは認められない。
また、これらの情報を公にしたとしても、そこから判明するのは、記載されている内容に係る調査が行われたということに過ぎず、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とは認められない。
さらに、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書14頁の(2)、ア、イ、ウの見出し部分については、取り消すべきである。
以上より、対象文書6頁の出火原因として記載された情報、対象文書7頁の目次のうち5、(1)及び(2)の見出し、対象文書8頁の目次のうち11の見出し、対象文書11頁の「(4)結論」の非公開部分、対象文書13頁の(1)及び(2)の見出し、対象文書14頁の(2)、ア、イ、ウの見出し、「(3)結論」の中の出火原因として記載された情報、対象文書22頁の11の見出し部分は、取り消すべきである。
(7) 傷病者一覧表(対象文書126頁)について
ア 傷病者一覧表の概要について
傷病者一覧表は、本件火災による傷病者を表形式でまとめ、各傷病者の搬送先等を記載したものである。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、表題を除いた全部(「本件非公開部分3」)であり、その理由は、条例第7条第1号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分3の妥当性について
まず、対象文書126頁の表の1行目には項目名が列挙されているが、これら項目名自体が、条例第7条第1号本文の「個人に関する情報」に該当するとは認められず、また、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
また、左端の列には整理番号が付されているが、当該整理番号が、条例第7条第1号本文の「個人に関する情報」に該当するとは認められず、また、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
次に、搬送救急隊、指令時間、現着時間、搬開時間列に記載された情報については、条例第7条第1号の「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当するとは認められず、また、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
一方、上記以外の傷病者の氏名等については、見分の結果、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当し、また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しないと認められる。
以上より、本件非公開部分3のうち、1行目及び1列目と2列目(搬送救急隊)から5列目(搬開時間)までに記載された情報部分は、取り消すべきである。
(8) 出火出場時の見分調書(対象文書127頁から145頁まで)について
ア 出火出場時の見分調書の概要について
出火出場時の見分調書については、火災原因調査要綱第28条第1項の「調査員は、第4条第1項に基づく見分結果について、出火出場時の見分調書(様式第14号)を作成しなければならない。この場合において、必要に応じ図面及び写真を添付するものとする。」との規定に基づき作成されたものであると認められる。
出火出場時の見分調書(対象文書127頁から145頁まで)のうち、対象文書127頁から143頁までについては、消防指令又は消防司令補が出場時に火災状況等を見分した内容が、対象文書144頁から145頁までについては、消防指令が防犯カメラを確認した際に見分した内容が記載されている。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、個人情報に該当する負傷者の情報、出火場所の情報、防犯カメラの状況(以下「本件非公開部分4」という。)であり、その理由は、条例第7条第1号又は第6号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分4のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書127頁から143頁までのうち要救助者の状況等が記載された部分についてであるが、そこに記載された情報は、「個人に関する情報」であり、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」と認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、当該情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書127頁から143頁(対象文書132頁を除く。)までのうち火災の状況や、それを受けて対応を行った救助隊員の救出状況が記載された部分についてであるが、そこに記載された情報は、今後、本件と同様の犯罪を行おうとするものが悪用し得る情報であり、「公にすることにより、(中略)犯罪の予防(中略)に支障が生じると認められる情報」であると認められることから、条例第7条第6号に該当する。
次に、対象文書144頁から145頁までであるが、当該範囲の非公開部分には、防犯カメラの設置状況及び防犯カメラが捉えた犯行状況が記載されている。
防犯カメラの設置状況については、公にすると、どこに防犯カメラが設置されているかがわかり、今後犯行を企てる者としては、犯行の際に死角を用いることによって犯行の証拠を残さないようにするといった対策が可能となる。
また、防犯カメラが捉えた犯行状況については、公にすると、本件のような大規模火災を企図する者が、どのような方法でどのような火災被害をもたらせるかがわかり、同様の犯行を企てる者の犯行を容易にすることとなる。
よって、これらの情報は、「公にすることにより、(中略)犯罪の予防(中略)に支障が生じると認められる情報」であると認められることから、条例第7条第6号に該当する。
以上より、本件非公開部分4のうち、対象文書127頁から143頁までの中で要救助者の状況等が記載された部分、対象文書127頁から143頁(対象文書132頁を除く。)までの中で火災の状況や、それを受けて対応を行った救助隊員の救出状況が記載された部分、対象文書144頁から145頁までの非公開部分を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分4のうち公開すべき部分について
本件非公開部分4のうち対象文書132頁の非公開部分については、条例第7条第1号本文の「個人に関する情報」ではあるが、救助隊員の「個人に関する情報」であり、同号ただし書ウの「当該個人が公務員等(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)第5条第1号ハに規定する公務員等並びに大阪市住宅供給公社の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、(中略)当該職務遂行の内容に係る部分」であると認められる。
よって、条例第7条第1号には該当しない。
また、当該部分に記載された情報は、火元となった階とは異なる階における間接的な救助活動に係る情報であり、条例第7条第6号の「公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報」であるとは認められない。
よって、条例第7条第6号にも該当しない。
さらに、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
以上より、本件非公開部分4のうち、対象文書132頁の非公開部分に記載された情報部分については、取り消すべきである。
(9) 聞込み状況書(対象文書146頁から154頁まで)について
ア 聞込み状況書の概要について
聞込み状況書については、火災原因調査要綱第30条第1項の「調査員は、調査のため必要があると認める事項を聞込んだ場合は、聞込み状況書(様式第18号)を作成しなければならない。」との規定に基づき作成されたものであると認められる。
聞込み状況書(対象文書146頁から154頁まで)のうち、対象文書146頁から152頁までについては、消防司令補、消防指令又は消防士長が、本件被災ビル関係者に聞込みを行った内容が記載されており、対象文書153頁については、消防指令が、大阪府警の警察官に聞込みを行った内容が記載されており、対象文書154頁については、消防指令補が、本件被災ビルの取引業者に聞込みを行った内容が記載されている。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、個人情報に該当する住所・職業・氏名・年齢・電話番号・火元との関係・聞込み場所・供述内容(以下「本件非公開部分5」という。)であり、その理由は、条例第7条第1号又は第5号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分5のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書146頁から152頁までの本件被災ビル関係者及び対象文書154頁の本件被災ビル取引業者の「住所」欄、「職業」欄、「氏名」欄、「年齢」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「電話番号」欄、「火元との関係」欄、「聞込み場所」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当し、また、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書146頁から152頁までの本件被災ビル関係者の供述内容欄に記載された情報であるが、当該部分には、供述者の当日の行動や見聞した内容が記載されており、これらの情報は、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当し、かつ、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
加えて、上記供述については、実施機関が主張するとおり、仮にこれらが公になると、供述者の実施機関に対する信頼を失い、本件に限らず今後の火災調査に当たり、情報収集活動や火災関係資料の入手が困難となり、ひいては火災調査に著しい支障を来すことになるおそれがあると認められる。
よって、条例第7条第5号にも該当する。
次に、対象文書153頁の「氏名」欄、「電話番号」欄に記載された情報であるが、ここには、供述者である警察官の氏名と(おそらく職場の)電話番号が記載されている。これらは、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。そこで、同号ただし書アの「慣行として公にされ(中略)ている情報」該当性が問題となるが、実施機関に確認したところ、大阪府警において、課長・警部以上の氏名は公開としているが、それ未満の職階のものについては非公開としている。現場で犯罪捜査の聞込みを直接行っている警察官が警部以下であることが容易に判断されるので、非公開としている旨の回答があった。
当該実施機関の回答に不合理なところはなく、そうであれば、条例第7条第1号ただし書アの該当性は認められず、また、同号ただし書イ、ウの該当性も認められない。
次に、対象文書153頁の「供述内容」欄に記載された情報であるが、当該部分には、大阪府警の警察官が被救出者から聴取した内容が記載されている。その聴取内容は、被救出者の火災当時の状況と救出の様子であり、これらの情報は、被救出者の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、本情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書154頁の供述内容欄の1行目から2行目までと7行目から11行目までに記載された情報であるが、当該部分に記載されている情報は、当該供述者の職業に係る専門的な内容であると認められる。
よって、これらの情報は、「個人に関する情報」であり、他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができる情報であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、当該情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
以上より、本件非公開部分5のうち、対象文書146頁から152頁までの本件被災ビル関係者及び対象文書154頁の本件被災ビル取引業者の「住所」欄、「職業」欄、「氏名」欄、「年齢」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「電話番号」欄、「火元との関係」欄、「聞込み場所」欄に記載された情報、対象文書146頁から152頁までの本件被災ビル関係者の「供述内容」欄に記載された情報、対象文書153頁の「氏名」欄、「電話番号」欄に記載された情報、「供述内容」欄に記載された情報、対象文書154頁の「供述内容」欄の1行目から2行目までと7行目から11行目までに記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分5のうち公開すべき部分について
まず、対象文書153頁の「住所」欄に記載された情報であるが、当該記載された住所を審査会において確認したところ、ここに記載されている住所は、大阪府警察本部の住所であると認められた。
この点、実施機関に非公開の理由を確認したところ、「住所から、聞込みの供述者が府警本部警察官(職員)であることが特定できます。火災調査において、府警本部警察官(職員)から聞込みを実施するということは、火災原因が犯罪に関わることが考えられる場合に実施するものであり、実施する割合として高いものではないことから、府警本部警察官(職員)から聞込みを実施したことを公にすると、個人情報でもある出火原因が放火(放火の疑い)であることが推察される可能性があります。このことから非公開理由を1号(出火者の個人情報)としています。」とのことであった。
しかし、本件火災については、多数の報道によって、出火原因が放火であることは公知の事実となっていると認められる。
そうであれば、仮に本情報が条例第7条第1号本文に該当するとしても、ただし書アに該当すると言える。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書153頁の「住所」欄に記載された情報部分は取り消すべきである。
次に、対象文書153頁の「職業」欄に記載された情報であるが、実施機関に非公開の理由を確認したところ、上記「住所」欄と同様、「火災調査において、府警本部警察官(職員)から聞込みを実施するということは、火災原因が犯罪に関わることが考えられる場合に実施するものであり、実施する割合として高いものではありません。(中略)、この情報を公にすることで出火原因が放火(放火の疑い)であることが推察される可能性があります。また、(中略)犯罪捜査に影響が出る可能性もあります。5号に関しても、警察は消防に協力する必要があるものの、あくまで警察側の任意の供述です。これらを公にすることで、今後、協力を得られなくなるおそれがあり、今後の消防行政に支障をきたす可能性があると判断しています。」とのことであった。
しかし、本件出火原因が放火であることは公知の事実となっていると認められることは、上記「住所」欄に記載された情報において検討したとおりであり、仮に条例第7条第1号本文に該当するとしても、ただし書アに該当する。また、対象文書の153頁の大阪府警警察官の供述は、当該警察官の職務遂行としてなされたものであり(火災の原因及び損害の調査に関する規程第12条に、「調査員は、警察職員と緊密な連絡を保ち、互に協力して相互に意思の疎通を図るようにしなければならない。」との規定がある。)、そこに記載された職名は、条例第7条第1号ただし書ウの「当該個人が公務員等(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)第5条第1号ハに規定する公務員等並びに大阪市住宅供給公社の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職(中略)に係る部分」であると認められる。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書153頁の「職業」欄に記載された情報部分は取り消すべきである。
次に、対象文書153頁の「火元との関係」欄に記載された情報であるが、実施機関に確認した非公開理由は、住所欄に記載された情報と同じとのことであった。よって、仮に条例第7条第1号本文に該当するとしても、ただし書アに該当し、また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書153頁の「火元との関係」欄に記載された情報部分は取り消すべきである。
次に、「聞込み場所」欄に記載された情報であるが、上記のとおり、本件供述者は、大阪府警の警察官としての職務遂行として、本件供述を行っていると認められる。
そうであれば、本情報が当該警察官の「個人に関する情報」で、仮に条例第7条第1号本文に該当するとしても、条例第7条第1号ただし書ウに該当する。
また、実施機関が聞込み場所を公にしたとしても、実施機関が主張するように、「公にすることにより火災の原因究明のために必要な情報が得られにくくなり、今後の火災原因調査等の適正な業務の遂行に支障を及ぼすおそれがある」とは認められない。
さらに、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、「聞込み場所」欄に記載された情報部分は取り消すべきである。
次に、対象文書154頁の供述内容部分中の3行目から6行目までに記載された情報であるが、そこには、火災当日の停電状況が記載されている。
当該情報については、本件供述者以外の第三者も把握し得る情報であり、本情報を公にすることにより、条例第7条第1号本文の「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。」には該当しない。
また、同じ理由により、本情報を公にすることにより、「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」とは認められないことから、条例第7条第5号にも該当しない。
さらに、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書154頁の供述内容部分中の3行目から6行目までに記載された情報部分については、取り消すべきである。
以上より、本件非公開部分5のうち、対象文書153頁の「住所」欄、「職業」欄、「火元との関係」欄、「聞込み場所」欄に記載された情報、対象文書154頁の供述内容部分中の3行目から6行目までに記載された情報部分は、取り消すべきである。
(10)理化学試験結果通知書(対象文書155頁から237頁まで)について
ア 理化学試験結果通知書の概要について
理化学試験結果通知書については、火災原因調査要綱第22条第2項の「予防課長は、前項の依頼に基づき当該資料の分析又は試験を行ったときはその結果を理化学試験結果通知書(様式第9号)により通知しなければならない。」との規定に基づき、予防課長によって作成されたものであると認められる。
理化学試験結果通知書(対象文書155頁から237頁まで)のうち、対象文書155頁については、試験試料名や試験方法等が記載された鑑に相当する文書であり、対象文書156頁から164頁までについては、理化学試験の実施日、実施場所、分析方法、分析結果、分析機器等が記載されている。対象文書165頁については、予防課長から此花消防署長に対して試料の分析を依頼した依頼文であり、対象文書166頁から237頁までについては、上記依頼に対応する回答である。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、出火原因に係る部分及び検知結果の内容(「本件非公開部分6」)であり、その理由は、条例第7条第1号又は第6号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分6のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書165頁の「1 事案の概要」、「(3) り災状況」中の非公開部分であるが、当該部分については、第1、1に記載のとおり、公開しないこととした部分には記載されていないが(「出火原因に係る部分及び検知結果の内容」に当該部分が含まれるとは解されない。)、条例第23条第1項に基づき実施機関に提出を求めた対象文書では、黒塗りがされているところである。
これについては、当該非公開部分は対象文書の他の箇所でも非公開とされているような内容であり、実施機関において非公開の意図はあるが、本件決定中での適示を失念したものと思料される。
この点、上記(5)、ウの非公開部分の適用条項を誤っている場合と同様、実施機関が非公開とすべきであると考えている情報について、「公開しないこととした部分」における記載が漏れている場合についても、意見書による差し替えで対応できるかが問題となるが、上記(5)、ウと同様、仮に当該非公開部分について一部取消し答申・裁決を行っても、改めて非公開決定がなされるだけであり、紛争の一回的解決の観点から、差し替えを認めるべきと考える。
そこで、審査会より、審査庁(諮問庁)に対して、条例第23条第4項に基づき、意見書の提出を求めたところ、令和8年4月9日付けで「対象文書165頁の「1 事案の概要」、「(3) り災状況」中の非公開部分に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号と判断する。」との主張を記載した意見書が提出された。
そこで、当該主張を踏まえ、対象文書165頁の「1 事案の概要」、「(3) り災状況」中の非公開部分に記載された情報の条例第7条第2号該当性について検討すると、焼損被害状況はクリニックの被害状況を示すものであり、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書に該当しないと認められる。
以上より、本件非公開部分6のうち、対象文書165頁の「1 事案の概要」、「(3) り災状況」中の黒塗り部分に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分6のうち公開すべき部分について
本件非公開部分6のうち、出火原因に係る部分及び検知結果の内容であるが、実施機関の主張は、これらの情報が「個人に関する情報」に該当し、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であることから、条例第7条第1号本文に該当するというものである。
しかし、本件火災の出火原因については、各種報道によって明らかになっているところであり、仮に条例第7条第1号本文に該当するとしても、ただし書アに該当する。
また、実施機関は、これらの情報が犯罪捜査情報であり、公にすることにより「犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じるおそれがある」ことから、条例第7条第6号にも該当すると主張しているところである。
しかし、上記のとおり、本件の出火原因は、各種報道によって明らかになっているところであり、それを公にすることにより、犯罪捜査等に支障があるとは認められない。
また、出火原因が明らかである以上、それを推測させる検知結果を非公開とすべき理由も見出せないところである。
さらに、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
以上より、本件非公開部分6のうち、出火原因に係る部分及び検知結果の内容部分については、取り消すべきである。
(11) 火災による死傷者状況調査表(対象文書238頁から265頁まで)について
ア 火災による死傷者状況調査表の概要について
火災による死傷者状況調査表については、火災損害調査要綱第31条の「調査員は、火災による死傷者を調査したときは、火災による死傷者の状況調査表(様式第4号)を作成しなければならない。」との規定に基づき作成されたものであると認められる。
火災による死傷者状況調査表は、死傷者1名につき1帳票作成され、死傷者の氏名、死傷の程度、受傷した場所等が記載されている。
対象文書238頁から265頁までのうち、対象文書238頁については、出火者(本件では、放火者)の情報であり、それ以外の対象文書239頁から265頁までについては、本件放火の被害者に係る情報である。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、出火原因、出火者、死傷者欄、死傷者の発生した建物等欄の受傷した階数(建物)箇所・焼損表面積、火元建物等欄の出火箇所、出火時死者のいた場所欄の箇所・室等・出火箇所との同別、死者の発生した場所欄の箇所・室等・いた箇所との同別、出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数欄の同棟・同室等・死者1人、同一建物内等での死者数、同一建物内等での負傷者数、出火時死者と一緒にいた者の年齢別欄(「本件非公開部分7」)であり、その理由は、条例第7条第1号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分7のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書238頁から265頁までの「出火者」欄(対象文書238頁を除く。)、「(死傷者)」欄中の「死傷程度」欄(対象文書238頁を除く。)、「死傷者の区分」欄(対象文書238頁を除く)、「氏名」欄、「年齢」欄、「死傷者職業」欄、「作業中の死傷」欄、「火気取扱中」欄、「死傷因」欄(対象文書238頁を除く)、「起床」欄、「飲酒」欄、「傷病」欄、「寝たきり」欄、「身体不自由」欄、「福祉ファイル」欄、「概要」欄、「(出火時死者のいた場所)」欄の「箇所・室等」欄、「出火箇所との同別」欄、「(死者の発生した場所欄)」欄の「箇所・室等」欄、「いた箇所との同別」欄、「(同一建物内等での死者数)」欄の「男」欄、「女」欄、「合計」欄、「(同一建物内等での負傷者数)」欄の「男」欄、「女」欄、「合計」欄、「(出火時死者と一緒にいた者の年齢別)」欄の「0-5歳」欄、「6-10歳」欄、「11-20歳」欄、「21-30歳」欄、「31-40歳」欄、「41-50歳」欄、「51-60歳」欄、「61-64歳」欄、「65-歳」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、当該火災による死傷者の「個人に関する情報」であり、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められる。また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書238頁から265頁までの「(死傷者の発生した建物等)」欄の「焼損表面積」欄に記載された情報であるが、本情報は、対象文書2頁の「損害」欄の「焼損表面積合計」欄と同じであると認められる。
この点、上記箇所と同様、第2、2に記載のとおり、本件非公開部分7の非公開理由として、条例第7条第2号の適示がないことから、審査会より、審査庁(諮問庁)に対して、条例第23条第4項に基づき、意見書の提出を求めたところ、令和8年4月9日付けで「対象文書238頁から265頁までの「(死傷者の発生した建物等)」欄の「焼損表面積」欄に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。」との主張を記載した意見書が提出された。
そこで、当該主張を踏まえ、対象文書238頁から265頁までの「(死傷者の発生した建物等)」欄の「焼損表面積」欄に記載された情報の条例第7条第2号該当性について検討すると、上記(5)、ウと同様、焼損表面積は、本件被災ビルの被害状況を明らかにするものであり、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書に該当しないと認められる。
以上より、本件非公開部分7のうち、対象文書238頁から265頁までの「出火者」欄(対象文書238頁を除く。)、「(死傷者)」欄中の「死傷程度」欄(対象文書238頁を除く。)、「死傷者の区分」欄(対象文書238頁を除く)、「氏名」欄、「年齢」欄、「死傷者職業」欄、「作業中の死傷」欄、「火気取扱中」欄、「死傷因」欄(対象文書238頁を除く。)、「起床」欄、「飲酒」欄、「傷病」欄、「寝たきり」欄、「身体不自由」欄、「福祉ファイル」欄、「概要」欄、「(死傷者の発生した建物等)」欄の「焼損表面積」欄、「(出火時死者のいた場所)」欄の「箇所・室等」欄、「出火箇所との同別」欄、「(死者の発生した場所欄)」の「箇所・室等」欄、「いた箇所との同別」欄、「(同一建物内等での死者数)」欄の「男」欄、「女」欄、「合計」欄、「(同一建物内等での負傷者数)」欄の「男」欄、「女」欄、「合計」欄、「(出火時死者と一緒にいた者の年齢別)」欄の「0-5歳」欄、「6-10歳」欄、「11-20歳」欄、「21-30歳」欄、「31-40歳」欄、「41-50歳」欄、「51-60歳」欄、「61-64歳」欄、「65-歳」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分7のうち取り消すべき部分について
まず、対象文書238頁から265頁までの「出火原因」欄に記載された情報であるが、本件火災の出火原因については、多数の報道によって公知の事実となっているところである。そうであれば、仮に出火原因が、出火者の「個人に関する情報」に該当し、条例第7条第1号本文に該当するとしても、ただし書アに該当する。
また、本情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書238頁から265頁までの「出火原因」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書238頁から265頁までの「(死傷者の発生した建物等)」欄の「受傷した階数(建物)・箇所」欄に記載された情報であるが、本情報が「個人に関する情報」に該当するとしても、階を移動した後に受傷したということも考えられ、本情報を公にしたとしても、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」とは認められない。また、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」であるとも認められず、本情報は、条例第7条第1号に該当しない。
さらに、本情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書238頁から265頁までの「(死傷者の発生した建物等)」欄の「受傷した階数(建物)・箇所」欄に記載された情報は、公開すべきである。
次に、対象文書238頁から265頁までの「(火元建物等)」欄の「出火箇所」欄に記載された情報(空欄として公開されているものを除く。)であるが、本件火災の出火箇所については、多数の報道によって公知の事実となっているところである。そうであれば、仮に本情報が、「個人に関する情報」に該当し、条例第7条第1号本文に該当するとしても、ただし書アに該当する。
また、本情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書238頁から265頁までの「(火元建物等)」欄の「出火箇所」欄に記載された情報(空欄として公開されているものを除く。)部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書238頁から265頁までに記載されている「(出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数)」欄の「同棟」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「同室等」欄(空欄として公開されているものを除く。)に記載された情報であるが、実施機関に確認したところ、これらの欄には、帳票記載の本人を除いた人数が記載されているとのことであった。仮にこれらの欄に記載された人数が少人数であれば、これらの情報を公にすることによって、個人が特定されるということが考えられなくもない。
しかし、審査会において、当該部分の記載を確認したところ、これらの欄に記載された人数は多数に上っていることが確認できた。
そうであれば、仮にこれらの情報が条例第7条第1号本文の「個人に関する情報」に該当するとしても、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であるとは認められず、また、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」であるとも認められない。
さらに、これらの情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書238頁から265頁までに記載されている「(出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数)」欄の「同棟」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「同室等」欄(空欄として公開されているものを除く。)に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書238頁から265頁までの「(出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数)」欄の「死者1人」欄に記載された情報(空欄として公開されているものを除く。)であるが、実施機関に確認したところ、同欄は、出火時、死者のいた場所が建物である場合に、本人を除いた人数を「1人でいた」又は「複数でいた」から選択するものとのことであった。
ここで、本件火災については、多数の報道によって、同一建物内において多数の死者が出たことは、公知の事実となっているところである。
そうであれば、仮に「死者1人」欄記載の情報が、「個人に関する情報」に該当し、条例第7条第1号本文に該当するとしても、ただし書アに該当する。
また、本情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書238頁から265頁までの「(出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数)」欄の「死者1人」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書238頁の「出火者」欄、「(死傷者)」欄の「死傷程度」欄、「死傷者の区分」欄、「性別」欄、「死傷因」欄、「死傷者の発生した経過」欄に記載された情報であるが、条例第7条第1号本文の「個人に関する情報」であると認められる。
しかし、火災による死傷者状況調査表は、作成日時点において実施機関が把握し得る全ての死傷者が網羅されていると認められ、本件火災によって放火者自身が死傷したことは、各種報道によって明らかになっているところであり、また、「死傷程度」欄、「死傷者の区分」欄、「性別」欄、「死傷因」欄、「死傷者の発生した経過」欄に記載された情報についても、既に報道がなされ、公知の事実となっていると認められ、これらの情報は、仮に条例第7条第1号本文に該当するとしても、ただし書アに該当する。
また、これらの情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書238頁の「出火者」欄、「(死傷者)」欄の「死傷程度」欄、「死傷者の区分」欄、「性別」欄、「死傷因」欄、「死傷者の発生した経過」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書239頁から265頁までの「(死傷者)」欄の「性別」欄、「死傷者の発生した経過」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、条例第7条第1号本文の「個人に関する情報」に該当する。しかし、これらの情報については、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」とは認められないし、また、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」であるとも認められない。
また、これらの情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書239頁から265頁までの「(死傷者)」欄の「性別」欄、「死傷者の発生した経過」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書238頁から265頁までの「(出火時死者と一緒にいた者の年齢別)」欄の「0-5歳: 人」等の様式規定部分であるが、本様式第4号は、上記ア記載のとおり、火災損害調査要綱に規定されたものであり、本要綱は、大阪市ホームページにおいて公開されている。そうであれば、様式規定部分について非公開とする理由はなく、条例第7条各号のいずれにも該当しない。
よって、「(出火時死者と一緒にいた者の年齢別)」欄の「0-5歳: 人」等の様式規定部分は、取り消すべきである。
以上より、本件非公開部分7のうち、対象文書238頁から265頁までの「出火原因」欄、対象文書238頁の「出火者」欄、「(死傷者)」欄の「死傷程度」欄、「死傷者の区分」欄に記載された情報、対象文書238頁から265頁までの「(死傷者)」欄の「性別」欄に記載された情報、対象文書238頁の「死傷因」欄に記載された情報、対象文書238頁から265頁までの「死傷者の発生した経過」欄、「(死傷者の発生した建物等)」欄の「受傷した階数(建物)・箇所」欄、「(火元建物等)」欄の「出火箇所」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「(出火時死者のいた場所と同一建物等にいたものの数)」欄の「同棟」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「同室等」欄(空欄として公開されているものを除く。)、「死者1人」欄(空欄として公開されているものを除く。)に記載された情報、対象文書238頁から265頁までの「(出火時死者と一緒にいた者の年齢別)」欄の「0-5歳: 人」等の様式規定部分は、取り消すべきである。
(12)損害明細表(対象文書266頁から274頁まで)について
ア 損害明細表の概要について
損害明細表については、火災損害調査要綱第29条の2の「調査員は、損害額を算定したときは、損害査定表(様式第2号)及び損害明細表(様式第2号の2)を作成しなければならない。」との規定に基づき作成されたものであると認められる。
損害明細表の各欄には、本件火災によって損害を被った者ごとに、調査員によって算定された損害額が記載されている。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、業態欄に記載の情報、氏名欄に記載の情報、焼損面積欄に記載の情報、損害額欄に記載(一部空欄部分を含む。)の情報(「本件非公開部分8」)であり、その理由は、条例第7条第1号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分8のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書266頁の「整理番号」欄の「1-1~1」から対象文書274頁の「整理番号」欄の「1-㉙~」までの「業態」欄、「氏名」欄に記載された情報については、いずれも、「個人に関する情報」であり、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書266頁の「焼損面積」欄に記載された情報のうちの非公開部分に記載された情報であるが、ここで、非公開とされている情報は、4階フロア全体のうち焼損した表面積と、4階診療所部分のうち焼損した床面積及び表面積であると認められる。これらの情報については、それぞれ、本件被災ビル所有者、本件被災診療所経営者の情報であり、条例第7条第2号の「法人その他の団体(中略)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報」に該当するとしても、条例第7条第1号の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)」には該当しない。
この点、第2、2記載のとおり、本件決定に付された理由では、本件非公開部分8の非公開理由として、条例第7条第2号の適示がないことから、審査会より、審査庁(諮問庁)に対して、条例第23条第4項に基づき、意見書の提出を求めたところ、令和8年4月9日付けで「対象文書266頁の「焼損面積」欄に記載された情報のうちの非公開部分に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。」との主張を記載した意見書が提出された。
そこで、当該主張を踏まえ、対象文書266頁の「焼損面積」欄に記載された情報のうちの非公開部分の条例第7条第2号該当性について検討すると、これらの情報は、本件被災ビル所有者及び本件被災診療所経営者の被害状況を示すものであり、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
次に、対象文書266頁の「整理番号」欄の「1-1~ 」、「1-1~1」、対象文書273頁の「整理番号」欄の「1-㉗~ 」から対象文書274頁の「整理番号」欄の「1-1~5」までの「損害額」欄に記載された情報(空欄を非公開としている部分を除く。)であるが、これらの情報は、本件被災ビルの所有者、本件被災ビルテナント及び本件被災ビルテナントの取引業者の焼き・消火による損害額を示す情報である。
よって、これらの情報は、条例第7条第2号の「法人その他の団体(中略)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報」に該当するとしても、条例第7条第1号の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)」には該当しない。
この点、第2、2記載のとおり、本件決定に付された理由では、本件非公開部分8の非公開理由として、条例第7条第2号の適示がないことから、審査会より、審査庁(諮問庁)に対して、条例第23条第4項に基づき、意見書の提出を求めたところ、令和8年4月9日付けで「「1-1~ 」、「1-1~1」、対象文書273頁の「1-㉗~ 」から対象文書274頁の「1-1~5」までの「損害額」欄に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。」との主張を記載した意見書が提出された。
そこで、当該主張を踏まえ、これらの情報の条例第7条第2号該当性について検討すると、これらの情報は、本件被災ビルの所有者、本件被災ビルテナント及び本件被災ビルテナントの取引業者の損害額を明らかにするものであり、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
次に、対象文書266頁の「整理番号」欄の「1-①~ 」から対象文書273頁の「整理番号」欄の「1-㉖~ 」までと対象文書274頁の「整理番号」欄の「1-㉙~ 」の「損害額」欄に記載された情報(空欄を非公開としている部分を除く。)であるが、これらの情報は、本件火災の被害に遭った個人の損害額を示すものであり、条例第7条第1号の「個人に関する情報」に該当する。また、これらの情報は、本件火災による死者の遺族等に本件火災を思い起こさせるものであることから、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
以上より、本件非公開部分8のうち、対象文書266頁の「整理番号」欄の「1-1~1」から対象文書274頁の「整理番号」欄の「1-㉙~」までの「業態」欄及び「氏名」欄に記載された情報、対象文書266頁の「焼損面積」欄に記載された情報、対象文書266頁の「整理番号」欄の「1-1~ 」から対象文書274頁の「整理番号」欄の「1-㉙~」までの「損害額」欄に記載された情報(空欄を非公開としている部分を除く。)を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分8のうち公開すべき部分について
まず、対象文書266頁の「整理番号」欄の「1-1~ 」の「業態」欄、「氏名」欄に記載された情報であるが、対象文書3頁や対象文書275頁との照合から、これらの情報は、当該建物所有法人の業態(商業登記簿の「目的」欄に「不動産の売買・賃貸及び管理」とある。)及び代表取締役氏名であると認められる。
そうであれば、上記(5)、エで検討したように、条例第7条第1号に該当するとは認められない。
また、これらの情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書266頁の「整理番号」欄の「1-1~ 」の「業態」欄、「氏名」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書266頁の「合計」列中の「損害額」欄に記載された情報(空欄を非公開としている部分を除く。)であるが、これらの情報が条例第7条第1号の「個人に関する情報」に該当するとは認められない。また、これらの情報は、本件火災による個人及び法人等の損害額合計であるが、当該情報がその他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書266頁の「合計」列中の「損害額」欄に記載された情報(空欄を非公開としている部分を除く。)部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書266頁の「合計」列中の「損害額」欄で空欄であるが非公開としている部分、対象文書266頁の「整理番号」欄の「1-1~ 」から「1-①~1」までの「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、対象文書273頁の「整理番号」欄の「1-1~2」の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、対象文書274頁の「整理番号」欄の「1-1~4」、「1-㉙~ 」の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分であるが、空欄を非公開とする(黒塗りとする)ことが合理性を持つ場合は、空欄であることが意味を有し、空欄であるという情報が条例第7条各号に該当する場合である。
これを本件について見ると、非公開とされている空欄のいずれについても、これらを公開して判明することは、空欄部分に対応する物件について、損害が生じなかったという事実である。この点、ここで問題となっている損害は、「建物」、「収容物」、「その他の物件」のいずれかであり、これらに損害が生じなかったという事実が、条例第7条第1号の「個人に関する情報」には該当しないし、条例第7条第2号の「法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とも認められない。
また、これらの情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書266頁の「合計」列中の「損害額」欄で空欄であるが非公開としている部分、対象文書266頁の「1-1~ 」から「1-①~1」までの「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、対象文書273頁の「1-1~2」の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、対象文書274頁の「1-1~4」、「1-㉙~ 」の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分は、取り消すべきである。
以上より、本件非公開部分8のうち、対象文書266頁の「合計」列中「損害額」欄に記載された情報(空欄を非公開としている部分を除く。)、「合計」列中の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、「整理番号」欄の「1-1~ 」の「業態」欄及び「氏名」欄に記載された情報、「整理番号」欄の「1-1~ 」から「1-①~ 」までの「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、対象文書273頁の「整理番号」欄の「1-1~2」の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分、対象文書274頁の「整理番号」欄の「1-1~4」、「1-㉙~ 」の「損害額」欄中で空欄であるが非公開としている部分は取り消すべきである。
(13)損害状況表(対象文書275頁から283頁まで)について
ア 損害状況表の概要について
損害状況表については、火災損害調査要綱第30条の「調査員は、証明事務の適正化を図るため、り災者ごとの損害状況表(様式第3号)を作成しておかなければならない。」との規定に基づき作成されたものであると認められる。
損害状況表においては、り災者ごとに、り災場所やり災物件及びり災程度等が記載されている。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、り災者欄記載の氏名、り災物件及びり災程度欄記載の一部情報、備考欄に記載の情報(「本件非公開部分9」)であり、その理由は、条例第7条第1号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分9のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書275頁の二人目として記載された「り災者」欄の氏名から対象文書283頁の三人目までの「り災者」欄の氏名については、いずれも、「個人に関する情報」であり、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書275頁の一人目から対象文書276頁の二人目までと対象文書283頁の二人目及び三人目の「り災物件及びり災程度」欄において非公開とされた部分に記載された情報、対象文書275頁の二人目から対象文書276頁の二人目までと対象文書283頁の二人目及び三人目の「備考」欄に記載された情報であるが、いずれも、「法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報」であると認められる。
この点、第2、2記載のとおり、本件決定に付された理由では、本件非公開部分9の非公開理由として、条例第7条第2号の適示がないことから、審査会より、審査庁(諮問庁)に対して、条例第23条第4項に基づき、意見書の提出を求めたところ、令和8年4月9日付けで「対象文書275頁の一人目から対象文書276頁の二人目までと対象文書283頁の二人目及び三人目の「り災物件及びり災程度」欄において非公開とされた部分に記載された情報、対象文書275頁の二人目から対象文書276頁の二人目までと対象文書283頁の二人目及び三人目の「備考」欄に記載された情報は、公開されることで当該法人が被った被害の状況が明らかになり、競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。」との主張を記載した意見書が提出された。
そこで、当該主張を踏まえ、対象文書275頁の一人目から対象文書276頁の二人目までと対象文書283頁の二人目及び三人目の「り災物件及びり災程度」欄において非公開とされた部分及び対象文書275頁の二人目から対象文書276頁の二人目までと対象文書283頁の二人目及び三人目の「備考」欄に記載された情報の条例第7条第2号該当性について検討すると、これらの情報は、本件火災によるり災法人等の被害状況や当該ビルとの関係を示すものであり、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
次に、対象文書276頁の三人目から対象文書283頁一人目までの「り災物件及びり災程度」欄において非公開とされた部分に記載された情報、対象文書275頁二人目と対象文書283頁一人目の「備考」欄に記載された情報であるが、前者には、これらり災者のり災物件名が、後者には、当該り災者の属性が記載されていることが認められる。
これらの情報は、いずれも、「個人に関する情報」であり、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
以上より、本件非公開部分9のうち、対象文書275頁の二人目として記載された「り災者」欄の氏名から対象文書283頁の三人目までの「り災者」欄の氏名、対象文書275頁から対象文書283頁までの「り災物件及びり災程度」欄において非公開とされた部分に記載された情報、対象文書275頁の二人目から対象文書276頁の三人目までと対象文書283頁の一人目から三人目までの「備考」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分9のうち取り消すべき部分について
対象文書275頁の一人目の「り災者」欄に記載された情報であるが、対象文書3頁「建物」欄の「所有責任者氏名」欄に記載された情報との照合から、当該建物所有法人の代表取締役氏名であると認められる。
そうであれば、まず、条例第7条第1号本文の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)」には該当しない。
また、上記 (5)、エで検討したように、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とも認められない。
さらに、本情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書275頁の一人目の「り災者」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書275頁の一人目の「備考」欄に記載された情報であるが、当該情報は、り災者(正しくは当該り災者が代表取締役を務める法人)と当該被災ビルとの関係を示す情報である。
これについても、不動産登記簿を閲覧等すれば確認可能な情報であり、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書275頁の一人目の「備考」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
以上より、非公開部分9のうち、対象文書275頁の一人目の「り災者」欄、「備考」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
(14)資料任意提出書(対象文書284頁、285頁、334頁)について
ア 資料任意提出書の概要について
資料任意提出書については、火災原因調査要綱第12条第1項の「署長は、規程第18条第1項に基づき、資料の提出を所有者に求めたときは、資料任意提出書(様式第1号)によって当該資料の提出の承諾及び返還、所有権放棄の意思を確かめなければならない。」との規定に基づき、任意で資料提出を行った者から提出されたものであると認められる。
本件について任意で資料提出を行った者が3名いることから、3通の資料任意提出書が提出されたと認められ、それぞれについて、資料提出者の住所、氏名、提出年月日、提出物件名等が記載されている。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、住所・氏名・電話番号、提出物件及び採取箇所欄(「本件非公開部分10」)であり、その理由は、条例第7条第1号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分10のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書284頁の「住所」欄、「氏名」欄、「電話番号」欄に記載された情報であるが、本件の資料提出者は個人であると認められ、これらの情報は、条例第7条第1号の「個人に関する情報」に該当する。また、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。一方、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書284頁の「2 提出物件及び採取箇所」の「採取箇所」欄に記載された情報であるが、当該採取箇所は提出物件の所在場所を意味し、それは、条例第7条第1号の「個人に関する情報」に該当する。また、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。一方、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書285頁と対象文書334頁の「住所」欄、「氏名」欄、「電話番号」欄に記載された情報であるが、対象文書285頁については、実施機関への確認結果等から、対象文書334頁については、対象文書の他の部分との照合から、これらの提出者が、本件被災ビル所有法人の取引業者であると認められた。
そして、当該取引先業者を公にすると、本件被災ビル所有法人の取引関係が明らかになることから、本件被災ビル所有法人の法人等情報に該当し得る。
この点、第2、2記載のとおり、本件決定に付された理由では、本件非公開部分10の非公開理由として、条例第7条第2号の適示がないことから、審査会より、審査庁(諮問庁)に対して、条例第23条第4項に基づき、意見書の提出を求めたところ、令和8年4月9日付けで「対象文書285頁と対象文書334頁の「住所」欄、「氏名」欄、「電話番号」欄に記載された情報は、いずれも法人ないしは業を営む個人として提出した情報であるものの、事業活動に関する取引先の内容であり、公開されることで当該法人の競争上の地位その他正当な利益を害するものである。また、関係者の協力により得られる情報が公開されることで、今後情報を提供することを躊躇し、火災原因調査における正確な事実の把握を困難にするおそれがある。よって非公開理由を第7条第2号及び第5号に差し替える。」との主張を記載した意見書が提出された。
そこで、当該主張を踏まえ、対象文書285頁と対象文書334頁の「住所」欄、「氏名」欄、「電話番号」欄に記載された情報の条例第7条第2号該当性について検討すると、取引先情報は、営利企業にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
以上より、本件非公開部分10のうち、対象文書284頁の「住所」欄、「氏名」欄、「電話番号」欄、「2 提出物件及び採取箇所」の「採取箇所」欄に記載された情報、対象文書285頁の「住所」欄、「氏名」欄、「電話番号」欄に記載された情報、対象文書334頁の「住所」欄、「氏名」欄、「電話番号」欄を非公開としたことは妥当である。
エ 本件非公開部分10のうち取り消すべき部分について
まず、対象文書284頁のうち、「2 提出物件及び採取箇所」の「品名」欄、「数量」欄に記載された情報であるが、これらの情報が、条例第7条第1号の「個人に関する情報」に該当するとしても、提出物件は一般的な物であり、公にすることにより、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」とは認められない。また、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」であるとも認められない。よって、当該情報は、条例第7条第1号に該当しない。
また、これらの情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書284頁のうち、「2 提出物件及び採取箇所」の「品名」欄、「数量」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書285頁、334頁のうち、「2 提出物件及び採取箇所」の「品名」欄、「数量」欄に記載された情報であるが、審査会において内容を見分したところ、いずれも、火災があった場合に任意提出される物件として一般的なものであると認められることから、これらの情報が、仮に、条例第7条第2号の法人等に関する情報であったとしても、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある」とは認められない。
また、これらの情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書285頁、334頁の「2 提出物件及び採取箇所」の「品名」欄、「数量」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
以上より、本件非公開部分10のうち、「2 提出物件及び採取箇所」の「品名」欄、「数量」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
(15)別添資料(対象文書286頁から310頁まで、対象文書311頁、対象文書312頁から対象文書330まで、対象文書331頁から対象文書333頁まで、対象文書335頁から対象文書342頁まで)について
ア 別添資料の概要について
別添資料については、大きく5つの資料に分かれている。
対象文書286頁から310頁までが対象文書286頁のタイトルにあるとおり警備状況及び自動火災報知設備作動履歴のデータであり、対象文書311頁が個別検索一覧であり、対象文書312頁から対象文書330頁までと対象文書331頁から対象文書333頁までがその他の警備関係書類であり、対象文書335頁から対象文書342頁までが電気関係事故報告である。
このうち、前4者が、対象文書285頁に記載された者が、任意で提出した資料であり、後1者が、対象文書334頁に記載された者が、任意で提出した資料である。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、警備状況及び自動火災報知設備作動履歴のデータの表題を除いた全ての部分(「本件非公開部分11」)であり、その理由は、条例第7条第1号、第2号又は第5号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。なお、本件は、上記アのとおり、対象文書が5文書に分かれていることから、本件非公開部分11のうち、対象文書286頁から310頁までの非公開部分を非公開部分11の1と、対象文書311頁の非公開部分を非公開部分11の2と、対象文書312頁から対象文書330までの非公開部分を非公開部分11の3と、対象文書331頁から対象文書334頁までの非公開部分を非公開部分11の4と、対象文書335頁から対象文書342頁までの非公開部分を非公開部分11の5と言い、以下、それぞれに分けて検討する。
ウ 本件非公開部分11の1について
前提として、対象文書287頁から310頁までについては、提出者から任意に提供を受けた警備状況及び自動火災報知設備作動履歴のデータであり、対象文書286頁の非公開部分に記載された情報については、実施機関に確認したところ、当該データの読解に必要なため、実施機関が関係者に問い合わせを行い、実施機関において作成したメモとのことである。
まず、対象文書287頁から310頁までの情報は、本件被災ビルに係る警備状況及び自動火災報知設備作動状況を詳細に示すものであり、本件被災ビルの防犯上の情報であると認められる。そうであれば、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
次に、対象文書286頁の非公開部分に記載された情報については、上記のとおり、関係者の任意の供述により得られたものであり、その内容も、条例第7条第2号に該当する防犯情報の補足説明である。このような、非公開資料についての任意の説明についてまで公にされるとなると、今後、関係者の協力を得ることが難しくなることは想像に難くなく、条例第7条第5号の「本市の機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当する。
以上より、本件非公開部分11の1を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分11の2のうち非公開が妥当な部分について
対象文書311頁は、本件被災ビルの警備状況に関する文書である。
まず、対象文書311頁の表題、表の枠組み、記載された情報の項目名(単位を含む。)、「略称名称」欄に記載された情報を除いた部分の情報(なお、空白行も含む。)については、本件被災ビルの警備状況を示す情報であり、「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
以上より、本件非公開部分11の2のうち、表題、表の枠組み、記載された情報の項目名(単位を含む。)、「略称名称」欄に記載された情報を除いた部分の情報(なお、空白行も含む。)を非公開としたことは、妥当である。
オ 本件非公開部分11の2のうち取り消すべき部分について
まず、対象文書311頁の表題、表の枠組み、記載された情報の項目名(単位を含む。)については、それらの情報自体が、条例第7条第2号の「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報」に該当するとは認められず、当該様式自体から警備会社が特定されるおそれも認められない。
また、上記部分のみを公にすることにより、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とも認められない。
さらに、これらの情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
次に、対象文書311頁の「略称名称」欄に記載された情報であるが、ここには、出火場所となったビルの名称が記載されており、当該ビル名称は、対象文書1頁の「火元等」欄の「事業所等」欄に記載されていることから、本件決定において既に公開とされている。そして、本件対象文書が本件被災ビルに関係するものであることは容易に推測できるものであり、本情報自体が、条例第7条第2号の「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報」に該当するとは認められない。
また、本情報を公にすることにより、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とも認められない。
さらに、本情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
以上より、本件非公開部分11の2のうち、対象文書311頁の表の枠組み、記載された情報の項目名(単位を含む。)、「略称名称」欄に記載された情報については、取り消すべきである。
カ 本件非公開部分11の3について
対象文書312頁から対象文書330頁までは、本件被災ビルの所有者が警備を依頼している警備会社から提出された警備関係書類であると認められ、その様式から、本件被災ビルが警備を依頼している警備会社が特定され得るものであり、また、その内容についても警備状況に係る詳細な情報である。
そうであれば、このような情報が公になると、今後、任意の協力を得ることが難しくなることは想像に難くなく、少なくとも、条例第7条第5号の「本市の機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当する。
以上より、本件非公開部分11の3を非公開としたことは、妥当である。
キ 本件非公開部分11の4について
対象文書331頁から対象文書333頁までについても、上記カと同様、本件被災ビル所有者が警備を依頼している警備会社から提出された警備関係書類であると認められ、その様式から本件被災ビルが警備を依頼している警備会社が特定され得るものであり、また、その内容についても、警備状況に係る詳細な情報である。
そうであれば、上記カと同様、このような情報が公になると、今後、任意の協力を得ることが難しくなることは想像に難くなく、少なくとも、条例第7条第5号の「本市の機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当する。
以上より、本件非公開部分11の4を非公開としたことは、妥当である。
ク 本件非公開部分11の5のうち非公開が妥当な部分について
対象文書335頁から対象文書342頁までの文書は、電気関係報告規則(昭和40年通商産業省令第54号)第3条の「電気事業者(法第38条第4項各号に掲げる事業を営む者に限る。以下この項において同じ。)又は自家用電気工作物を設置する者は、電気事業者にあっては電気事業の用に供する電気工作物(原子力発電工作物及び小規模事業用電気工作物を除く。以下この項において同じ。)に関して、自家用電気工作物を設置する者にあっては自家用電気工作物(鉄道営業法(明治33年法律第65号)、軌道法(大正10年法律第76号)又は鉄道事業法(昭和61年法律第92号)が適用され又は準用される自家用電気工作物であって、発電所、蓄電所、変電所又は送電線路(電気鉄道の専用敷地内に設置されるものを除く。)に属するもの(変電所の直流き電側設備又は交流き電側設備を除く。)以外のもの、原子力発電工作物及び小規模事業用電気工作物を除く。以下この項において同じ。)に関して、次の表の事故の欄に掲げる事故が発生したときは、それぞれ同表の報告先の欄に掲げる者に報告しなければならない。この場合において、二以上の号に該当する事故であって報告先の欄に掲げる者が異なる事故は、経済産業大臣に報告しなければならない。」との規定に基づき、自家用電気工作物を設置する者から電気工作物の設置場所を管轄する産業保安監督部長に対して提出されたものであると認められる。それを前提に、以下検討する。
まず、対象文書335頁の連絡先として記載された情報であるが、審査会において確認したところ、連絡先として記載されているのは、本件被災ビルの取引先である。ここで、取引先情報は、営利企業にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書335頁の連絡先として記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書336頁の「1.件名」欄に記載された情報であるが、本情報は、電気事故の具体的な内容がわかるものである。そうであれば、本情報は、本件被災ビルにとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認めら、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書336頁の「1.件名」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書336頁の「4.事故発生の電気工作物」欄に記載された情報のうち、「事故発生の電気工作物:」から「事業場の受電容量:」までの項目名を除いた情報であるが、これらの情報は、本件被災ビルの電気工作物に係る詳細な情報である。そうであれば、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書336頁の「4.事故発生の電気工作物」欄に記載された情報のうち、「事故発生の電気工作物:」から「事業場の受電容量:」までの項目名を除いた情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書336頁の「6.原因」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、本件事故原因に係る詳細な情報である。そうであれば、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認めら、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書336頁の「6.原因」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書336頁の「7.被害状況」欄のうち、項目番号7の1)と2)と4)と5)の細項目番号及び細項目名、3)として記載された項目名、4)供給支障欄の供給支障の有無及び供給支障時間に係る情報、「供給支障」欄の「内容」欄に記載された情報以外の情報であるが、これらの情報は、本件被災ビルの被害状況を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書336頁の「7.被害状況」欄のうち、項目番号7の1)と2)と4)と5)の細項目番号及び細項目名、3)として記載された項目名、4)供給支障欄の供給支障の有無及び供給支障時間に係る情報、「供給支障」欄の「内容」欄に記載された情報以外の情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書336頁の「8.復旧日時」欄のうち、細項目名を除いた情報であるが、これらの情報は、本件被災ビルの電気復旧日時等を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書336頁の「8.復旧日時」欄のうち、細項目名を除いた情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書337頁の「9.再発防止対策」欄に記載された情報であるが、本情報は、本件被災ビルに係る電気関係事故の再発防止対策を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書337頁の「9.再発防止対策」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書337頁の「10.主任技術者の氏名及び所属(保安管理業務外部委託承認がある場合は、委託先情報)」欄に記載された情報であるが、本情報は、本件被災ビルの取引先情報であると認められる。そして、営利企業にとって、取引先情報は、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書337頁の「10.主任技術者の氏名及び所属(保安管理業務外部委託承認がある場合は、委託先情報)」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書337頁の「11.電気工作物の設置者の確認」欄に記載された情報であるが、本情報は、電気工作物の設置に当たり設置者が確認を行ったか否かを示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書337頁の「11.電気工作物の設置者の確認」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(1)事故発生前の状況」欄の「②発電状況」欄から「⑨その他」欄までに記載された情報であるが、これらの情報は、事故発生前の発電状況等を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(1)事故発生前の状況」欄の「②発電状況」欄から「⑨その他」欄までに記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(2)事故発生時の経緯」欄の「①事故発生時の経緯」欄の3行目から12行目までに記載された情報、「[事故発生の経緯 備考]」欄、「[その他]」欄、「②電気工作物の被害の程度」欄に記載された情報については、本件電気事故の詳細な内容であり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(2)事故発生時の経緯」欄の「①事故発生時の経緯」欄の3行目から12行目まで、「[事故発生の経緯 備考]」欄、「[その他]」欄、「②電気工作物の被害の程度」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書339頁の「5.状況」欄の「(3)応急処置」欄に記載された情報であるが、本情報は、電気事故を受けた応急処置の内容等がわかるものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書339頁の「5.状況」欄の「(3)応急処置」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書339頁の「5.状況」欄の「(4)復旧作業」欄の1行目、3行目から6行目までに記載された情報及び添付書類名であるが、これらの情報は、本件電気事故の復旧作業等の内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書339頁の「5.状況」欄の「(4)復旧作業」欄の1行目、3行目から6行目までに記載された情報及び添付書類名を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書340頁の「1.被害状況」欄の「1.1.供給支障電力」欄、「1.2.供給支障電力詳細」欄、「1.4.供給支障期間詳細」欄、「1.5.供給支障件数」欄、「1.6.供給支障件数詳細」欄に記載された情報であるが、本情報は、本件電気事故によって供給支障となった電力を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書340頁の「1.被害状況」欄の「1.1.供給支障電力」欄、「1.2.供給支障電力詳細」欄、「1.4.供給支障期間詳細」欄、「1.5.供給支障件数」欄、「1.6.供給支障件数詳細」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書340頁の「2.波及事故要因区分」欄に記載された情報であるが、本情報は、本件電気事故による波及事故の内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書340頁の「2.波及事故要因区分」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書340頁の「3.」として記載された情報であるが、本情報は、項目名も含めて事故内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書340頁の「3.」として記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書340頁の「4.事故発生電気工作物以外の電気工作物の被害内容」欄の「4.1.事故発生電気工作物以外の被害」欄に記載された情報であるが、本情報は、事故発生電気工作物以外の被害内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書340頁の「4.事故発生電気工作物以外の電気工作物の被害内容」欄の「4.1.事故発生電気工作物以外の被害」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書340頁の「5.」として記載された情報であるが、本情報は、項目名も含めて事故の内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書340頁の「5.」として記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書340頁の「6.再発防止対策」欄に記載された情報であるが、本情報は、再発防止対策の内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書340頁の「6.再発防止対策」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書340頁の「7.事故発生電気工作物以外の被害」欄に記載された情報であるが、本情報は、事故発生電気工作物以外の被害内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書340頁の「7.事故発生電気工作物以外の被害」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書340頁から341頁までの「8.」として記載された情報であるが、本情報は、項目名も含めて本件事故の内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書340頁から341頁までの「8.」として記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書341頁の「9.波及原因」欄の「[原因分類]」欄、「[事故原因詳細]」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、本件事故から波及した事故の原因等を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書341頁の「9.波及原因」欄の「[原因分類]」欄、「[事故原因詳細]」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書341頁の「10.再発防止対策」欄に記載された情報であるが、本情報は、再発防止対策の内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書341頁の「10.再発防止対策」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書341頁の「11.保守点検」欄の「定期点検」欄、「主任技術者より機器の新設や機器の交換を推奨されていたか」欄、「主任技術者より事故に至る可能性の報告・助言を受けていたにも関わらず交換等を実施しなかった理由」欄、「備考」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、本件被災ビルに設置された電気機器の保守点検の内容を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書341頁の「11.保守点検」欄の「定期点検」欄、「主任技術者より機器の新設や機器の交換を推奨されていたか」欄、「主任技術者より事故に至る可能性の報告・助言を受けていたにも関わらず交換等を実施しなかった理由」欄、「備考」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書342頁の「1.電気工作物1の概要」欄の「(1)電気工作物」欄の「[名称]」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、本件電気工作物の名称等を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書342頁の「1.電気工作物1の概要」欄の「(1)電気工作物」欄の「[名称]」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書342頁の「(2)電気工作物の仕様」欄の「[製造事業者]」欄から「[その他製品仕様3]」欄までに記載された情報であるが、これらの各欄に記載された情報は、本件電気工作物の仕様を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書342頁の「(2)電気工作物の仕様」欄の「[製造事業者]」欄から「[その他製品仕様3]」欄までに記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書342頁の「(3)設置場所」欄の「[詳細]」欄に記載された情報であるが、本欄に記載されている情報は、本件電気工作物の設置場所の詳細であり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、対象文書342頁の「(3)設置場所」欄の「[詳細]」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書342頁の「(4)点検状況」欄の「[定期点検]」欄から「[年次定期点検]」欄(表の枠組みは除く。)までに記載された情報であるが、これらの各欄に記載された情報は、本件電気工作物の点検状況を示すものであり、本件被災ビルの所有者にとって、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しないと認められる。
よって、「(4)点検状況」欄の「[定期点検]」欄から「[年次定期点検]」欄(表の枠組みは除く。)までに記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
以上より、本件非公開部分11の5のうち、対象文書335頁の連絡先として記載された情報、対象文書336頁の「1.件名」欄、「4.事故発生の電気工作物」欄に記載された情報のうち「事故発生の電気工作物:」から「事業場の受電容量:」までの項目名を除いた情報、「6.原因」欄に記載された情報、「7.被害状況」欄のうち項目番号7の1)と2)と4)と5)の細項目番号及び細項目名、3)として記載された項目名、4)供給支障欄の供給支障の有無及び供給支障時間に係る情報、「供給支障」欄の「内容」欄に記載された情報以外の情報、「8.復旧日時」欄のうち細項目名を除いた情報、対象文書337頁の「9.再発防止対策」欄、「10.主任技術者の氏名及び所属(保安管理業務外部委託承認がある場合は、委託先情報)」欄、「11.電気工作物の設置者の確認」欄に記載された情報、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(1)事故発生前の状況」欄の「②発電状況」欄から「⑨その他」欄、「(2)事故発生時の経緯」欄の「①事故発生時の経緯」欄の3行目から12行目、「[事故発生の経緯 備考]」欄、「[その他]」欄、「②電気工作物の被害の程度」欄に記載された情報、対象文書339頁の「5.状況」欄の「(3)応急処置」欄、「(4)復旧作業」欄の1行目、3行目から6行目までに記載された情報及び添付書類名、対象文書340頁の「1.被害状況」欄の「1.1.供給支障電力」欄、「1.2.供給支障電力詳細」欄、「1.4.供給支障期間詳細」欄、「1.5.供給支障件数」欄、「1.6.供給支障件数詳細」欄、「2.波及事故要因区分」欄に記載された情報、「3.」として記載された情報、「4.事故発生電気工作物以外の電気工作物の被害内容」欄の「4.1.事故発生電気工作物以外の被害」欄に記載された情報、「5.」として記載された情報、「6.再発防止対策」欄、「7.事故発生電気工作物以外の被害」欄に記載された情報、対象文書340頁から341頁までの「8.」として記載された情報、対象文書341頁の「9.波及原因」欄の「[原因分類]」欄、「[事故原因詳細]」欄、「10.再発防止対策」欄、「11.保守点検」欄の「定期点検」欄、「主任技術者より機器の新設や機器の交換を推奨されていたか」欄、「主任技術者より事故に至る可能性の報告・助言を受けていたにも関わらず交換等を実施しなかった理由」欄、「備考」欄に記載された情報、対象文書342頁の「1.電気工作物1の概要」欄の「(1)電気工作物」欄の「[名称]」欄、「(2)電気工作物の仕様」欄の「[製造事業者]」欄から「[その他製品仕様3]」欄まで、「(3)設置場所」欄の「[詳細]」欄、「(4)点検状況」欄の「[定期点検]」欄から「[年次定期点検]」欄(表の枠組みは除く。)までに記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
ケ 本件非公開部分11の5のうち取り消すべき部分について
まず、対象文書335頁の表題、提出先、表題を含めて数えた10行目から11行目までの前文に相当する部分、電気関係報告規則の様式第13で規定されている部分(具体的には、対象文書336頁から対象文書337頁までの様式名、表題、項目番号1から11までの項目番号及び項目名、項目番号2の1)と2)の細項目番号及び細項目名、項目番号7の1)と2)と4)と5)の細項目番号及び細項目名)は、本件火災を受けて当該文書が提出されたこと自体は容易に想像がつくことから、条例第7条各号に該当するとは認められない。
よって、対象文書335頁の表題、提出先、表題を含めて数えた10行目から11行目までの前文に相当する部分、電気関係報告規則の様式第13で規定されている部分(具体的には、対象文書336頁から対象文書337頁までの様式名、表題、項目番号1から11までの項目番号及び項目名、項目番号2の1)と2)の細項目番号及び細項目名、項目番号7の1)と2)と4)と5)の細項目番号及び細項目名)部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書335頁の提出日であるが、本件文書は、電気関係報告規則に基づき、電気工作物の設置場所を管轄する産業保安監督部長に提出されたものであり、当該提出日が、条例第7条各号に該当するとは認められない。
よって、対象文書335頁の提出日は公開すべきである。
次に、対象文書335頁の「自家用電気工作物を設置する者」の郵便番号、法人番号、住所、名称、役職、代表者の氏名については、当該被災ビルの所有者に係る情報であると認められ、当該被災ビルの所有者は、上記(5)、エで検討したように、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められず、また、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書335頁の「自家用電気工作物を設置する者」の郵便番号、法人番号、住所、名称、役職、代表者の氏名部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書336頁の「4.事故発生の電気工作物」欄の「事故発生の電気工作物:」から「事業場の受電容量:」までの項目名、「7.被害状況」欄の3)として記載された項目名、「8.復旧日時」欄の細項目名であるが、これらの情報は、規則様式に規定はないが、単にどういった項目を電気工作物の設置場所を管轄する産業保安監督部長に報告したかを示す情報に過ぎず、それらの項目名自体が条例第7条各号に該当するとは認められない。
よって、対象文書336頁の「4.事故発生の電気工作物」欄の「事故発生の電気工作物:」から「事業場の受電容量:」までの項目名、「7.被害状況」欄の3)として記載された項目名、「8.復旧日時」欄の細項目名部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書336頁の「2.報告事業者」欄の「1)事業者名:」欄、「2)住所:」欄に記載された情報であるが、ここに記載されている情報は、上記において取り消すべきとした対象文書335頁の「自家用電気工作物を設置する者」の住所、名称、役職、代表者の氏名と同じ情報であり、当該部分と同じ理由が当てはまるところである。
よって、「2.報告事業者」欄の「1)事業者名:」欄、「2)住所:」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書336頁の「3.発生日時」欄に記載された情報であるが、ここに記載されているのは、本件火災によって電気関係事故が発生した日時であると認められる。ここで、放火による火災によって電気関係事故が生じることは、一般的にあり得ることであり、当該情報が、「自家用電気工作物を設置する者」の情報に該当するとしても、それを公にすることによって、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、当該情報を公にすることによって、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当するとも認められない。
さらに、本情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書336頁の「3.発生日時」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書336頁の「5.状況」欄に記載された情報であるが、本情報は、それ自身で意味を有する情報であるとは認められない。
よって、本情報は、条例第7条各号には該当せず、対象文書336頁の「5.状況」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書336頁の「7.被害状況」欄の「4)供給支障」欄の供給支障の有無及び供給支障時間に係る情報であるが、本件火災によって電気の供給支障が生じたことは公知の事実であり、供給支障時間についても、第三者が客観的に把握可能なものであると認められ、いずれの情報についても、条例第7条各号に該当するとは認められない。
よって、「7.被害状況」欄の「4)供給支障」欄の供給支障の有無及び供給支障時間に係る情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書336頁の「7.被害状況」欄の「4)供給支障」欄の「内容」欄に記載された情報であるが、当該情報は、それ自身で意味を有する情報であるとは認められず、条例第7条各号に該当するとは認められない。
よって、対象文書336頁の「7.被害状況」欄の「4)供給支障」欄の「内容」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書338頁の左上の別紙名、対象文書338頁及び339頁の表題、対象文書338頁の「5.状況」、対象文書338頁及び339頁の(1)から(4)までの細項目番号及び細項目名と(1)、(2)、(4)内の細項目番号((4)を除く。)及び細項目名であるが、これらの情報は、対象文書338頁の「5.状況」を除いて、電気関係報告規則の様式13にはないが、いずれも、電気関係事故から想定される一般的な項目名等であり、これらの項目名等自体が条例第7条各号に該当するとは認められない。
よって、対象文書338頁の左上の別紙名、対象文書338頁及び339頁の表題、対象文書338頁の「5.状況」、対象文書338頁及び339頁の(1)から(4)までの細項目番号及び細項目名と(1)、(2)、(4)内の細項目番号((4)を除く。)及び細項目名部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(1)事故発生前の状況」欄の「①気象」欄に記載された情報であるが、ここには、本件事故当日の天気が記載されており、それについては、気象庁に確認等すれば、容易に知り得る情報と言えることから、条例第7条各号に該当するとは認められない。
よって、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(1)事故発生前の状況」欄の「①気象」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(2)事故発生時の経緯」欄の「①事故発生時の経緯」欄の1行目から2行目までに記載された情報であるが、当該部分に記載されている情報は、当日の通報情報であり、それが公になることにより、任意の提出が得られなくなるということは考え難いから、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」には該当しない。また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(2)事故発生時の経緯」欄の「①事故発生時の経緯」欄の1行目から2行目までに記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書339頁の「5.状況」欄の「(4)復旧作業」欄の2行目に記載された情報であるが、当該部分に記載された情報は、行政機関による現地確認情報であり、それが公になることにより、任意の提出が得られなくなるということは考え難いから、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」には該当しない。また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書339頁の「5.状況」欄の「(4)復旧作業」欄の2行目に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書340頁の左上の別紙名、対象文書340頁及び341頁の表題、対象文書340頁及び341頁の3、5、8を除いた項目番号及び項目名と1、4、9、11の細項目番号(9及び11を除く。)及び細項目名であるが、これらの情報は、電気関係報告規則の様式13に記載はないが、いずれも、電気関係事故から想定される一般的な項目名等であり、本項目名等自体が条例第7条各号に該当するとは認められない。
よって、対象文書340頁の左上の別紙名、対象文書340頁及び341頁の表題、対象文書340頁及び341頁の3、5、8を除いた項目番号及び項目名と1、4、9、11の細項目番号(9及び11を除く。)及び細項目名部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書340頁の「1.被害状況」欄の「1.3.供給支障期間」欄に記載された情報であるが、本情報は、本件電気事故により、電力供給に支障が生じた期間を示すものであり、対象文書154頁の供述内容部分中の3行目から6行目までに記載された情報と実質的に同じである。そうであれば、上記(9)、エと同じ理由が当てはまるところである。
よって、対象文書340頁の「1.被害状況」欄の「1.3.供給支障期間」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書342頁の左上の別紙名、表題、1として記載された項目名、(1)から(4)までとして記載された細項目番号及び細項目名、(1)の1行目に記載された細項目名、(2)、(3)、(4)の各細項目名、「(4)点検状況」欄の「[年次定期点検]」欄の表の枠組みであるが、これらの情報は、電気関係報告規則の様式13に記載はないが、いずれも、電気関係事故から想定される一般的な項目名等であり、本項目名等自体が条例第7条各号に該当するとは認められない。
よって、対象文書342頁の左上の別紙名、表題、1として記載された項目名、(1)から(4)までとして記載された細項目番号及び細項目名、(1)の1行目に記載された細項目名、(2)、(3)、(4)の各細項目名、「(4)点検状況」欄の「[年次定期点検]」欄の表の枠組み部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書342頁の「1.電気工作物1の概要」欄の「(3)設置場所」欄の「[住所]」欄、「[場所]」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、本件電気工作物の設置場所である。本件電気工作物の設置場所が、本件被災建物であることは明らかであり、本件被災建物の所在住所及びビル名称は、対象文書1頁において公開されているところである。そうであれば、これらの情報を公にしたとしても、条例第7条第5号の「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」には該当しないし、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書342頁の「1.電気工作物1の概要」欄の「(3)設置場所」欄の「[住所]」欄、「[場所]」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
以上より、本件非公開部分11の5のうち、対象文書335頁の表題、提出日、提出先、「自家用電気工作物を設置する者」の郵便番号、法人番号、住所、名称、役職、代表者の氏名、表題を含めて数えた10行目から11行目までの前文に相当する部分、対象文書336頁から対象文書337頁までの電気関係報告規則の様式第13で規定されている部分(具体的には、様式名、表題、項目番号1から11までの項目番号及び項目名、項目番号2の1)と2)の細項目番号及び細項目名、項目番号7の1)と2)と4)と5)の細項目番号及び細項目名)、対象文書336頁の「4.事故発生の電気工作物」欄の「事故発生の電気工作物:」から「事業場の受電容量:」までの項目名、「7.被害状況」欄の3)として記載された項目名、「8.復旧日時」欄の細項目名部分、「2.報告事業者」欄の「1)事業者名:」欄、「2)住所:」欄、「3.発生日時」欄に記載された情報、「4.事故発生の電気工作物」欄の「事故発生の電気工作物:」から「事業場の受電容量:」までの項目名、「5.状況」欄に記載された情報、「4)供給支障」欄の供給支障の有無及び供給支障時間に係る情報、「4)供給支障」欄の「内容」欄に記載された情報、対象文書338頁の左上の別紙名、対象文書338頁及び339頁の表題、対象文書338頁の「5.状況」、対象文書338頁及び339頁の「5.状況」欄の(1)から(4)までの細項目番号及び細項目名と(1)、(2)、(4)内の細項目番号((4)を除く。)及び細項目名、対象文書338頁の「5.状況」欄の「(1)事故発生前の状況」欄の「①気象」欄に記載された情報、「(2)事故発生時の経緯」欄の「①事故発生時の経緯」欄の1行目から2行目までに記載された情報、対象文書339頁の「5.状況」欄の「(4)復旧作業」欄の2行目に記載された情報、対象文書340頁の左上の別紙名、対象文書340頁及び341頁の表題、対象文書340頁及び341頁の3、5、8を除いた項目番号及び項目名と1、4、9、11の細項目番号(9及び11を除く。)及び細項目名、対象文書340頁の「1.被害状況」欄の「1.3.供給支障期間」欄に記載された情報、対象文書342頁の左上の別紙名、表題、1として記載された項目名、(1)から(4)として記載された細項目番号及び細項目名、(1)の1行目に記載された細項目名、(2)、(3)、(4)の各細項目名、「(4)点検状況」欄の「[年次定期点検]」欄の表の枠組み、「1.電気工作物1の概要」欄の「(3)設置場所」欄の「[住所]」欄及び「[場所]」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
(16)理化学試験依頼書(対象文書343頁から347頁まで)について
ア 理化学試験依頼書の概要について
理化学試験依頼書については、火災原因調査要綱第22条第1項の「規程第19条第2項に基づき理化学試験を依頼するときは、理化学試験依頼書(様式第8号)により行わなければならない。」との規定に基づき、北消防署長から予防課長に依頼されたものであると認められる。
理化学試験依頼書(対象文書343頁から347頁まで)のうち、対象文書343頁から344頁までについては様式第8号に対応するもので、対象文書345頁から346頁までについては、理化学試験を依頼した試料である残渣及び採取場所を実施機関の職員が撮影した写真であり、対象文書347頁については、当該試料の採取場所を図面に落とし込んだものである。
なお、上記(10)において検討を行った対象文書165頁から237頁までが本件依頼に対する回答になる。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、調査の概要・試験項目・採取場所(「本件非公開部分12」)であり、その理由は、条例第7条第1号又は第5号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分12について
まず、対象文書343頁の「調査の概要」欄及び「試験項目」欄に記載された情報であるが、実施機関の主張は、これらの情報が「個人に関する情報」に該当し、条例第7条第1号本文に該当するというものであるが、当該情報から個人が特定されるとは認められず、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」とも認められない。
また、実施機関は、当該部分に記載された情報が任意の供述により得られたものであることから、公にすると今後任意の供述が得られなくなり、「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当することから、条例第7条第5号にも該当すると主張しているところである。
しかし、当該部分に記載された情報は、各種報道によって明らかになっているところであり、それを公にすることにより、「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とは認められない。
さらに、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書343頁の「調査の概要」欄及び「試験項目」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書343頁から344頁までの「採取場所」欄に記載された情報であるが、同欄に記載されている情報は、本件試料の採取がされた場所であり、当該場所は、本件火災の原因となった放火がなされた場所と一致する。
この点、実施機関は、これらの情報が、条例第7条第1号に該当する旨主張するが、仮に条例第7条第1号本文に該当するとしても、本件火災の放火場所は、各種報道によって明らかになっているところであり、ただし書アに該当する。
また、実施機関は、条例第7条第5号該当性も主張しているが、各種報道によって明らかになっている情報が公にされたところで、「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とは認められない。
さらに、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書343頁から344頁までの「採取場所」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書345頁から346頁までの「残渣1~4」、「残渣5~6」、「残渣7」、「残渣8」の4枚の写真であるが、実施機関の主張は、これらの情報が「個人に関する情報」に該当し、条例第7条第1号本文に該当するというものであるが、当該情報から個人が特定されるとは認められず、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」とも認められない。
また、実施機関は、任意の供述により得られた情報をもとに撮影場所を決めていることから、これらの写真を公にすると今後任意の供述が得られなくなり、「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当することから、条例第7条第5号にも該当すると主張しているところである。
しかし、当該写真の撮影場所、つまり、放火された場所は、各種報道によって明らかになっているところであり、それを公にすることにより、「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とは認められない。
さらに、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書345頁から346頁までの「残渣1~4」、「残渣5~6」、「残渣7」、「残渣8」の4枚の写真部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書347頁の図面であるが、実施機関の主張は、本情報が「個人に関する情報」に該当し、条例第7条第1号本文に該当するというものであるが、当該情報から個人が特定されるとは認められず、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」とも認められない。
また、実施機関は、当該部分に記載された情報が任意の供述により得られたものであることから、公にすると今後任意の供述が得られなくなり、「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当することから、条例第7条第5号にも該当すると主張しているところである。
しかし、当該部分に記載された情報は、各種報道によって明らかになっているところであり、それを公にすることにより、「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とは認められない。
なお、実施機関は主張していないが、本図面は、本件クリニックの内部の図面であり、条例第7条第2号の法人等情報該当性も問題になり得る。
そこで、審査会において職権で検討したところ、本図面は実施機関の職員が作成したものであり、非公開と判断した対象文書114頁等の図面と比べて簡略な図面であることが確認できた。
よって、「法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められず、条例第7条第2号に該当しない。
さらに、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書347頁の図面部分は、取り消すべきである。
以上より、本件非公開部分12は、全て取り消すべきである。
(17)り災状況申告書及び損害査定表(対象文書348頁から551頁まで)について
ア り災状況申告書及び損害査定表について
り災状況申告書については、火災損害調査要綱第8条第1項の「消防署長(以下「署長」という。)は、規程第18条第1項及び第2項に基づきり災者に対し、り災状況申告書(様式第1号)の提出を求めなければならない。」との規定に基づき、消防署長がり災者に提出を求め、り災者から提出されたものであると認められる。
損害査定表については、火災損害調査要綱第8条第2項の「調査員(規程第10条第1項に定める調査員をいう。以下同じ。)は、前項のり災状況申告書が提出された場合は、当該火災現場において見分した事実に基づいてその申告内容の確認に努め、損害算定の参考としなければならない。」との規定に基づき火災現場における見分がなされ、同第29条の2の「調査員は、損害額を算定したときは、損害査定表(様式第2号)及び損害明細表(様式第2号の2)を作成しなければならない。」との規定に基づき、調査員により作成されたものであると認められる。
対象文書348頁から368頁までのり災状況申告書のうち、対象文書348頁から352頁までが本件被災者の相続人から、対象文書353頁から358頁まで及び対象文書359頁から363頁までが出火元である本件被災クリニックの取引事業者から、対象文書364頁から368頁までが本件被災ビルの出火元以外の被災テナントから提出されたものであると認められる。
また、対象文書369頁から551頁までの損害査定表のうち、対象文書369頁から373頁までは本件被災ビルの、対象文書374頁から380頁までは対象文書348頁から352頁までのり災状況申告書を受けた、対象文書381頁から515頁及び対象文書547頁から551頁までは本件火災の被害者の、対象文書516頁から520頁までは対象文書353頁から358頁までのり災状況申告書を受けた、対象文書521頁から525頁までは対象文書359頁から363頁までのり災状況申告書を受けた、対象文書526頁から530頁までは対象文書364頁から368頁までのり災状況申告書を受けた、対象文書531頁から546頁までは本件被災ビルの各テナントの損害査定表である。
なお、損害査定表については、り災状況申告書の提出がなくても作成されるものであり、その場合、実施機関によって定められた「火災調査マニュアル 火災損害算定基準」に従って作成されている。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、り災状況申告書及び損害査定表の一部(「本件非公開部分13」)であり、その理由は、条例第7条第1号又は第2号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。なお、本件非公開部分13のうち、対象文書348頁から368頁までの非公開部分を非公開部分13の1と、対象文書369頁から373頁までの非公開部分を非公開部分13の2と、対象文書374頁から対象文書380までの非公開部分を非公開部分13の3と、対象文書381頁から515頁及び対象文書547頁から551頁までの非公開部分を非公開部分13の4と、対象文書516頁から520頁までの非公開部分を非公開部分13の5と、対象文書521頁から525頁までの非公開部分を非公開部分13の6と、対象文書526頁から530頁までの非公開部分を非公開部分13の7と、対象文書531頁から536頁までの非公開部分を非公開部分13の8と、対象文書537頁から541頁までの非公開部分を非公開部分13の9と、対象文書542頁から546頁までの非公開部分を非公開部分13の10と言い、以下それぞれに分けて検討する。
ウ 非公開部分13の1のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書348頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄、「電話番号」欄に記載された情報であるが、これらの情報は死亡した被災者の相続人の住所等で、「個人に関する情報」であり、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書348頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄、「電話番号」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書348頁の「火災保険契約状況」欄の非公開部分であるが、当該部分を公にすれば、契約保険会社名等から個人が特定されるおそれが認められることから、「個人に関する情報」であり、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書348頁の「火災保険契約状況」欄の非公開部分を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書350頁から352頁までの非公開部分であるが、当該部分には、本件火災により被害を受けた物品の詳細な被害状況が記載されており、それらを相続した相続人にとっての「個人に関する情報」に該当するが、当該情報から個人が特定されるとは言えない。
しかし、個人がどういった被害に遭ったのかは、個人の人格と密接に関わる情報であると認められ、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」であると認められる。
また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書350頁から352頁までの非公開部分の情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書353頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄、「電話番号」欄に記載された情報であるが、これらの欄には、本件火災によって損害を被ったテナントの取引先である法人の住所等が記載されている。本件火災によって、特定の法人が損害を被ったか否かについては、当該法人にとって、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書353頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄、「電話番号」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書353頁の「火災保険契約状況」欄の非公開部分であるが、特定の法人がどの保険会社と契約し、保険金額がいくらであったかは、取引先情報として、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書353頁の「火災保険契約状況」欄の非公開部分の情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書356頁の非公開部分であるが、当該部分には、様式にはない品名が記載され、その数量、購入金額、使用年数が記載されている。これらの情報は、当該被災法人の具体の損害状況を示すものであり、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書356頁の非公開部分の情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書358頁であるが、当該書面は、対象文書353頁の申告者である法人が、本件火災の被災テナントに対して、本件火災以前に発行した明細表である。
本件明細表のうち、発行先及び発行元に係る情報は、上記で検討したように、特定法人の取引先や損害の有無を示す情報であり、それぞれ、条例第7条第2号に該当する。
よって、対象文書358頁の発行先及び発行元に係る情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書358頁中の3つある表の表の枠組み及び項目名を除く部分であるが、3つある表のそれぞれには、物件名、支払方法、支払金額等が記載されており、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書358頁中の3つある表の表の枠組み及び項目名を除く部分を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書359頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄に記載された情報及び対象文書362頁の非公開部分であるが、本申告者は、対象文書353頁の申告者と同じで、本件被災テナントの取引先法人であると認められることから、上記で検討したのと同じ理由が当てはまるところである。
よって、対象文書359頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄に記載された情報、対象文書362頁の非公開部分を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書364頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄、「電話番号」欄に記載された情報であるが、本件申告者は本件火災による被災テナントの経営法人と認められ、本件火災によって、特定の法人が損害を被ったか否か及びどのような損害を被ったかについては、当該法人にとって、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書364頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄、「電話番号」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
以上より、対象文書348頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄、「電話番号」欄に記載された情報、「火災保険契約状況」欄の非公開部分、対象文書350頁から352頁までの非公開部分、対象文書353頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄、「電話番号」欄に記載された情報、「火災保険契約状況」欄の非公開部分、対象文書356頁の非公開部分、対象文書358頁の発行先及び発行元の情報、3つある表の表の枠組み及び項目名を除く部分、対象文書359頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄に記載された情報、対象文書362頁の非公開部分、対象文書364頁の「申告者」欄の「住所」欄、「氏名印」欄、「電話番号」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
エ 非公開部分13の1のうち取り消すべき部分について
まず、対象文書358頁のうち、文書名については、それが公になったとしても、当該文書の性質がわかるに過ぎず、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書358頁の文書名部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書358頁のうち、右上の頁数であるが、それが公になったとしても、本文書の頁数がわかるに過ぎず、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書358頁の右上の頁数部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書358頁のうち、拝啓から敬具までの挨拶等部分であるが、そこに記載されている内容は形式的なものに過ぎず、それが公になったとしても、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書358頁の拝啓から敬具までの挨拶等部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書358頁のうち、本文書の作成日であるが、それが公になったとしても、本文書が作成された年月日がわかるに過ぎず、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書358頁の作成日部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書358頁のうち、表3つの枠組みとそれぞれの項目名及び表の下の「お願い」部分であるが、これらが公になったとしても、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書358頁の表3つの枠組みとそれぞれの項目名及び表の下の「お願い」部分は、取り消すべきである。
以上より、対象文書358頁の文書名、右上の頁数、拝啓から敬具までの挨拶等部分、作成日、表3つの枠組みとそれぞれの項目名及び表の下の「お願い」部分は、取り消すべきである。
オ 非公開部分13の2のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書369頁から373頁までの本損害査定表は、り災状況申告書が提出されていない本件被災ビルについて、調査員による損害査定の上、作成されたものである。
ここで、それぞれの頁の関係であるが、対象文書369頁が本件被災ビルの損害査定表であり、対象文書370頁がその計算用紙である。また、対象文書371頁から373頁までが物品の損害査定表である。
そこで、まず、対象文書370頁の「非木造建物損害計算用紙 5」から検討すると、対象文書370頁の「焼損等の内訳(項目別)」欄の「37㎡焼損」を除く部分であるが、ここには、当該建物の具体の損害箇所等が記載されており、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書370頁の「焼損等の内訳(項目別)」欄の「37㎡焼損」を除く部分を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書370頁の「※2 項目別」欄、「※2 標準単価・B」欄、「時価単価・C(B×A)」欄、「焼損等の範囲・D」欄、「※3 減損率・E」欄、「損害額(C×D×E)」欄、「合計」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、本損害査定の対象になった建物の具体の損害状況を示すものであり、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書370頁の「※2 項目別」欄、「※2 標準単価・B」欄、「時価単価・C(B×A)」欄、「焼損等の範囲・D」欄、「※3 減損率・E」欄、「損害額(C×D×E)」欄、「合計」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書369頁中の「焼き損害」欄の「面積」欄、「1㎡当り時価単価」欄、「損害額」欄に記載された情報、「その他の損害」欄の「範囲等」欄、「時価」欄、「減損率」欄、「損害額」欄に記載された情報であるが、まず、用語の意味を実施機関に確認したところによれば、「焼き損害」とは火災によって焼けたもの及び熱若しくは煙によって破損し、すすけ、又は変質したもの等の損害を、「消火損害」とは消火活動によって受けた水損、破損及び汚損等の損害を、「その他の損害」とは火災発生中の物品搬出及び避難行動に伴い生じた破損、汚損等の損害を指すとのことであった。
それを踏まえて検討すると、これらの情報は、本損害査定の対象になった建物の具体の損害状況を示すものであり、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書369頁中の「焼き損害」欄の「面積」欄、「1㎡当り時価単価」欄、「損害額」欄、「その他の損害」欄の「範囲等」欄、「時価」欄、「減損率」欄、「損害額」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
以上より、対象文書369頁中の「焼き損害」欄の「面積」欄、「1㎡当り時価単価」欄、「損害額」欄、「その他の損害」欄の「範囲等」欄、「時価」欄、「減損率」欄、「損害額」欄に記載された情報、対象文書370頁の「焼損等の内訳(項目別)」欄の「37㎡焼損」を除く部分、「※2 項目別」欄、「※2 標準単価・B」欄、「時価単価・C(B×A)」欄、「焼損等の範囲・D」欄、「※3 減損率・E」欄、「損害額(C×D×E)」欄、「合計」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
カ 非公開部分13の2のうち取り消すべき部分について
こちらもまず、上記オと同じく、対象文書370頁の「非木造建物損害計算用紙 5」から検討する。
まず、対象文書370頁の表部分であるが、表の各欄に記載された情報のみならず、表の枠組み及び項目名についても非公開とされているところである。
しかし、本件については、表のタイトルを示す「非木造建物損害計算用紙 5」については公開されており、そこに記載された項目名等は、当該表のタイトルから推測可能なものである。
なお、この点、実施機関は、条例第8条第1項ただし書で規定する「有意の情報が記録されていない」と考えているようであるが、審査会において見分したところ、表の項目名が「有意の情報」でないとは認められない。
以上を踏まえ、対象文書370頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)について検討すると、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められず、また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書370頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書370頁の「申告者」欄であるが、本欄には、本件被災ビルの所有法人の代表取締役名とり災状況申告書が提出されない状態で本損害査定表が作成された旨が記載されている。
本件被災ビルの所有者については、上記(5)、エのとおり、登記によって明らかになっている情報であり、その代表取締役氏名は、条例第7条第1号の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」には該当するが、同号ただし書アの「法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により(中略)公にされ(中略)ている情報」に該当すると認められる。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
さらに、り災状況申告書が提出されていない状態で本損害査定表が作成されたという情報であるが、り災状況申告書の提出は任意であり、仮に任意提出を行わなかったということが公になったとしても、り災法人にとって、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書370頁の「申告者」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書370頁の「用途」欄及び「建物構造」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、対象文書2頁において公開されている情報であり、本件火災を受けて、本件被災ビルの損害査定が行われたことは容易に推測し得る事実であることから、条例第7条各号のいずれにも該当せず、非公開とすべき理由は認められない。
よって、対象文書370頁の「用途」欄及び「建物構造」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書370頁の「※1 経過年数」欄に記載された情報であるが、実施機関によれば、本情報は、消防長消防同意審査書に記載の情報から推定して記載したものとのことである。
ここで、当該推定の元となった情報については、本件建物の建築年と同視することができ、建築年月は建物登記によって確認できることから、本情報は、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書370頁の「※1 経過年数」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書370頁の「※1 経過残存率」欄に記載された情報であるが、公開されている表欄外の「※1」によれば、「別表21(部分的に焼損等を受けた場合に適用する経年残存率表(非木造建物))により当該建物の経過年数から残存率を求める。」(原文ママ)とのことである。
ここで、経過年数は上記のとおり公開すべきものであり、また、経年残存率表は非公開とすべき性質のものではない。すると、経過残存率は、経過年数を経年残存率表に当てはめれば明らかになるものであり、残存率が公になったとしても、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書370頁の「※1 経過残存率」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書370頁の「焼損等の内訳(項目別)」欄の「37㎡焼損」であるが、実施機関に確認したところ、対象文書2頁で公開している「4階37㎡焼損」と同一とのことであり、そうであれば、条例第7条各号のいずれにも該当せず、非公開とすべき理由はない。
よって、対象文書370頁の「焼損等の内訳(項目別)」欄の「37㎡焼損」は、取り消すべきである。
次に、対象文書369頁の「申告者等」欄に記載された情報であるが、本欄に記載された情報は、対象文書370頁の「申告者」欄に記載された情報と同じであり、同じ理由がここでも当てはまるところである。
よって、対象文書369頁の「申告者等」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書369頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位であるが、本様式自体は、火災損害調査要綱の一部として大阪市ホームページで公開されているものであり、左上に記載の「様式第2号」との記載から必然的に了知可能なものである。
よって、条例第7条各号のいずれにも該当せず、非公開とすべき理由はない。
したがって、対象文書369頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位部分については、取り消すべきである。
次に、対象文書369頁の「経過年数」欄、「残存率」欄に記載された情報であるが、これらは、それぞれ、対象文書370頁の「※1 経過年数」欄、「※1 経過残存率」欄に記載された情報と同じであり、それらを公開すべきであるとした理由と同じ理由がここでも当てはまるところである。
よって、対象文書369頁の「経過年数」欄、「残存率」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書369頁の「3.3㎡当り評点数」欄の情報であるが、実施機関に確認したところ、当該部分が空欄であることが公開された場合には、3.3 ㎡当りの評価額を損害査定に使用しない損害であったことが判断でき、損害の程度が類推されるおそれがあることから、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると判断しているとのことであった。
しかし、当該説明からは、本件建物の焼損が広範囲な焼損ではなく部分的な焼損であることがわかるだけであり、それは公開されている対象文書24頁の写真から推知し得る情報であることから、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書369頁の「3.3㎡当り評点数」欄の情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書369頁の「1㎡当り時価単価」欄の情報であるが、実施機関の説明では、当該部分が空欄であることが公開された場合には、1㎡当りの時価単価を損害査定に使用しない損害であったと判断でき、損害の程度が類推されるおそれがあるとのことである。しかし、それは公開されている対象文書24頁の写真から推知し得る情報であることから、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
よって、対象文書369頁の「1㎡当り時価単価」欄の情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書369頁の「建物」欄の「消火損害」欄の「範囲等」欄、「時価」欄、「減損率」欄、「損害額」欄の情報であるが、実施機関に非公開である理由を確認したところ、当該部分が空欄であることが公開された場合には、他の項目と比較した際に損害程度が類推されるおそれがあるためとのことであった。
しかし、消火損害を受けたか否かという情報が、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書369頁の「建物」欄の「消火損害」欄の「範囲等」欄、「時価」欄、「減損率」欄、「損害額」欄の情報部分は、取り消すべきである。
以上より、対象文書369頁の「申告者等」欄に記載された情報、「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「経過年数」欄に記載された情報、「残存率」欄に記載された情報、「3.3㎡当り評点数」欄の情報、「1㎡当り時価単価」欄の情報、「建物」欄の「消火損害」欄の「範囲等」欄、「時価」欄、「減損率」欄、「損害額」欄の情報、対象文書370頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)、「申告者」欄に記載された情報、「※1 経過年数」欄に記載された情報、「※1 経過残存率」欄に記載された情報、「用途」欄、「建物構造」欄に記載された情報、「焼損等の内訳(項目別)」欄の「37㎡焼損」部分は、取り消すべきである。
キ 非公開部分13の3のうち非公開が妥当な部分について
ここで、まず、対象文書374頁から380頁までの建物等の損害査定表であるが、これらは、対象文書348頁から352頁までの本件被災者の相続人からのり災申告書を受けて作成された損害査定表である。内容としては、対象文書374頁から376頁までが本件被災ビルテナントに係る損害査定表であり、対象文書377頁から380頁までが本件被災ビルテナント内の被災物品に係る損害査定表である。
次に、対象文書374頁、対象文書375頁、対象文書376頁の関係であるが、対象文書375頁によって算出された「残存率」や「3.3㎡当り評点数」が対象文書374頁の「建物」欄の該当欄に、対象文書376頁によって算出された金額が対象文書374頁の該当欄に使用されている関係にあることから、以下、対象文書375頁、対象文書376頁を先に検討することとする。
まず、対象文書375頁の「申告者」欄に記載された情報であるが、同欄は、上記ウで検討を行った対象文書348頁の申告者氏名と同じ情報が記載されており、同じ理由がここでも当てはまるところである。
よって、対象文書375頁の「申告者」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書375頁の「焼損床面積」欄と「焼損表面積」欄に記載された情報であるが、いずれも、本件被災テナントの損害状況を示すものであり、相続人にとって、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」であると認められる。
よって、対象文書375頁の「焼損床面積」欄、「焼損表面積」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書375頁の「建築金額」欄(「時価単価A」欄の「建築金額」欄に記載された「建築金額」欄も同じ。)に記載された情報であるが、そこに記載された金額は、対象文書375頁の「申告者」欄記載の申告者より提出されたり災状況申告書の物品のり災状況表に記載された情報をもとに算出された金額であり、上記ウで検討したように、算出の元となる金額は非公開とすべきであることから、その理由は「建築金額」欄に記載された情報にも当てはまる。
よって、対象文書375頁の「建築金額」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書375頁の「建築金額」欄に記載された情報を用いて算出された「時価単価A」欄に記載された情報、「時価単価A」欄に記載された情報を使用して算出された「再建築費単価」欄に記載された情報、同じく「時価単価A」欄に記載された情報を使用して算出された「3.3㎡当りの評点数」欄に記載された情報、「3.3㎡当りの評点数」欄に記載された情報と「経過年数」欄に記載された情報を用いて算出された「残存率」欄に記載された情報、「再建築費単価」欄に記載された情報と「残存率」欄に記載された情報を用いて算出された「時価単価」欄に記載された情報、「時価単価」欄に記載された情報を用いて算出された「損害額」欄に記載された情報、「損害額」欄に記載された情報を100円単位四捨五入した情報については、それぞれ非公開情報を用いて算出された情報であり、これらを公開すれば、逆算することによって元の情報も判明することとなるから、元の情報と同じ理由により、非公開としたことは、妥当である。
よって、対象文書375頁の「時価単価A」欄に記載された情報、「再建築費単価」欄に記載された情報、「3.3㎡当りの評点数」欄に記載された情報、「残存率」欄に記載された情報、「時価単価」欄に記載された情報、「損害額」欄に記載された情報、「損害額」欄に記載された情報を100円単位四捨五入した情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書376頁の非公開部分であるが、当該「損害計算用紙」は、損害を受けた箇所の損害額を算出するための計算用紙である。
ここで、当該計算用紙は、「火災調査マニュアル 火災損害算定基準」の様式であるが、当該様式は焼損が部分的か否か等により使い分けられている。
そして、それぞれの様式によってその体裁が異なっていることから、いずれの様式を用いているかによって、逆に焼損の程度等が明らかになるという関係となる。本件テナントの被災の程度については、相続人にとって、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当し、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書376頁の様式の枠組みも含めて全体を非公開としたことは、妥当である。
なお、対象文書376頁では、様式のタイトル部分を公開しているが、情報公開請求を行って「火災調査マニュアル 火災損害算定基準」を入手し本用紙と照合すれば、焼損の程度等がわかることから、様式タイトルも非公開とすべきであったと思われる。
次に、対象文書374頁の「残存率」欄、「3.3㎡当りの評点数」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、対象文書375頁で非公開が妥当と判断した情報を転記したものであり、ここでも同じ理由が当てはまるところである。
よって、対象文書374頁の「残存率」欄、「3.3㎡当りの評点数」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書374頁の「3.3㎡当りの評点数」欄の右隣の「1㎡当り時価単価」欄に記載された情報であるが、実施機関によれば、当該部分は記載の有無から焼損の程度が明らかになるとのことであり、上記カの同じ欄と異なり、本件被災ビルのテナントの焼損の程度は、外見写真から明らかとは言えないことから、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当し、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書374頁の「3.3㎡当りの評点数」欄の右隣の「1㎡当り時価単価」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書374頁の「建物」欄の「焼き損害」欄の「面積」欄、「1㎡当り時価単価」欄、「損害額」欄に記載された情報であるが、これらは被災テナントの具体の損害状況を示すものであり、相続人にとって、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当し、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書374頁の「建物」欄の「焼き損害」欄の「面積」欄、「1㎡当り時価単価」欄、「損害額」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書377頁の「申告者等」欄に記載された情報であるが、対象文書348頁の「申告者」の「氏名」欄に対応するものであり、上記ウと同様の理由で、条例第7条第1号本文に該当し、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書377頁の「申告者等」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書377頁から379頁までの「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報であるが、これらは、どういった物品が火災による損害を受けて、当該火災の損害を受けた物品の当時の時価がどの程度で、本件火災によりどの程度の損害を受けたか等を示すものである。この点、個人がどういった被害に遭ったのかは、個人の人格と密接に関わる情報であると認められ、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。
また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書377頁から379頁までの「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
なお、上記対象文書377頁から379頁までの品名番号1から65までには、情報が記載されていない空白部分もあるが、記載部分のみを非公開とすると、記載部分に対応する品名番号に係る物品が損害を被ったことが明らかになることから、空白部分も含めて非公開とすることが妥当である。
次に、対象文書379頁の「備考」欄に記載された情報であるが、損害を被った物品の具体の名称が記載されている。当該記載は、個人が所有等する物品がどういった被害に遭ったのかを示すものであり、個人の人格と密接に関わる情報であると認められ、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。
また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書379頁の「備考」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書380頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報であるが、ここには、損害を被った品名番号ごとに「購入金額」等が記載され、あわせて、合計損害額が記載されている。
これらの情報は、本件火災により、個人が所有等する物品がどの程度の損害を被ったかを示すものであり、個人の人格と密接に関わる情報であると認められ、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。
また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書380頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
以上より、対象文書374頁の「残存率」欄、「3.3㎡当りの評点数」欄、「3.3㎡当りの評点数」欄の右隣の「1㎡当り時価単価」欄、「建物」欄の「焼き損害」欄の「面積」欄、「1㎡当り時価単価」欄、「損害額」欄に記載された情報、対象文書375頁の「申告者」欄、「焼損床面積」欄、「焼損表面積」欄、「建築金額」欄、「時価単価A」欄、「再建築費単価」欄、「3.3㎡当りの評点数」欄、「残存率」欄「時価単価」欄、「損害額」欄に記載された情報、「損害額」欄に記載された情報を100円単位四捨五入した情報、対象文書376頁の非公開部分、対象文書377頁から379頁までの「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報、対象文書379頁の「備考」欄に記載された情報、対象文書380頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
ク 非公開部分13の3のうち取り消すべき部分について
こちらもまず、対象文書375頁から検討する。
まず、対象文書375頁の表の上の本損害計算用紙の説明部分及び表の様式部分であるが、これらの内容は、相続人にとって、条例第7条第1号本文の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)」には該当しても、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。」とは認められない。
また、これらの情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書375頁の表の上の本損害計算用紙の説明部分及び表の様式部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書375頁の「用途」欄に記載された情報であるが、条例第7条第1号本文に該当するとしても、本診療所が本件火災の被害に遭ったことは広く報道された事実であることから、同号ただし書アの「慣行として公にされ(中略)ている情報」に該当する。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書375頁の「用途」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書375頁の「建物構造」欄に記載された情報であるが、仮に条例第7条第1号本文の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)」に該当しても、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書375頁の「建物構造」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書375頁の「建物面積」欄に記載された情報であるが、実施機関に確認したところ、「建 ㎡」は建築面積を、「延 ㎡」は延べ面積を示しているとのことであった。
ここで、「建 ㎡」欄に記載された情報は、条例第7条第1号の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)」に該当するとしても、登記簿を確認すればわかる情報であり、ただし書アの「法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により(中略)公にされ(中略)ている情報」であると認められる。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
次に、「延 ㎡」欄は空欄になっていることから、実施機関にその理由を確認したところ、「対象文書375頁は4階部分の損害査定に用いた計算用紙になり、損害査定においては4階の面積のみが必要となります。そのため延べ面積の記載は省略し空白としている。」とのことであった。そうであれば、当該部分を公開することによって明らかになる情報は、本件用紙が、ビル全体の損害計算用紙ではなく、各階の損害計算用紙であるということに過ぎず、それは、報道された情報や既公開情報により明らかであるから、条例第7条各号のいずれにも該当しない。
よって、対象文書375頁の「建物面積」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書375頁の「時価単価A」欄の「延面積」欄に記載された情報であるが、上記「建 ㎡」欄に記載された情報が転記されていると認められ、同じ理由が当てはまることになる。
よって、対象文書375頁の「時価単価A」欄の「延面積」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書375頁の「り災時の建築費指数(別表第15)」欄の「り災年月」欄に記載された情報であるが、仮に本情報が条例第7条第1号本文の「個人に関する情報」に該当するとしても、本件火災が生じた年月は、多数の報道により公知の事実となっているところであり、「慣行として公にされ(中略)ている情報」であると認められ、同号ただし書アに該当する。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書375頁の「り災時の建築費指数(別表第15)」欄の「り災年月」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書375頁の「建築時の建築費指数(別表第15)」欄の「建築年月」欄に記載された情報であるが、相続人にとって、条例第7条第1号本文の「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)」に該当しても、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書375頁の「建築時の建築費指数(別表第15)」欄の「建築年月」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書375頁の「経過年数」欄に記載された情報であるが、上記の「り災年月」欄と「建築年月」欄に記載された情報の引き算により計算できることから、条例第7条各号のいずれにも該当しない。
よって、対象文書375頁の「経過年数」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書375頁の「り災時の建築費指数」欄の「B」欄及び「建築時の建築費指数(別表第15)」欄の「C」欄に記載された情報であるが、これらはそれぞれ、「り災年月」、「建築年月」を「火災調査マニュアル 火災損害算定基準」の別表第15に当てはめて算出していると認められる。そして、当該別表第15は、上記マニュアル別表第15の注(2)にあるとおり、一般に入手可能な資料を基に作成されており、「り災年月」、「建築年月」が公開されるなら、これらの情報から算出される「り災時の建築費指数」欄の「B」欄及び「建築時の建築費指数(別表第15)」欄の「C」欄に記載された情報についても、条例第7条各号のいずれにも該当しないと認められる。
よって、対象文書375頁の「り災時の建築費指数」欄の「B」欄及び「建築時の建築費指数(別表第15)」欄の「C」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書374頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位であるが、上記カの対象文書369頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位と同じ理由が当てはまり、条例第7条各号のいずれにも該当しない。
よって、対象文書374頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書374頁の「建物」欄の「経過年数」欄に記載された情報であるが、対象文書375頁の「経過年数」欄が転記されたものであり、同じ理由が当てはまることになる。
よって、対象文書374頁の「建物」欄の「経過年数」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
以上より、対象文書374頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「建物」欄の「経過年数」欄に記載された情報、対象文書375頁の表の上の本損害計算用紙の説明部分及び表の様式部分、「用途」欄、「建物構造」欄、「建物面積」欄、「経過年数」欄、「時価単価A」欄の「延面積」欄、「り災時の建築費指数(別表第15)」欄の「り災年月」欄、「B」欄(計算式内の同欄を含む。)、「建築時の建築費指数(別表第15)」欄の「建築年月」欄、「C」欄(計算式内の同欄を含む。)に記載された情報部分は、取り消すべきである。
ケ 非公開部分13の4について
ここで、まず、対象文書381頁から515頁まで及び対象文書547頁から551頁までであるが、当該頁の損害査定表は、本件火災被害者の損害査定表である。
そして、対象文書381頁から対象文書385頁までが1人目の分、対象文書386頁から対象文書390頁までが2人目の分、対象文書391頁から対象文書395頁までが3人目の分、対象文書396頁から対象文書400頁までが4人目の分、対象文書401頁から対象文書405頁までが5人目の分、対象文書406頁から対象文書410頁までが6人目の分、対象文書411頁から対象文書415頁までが7人目の分、対象文書416頁から対象文書420頁までが8人目の分、対象文書421頁から対象文書425頁までが9人目の分、対象文書426頁から対象文書430頁までが10人目の分、対象文書431頁から対象文書435頁までが11人目の分、対象文書436頁から対象文書440頁までが12人目の分、対象文書441頁から対象文書445頁までが13人目の分、対象文書446頁から対象文書450頁までが14人目の分、対象文書451頁から対象文書455頁までが15人目の分、対象文書456頁から対象文書460頁までが16人目の分、対象文書461頁から対象文書465頁までが17人目の分、対象文書466頁から対象文書470頁までが18人目の分、対象文書471頁から対象文書475頁までが19人目の分、対象文書476頁から対象文書480頁までが20人目の分、対象文書481頁から対象文書485頁までが21人目の分、対象文書486頁から対象文書490頁までが22人目の分、対象文書491頁から対象文書495頁までが23人目の分、対象文書496頁から対象文書500頁までが24人目の分、対象文書501頁から対象文書505頁までが25人目の分、対象文書506頁から対象文書510頁までが26人目の分、対象文書511頁から対象文書515頁までが27人目の分、対象文書547頁から対象文書551頁までが28人目の分である。
そして、それぞれの内容を審査会において見分したところ、非公開部分は同じであり、当該被害者の属性の違いにより、条例第7条各号の適用判断が左右されるものでないことが確認できた(なお、厳密には、対象文書382頁は品名番号1から25までの全ての部分が非公開とされているのに対し、対象文書387頁等は品名番号11から13までのみが非公開とされている。これは、下記付言のとおり、品名番号1から65までの全てを非公開部分とすべきであったと考える。)。
そこで、以下、対象文書381頁から対象文書385頁までの1人目の分について検討を行い、2人目から28人目までの分についても当該検討結果が当てはまるものとする。
まず、対象文書381頁及び382頁の「申告者等」欄に記載された情報であるが、当該情報は本件火災被害者の氏名である。
火災被害者の氏名は、「個人に関する情報」であり、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、本情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書381頁及び382頁の「申告者等」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書382頁の「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報であるが、これらは、どういった物品が火災による損害を受けて、当該火災の損害を受けた物品の当時の時価がどの程度で、本件火災によりどの程度の損害を受けたか等を示すものである。この点、個人がどういった被害に遭ったのかは、個人の人格と密接に関わる情報であると認められ、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。
また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書382頁の「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書384頁の「備考」欄に記載された情報であるが、ここには、損害を被った物品の具体の名称と損害算定額が記載されている。当該情報は、個人が所有等する物品損害額を示すものであり、個人の人格と密接に関わる情報であると認められ、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。
また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書384頁の「備考」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書385頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報であるが、ここには、損害を被った品名番号ごとに「購入金額」等が記載され、あわせて、合計損害額が記載されている。
これらの情報は、本件火災により、個人が所有等する物品がどの程度の損害を被ったかを示すものであり、個人の人格と密接に関わる情報であると認められ、条例第7条第1号本文の「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。
また、これらの情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
よって、対象文書380頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
以上より、対象文書381頁から515頁及び対象文書547頁から551頁までの「申告者等」欄に記載された情報、「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報、「備考」欄に記載された情報、「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
コ 非公開部分13の5について
ここで、まず、対象文書516頁から520頁までの建物等の損害査定表であるが、これらは、対象文書353頁から358頁までの取引先事業者からのり災状況申告書を受けて作成された損害査定表である。
まず、対象文書516頁の「申告者等」欄に記載された情報であるが、同欄には、本件火災によって損害を被ったテナントの取引先である法人の代表者名が記載されており、本件火災によって、特定の法人が損害を被ったか否かについては、当該法人にとって、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書516頁の「申告者等」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書518頁の品名番号37から42までの「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報であるが、これらは、どういった物品が火災による損害を受けて、当該火災の損害を受けた物品の当時の時価がどの程度で、本件火災によりどの程度の損害を受けたか等を示すものである。
これらの情報が明らかになることによって、当該法人の損害状況等が推認されることになることから、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書518頁の品名番号37から42までの「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書519頁の「備考」欄に記載された情報であるが、ここには、本件火災により損害を受けた物品の具体名が記載されているところである。
そして、当該被災法人にとって、火災により損害を被った物品の具体名がわかれば、その損害状況等が推認されることになることから、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書519頁の「備考」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書520頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報であるが、ここには、損害を被った品名番号ごとに「購入金額」等が記載され、あわせて、合計損害額が記載されている。
これらの情報は、本件火災により法人等が所有等する物品がどの程度の損害を被ったかを示すものであり、それらが明らかになることにより当該法人等の損害状況等が推察されることになることから、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書520頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
以上より、対象文書516頁の「申告者等」欄に記載された情報、対象文書518頁の品名番号37から42までの「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報、対象文書519頁の「備考」欄に記載された情報、対象文書520頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
サ 非公開部分13の6について
ここで、まず、対象文書521頁から525頁までの損害査定表であるが、これらは、対象文書359頁から363頁までの取引先事業者からのり災状況申告書を受けて作成された損害査定表である。
そして、非公開とされた情報については、上記コと物品名こそ異なれど、情報の性質に違いはないと認められる。
よって、上記コと同じ理由が非公開部分13の6にも当てはまると言える。
以上より、対象文書521頁の「申告者等」欄に記載された情報、対象文書523頁の品名番号37の「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報、対象文書524頁の「備考」欄の非公開部分、対象文書525頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
シ 非公開部分13の7について
ここで、まず、対象文書526頁から530頁までの建物等の損害査定表であるが、これらは、対象文書364頁から368頁までの本件被災テナントからのり災状況申告書を受けて作成された損害査定表である。
そして、非公開とされた情報については、上記コと物品名こそ異なれど、情報の性質に違いはないと認められる。
よって、上記コと同じ理由が非公開部分13の7にも当てはまると言える。
以上より、対象文書526頁及び527頁の「申告者等」欄に記載された情報、対象文書527頁の品名番号11の「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報、対象文書529頁の「備考」欄に記載された情報、対象文書530頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
ス 非公開部分13の8のうち非公開が妥当な部分について
ここで、まず、対象文書531頁から536頁までの損害査定表であるが、これらは、本件被災ビルテナント事業者の損害査定表である。内容としては、対象文書531頁と532頁が本件被災ビルテナントに係る損害査定表であり、対象文書533頁から536頁までが本件被災ビルテナント内の被災物品に係る損害査定表である。
まず、対象文書531頁の「申告者等」欄、対象文書532頁の「申告者」欄及び対象文書533頁の「申告者等」欄に記載された情報であるが、これらの欄に共通して記載された情報は、本件火災によって損害を被ったテナントの代表者名等であり、上記コと同じ理由がここでも当てはまるところである。
よって、対象文書531頁の「申告者等」欄、対象文書532頁の「申告者」欄及び対象文書533頁の「申告者等」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書531頁と対象文書532頁の関係であるが、対象文書532頁によって算出された「損害額」が対象文書531頁の「建物」欄の「損害額」欄に使用されているという関係にあることから、以下、対象文書532頁を先に検討することとする。
まず、対象文書532頁の「焼損等の内訳(項目別)」欄の1行目に記載された情報であるが、当該情報は、本件被災テナントフロアの被害状況を示すものであり、条例第7条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、かつ、同号ただし書には該当しない。
よって、対象文書532頁の「焼損等の内訳(項目別)」欄の1行目に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書532頁の「※2 項目別」欄、「※2 標準単価・B」欄、「時価単価・C(B×A)」欄、「焼損等の範囲・D」欄、「※3 減損率・E」欄、「損害額(C×D×E)」欄、「合計」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、本損害査定の対象になった被災テナントフロアの損害状況を示すものであり、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書532頁の「※2 項目別」欄、「※2 標準単価・B」欄、「時価単価・C(B×A)」欄、「焼損等の範囲・D」欄、「※3 減損率・E」欄、「損害額(C×D×E)」欄、「合計」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書531頁の「3.3㎡当りの評点数」欄、「1㎡当り時価単価」欄に記載された情報であるが、これらの情報については、本損害査定の対象になった被災テナントフロアの損害程度を示すものであり、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、同号ただし書にも該当しない。
よって、対象文書531頁の「3.3㎡当りの評点数」欄、「1㎡当り時価単価」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書531頁の「建物」欄の「焼き損害」欄、「消火損害」欄、「その他損害」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、対象文書532頁で計算された損害額等が転記されたものであり、そこで検討したのと同じ理由が当てはまるところである。
よって、対象文書531頁の「建物」欄の「焼き損害」欄、「消火損害」欄、「その他損害」欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書533頁から536頁までであるが、これらは、本件火災当時、本件被災テナントフロアに存在し、本件火災により被害を受けた物品について作成された損害査定表である。
そして、非公開とされた情報については、上記コと物品名こそ異なれど、情報の性質に違いはないと認められ、上記コと同じ理由が非公開部分13の8にも当てはまるところである。
よって、対象文書534頁の品名番号37の「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報、対象文書535頁の「備考」欄に記載された情報のうちの非公開部分、対象文書536頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
以上より、対象文書531頁の「申告者等」欄、「建物」欄の「3.3㎡当りの評点数」欄、「1㎡当り時価単価」欄、「焼き損害」欄、「消火損害」欄、「その他損害」欄の各欄に記載された情報、対象文書532頁の「申告者」欄、「焼損等の内訳(項目別)」欄の1行目に記載された情報、「※2 項目別」欄、「※2 標準単価・B」欄、「時価単価・C(B×A)」欄、「焼損等の範囲・D」欄、「※3 減損率・E」欄、「損害額(C×D×E)」欄、「合計」欄に記載された情報、対象文書533頁の「申告者等」欄に記載された情報、対象文書534頁の品名番号37の「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報、対象文書535頁の「備考」欄に記載された情報のうちの非公開部分、対象文書536頁の「番号」欄、「購入金額」欄、「残存率」欄、「減損率」欄、「損害額」欄(合計も含む。)に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
セ 非公開部分13の8のうち取り消すべき部分について
こちらもまず、上記スと同じく、対象文書532頁から検討する。
まず、対象文書532頁の表部分であるが、表の各欄に記載された情報のみならず、表の枠組み及び項目名についても非公開とされているところである。
しかし、上記カと同様、表のタイトルを示す「非木造建物損害計算用紙 5」については公開されていることから、そこで検討したのと同じ理由が当てはまるところである。
よって、対象文書532頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書532頁の「用途」欄、「建物構造」欄、「※1 経過年数」欄及び「※1 経過残存率」欄に記載された情報であるが、これらの情報は、対象文書370頁の同欄に記載された情報と同じ情報が記載されている。そうであれば、上記カで述べたのと同じ理由が当てはまるところである。
よって、対象文書532頁の「用途」欄、「建物構造」欄、「※1 経過年数」欄及び「※1 経過残存率」欄に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書532頁の「焼損等の内訳(項目別)」欄の2行目に記載された情報であるが、そこには、単に損害査定の方法が記載されているのみであり(なお、対象文書535頁の「備考」欄の公開部分と同じ情報であると認められる。)、条例第7条第2号の「当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書532頁の「焼損等の内訳(項目別)」欄の2行目に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書531頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位であるが、これも上記カと同様の理由が当てはまるところである。
よって、対象文書531頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位部分については、取り消すべきである。
次に、対象文書531頁の「経過年数」欄及び「残存率」欄に記載された情報であるが、これらは、それぞれ、対象文書532頁の「※1 経過年数」欄、「※1 経過残存率」欄に記載された情報と同じであり、それらを公開すべきであるとした理由と同じ理由がここでも当てはまるところである。
よって、対象文書531頁の「経過年数」欄及び「残存率」欄に記載された情報は、公開すべきである。
以上より、対象文書531頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「経過年数」欄に記載された情報、「残存率」欄に記載された情報、対象文書532頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)、「用途」欄、「建物構造」欄、「※1 経過年数」欄、「※1 経過残存率」欄、「焼損等の内訳(項目別)」欄の2行目に記載された情報部分は、取り消すべきである。
ソ 非公開部分13の9のうち非公開が妥当な部分について
ここで、まず、対象文書537頁から541頁までの損害査定表であるが、これらは、上記スと同様、本件被災ビルテナントの損害査定表であり、内容としては、対象文書537頁と541頁が本件被災ビルテナントフロアの損害査定表であり、対象文書538頁から540頁までが本件被災ビルテナント内の被災物品に係る損害査定表である。
そして、非公開とされた情報については、上記スと損害物件こそ異なれど、情報の性質に違いはないと認められる。
よって、上記スと同じ理由が非公開部分13の9にも当てはまるところである。
以上より、対象文書537頁の「申告者等」欄、「3.3㎡当りの評点数」欄、「1㎡当り時価単価」欄、「建物」欄の「焼き損害」欄、「消火損害」欄及び「その他の損害」欄の各欄に記載された情報、対象文書538頁の「申告者等」欄、対象文書541頁の「申告者」欄、「焼損等の内訳(項目別)」欄の1行目、「※2 項目別」欄、「※2 標準単価・B」欄、「時価単価・C(B×A)」欄、「焼損等の範囲・D」欄、「※3 減損率・E」欄、「損害額(C×D×E)」欄、合計欄に記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
タ 非公開部分13の9のうち取り消すべき部分について
上記ソと同様、非公開とされた情報については、上記セと損害物件こそ異なれど、情報の性質に違いはないと認められる。
よって、上記セと同じ理由が非公開部分13の9にも当てはまるところである。
以上より、対象文書537頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「経過年数」欄、「残存率」欄に記載された情報、対象文書541頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)、「用途」欄、「建物構造」欄、「※1 経過年数」欄、「※1 経過残存率」欄、「焼損等の内訳(項目別)」欄の2行目に記載された情報部分は、取り消すべきである。
チ 非公開部分13の10のうち非公開が妥当な部分について
ここで、まず、対象文書542頁から546頁までの損害査定表であるが、これらは、上記スと同様、本件被災ビルテナントの損害査定表であり、内容としては、対象文書542頁と543頁が本件被災ビルテナントフロアの損害査定表であり、対象文書544頁から546頁までが本件被災ビルテナント内の被災物品に係る損害査定表である。
そして、非公開とされた情報については、上記スと損害物件こそ異なれど、情報の性質に違いはないと認められる。
よって、上記スと同じ理由が、非公開部分13の10にも当てはまるところである。
以上より、対象文書542頁の「申告者等」欄、「3.3㎡当りの評点数」欄、「1㎡当り時価単価」欄、「建物」欄の「焼き損害」欄、「消火損害」欄、「その他の損害」欄の各欄に記載された情報、対象文書543頁の「申告者」欄、「焼損等の内訳(項目別)」欄の1行目、「※2 項目別」欄、「※2 標準単価・B」欄、「時価単価・C(B×A)」欄、「焼損等の範囲・D」欄、「※3 減損率・E」欄、「損害額(C×D×E)」欄、「合計」欄に記載された情報、対象文書544頁の品名番号2及び8の「評価」欄の「残存率」欄及び「時価」欄、「焼き損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「消火損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄、「その他の損害」欄の「減損率」欄及び「損害額」欄に記載された情報、対象文書546頁の「備考」欄に記載された情報の非公開部分を非公開としたことは、妥当である。
ツ 非公開部分13の10のうち取り消すべき部分について
非公開とされた情報については、上記セと損害物件こそ異なれど、情報の性質に違いはないと認められる。
よって、上記セと同じ理由が非公開部分13の10にも当てはまると言える。
以上より、対象文書542頁の「建物」欄において非公開とされた項目名及び単位、「経過年数」欄、「残存率」欄に記載された情報、対象文書543頁の表の枠組み及び項目名(単位を含む。)、「用途」欄、「建物構造」欄、「※1 経過年数」、「※1 経過残存率」欄、「焼損等の内訳(項目別)」欄の2行目に記載された情報部分は、取り消すべきである。
(18) 参考資料1.防犯カメラの映像(対象文書552頁から574頁まで)について
ア 参考資料1.防犯カメラの映像の概要について
参考資料1.防犯カメラの映像については、表紙と内容の2つに分かれている。
対象文書552頁が表紙で、防犯カメラの映像を確認した日時や参加者等が記載されている。
対象文書553頁から対象文書574頁までが、映像で確認した内容をスケッチやメモとして記録したものである。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、防犯カメラの映像(「本件非公開部分14の1」)であり、その理由は、条例第7条第1号又は第6号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分14の1のうち非公開が妥当な部分について
まず、553頁のイラストであるが、防犯カメラの位置がわかるイラストであり、防犯カメラの位置がわかれば、その死角等も推察でき、今後、犯罪を行おうとする者の犯罪を容易にすることにつながると認められ、条例第7条第6号の「公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報」に該当する。
よって、553頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書553頁のイラスト下の説明書きの2行目から5行目までに記載された情報であるが、ここには、防犯カメラの配置状況が記載されており、上記と同様の理由が当てはまるところである。
よって、対象文書553頁のイラスト下の説明書きの2行目から5行目までに記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書553頁の1行目及び6行目から11行目までに記載された情報であるが、ここには、ある時点の放火場所の状況が記載されており、これ以降のイラスト及びその説明書きと合せ読めば、逐一の火災の様子とその時点の人の場所等が判明するものである。これらの情報を公にすれば、どのような間取りにおいて、どこに人がいる状態でガソリンを用いて放火すれば、どれほどの被害になるかの情報を示すことになり、そのような情報を悪用することで、犯行を企てる者の犯行を容易にすることにつながると認められることから、条例第7条第6号の「公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報」に該当する。
よって、対象文書553頁の1行目及び6行目から11行目までに記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書554頁から557頁までのイラストであるが、これらはある時点の防犯カメラの映像をイラスト化したものであり、上記と同様の理由が当てはまるところである。
よって、対象文書554頁から557頁までのイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書558頁のイラストであるが、これもある時点における火災現場の状況をイラスト化したものであり、上記と同様の理由が当てはまるところである。
よって、対象文書558頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書558頁のイラスト下の説明書きの1行目から4行目までであるが、ここには、火気取扱者(容疑者)の氏と行動が記載されている。
当該情報については、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、本情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書558頁のイラスト下の説明書きの3行目及び5行目から7行目までの情報であるが、ここには、当該火災現場のどこに何人いたかが記載されており、イラスト等と合せ読めば、当該現場における状況を推察できるものであり、犯行を企てる者の犯行を容易にする情報であると認められ、これらの情報は、条例第7条第6号の「公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報」に該当する。
よって、対象文書558頁のイラスト下の説明書きを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書559頁のイラストであるが、これも上記と同様にある時点の防犯カメラの映像をイラスト化したものであり、上記と同様の理由が当てはまるところである。
よって、対象文書559頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書559頁のイラスト下の説明書きであるが、ここには、容疑者の状況が記載されており、上記と同様の理由で、条例第7条第1号に該当する。
よって、対象文書559頁のイラスト下の説明書きを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書560頁から562頁まで及び564頁のイラストであるが、これも上記と同様に、ある時点の防犯カメラの映像をイラスト化したものであり、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書560頁から562頁まで及び564頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書560頁から562頁まで及び564頁のイラスト下の説明書きであるが、ここには、火気取扱者の状況が記載されており、上記と同様の理由で、条例第7条第1号に該当する。
よって、対象文書560頁から562頁まで及び564頁のイラスト下の説明書きを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書563頁及び565頁のイラストであるが、これもある時点における火災現場の状況をイラスト化したものであり、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書563頁及び565頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書566頁及び567頁のイラストであるが、これも上記と同様にある時点の防犯カメラの映像をイラスト化したものであり、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書566頁及び567頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書566頁のイラスト下の説明書き及び対象文書567頁の1行目から3行目までの説明書きの情報であるが、ここには、火気取扱者の行動が記載されており、上記と同様の理由で、条例第7条第1号に該当する。
よって、対象文書566頁のイラスト下の説明書き及び対象文書567頁の1行目から3行目までの説明書きを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書567頁のイラスト下の説明書きの2行目から5行目までに記載された情報であるが、ここには、炎がどのように広がり、そこに居合わせた人物がどのように行動したかが記載されており、これらの情報が明らかになれば、ガソリンによる放火によってどのように炎が広がり、それに伴い、居合わせた人物がどのように行動したかがわかる情報であり、同じような犯行を企てようとする者にとって犯行計画を立案する際に参考となる情報であり、今後の犯行を容易にする情報であると認められ、条例第7条第6号の「公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報」に該当する。
よって、対象文書567頁のイラスト下の説明書きの2行目から5行目までに記載された情報を非公開としたことは妥当である。
次に、対象文書568頁のイラストであるが、当該イラストには、ある時点の炎及び煙の様子と居合わせた人物の移動の様子が描かれており、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書568頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書569頁から対象文書571頁までのイラストであるが、当該イラストには、ある時点の炎あるいは煙の状況及び居合わせた人物の配置等が描かれており、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書569頁から対象文書571頁までのイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書569頁のイラスト下の説明書きであるが、ここには、炎と煙の様子が記載されており、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書569頁のイラスト下の説明書きを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書570頁のイラスト下の説明書きであるが、ここには、避難者の避難の様子が描かれており、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書570頁のイラスト下の説明書きを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書571頁のイラスト下の説明書きの1行目から6行目までであるが、ここには、火気取扱者の行動が記載されている。
当該情報については、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、本情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書571頁の7行目及び8行目に記載された情報であるが、ここには、炎の様子が描かれており、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書571頁のイラスト下の説明書きの1行目から8行目までを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書572頁のイラストであるが、ここにはある時点の炎及び煙の状況並びに人の位置が描かれており、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書572頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書573頁のイラストであるが、ある時点の炎及び人の状況を示しており、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書573頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書573頁のイラスト下の説明書きの1行目から4行目まで及び6行目に記載された情報であるが、ここには、当該現場に居合わせた人物及び火気取扱者の行動が記載されている。
当該情報については、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」であると認められ、条例第7条第1号本文に該当する。また、本情報は、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
次に、対象文書573頁のイラスト下の説明書きの5行目及び7行目から10行目までに記載された情報であるが、ここには煙の様子と防犯カメラの状況が記載されており、これらの情報が明らかになれば、今後同様の犯行を計画している者の犯行を容易にすると認められることから、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書573頁のイラスト下の説明書きを非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書574頁のイラストであるが、ある時点の炎及び煙の状況並びに人の移動状況が記載されており、上記と同様の理由で、条例第7条第6号に該当する。
よって、対象文書574頁のイラストを非公開としたことは、妥当である。
なお、弁明書によれば、「防犯カメラの状況(中略)は、公にすることにより、犯罪の捜査等に支障が生じ、公共の安全と秩序の維持に支障が生じる情報である。」と主張されている。
しかし、本件決定は、令和4年5月31日に行われており、本件放火事件については、令和4年3月16日には書類送検が行われ、翌17日には大阪地方検察庁によって不起訴処分が下されていることから、本件決定時点では捜査支障は認められず、当該理由による条例第7条第6号該当性は認められない。
もちろん、今後、新たな容疑者や共犯者の存在が明らかになり、捜査が再開されるかもしれないが、情報公開条例解釈・運用の手引において、「本号が、「公共の安全と秩序の維持」という包括的な概念を用いているのは、将来の予測できない公安上の要請が生じた場合においても、人の生命、身体、財産等を保護するため、公文書公開請求権との必要な調整を図り得るようにする趣旨であるが、本号の安易な運用は、制度の趣旨自体を損なうことにもなりかねない。したがって、本号の適用に際しては、公共の安全と秩序の維持という概念を拡大解釈しないように、公にすることにより生じる支障の内容や程度を具体的かつ客観的に判断した上で、慎重な運用に努めるものとする。」と示されているとおり、拡大解釈が厳に慎まれるべきであり、通常、主たる部分の刑事事件について不起訴処分が下されれば、それに関わる間接的な情報の公開によって、捜査に支障をきたすとは考えられないことから、上記を理由として、条例第7条第6号該当性を認めることはできない。
以上より、対象文書553頁から574頁までのイラスト及びイラスト下の説明書きに記載された情報を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分14の1のうち取り消すべき部分について
まず、対象文書552頁の表題も含めて3行目に記載された情報であるが、ここには、本件防犯カメラの視聴を行った場所が記載されている。この点、当該情報が明らかになることによって捜査支障があるとは認められず、条例第7条第6号の「公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報」であるとは認められない。
また、本情報が、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書552頁の3行目に記載された情報部分は、取り消すべきである。
次に、対象文書552頁の8行目から11行目までに記載された情報であるが、これらは、当該視聴に同席した総務省消防庁職員の肩書及び氏名である。
よって、条例第7条第1号本文に該当することを前提に、実施機関に対し、慣行として公にされているか否か(ただし書ア)の確認を要請したところ、「「当該団体において、慣行として公にされ」ているか否かについて、現在総務省消防庁の担当者に対して確認したところ、部長や上席主任調査官の氏名については公開している情報であるとのこと。」との回答であった。
そうであれば、これらの情報は、条例第7条第1号本文に該当するとしても、ただし書アに該当し、条例第7条第1号に該当するとは言えない。
また、これらの情報について、その他の非公開事由に該当するとも認められない。
よって、対象文書552頁の8行目から11行目までに記載された情報は、取り消すべきである。
以上より、対象文書552頁の3行目に記載された情報、8行目から11行目までに記載された情報部分は、取り消すべきである。
(19) 2.自動火災報知設備受信機の表示内容(対象文書575頁から590頁まで)について
ア 参考資料2.自動火災報知設備受信機の表示内容の概要について
参考資料2.自動火災報知設備受信機の表示内容については、対象文書575頁から対象文書584頁までが、自動火災報知設備受信機の表示を写真で撮影し、その内容を説明したものであり、対象文書585頁から590頁までが自動火災報知設備受信機の設置場所等を写真で撮影し、その説明を記載したものである。
また、これらの作成者について実施機関に尋ねたところ、大阪市消防局予防部予防課(調査鑑識)で撮影した写真に同課が説明を加えたとのことであった。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、上記対象頁の全ての部分(「本件非公開部分14の2」)であり、その理由は、条例第7条第2号又は第5号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分14の2のうち非公開が妥当な部分について
まず、対象文書575頁から対象文書584頁までの表の枠組み及び項目名を除いた情報であるが、これらの情報は、本件被災ビルに設置された自動火災報知設備受信機の表示内容を示すものであり、それが明らかになると、悪用等により当該ビル所有法人等の不利益となるものであることから、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、条例第7条第2号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書には該当しない。
よって、対象文書575頁から対象文書584頁までの表の枠組み及び項目名を除いた情報を非公開としたことは、妥当である。
次に、対象文書585頁から590頁までに記載された情報(項目名等はなし。)であるが、ここに掲載された写真や説明が明らかになると、自動火災報知設備の設置場所等が判明するものであり、それが明らかになると、悪用等により当該ビル所有法人等の不利益となるものであることから、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、条例第7条第2号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書には該当しない。
よって、対象文書585頁から対象文書590頁までの情報を非公開としたことは、妥当である。
以上より、対象文書575頁から対象文書584頁までの表の枠組み及び項目名を除いた情報、対象文書585頁から対象文書590頁までの情報を非公開としたことは、妥当である。
エ 本件非公開部分14の2のうち取り消すべき部分について
対象文書575頁から対象文書584頁までの表の枠組み及び項目名であるが、これらは単に、本件部分にどのような情報が記載されているかを示すに過ぎないことから、条例第7条各号のいずれにも該当しない。
また、その一方、本情報は、実施機関がどのような調査を行ったかを示すものであることから、条例第8条第1項ただし書で規定する「有意の情報が記録されていない」とは認められない。
よって、対象文書575頁から対象文書584頁までの表の枠組み及び項目名を非公開とした部分は、取り消すべきである。
(20) 参考資料3.4階クリニック内のイメージ図(対象文書591頁から593頁まで)について
ア 参考資料3.4階クリニック内のイメージ図の概要について
参考資料3.4階クリニック内のイメージ図については、4階クリニック内の構造を立体的に示したものであり、作成者について実施機関に確認したところ、総務省消防庁消防研究センターが作成し、総務省消防庁消防研究センターから提供された資料とのことであった。
イ 実施機関が主張する非公開部分とその理由について
実施機関が主張する非公開部分は、上記対象頁のタイトルを除いた部分(「本件非公開部分14の3」)であり、その理由は、条例第7条第5号に該当するというものである。
以上を踏まえ、審査会において、対象文書を見分し、以下のとおり検討を行った。
ウ 本件非公開部分14の3について
対象文書591頁から対象文書593頁までのイメージ図については、条例第7条第5号該当により非公開とされているが、仮に、総務省消防庁消防研究センターが情報公開法に基づく開示請求があった場合に公開するものであれば、なんらの支障もないことになる。
そこで、どういった理由で5号なのかを再度実施機関に確認したところ、「本件決定時点では、消研センターに情報公開法に基づく開示請求があった事実はないため、5号該当情報であると判断しています。」との回答であった。
この点、条例第7条第5号該当性については、事務事業への支障が立証されておらず、理由として認められない一方、本情報については、クリニックの内部の様子を詳細に記載したものであり、条例第7条第2号に該当することも考えられ、審査会より、審査庁(諮問庁)に対して、条例第23条第4項に基づき、意見書の提出を求めたところ、令和8年4月9日付けで「対象文書591頁から対象文書593頁までのイメージ図は法人の内部管理に関する情報であり、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められる。よって非公開理由を第7条第2号に差し替える。」との主張を記載した意見書が提出された。
そこで、当該主張を踏まえ、対象文書591頁から対象文書593頁までのイメージ図の条例第7条第2号該当性について検討すると、本イメージ図は、立体的かつ具体的に本件クリニックの間取り等を示すものであり、クリニックの配置をどのようにするかは事業戦略情報と言えることから、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」と認められ、条例第7条第2号本文に該当する。また、これらの情報は、同号ただし書には該当しない。
以上より、対象文書591頁から対象文書593頁までのイメージ図を非公開としたことは、妥当である。
4 結論
以上により、第1記載のとおり、判断する。
5 付言
(1) 空欄部分の公開/非公開判断について
実施機関は、空欄の黒塗りにおいて、一貫性のない対応をしていると見受けられる。
例えば、対象文書266頁の空欄であるのに非公開としている部分については、特段非公開とする理由がないにもかかわらず、非公開にしていると思われる。
一方、例えば、対象文書の348頁の火災保険契約状況欄は、全3行のうち1行目のみ非公開とされており、対象文書359頁の火災保険契約状況欄は、全行が公開されている。このような公開方法を採用すれば、前者については、1社と火災保険の契約を行っており、後者については、火災保険を契約していないということが明らかになる。
この点、空欄部分についても、個別に公開/非公開の判断をする必要があり、不必要に黒塗りを行ってはいけないし、空欄に意味があり、空欄であること自体が条例第7条各号に該当する場合には、適切に非公開とする必要がある。
さらに例えば、対象文書534頁は、「品名」欄の「番号」欄の37番のみ黒塗りがされている。このような塗り方であれば、当該品名番号に該当する物品について損害を被ったことが明らかになるのであり、このような場合には、空欄部分も含めて黒塗りとするのが適切であると思われる。
(2) 様式のタイトルについて
また、例えば、対象文書376頁では、様式のタイトルを公開しているが、「火災調査マニュアル 火災損害算定基準」や本件以外の火災の場合の様式のタイトルを見れば、どの程度の損害を被ったかが明らかになると思われる。その一方、実施機関も主張するように、どの程度の損害を被ったかは条例第7条第2号に該当することになる。
よって、対象文書376頁の様式のタイトルは非公開とすべきであったように思われる。
(3) 非公開理由の誤りについて
上記3、(5)、ウ、同(11)、ウ、同(12)、ウ、同(13)、ウ、同(14)、ウ、同(20)、ウに記載したとおり、例えば、条例第7条第2号が適用されるべきであるのに、条例第7条第1号を適用している等、令和8年4月9日付けの審査庁意見書及び同意見書を受けた審査会の判断のとおり、本件非公開部分1、本件非公開部分7、本件非公開部分8、本件非公開部分9、本件非公開部分10、本件非公開部分14の当初の非公開理由において、条文の適用を誤っていると認められる。
このような条文の適用誤りがあると、審査請求人が、例えば、条例第7条第1号には該当しないと考えて審査請求を行ったにもかかわらず、結果として、条例第7条第2号が適用されて、審査請求が棄却となる事態が起こり得る可能性があり、審査請求後に反論の機会を与えられたとしても、無用なやり取りが生じることにつながることから、決定に際して非公開理由を検討する場合には、誤りのないよう慎重に判断される必要がある。
(4) 非公開部分の適示漏れについて
上記3、(10)、ウに記載したとおり、対象文書165頁の「1 事案の概要」、「(3) り災状況」中の非公開部分に記載された情報は、本件決定の「公開しないこととした部分」において記載が認められないところであるが、令和8年4月9日付けの審査庁意見書及び同意見書を受けた審査会の判断のとおり、非公開とすべき情報であると認められる。
本件については、単純な記載漏れであると思われるが、このような記載漏れがあると、審査請求人が黒塗り部分にどういった情報が記載されているかがわからず(本件では、当該部分についても「出火原因に係る部分及び検知結果の内容」が記載されていると誤解することになる。)、審査請求において的確な主張を行うことの支障となることから、「公開しないこととした部分」は漏れなく適切に記載する必要がある。
(5) 今後の対応について
今後、決定を行うに当たっては、上記(1)から(4)までのような点について留意し、適切な対応を行うよう努められたい。
(答申に関与した委員の氏名)
委員 小谷 真理、委員 奥村 裕和、委員 村田 尚紀
(参考)答申に至る経過
令和4年度諮問第27号
(略)
答申第548号
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