修景事例紹介 「播谷商店」
2024年6月25日
ページ番号:563096
蔵と町家からなる旧質店の改修
•建物名称:播谷商店(はりたにしょうてん)
•所在地:阿倍野区阪南町
•建築年:昭和4(1929)年
•構造・階数:木造、地上2階
•建物評価等:国登録有形文化財(平成30(2018)年)
•修景実施年度:平成30(2018)年度
モデル修景決定時の講評
本物件が位置する阿倍野区阪南町とその周辺は、戦前の大阪市第二次市域拡張時に土地区画整理事業により道路および街区が整備され、その後多くの住宅が建設された、言わば当時のニュータウンと言える特徴を有する市街地です。こうした市街地の特性を反映し、地域には長屋活用の先進事例として有名な寺西家阿倍野長屋(登録有形文化財)をはじめとする、多くの長屋が存在し、地域景観の個性となっています。
本物件はこうした長屋建築とともに地域の歴史的景観を構成する店舗建築と土蔵であり、元質屋店舗は腰部の花崗岩貼や2階壁面のタイル貼などが、土蔵は1階部分の板張および上部の白漆喰という景観的特徴を有しています。今回の修景により、これらの景観的特徴が保持されるとともに、敷地の周囲三方を街路に面することから、多くの人に修景効果を実感してもらえることも評価のポイントとなっています。
今後は、まちあるきイベント等にあわせた建物公開など積極的な公開を通じてより地域に開かれた建築物となること、また建物自体はもちろん地域の成り立ちとの関係から建物の魅力を伝えるなど積極的な情報発信が行われることを期待します。
(大阪市地域魅力創出建築物修景事業推進有識者会議委員 松本 邦彦)
修景について
主な修景の内容
タイルの張替え

修景前
修景後
- 建築当時からの意匠を残すため、オリジナルのタイルは丁寧に剥離し、再利用して張替えられました。(約1000枚のタイルを再利用)
- 劣化していて再利用できなかったタイルは、既製類似品で張替えられました。
面格子を既存の意匠に合わせて復旧

修景前

修景後
- アルミサッシに改変されていた窓には、既存の意匠に合わせて製作した面格子が設置され、建物全体の統一感が増しました。
蔵の漆喰塗替え、焼杉板張替え
修景前
修景後
- 経年劣化していた外壁は、建築当時の伝統的な素材を尊重し、漆喰による塗替え、焼杉板による張替えが行われました。
塀の塗替え・上部板塀の原型復旧
修景前(塀)
修景前(板塀)
修景後
- 塀は建物の雰囲気に合う素材・色彩で塗替えられました。
- 上部の板塀は既存の意匠に合わせて復旧されました。
建物オーナーさんからのひとこと

築90年の建物の傷みが気になっていましたが、今回の修景事業で土蔵の補強、塀の塗装及び旧店舗外壁の古いタイルを残しつつ修復することで、竣工当時の状態に復元でき、近隣の皆様からも好評をいただいております。
魅力発信等について
生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪への参加
令和元(2019)年より生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(通称イケフェス大阪)に参加されています。
イケフェス2019ガイドツアーの様子(1)

イケフェス2019ガイドツアーの様子(2)
令和4(2022)年の開催でもガイドツアーが行われました。
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