修景事例紹介 「浪花組本社ビル」
2024年6月24日
ページ番号:563607
貴重な村野建築の魅力の継承に向けた個性あふれるファサードの修景
•所在地:中央区東心斎橋
•建築年:昭和39(1964)年
•構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
•階数:地上5階、地下1階
•修景実施年度:令和2(2020)年度
雑多な商業建築が個性を競い合う東心斎橋の繁華街にあって、一際異彩を放つ浪花組本社ビルは、20世紀の日本を代表する建築家、村野藤吾の設計によって1964年に建設された、老舗左官業のオフィスビルである。立体的で複雑なファサードのデザインは、特徴的なモチーフを反復することで個性を生み出す村野の設計手法をよく表しており、同じくミナミに建つ中華料理店の大成閣(1961)や、近年建て替えられた新歌舞伎座(1958)とも共通する。また本社ビルの設計を依頼した浪花組3代目社長の中川貢は村野のパトロンとして知られた実業家であり、珠玉の小品として多くの市民に親しまれた喫茶店、心斎橋プランタン(1956)をはじめ、帝塚山の自邸も含めて8つの建築を村野に依頼したとされるが、現在大阪に現存するのは、この浪花組本社ビル1件のみである。商都・大阪の環境が育んだ村野藤吾とその建築を紐解く存在として、浪花組本社ビルは重要な建築である。
(大阪市地域魅力創出建築物修景事業 専門家相談員 髙岡 伸一)
主な修景の内容
外壁の洗い・補修
上:修景前
下:工事中
修景後
- 外壁は、モルタル掻き落としや小叩き仕上げの繊細なテクスチャーを潰さないよう、新たな塗装は行わず、洗いにより汚れが落とされました。
修景前
修景後
- ひび割れが見られた部分は、補修が行われました。
窓枠の塗替え
修景前
修景後
- 経年劣化していた窓枠は、既存の色調や風合いに合わせて塗替えられました。
石碑の撤去
修景前
修景後
- 建築後に設置された石碑は、撤去されました。
魅力発信等について
生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪への参加
平成25(2013)年の実証実験時より毎年、生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(通称イケフェス大阪)に参加されています。令和4(2022)年の開催でもガイドツアーやワークショップが行われました。
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