修景事例紹介 「須栄広長屋」
2024年9月27日
ページ番号:565301
昭和の雰囲気が残る長屋通りの魅力向上に向けた修景

•所在地:生野区生野西
•建築年:昭和13(1938)年
•構造:木造
•階数:地上2階
•修景実施年度:令和3(2021)年度
この建物は、昭和初年ごろから多く建築された塀型長屋の四戸一タイプで、昭和13年の建築とされている。一部の改変はあるものの、基本的な形は当初の姿をよく残している。当初は前面に瓦葺きの門塀をそなえ、その後ろに本2階主屋を配する、当時流行した長屋のスタイルであった。通りを挟んで両側に同じ形式の長屋が数棟並ぶ。いずれも同じ所有者であり、これらの長屋の維持に関して解体も視野に入れていたようだが、大阪市内にある他地区の長屋の利活用に触発され、できるだけ往時の面影を残して活用することを選んだ。すでに通りに面した向かいの長屋では改修が終わり、外観的には当時の姿をよく残した修景がなされている。今回の修景は、三期目の改修工事の中で行われる。このような取り組みは大阪市内に少なからず残る長屋の今後の方向性を示すものとして評価されるとともに、これからの、この通り全体の修景に大きな期待が持たれる。
(大阪市地域魅力創出建築物修景事業 専門家相談員 松本 正己)
主な修景の内容
当初のデザインが残っている部分や通りの長屋を参考に改変された部分を修景
修景前

修景後
前塀:壁面は腰を竪羽目板張り・上部を墨入り漆喰塗りとし、欄間は近隣住戸で使用しなくなった古建具を再利用、竪格子の引き戸は今回の修景に合わせて製作されました。
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修景前

修景後
- 主屋2階:木製建具や戸袋などは取り替えて、既存のまま使える欄間などはなるべく残されました。また、建築後に取り付けられた窓下部の金属板は撤去されました。
建物オーナーさんからの一言

昭和初期に建てられた長屋は戦火を免れましたが、高度成長期の生活様式の変化に伴い姿を変えていました。修景事業により建築当時の姿が甦り、近隣の方々にもご好評をいただいています。亡き祖父もきっと喜んでいると思います。
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