修景事例紹介 「狭間ハウス」
2024年9月27日
ページ番号:565342
地域の特色となる近代長屋の外観魅力を活かした修景

•所在地:都島区
•建築年:昭和7(1932)年
•構造:木造、鉄筋コンクリート造(地下)
•階数:地上2階、地下1階
•建物評価等:国登録有形文化財(令和3(2021)年)
•修景実施年度:令和3(2021)年度
新たに2021年に国の登録有形文化財となった狭間ハウスは、6軒からなる地上2階建の近代木造長屋である。大川沿いの毛馬桜之宮公園に面し、旧藤田邸庭園に隣接する水と緑に囲まれた環境に建つ。道路を介さず直接に河川空間へと開かれた居住空間は他では得難い貴重なものであり、堤防の高低差を活かして設けられた鉄筋コンクリートの地階も公園に向かって開放されている。家賃は平均的な長屋の倍以上であったという高級長屋として建設されてから90年、戦災をくぐり抜けて現在も現役の借家として全戸で生活が営まれている。居住者の入れ替わりや経年によって多くの部分が改修されているものの、基本的な構成と特徴的な意匠は残されている。また近年は思い切ったリノベーションで若い世代が入居し、オープンナガヤ大阪で公開されるなど、積極的な活用も行われている。
(大阪市地域魅力創出建築物修景事業 専門家相談員 髙岡 伸一)
主な修景の内容
外壁の塗替え、北端住戸の瓦復旧
修景前

修景後
- 外壁はえんじ色を継承して塗替えられ、住戸間の色の差や経年による汚れが改善されました。
- 金属葺きとなっていた北端住戸の庇は、他の住戸に合わせて瓦葺きに復旧されました。
防火壁の復旧
修景前
修景後
- タイル張りとなっていた1階の防火壁2箇所は、他の住戸に合わせてモルタルで形成の上、吹付塗装とされました。
木製建具の補修、配線整理
修景前

修景後
- 傷みが見られた木製建具の補修が行われました。
- 配線は、目立たなくなるように庇の裏を通るルートに変更されました。
建物オーナーさんからの一言

築90年の6軒長屋で、傷みの大きい防火壁、小庇・花台、手摺、雨樋などの修復、外壁の塗装など、設計士や大工の方々のご努力で、建物全体が調和のとれた重厚さと明るさを保った昔の長屋として修景することができたことを感謝しております。
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