修景事例紹介 「太子橋の家」
2024年9月27日
ページ番号:565359
昭和初期に建てられた趣のある和風建築の継承に向けた修景

•所在地:旭区太子橋
•建築年:昭和5(1930)年
•構造:木造
•階数:平屋建て
•修景実施年度:令和3(2021)年度
太子橋の家は、昭和5(1930)年に建築された近代和風建築である。南側の玄関には入母屋破風(いりもやはふ)が備えられ、破風に木連(きつ)れ格子(ごうし)をはめ込み、入口上部には筬欄間(おさらんま)が設えられている。一方、東部の半切妻(はんきりづま)屋根の洋館(応接室)から、大正期以降、洋風生活の導入につれ、玄関脇に応接室を設ける傾向が当家にもおよんでいたことが窺われる。表門からは敷石のアプローチが配され、和風+洋風の美しい外観である。他方、日常の出入口が設けられた西側は、数寄屋(すきや)風の瀟洒(しょうしゃ)な腕木門、その背面には主屋西端の入母屋屋根、北部の屋根に下屋を設けるなど、変化に富んだ外観が構成されている。建築後大きな改修もなく、建築当初の外観と間取りが継承される太子橋の家は、貴重な遺構といえる。
(大阪市地域魅力創出建築物修景事業 専門家相談員 植松 清志)
主な修景の内容
門:引き違い戸の取替え、銅板の葺替え
修景前

修景後
- 引き違い戸は既存の意匠に倣ったものに取り替えられ、柱は既存のものを再利用されました。
- 劣化していた銅板は葺き替えられ、瓦は既存のものを利用されました。
塀:基礎・階段部分の洗い出し仕上げ
修景前
修景後
- 塀の基礎や階段部分の仕上げは、建物と調和するよう、洗い出しにされました。
主屋外壁:黒漆喰塗替え・竪羽目板張替え
修景前
修景後
- 既存の意匠を継承し、腰は竪羽目板で張替えられ、上部は黒漆喰で塗替えられました。
建物オーナーさんからの一言

主屋の改修と西側塀の更新に際して工務店より修景事業を紹介頂きました。周囲の景色とも馴染み、違和感なく受け入れられるようイメージ通りに仕上がりました。長く大切に残していきたいと思います。
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