修景事例紹介 「梲家」
2023年5月19日
ページ番号:599337
岸里玉出にひっそりと佇む旅館の町家建築の特徴を活かした修景

•所在地:西成区玉出東
•建築年:大正2(1913)年(固定資産評価証明書より)
•構造:木造
•階数:地上2階
•修景実施年度:令和4(2022)年度
岸里玉出駅のすぐ近くにこのような歴史ある町家が残されていることに、驚かされる。建築は大正2年(1913)となってるが、外観のつしの高さから、建築は明治中期頃と推測される。一方、2階端部の卯建が1階まで降りる形式は大正頃にみられるものだ。さらに右側の虫籠窓と卯建の納まりなどから、大正2年(1913)というのは、卯建の増築時期のことを指すのではないかと想像される。
近代大阪の住宅地は、帝塚山や天下茶屋の開発に始まる。明治18年の阪堺鉄道(現南海本線)や同33年の大阪馬車鉄道(現阪堺電気鉄道上町線)などの開業がそれを促し、住宅地に隣接する当地も明治後半期、農村から急速に市街化した。
伝統的な外観を継承する当家を知ることは、地域の歴史を学ぶ契機となり、地域活力の向上や地域への愛着の醸成にもつながるといえる。
(大阪市地域魅力創出建築物修景事業 専門家相談員 植松 清志)
主な修景の内容
外壁の塗替え、庇の歪み改善・瓦の葺替え、掲示板シートの張替え

修景前

修景後
外壁は既存のモルタルを下地調整の上、白漆喰調塗装に塗替えられました。
庇の歪みは既存垂木で調整の上、既存瓦を再利用して葺替えられました。
掲示板のシートは、色調が調和したものに張替えられました。
腰壁板の張替え

修景前

修景後
傷みの程度が大きかった腰板は、古材で張替えられました。
ガスメーターの木製格子囲い

修景前

修景後
- ガスメーターを外観の雰囲気に馴染むよう、木製格子で囲みました。
雨樋の取替え、軒灯の新設

修景前

修景後
塩化ビニル製の樋は、銅コーティングの樋へ取替えられました。
照明装置として、軒灯が新設されました。
オーナーさんからの一言コメント

通りがかりにお声がけをくださる回数が倍増しました。ご近所の方が、地域にこのような場所があることを喜んでくださって、お褒めのお言葉を頂戴します。私も誇らしい気持ちでいっぱいです。
魅力発信等について
生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪への参加
令和4年(2022)年度の生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(通称イケフェス大阪)に参加されています。

イケフェス2022の様子
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