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修景事例紹介 「米谷家住宅」

2023年5月24日

ページ番号:599542

暗越奈良街道に面する町家住宅のまちなみ景観魅力の向上に向けた修景


•所在地:東成区大今里3
•建築年:昭和7(1932)年
•構造:木造
•階数:主屋・蔵ともに地上2階
•修景実施年度:令和4(2022)年度

 暗越奈良街道に面する米谷家は、正面右端に土蔵を配し、主屋は、つし2階建ての町家で、昭和7年(1932)に建築された。街道に面して妻面を見せる土蔵の外観は、同家の付近に同様の土蔵が存在することから、この地域の伝統的な外観であることが分かる。主屋は、元旅館というが、開業に際し改修されたのであとうか、どこか瀟洒な感じがする。

 その要因として、左側入口上部の一文字瓦と銅板葺の軽快な庇、左端壁面と右側塀の下部の鉄平石張り、開口部に施されたなぐり仕上げの縦格子、前面の塀が伝統的な外観をかくしていることが掲げられよう。このように、米谷家は、新(主屋)・旧(土蔵)の外観を併せもつ町屋として注目される。

 玉造から奈良へ向かうこの街道は、今里付近に近い古い景観が残されており、大阪市の「歴史の散歩道」にも選定されている。米谷家を通して、街道の歴史的景観を知ることは、地域の歴史を学ぶ契機となり、地域活力の向上や地域への愛着の醸成にもつながるといえる。

(大阪市地域魅力創出建築物修景事業 専門家相談員 植松 清志)

主な修景の内容

蔵:漆喰壁の塗替え、板張部の張替え、石積部の洗い


修景前


修景後

  • 漆喰壁は既存外壁のひび割れ等を補修し、下地調整で平滑にした上で、漆喰塗されました。
  • 板張部は傷んでいる板を新規の板で張替えの上、既存に調和した色調で塗装されました。
  • 石積部は洗いにより、汚れが落とされました。
  • 瓦が一部落下していた土蔵の屋根は、本瓦で葺替えられました。

塀:開口部木製格子の塗装


修景前


修景後

  • 塀の開口部の格子は、蔵の板張りや隣家の駒寄等と色彩を合わせて、調和した色で塗装されました。

塀:外壁の塗替え、アルミ建具を木製建具に取替え


修景前


修景後

  • 外壁は既存に近い色で塗替えられ、経年による汚れが改善されました。
  • アルミ製引違戸を撤去し、建物全体の雰囲気と調和するよう木製引き違い戸を新設しました。

建物オーナーさんからの一言


私が生まれて77年、この家が出来てから88年になります。今回、大阪市の修景事業で家の蔵と玄関、そして表面の外壁をできるだけ当時に近い状態に修復致しました。甦った姿に近所の方々からも好評をいただいております。

 

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このページの作成者・問合せ先

大阪市 都市整備局企画部住宅政策課まちなみ環境グループ

住所:〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所6階)

電話:06-6208-9631

ファックス:06-6202-7064

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