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2.権利擁護と当事者活動支援

2019年2月2日

ページ番号:7277

(1) 現状と課題

 障害者については、入院患者の多くが劣悪な環境のもとにおかれ面会制限や適切な医療が提供されていなかった事実が判明した大和川病院事件、知的障害者入所施設における多額の寄付金の強要や睡眠薬の不適切な使用、知的障害者を多数雇用した企業における年金等の横領や体罰・虐待等、病院や入所施設、企業等においてさまざまな人権侵害の実態がある。また、新聞報道や相談窓口等で見られるように、財産権の侵害、学校・職場など日常生活場面での差別やいじめなど権利侵害が多数生じている。
 このような障害者への権利侵害の背景には、サービス提供者と利用者が必ずしも対等な立場にあるとはいえず、いわゆる「密室性」が生じやすく、利用者側の権利が軽視・無視されやすい現状があると考えられる。
 本市における障害者の権利擁護の取り組みについては、平成9年に開設された大阪後見支援センターにおいて権利侵害に対する相談に応じ、その内容により、弁護士や社会福祉士等による専門相談を行い、解決を図っている。また、大阪市財産管理支援センターにおいては、大阪後見支援センターと連携しながら、財産保管サービス、金銭管理サービスや福祉サービスの利用支援を行う地域福祉権利擁護事業を実施している。同事業については、平成12年、13年には分室事務所を増設し、現在5箇所で事業を実施するとともに、平成14年9月に日常生活の支援を行うくらしサポーターを増員するなど、その充実に努めている。
 平成12年度には、国において、知的障害者等で判断能力が不十分なため財産管理や契約等の法律行為を行うことが困難な人を、家庭裁判所が後見人等を選任することにより支援する成年後見制度が創設されている。身寄りがないなどの理由により申し立てができない人のため、本市においては市長による審判請求を実施している。
 さらに、平成13年2月よりもしもしサポート(障害者110番)事業を実施し、相談員による電話相談のほか、当事者、学識経験者等による相談支援チームを編成し、専門的な対応を行っているところである。
 平成15年度には、身体障害者・知的障害者の主要な福祉サービス利用の仕組みが支援費制度に移行するが、「自己決定に基づく、契約によるサービスの利用」が基本であり、この制度が円滑に運用されるためには、サービス供給基盤の整備とともに、障害者が安心して生活ニーズに合ったサービスを利用できるよう、地域福祉権利擁護事業の推進、サービスの情報提供・公開・評価体制の確立、苦情解決システムの整備を図ることが必要である。また、これらの制度をコミュニケーションに障害のある人も利用できるしくみが必要である。
 
課題
 1)相談体制の充実

 2)成年後見制度の利用の促進

 3)地域福祉権利擁護事業の拡充

 4)権利を擁護するための取り組みの推進

 5)セルフ・アドボカシー(自己権利擁護)活動への支援

 6)当事者活動への支援       
 

(2) 施策の方向性

1)相談体制の充実    

 権利侵害を的確に把握し、障害者の権利を身近な地域で擁護できるよう各区役所の人権相談や人権文化センターの総合相談事業の活用を図る。また、市町村障害者生活支援事業や障害児(者)地域療育等支援事業、精神障害者地域生活支援センター、障害者会館相談事業の充実に努める。
 法律相談については、大阪後見支援センターや市町村障害者生活支援事業で実施しており、制度の周知や充実に努める。   
 
2)成年後見制度の利用の促進    

 法律行為を行うことが困難な障害者が福祉サービスを利用できるよう、成年後見制度を周知し、利用の促進に努めるとともに、利用しやすくなるような支援策について検討する。   
 
3)地域福祉権利擁護事業の拡充    

 大阪市財産管理支援センターが行っている福祉サービス利用援助事業、財産管理サービスは、障害者が地域で安心して生活していくために必要であり、支援費制度の実施に伴うニーズの増加も十分に見極めながら、今後より地域に密着した事業展開を図る。   
 
4)権利を擁護するための取り組みの推進    

 福祉サービス利用に際して利用者の権利が守られるよう、事業者に対する監査、指導に努めるとともに、運営適正化委員会の活用など苦情解決の仕組みが実効性をもつよう十分な対応を図る。とりわけ、入所施設については、人権侵害が発生しやすいことから、適正な施設運営のためのガイドラインの策定についてひきつづき研究するとともに、外部からのモニター制度など第三者によるチェックなどの権利擁護の取り組みをすすめる。
 さらに、サービスの質の向上やサービス選択に資する情報提供のため、客観的な観点からの評価の仕組みや情報提供のあり方について十分な検討を行う。   
 
5)セルフ・アドボカシー(自己権利擁護)活動への支援    

 障害者の権利擁護をすすめるうえで、障害者自身が権利の主体であることを自覚し、権利侵害に対し自ら主張していく力をつけることが重要である。市町村障害者生活支援事業で取り組まれている、障害者本人が自らの意見(権利)を主張(擁護)するセルフ・アドボカシー活動については、引き続き充実を図る。   
 
6)当事者活動への支援    

 ピアカウンセリングなど障害当事者の各種の活動は、障害者のエンパワメントの視点から有効であり、当事者の意見反映により障害者の権利擁護に資するものであるので、引き続き支援に努める。     

 
 

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