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大阪城天守閣 豊臣兄弟の大和入りを伝える新発見の秀吉文書を初公開します

2026年9月29日

ページ番号:688106

 大阪城天守閣は、令和8年10月10日(土曜日)から11月23日(月曜日・祝日)まで、大阪城天守閣3・4階展示室において「特別展 戦国のきょうだい」を開催(令和8年8月5日報道発表済み)します。

 本展において「羽柴秀吉朱印状 (天正13年)9月4日付 蒲生氏郷(がもううじさと)宛」(個人蔵)を初公開しますのでお知らせします。この文書で羽柴(豊臣)秀吉は、弟の秀長に大和国(やまとのくに、現在の奈良県)を与え、その統治のために兄弟そろって大和入りしたことを配下の有力武将に伝えています。

 これまで知られていなかった新出文書で、秀吉と秀長の関係がうかがえる興味深い内容の史料です。

「羽柴秀吉朱印状 (天正13年)9月4日付 蒲生氏郷宛」について

解説

 天正13年(1585年)の四国平定戦で活躍した秀長は、これを賞され、同年閏(うるう)8月、秀吉から大和国を与えられました。秀長の大和入国は同年9月3日です。関白になったばかりの秀吉とともに5000人を率いて郡山に入城するという、大々的なものでした。

 本状はその翌日、秀吉が伊勢松ヶ島城主の蒲生氏郷に大和から送ったものです。「大和国は美濃守(みののかみ)(秀長)に与えることになり、(大和の領主だった)筒井(定次)(さだつぐ)は伊賀へ移ったので、大和国の統治策をとりさばくため、昨日郡山に来た」と知らせています。

 続けて秀吉は、同国宇陀郡(うだぐん)の土着武士で、これまで氏郷に属していた沢氏と秋山氏の処遇について、郡山に住まわせ秀長に奉公させるか、伊勢で氏郷が面倒をみるか、氏郷が選択せよと指示しています。これは、大和国内に領地をもつ武士が他国の領主に属するという入り組んだ状況を解消して、秀長に大和国内を一元的に支配させるための措置です。秀長の大和入りに同行したことも合わせて、秀吉が秀長の領国統治に深く関わり、弟を支援していた様子がうかがえます。

 本品は所蔵者から大阪城天守閣に持ち込まれました。大阪城天守閣が朱印や紙質、書体、内容等を検討した結果、間違いのない秀吉文書の現物と判断しました。秀吉の文書は現物と写しを合わせて約7000点が知られており、そのほとんどは名古屋市博物館編「豊臣秀吉文書集」に収録されています。本品は同書に未収録の新出文書です。

【本紙寸法14.3センチメートル×86.4センチメートル】

釈文

急度申遣候。大」和之儀、美濃守ニ」取せ候付て、筒井」事、伊賀へ相越候」間、和州置目等」為可申付、昨日」至郡山相越候。」仍紀伊国・大和」両国一職、美濃守ニ」遣候。然者宇多(陀)」郡大和之内由候間、」佐和(沢)・秋山事、致」在郡山美濃守ニ」奉公仕、可致堪」忍候哉、但、今迄」其方へ加宿仕候」間、勢州へ召寄」可相拘候歟、何之」道ニも可為其方」次第候。国切ニ申」付候条、可得其意候。」両人かたへも折紙」雖遣之、猶自其」方も可申聞候也。

九月四日(朱印)

 蒲生忠三郎殿

(注)」は原本の改行を表します。

現代語訳

厳重に申し遣わす。大和国は美濃守(秀長)に与えることになり、(大和の領主だった)筒井(定次)は伊賀へ移ったので、大和国の統治策をとりさばくため、昨日郡山に来た。さて、紀伊・大和両国は全域を美濃守に与えた。ついては、宇陀郡は大和国内とのことなので、沢氏・秋山氏は郡山に住まわせて美濃守に奉公させ、俸禄を与えるか、あるいは、これまでそのほう(蒲生氏郷)に属してきたのだから、(氏郷が)伊勢国に召し寄せ、召し抱えるか、どちらでも、そのほうの思うとおりにせよ。国単位での一元的支配とするので、そのように心得よ。両人(沢・秋山)へも文書を送るが、そのほうからも申し聞かせよ。

九月四日(朱印)

 蒲生忠三郎(氏郷)殿


羽柴秀吉朱印状 (天正13年)9月4日付 蒲生氏郷宛

「特別展 戦国のきょうだい」について

 戦国時代、武将たちは数々のいくさに身を投じました。毎日が命の危険と隣り合わせだった彼らにとって、血縁は今よりずっと重要な意味をもっていました。血縁を中心として結びついた一族の強固な団結は、乱世を生き抜くうえで不可欠の要素だったといえるでしょう。

 これら一族のなかでも、家の行く末を左右する中核的存在だったのが「きょうだい(兄弟・姉妹など)」です。家の繁栄のため互いに支えあって強い絆で結ばれる例もあれば、後継者の地位をあらそって確執を深めた例もありました。また、婚姻によって別離することもありました。日本の歴史はたくさんの「きょうだい」に彩られてきました。

 本展は、戦国時代を駆け抜けた魅力的な「きょうだい」たちの、複雑で多様なあり方を紹介します。

開催概要

1.会期

令和8年10月10日(土曜日)から11月23日(月曜日・祝日)まで

2.時間

9時から18時まで (注)入館は閉館の30分前まで

3.主催

大阪城天守閣

4.会場

大阪城天守閣3・4階展示室(大阪市中央区大阪城1-1)

5.入館料

  • 大人1,200円
  • 大学生、高校生600円(要証明)
  • 中学生以下、大阪市在住の65歳以上の方(要証明)、障がい者手帳等ご持参の方は無料

(注)本展は大阪城天守閣(「大阪城 豊臣石垣館」を含む)の通常入館料で見学できます。

6.展覧会図録

「特別展 戦国のきょうだい」 1,600円(税込)

7.出品点数

97点(別紙「出品目録」のとおり)

8.展示替えについて

【(1)展示室の一部閉鎖】

展覧会準備・撤収作業のため、下記の日程で一部の展示室を閉鎖します。

令和8年10月8日(木曜日):3階
10月9日(金曜日):4階
11月24日(火曜日):3階
11月25日(水曜日):4階

【(2)会期中の展示替え】

会期中に中間展示替えを行い、前期・後期で一部の資料を入れ替えます。
【前期】令和8年10月10日(土曜日)から11月2日(月曜日)まで
【後期】令和8年11月3日(火曜日・祝日)から11月23日(月曜日・祝日)まで
(注)展示室の閉鎖は行いません。

取材申込・問合せ先

大阪城天守閣

住所:〒540-0002 大阪市中央区大阪城1-1

電話:06-6941-3044(9時から18時まで)

ファックス:06-6941-2197

ホームページ:https://www.osakacastle.net/

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