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令和5年度 建設局運営方針

2024年6月28日

ページ番号:596685

 運営方針の進捗管理を実施しました。その結果について、「アウトカム指標の達成状況(定量評価)」、「自己評価(運営方針全体の定性評価)」及び「今後の方針」に反映しています。(令和6年6月28日)

局の「目標」「使命」及び「所属運営の基本的な考え方」

【目標(何をめざすのか)】

 安全・安心で快適な市民生活、活力あふれる都市活動を支える都市空間の実現。

【使命(どのような役割を担うのか)】

 道路・橋梁・河川・下水道・公園に関する膨大な都市基盤施設のストックを適切に維持・管理し、既存施設を効果的・効率的に活用しつつ、震災・風水害などに備えた都市基盤施設の機能拡充を行うとともに、都市のストック・ポテンシャルを活用して魅力ある都市空間を創出し大阪の成長や魅力向上となるまちづくりに取り組む。

【令和5年度 所属運営の基本的な考え方(局長の方針)】

  • 大阪市では、道路、橋梁、河川、下水道、公園など膨大な量の都市基盤施設を管理しており、かつ、古くから都市化が進んだため、都市基盤施設の高齢化が進んでいる。これらの都市基盤施設は安全・安心な市民生活や都市活動を支える基盤であるため、計画的な管理を行い、その機能を着実に維持していく。また様々な分野の都市基盤施設を所管していることを強みとし、局の各分野を効果的に連携させ、一体的な局運営に取り組む。
  • 南海トラフ巨大地震に備えた対策や密集市街地における道路整備、近年多発している集中豪雨への対応を強化するための地域特性にあった局地的な浸水対策など、震災・風水害に備えた都市基盤施設の機能拡充を進め、安全・安心な市民生活を実現する。
  • 活力あふれる都市空間の実現に向け、道路空間の再編や水辺利用環境の創出、民間活力導入による都市公園の魅力向上など、それぞれの施設が持つポテンシャルを十分に活かした取り組みを、多様な主体と連携しながら、推進する。また、都市交通の円滑化に向けた連続立体交差事業や万博会場となる夢洲までのアクセス向上に資する道路整備事業など、大阪・関西の成長を牽引するまちづくりに取り組む。
  • なお、3つの経営課題(「持続可能な都市を支える都市基盤施設の機能維持」、「震災・風水害などに備えた都市基盤施設の機能拡充」、「都市の成長と魅力向上」)を効率的・効果的に行うためにICT等先端技術を活用し、都市インフラに関するデジタル化を着実に推進させる。

重点的に取り組む経営課題

【経営課題1】 持続可能な都市を支える都市基盤施設の機能維持

【課題認識】

  • 都市基盤施設の高齢化が進むなかで、安全・安心な市民生活を実現するには、都市活動を支える都市基盤施設の機能低下を招くことのないよう、適切かつ効率的に都市基盤施設の維持管理を実施していく必要がある。

【主な戦略(課題解決の方策)】

  • 「定期的な点検の実施」により「施設の状態を把握」し、施設の重要度に応じて設定した「管理水準」を適切かつ効率的に維持することを基本とし、施設の特性に応じた効果的な維持管理を進め、都市基盤施設を良好な状態に維持する。

【アウトカム指標(経営課題の進捗度合を示した指標)】

①幹線道路の舗装について、管理水準(わだち掘れ量20mm以下等)を満たす延長を90%以上確保する。
②橋梁について、点検による健全度の判定区分に基づき、早期に措置を講ずべき健全度Ⅲの橋梁については、次回点検(5年サイクル)までに対策を実施する。

 <参考> 健全度Ⅰ(良い) ⇔ 健全度Ⅳ(悪い)

③河川堤防等について、点検による評価区分に基づき、予防保全段階である評価区分cの堤防等については、計画的に対策を実施する。(3年以内)

 <参考> 評価区分a(良い) ⇔ 評価区分d(悪い) 

④下水道管渠について、点検による判定区分に基づき、健全度1に至るまでに改築が必要となる健全度2の施設の削減を図る。(R4~R6年度で約15km(約10%))

 <参考> 健全度5(良い) ⇔ 健全度1(悪い)

⑤下水道設備について、点検による判定区分に基づき、健全度1に至るまでに改築が必要となる健全度2の装置の削減を図る。(R3~R7年度で設備約670装置)

 <参考> 健全度5(良い) ⇔ 健全度1(悪い)

⑥公園樹について、R2年度の調査結果を踏まえ、R2年度からR5年度までに計画的に撤去・更新(約7,000本)し、効率的な維持管理を実施する。最終年度であるR5年度には、残り約1,900本の撤去・更新を完了させる。

【アウトカム指標の達成状況(定量評価)】

<令和5年度実績と達成状況>

①幹線道路の舗装における管理水準を満たす延長:92%:A

②健全度Ⅲの橋梁について対策を実施済み:A

③河川堤防等について予防保全段階である評価区分a~bに維持:A

④下水道管渠における健全度2の施設の削減:12.1㎞/約15㎞:A

⑤下水道施設における健全度2の装置の削減:309装置/約670装置:B

⑥市民生活に支障をきたすおそれのある樹木の撤去・更新:99%/100%:B


<前年度実績>

①92%

②健全度Ⅲの橋梁について対策を実施済み

③河川堤防等について評価区分a~bに維持

④4.4㎞/約15㎞

⑤220装置/約670装置

⑥77%/100%

【経営課題2】 震災・風水害などに備えた都市基盤施設の機能拡充

【課題認識】

  • 切迫する巨大地震や激甚化・局地化する風水害といった状況を踏まえ、安全・安心な市民生活を実現するため、引き続き都市基盤施設の機能拡充を進めていく必要がある。

【主な戦略(課題解決の方策)】

  • 今後起こるであろう災害を見据え、都市基盤施設の耐震対策、浸水対策等を着実に進める。

【アウトカム指標(経営課題の進捗度合を示した指標)】

①密集市街地における延焼遮断帯・避難路機能等を担う都市計画道路(防災骨格路線)の整備を図り、防災骨格形成率をR12年度までに「大阪市密集住宅市街地整備プログラム」の目標である83%以上にする。

②都市防災機能向上のための緊急交通路(重点14路線)の無電柱化をR10年度までに完了させる。

③都市防災機能向上のための緊急交通路(重点14路線)の管渠耐震化をR10年度までに完了させる。

④都市防災機能向上のための橋梁(331橋)の耐震対策をR7年度までに完了させる。

⑤南海トラフ巨大地震の被害想定を踏まえたL1津波浸水区間における河川堤防等の耐震・液状化の対策をR5年度までに完了させる。

⑥概ね10年に1度の大雨(1時間に60ミリ)が降った際のまちの浸水に対する安全度をR12年度までに100%にする。

【アウトカム指標の達成状況(定量評価)】

<令和5年度実績と達成状況>

①防災骨格形成率:78.2%/83%:A

②緊急交通路(重点14路線)の無電柱化進捗率:61.9%/100%:A

③緊急交通路(重点14路線)の管渠耐震化進捗率:41%/100%:A

④都市防災機能向上のための橋梁(331橋)の耐震対策進捗率:99%/100%(327橋/331橋):A

⑤河川堤防等の耐震・液状化の対策進捗率:100%/100%:A

⑥まちの浸水に対する安全度進捗率:93.8%/100%:A


<前年度実績>

①78.0%/83%

②59.2%/100%

③16%/100%

④98%/100%(326橋/331橋)

⑤91%/100%

⑥93.3%/100%

【経営課題3】 都市の成長と魅力向上

【課題認識】

  • 道路、公園など、それぞれの施設が持つストック・ポテンシャルを十分に活かし、だれもが住み・働き・訪れたくなる都市空間を実現していく必要がある。
  • 高速道路ネットワークの強化や交通の円滑化など都市交通の充実に向けた取組を推進し、大阪・関西の成長を牽引するまちづくりを進めていく必要がある。

【主な戦略(課題解決の方策)】

  • 道路空間の再編や水辺利用環境の創出、民間活力導入による公園の賑わい向上に取り組み、都市魅力の向上を図る。
  • 万博開催時の会場への交通アクセスの充実に向け、淀川左岸線(2期)事業の確実な事業推進を図る。
  • 阪急電鉄京都線・千里線の淡路駅周辺(約7km区間)の高架化により、踏切除却、交差道路の整備(拡幅等)を実施し、交通阻害の解消を図る。

【アウトカム指標(経営課題の進捗度合を示した指標)】

①御堂筋における長堀通以南の側道歩行者空間化の整備をR6年度までに完了させる。

②公共用水域の水質保全のため、合流式下水道改善率をR7年度までに100%にする。

<参考>

合流式下水道改善率:合流式下水道整備地域のうち合流式下水道緊急改善計画に定める対策施設の整備が完了し、下水道の吐口から放流される汚れの総量を分流式下水道と同程度以下に削減した面積の割合を示す。

③うめきた2期地区において、都市公園整備をR8年度までに完了させる。

④淀川左岸線(2期)事業の確実な事業推進を図り、R6年度までに交通結節点から万博会場(夢洲)へのアクセスを向上させる。

⑤阪急電鉄京都線・千里線の淡路駅周辺において、安全かつ円滑な都市内交通を確保するとともに、分断された市街地の一体化による都市の活性化を図るため、17箇所の踏切の除却をR10年度までに完了させる。

【アウトカム指標の達成状況(定量評価)】

<令和5年度実績と達成状況>

①御堂筋における長堀通以南の側道歩行者空間化の整備進捗率:約51%/100%:A

②合流式下水道改善率:88.8%/100%:B

③都市公園整備の進捗率:約64%/100%:A

④R14年度の事業完了に向けて淀川左岸線(2期)事業の事業推進を図り、順調に進捗している:事業進捗率 48%/100%:A

(R6年度のアクセスルート整備内容・役割分担・費用負担等について、関係者協議を実施した)

⑤高架工事の進捗率:63%/100:A


<前年度実績>

①約33%/100%

②79%/100%

③約47%/100%

④事業進捗率:36%/100%

⑤57%/100%

自己評価(運営方針全体の定性評価)

  • 建設局は、所管する都市基盤施設を適切に維持・管理し、既存施設を効果的・効率的に活用しつつ、震災・風水害に備えた施設の機能拡充を図ることを使命としている。令和5年度についても選択と集中による事業効果の早期発現をめざしつつ各種事業を実施しており、今後とも経営課題の解決に向けた取組を進めていく。
  • 高齢化した膨大な都市基盤施設について、限られた財源のもと、適切かつ効率的に維持管理するため、維持管理計画に基づいた定期的な点検調査、維持・管理並びに改築・更新等を実施することとしている。各取組における目標については、入札不調により時間を要したことや関係機関等との調整に時間を要したことにより未達成のものもあるが、維持管理計画に基づく管理水準を維持できているなど、都市基盤施設へ影響を及ぼすものではない。引き続き、これらの施設の機能低下を招かぬよう、遅れの原因となっている課題に対し、その対応策の検討を行うなど、着実に取組を実施していく。
  • 南海トラフ巨大地震に備えた対策、密集市街地における道路整備などの取組は、一定の工事進捗が図られていることから、全体計画に影響を及ぼすものではなく、引き続き、着実に取組を実施していく。
  • 賑わい創出・観光拠点整備による都市魅力の向上などの都市の成長の取組においては、入札不調により時間を要したことなどから、事業計画変更を行い、未達成となった項目もあった。遅れが生じた取組については、遅れの原因となっている課題に対し、その対応策の検討を行うなど、着実に取組を実施していく。その他の取組については、一定の工事進捗が図られていることから、全体計画に影響を及ぼすものではなく、引き続き、都市の成長に向けた取組を実施していく。

今後の方針

  • 各戦略の具体的取組において、入札不調や関係機関等との調整により目標が達成できなかったものがあるが、このような課題については、事業費の確保や工程等の適切な管理を行うことはもとより、工事の発注方法の見直しや発注時期、関係機関等との調整時期を早めるなどして、各課題の改善を図りながら、各取組に遅れが生じないよう、着実に事業の進捗を図っていく。引き続き、安全・安心で快適な市民生活の実現に向けて、全職員が統一した課題意識をもって解決に向けた取組を進めることにより、より一層の事業進捗に努める。
  • また、現在、全体計画に影響を及ぼすものではなく、事業として有効な取り組みについても、今後遅れを生じさせることのないよう、引き続き、事業進捗が図れるよう取り組んでいく。
  • 国費の内示減により、当初目標とする事業進捗等を達成することが難しい場合には、建設局内における財源調整に努める一方で、国への要望活動を行うなど必要な財源の確保に努めるとともに、事業費の効率的な執行方法を検討することで、中長期的な事業計画を着実に実施できるようにしていく。

令和5年度 建設局運営方針(令和6年6月28日更新)

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令和5年度 建設局運営方針改訂履歴

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