「大阪市人権だよりKOKOROねっと」第35号 web版
2024年12月1日
ページ番号:418147
大阪市人権だより「KOKOROねっと」第35号
human
rights & diversity magazine
平成29(2017)年12月発行 Winter No.35
巻頭特集
若者の貧困と人権
ふえる「若者の貧困」それってホント!?
Diversity Human Interview
子どもも親も「助けて」と言いやすい社会に
特定非営利活動法人 あっとすくーる 理事長 渡 剛さん
人権コラム/働き方改革
自分らしく働くことができていますか?
PRESENT!
アンケートに答えてコンビニなどで使えるQuoカード2,000円相当をゲットしよう!!

目次


巻頭特集 若者の貧困と人権

若者の貧困の原因は?
日本に住む子どもの約6〜7人に1人が相対的貧困注1だと言われており、昨今特に、その子どもの親世代を含め『若者の貧困』が問題になっています。
その背景には、長時間労働等のブラック企業、職場でのハラスメントといったことが要因で会社を辞めざるを得なかったり、正社員を減らす企業も増えているため、非正規雇用になる可能性が高くなる傾向があります。そうなると、なかなかそこから抜け出せなくなり、不利な状況を引きずることもあります。
このような状況は決して他人事ではありません。誰もが「貧困と隣合わせ」と言えるのではないでしょうか。また、誰かが貧困におちいった場合、「若いのになぜ働かないの?」「仕事を選び過ぎ!」「努力してる?」などの誹謗(ひぼう)・中傷(ちゅうしょう)、偏見は、ますますその人の心を傷つけるうえ、孤立させてしまうこともあります。
今回は、現代の若者の置かれている現状の厳しさを知っていただき、社会全体の問題として考えていただきたいと思います。
注1 相対的貧困については4ページの用語解説をご覧ください。

「若者の貧困」の要因と背景(例)
今の若者の貧困は、バブル崩壊後、長引いた日本経済の低迷や雇用形態の変化(終身雇用や年功序列による昇給・昇進の廃止、リストラ、賃金カット、非正規雇用など)の他にもいろいろな背景や要因がありますが、親世代の経済状況で子どもの進路の幅が決まる場合もあり、このような連鎖も若者の貧困要因の1つと考えられます。

1 親世代の経済的貧困
- 労働市場の悪化、ひとり親家庭などの所得格差

2 学校以外での子どもの教育格差
- 経済的理由により塾・習い事等に通えない

3 子どもの学力・学歴による格差
- 学費面などで進学を断念
- 中退

4 若者の経済的貧困
- 非正規雇用・フリーター、就職浪人
- 奨学金の返済
- ブラック企業、ハラスメントなどによる退職
このような貧困の連鎖は、社会問題の1つであり、「若者の夢や希望、働く意欲」の低下へつながります。


《マンガ》脱・貧困のコツは、孤立しないこと!
高校卒業後、就職したものの長時間労働やハラスメントで退職したダイさん
ダイさん:自分らしく働きたい!
その後
「不採用」「不採用」「不採用」「不採用」…
周囲の声:考えが甘い
本当にがんばってる?
ダイさん:親にも頼れない
・・・自信が・・・
そんなある日
ダイさんはネットで『自立応援みんなの居場所』を見つける。
ダイさん:どんな所だろ
ダイさん:ドキドキ
こんにちは〜
スタッフ:いらっしゃい
どうぞ
ダイさん:ここには色んな人が集まっているんだ・・・
ワイワイ ガヤガヤとにぎやかな様子。
例えばシンさんは“引きこもり”だったがここに通いながら自立をめざしている
ユウさんは母子家庭で子どもが放課後、ここで迎えを待っている
ユウさんの子:お仕事がんばって
シンさん・ユウさんたち:「生活苦は自業自得」「働く気があるのか」そんな偏見で気力も自信も失ったことあるよね!
ダイさん:ツライのは自分だけじゃないんだな〜
・・・でもどうしたら
スタッフ:セミナーに参加してみない?
ダイさん:セミナーですか?
そして・・・
数ヵ月後
採用
ダイさん:みんなのおかげ!
周りの人たち:おおーっ 良かったね
自分たちの未来を信じよう!!


あなたは知っていますか? 「若者の貧困」がもたらす社会への影響
“若者への支援は本当に必要なの?”と思われる人もおられるかもしれません。「若者は働けば自立できる!」と言われることもありますが本当にそうでしょうか。
働いても思うような収入が得られなかったり、ボーナスや福利厚生がない職場もあります。このように、個人だけでは解決できないことも多くあります。そして、この「若者の貧困問題」は、若者以外の生活にも少なからず影響しています。

経済的な不安から、結婚したくてもあきらめる
少子高齢化が加速

希望する賃金がもらえない非正規雇用、フリーターが増える
税金・年金の減少

労働時間が長くなり、大人が不在がちな家庭が増える
育児に十分な時間がかけられない
若者の貧困は、税収の減少や少子化だけでなく、若者の将来への希望やチャレンジ精神を奪い、企業も社会も衰退していきます。そうならないためにどうしたら良いのか、自分にできることはないか考えてみましょう。

相談・支援窓口

生活困窮者自立支援事業
各区役所内に相談支援窓口を設置
相談支援員が多様な課題を抱える生活困窮者に対し、さまざまな相談窓口や地域のネットワーク、関係機関等と連携し、相談者の自立に向けた支援を行います。

大阪市人権啓発・相談センター
電話 06-6532-7830(なやみゼロ) ファックス 06-6531-0666
時間 月曜日~金曜日 9時~21時 日曜日・祝日9時~17時30分
詳しくは「大阪市人権啓発・相談センター 専門相談員による人権相談」をご覧ください。

大阪市立愛光会館(大阪市ひとり親家庭等就業・自立支援センター)
ひとり親家庭・寡婦福祉事業の拠点施設として、法律相談や就業相談などの各種相談、求人情報の提供、職業紹介を行うなど、一貫したサービスを行っています。
指定管理者 公益社団法人
大阪市ひとり親家庭福祉連合会
大阪市北区中津1-4-10 電話 06-6371-7146 ファックス 06-6371-6722


データが示す 貧困の状況と若者や子どもの状況

各種世帯の生活意識
●各種世帯の生活意識
全世帯
- 大変苦しい 23.4%
- やや苦しい 33.1%
- 普通 38.4%
- ややゆとりがある 4.5%
- 大変ゆとりがある 0.6%
「大変苦しい」「やや苦しい」の計 56.5%
高齢者世帯
- 大変苦しい 20.9%
- やや苦しい 31.1%
- 普通 43.4%
- ややゆとりがある 4.0%
- 大変ゆとりがある 0.6%
「大変苦しい」「やや苦しい」の計52.0%
児童のいる世帯
- 大変苦しい 26.8%
- やや苦しい 35.2%
- 普通 33.7%
- ややゆとりがある 4.0%
- 大変ゆとりがある 0.3%
「大変苦しい」「やや苦しい」の計61.9%
母子世帯
- 大変苦しい 45.1%
- やや苦しい 37.6%
- 普通 16.4%
- ややゆとりがある 0.9%
「大変苦しい」「やや苦しい」の計82.7%
(出典)厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査」より抜粋

困窮度別に見た、経済的な理由による経験<小5・中2のいる世帯(保護者回答)>
●困窮度別に見た、経済的な理由による経験〈小5・中2のいる世帯(保護者回答)〉
食事を切りつめた
- 中央値以上 27.0%
- 困窮度3 49.5%
- 困窮度2 58.5%
- 困窮度1 61.1%
新しい服や靴の購入を控えた
- 中央値以上 30.2%
- 困窮度3 50.2%
- 困窮度2 59.5%
- 困窮度1 61.3%
趣味やレジャーの出費を減らした
- 中央値以上 34.3%
- 困窮度3 54.6%
- 困窮度2 59.9%
- 困窮度1 58.7%
冷暖房の使用を控えた
- 中央値以上 20.1%
- 困窮度3 34.1%
- 困窮度2 41.5%
- 困窮度1 42.8%
(出典)「大阪市子どもの生活に関する実態調査報告」より抜粋

困窮度別に見た、子どもの進学達成「思わない」理由<小5・中2のいる世帯>(保護者回答)>
●困窮度別に見た、子どもの進学達成「思わない」理由〈小5・中2のいる世帯(保護者回答)〉
お子さんの希望と異なるから
- 中央値以上 24.0%
- 困窮度3 18.5%
- 困窮度2 16.2%
- 困窮度1 12.5%
お子さんの学力から考えて
- 中央値以上 61.2%
- 困窮度3 53.0%
- 困窮度2 57.6%
- 困窮度1 53.4%
経済的な余裕がないから
- 中央値以上 21.2%
- 困窮度3 45.7%
- 困窮度2 58.6%
- 困窮度1 64.8%
(出典)「大阪市子どもの生活に関する実態調査報告」より抜粋

用語解説
相対的貧困とは、「中央値」の半分未満(困窮度1)の世帯員を示しています。
中央値以上 等価可処分所得最大値~中央値(端から数えて真ん中に位置する値)
困窮度3 中央値(端から数えて真ん中に位置する値)~中央値の60%のライン
困窮度2 中央値の60%のライン~中央値の50%のライン
困窮度1 中央値の50%のライン~等価可処分所得最小値
食事を切りつめたり、冷暖房の使用を控えるなど、節約せざるを得ない状況。そして、子どもの進学についても、経済的理由であきらめる保護者が、特に困窮度1と2の世帯に多いことがわかります。また、生活意識のグラフでは、大変苦しい・やや苦しいを合わせた「苦しい」との答えが、母子世帯では82.7%となっています。
一人で悩まず、困った時は誰もが「SOS」と言える社会をめざしましょう!


Diversity Human Interview 子どもも親も「助けて」と言いやすい社会に 渡 剛さん
特定非営利活動法人 あっとすくーる 理事長 渡 剛さん
子どもの貧困の背景には、離婚やDV(家庭内暴力)、経済的な困窮などさまざまな家庭の事情があり、そのことが後の人生に大きな影響を与えています。今回は、子どもが安心して勉強し、教育の機会が平等に与えられる環境をつくるため、ひとり親家庭の学習支援を行っている特定非営利活動法人あっとすくーる理事長の渡剛さんに、そこに通う子どもたちの様子や子どもを取り巻く理想的な社会のありかたについてうかがいました。

あなたみたいな人を待っていた!

母子家庭で育ったとお聞きしましたが
母と兄2人、祖母との5人暮らしでした。中2の頃かな。年の離れた兄の借金問題や祖母の介護で、経済的にも精神的にも苦しい時期がありました。母と兄がケンカしているのを毎晩のように見ていると、勉強をする気になれなくて。公立高校に入りましたが、教師をめざして大学進学を考えていた矢先に兄がまた借金を…「もう、あきらめようか」と思いましたが、ぼくが勉強することが母の生きがいになっていたので、何とかがんばって大学に合格しました。

教師にならず、なぜNPO活動を?
大学で「子どもの貧困」を学び、はじめて自分以外にもひとり親で苦しい状況にある子どもがいることを知りました。
何かしたいと思い「エッジ」という社会起業家を育成支援する団体のビジネスプランコンペに参加しました。下調べで出会った、ひとり親家庭のお母さんから、初対面なのに「あなたみたいな人を待っていたの!」と両手を握りしめられて・・・・・・
驚きましたが、そこから教師とは違う形で子どもたちを支援するのもアリと考え、3年生のとき活動を開始しました。

親の事情で子どもの将来の選択肢が狭まることについてどう思いますか?
子どもは生まれてくる親を選べません。どんな家庭に生まれても、学ぶ権利は平等に与えられなければならないと思います。同じくらい努力をしているなら、同じように報われないとおかしいですよね。

子どもたちは我慢している

どんな子たちが来ていますか?
半数以上は、ひとり親家庭の子。なかには親から暴力を受けたり、母親が暴力をふるわれていたりするのを見ていた子、母子で家を出て、住む場所を探し転々としていた子もいます。

子どもはどんな想いで暮らしている?
親の大変さを見ていますから、親に負担をかけないよう、いろんなことを我慢しています。塾や習い事、旅行、他の子がやっていることを「やりたい」と言えません。こうした小さな我慢が積み重なって何かを「がんばろう」という意欲を失わせてしまうんです。

とにかくほめる!

どんな塾ですか?
講師1人に生徒2人の個別指導で、1コマ70分です。料金は、ひとり親家庭の場合、通常の半額で提供しています。講師は、NPOの理念に共感するボランティアの大学生です。年齢が近い講師なので、子どもは「将来、こんな風になれるんだな」と成長していく自分の姿をイメージしやすいと思っています。

どんな感じで勉強していますか?
最初は、やる気がない子が多いですね。あいさつだけして、椅子に腰掛けて、スマホをいじったり、マンガを読み始めたり。「今日どうする?」「だるい」「宿題やってきた?」「やってねぇ」みたいな会話から始まることも。

やる気を出させるコツは?
「ここにくるのが楽しい」雰囲気をつくり、一人にしないようにしています。家庭では仕事で親の帰りが遅く、寂しい思いをしている場合が多いので。
それから勉強を無理矢理押しつけないことも大切です。やりたくないなら、極端な話、授業をしなくてもいい。一緒にゲームをしたり、しゃべったり、そのうち「1問だけでもやろうよ」と声をかけてみる。そして、その1問ができたら「計算早いなぁ」「やればできるやん」とほめる。そうやって勉強に気持ちを向けてもらう。
講師には“ほめるプロ”になれと言っています。個人差はありますが1年でテストの点が200点伸びた子もいました。その子が「ほめてくれたから、がんばれた」と言っていたんですよね。

それでもやりたくない子は?
もし「勉強なんて面倒」「将来なんてどうでもいい」といった言葉が子どもから出てきたら、頭ごなしに叱るのでなく、講師は、その背景に関心を持って「なぜそう思ったの?」と尋ねています。その子が抱えている問題が見えてくるし、講師もそこから学ぶことは大きいからです。

孤立が貧困をまねく

若者の貧困を減らすには?
若者の貧困は、高校を中退したりして、安定した収入を得る仕事に就けなかったことが原因になっている場合が多いと思います。もし、中高生で「学校をやめようか」と悩んだときに、「ちょっと話聞いて?」と言える大人が身近にいれば、中退を避けられたかもしれません。子どもには、親や先生、同級生にも言えない悩みがあるものです。「助けて」と言えない社会、つまり「孤立した社会」が若者の貧困をまねいているのではないでしょうか。

具体的にはどうすれば?
学校の先生、PTA、スクールソーシャルワーカーや児童委員・民生委員の人たち、いま子どものそばにいる人たちがつながって、いろんな家庭環境のなかでがんばっている子どもたちの方に意識を向けるだけで、セーフティーネットの網の目は細かくなります。相談しやすい空気が生まれれば、子どもはずっと生きやすくなるはずです。

家庭にどんな事情があっても、ポジティブに生きる秘訣(ひけつ)とは?
「こういう人になりたい」と思える大人を探すこと。出会う機会がなければネットの中でもいいと思います。ぼくも、社会起業家のコンペに出たときに「本気で社会を変える」という熱い大人たちと出会うことで、しんどいことも乗り越えられた。
最近、「ぼく、ひとり親家庭でよかったかもしれん。この塾と出会えたし」とある子がお母さんに話したそうです。ぼくも子どもたちに信頼される大人の一人になれた、そんな気がして、うれしく思いました。
ありがとうございました。

渡 剛 - わたり つよし
平成元年、熊本市生まれ。大阪大学外国語学部卒業。特定非営利活動法人あっとすくーる理事長。母子家庭で育ち、子ども時代に経済的・精神的に苦しい思いをした経験から、同じような状況の子どもに寄り添える教師をめざす。大学在学中に社会起業家を育成・支援するビジネスプランコンペ「edge2010」に参加し、卒業と同時に「NPO法人あっとすくーる」を設立。現在は、学習塾事業として、箕面市、高槻市で渡塾を運営している。行政からの委託事業としては、箕面市と吹田市でそれぞれ生活困窮者自立支援法に基づく学習支援を受託するほか、豊中市では、ひとり親支援団体と連携して自習補助型の学習支援を展開している。平成29年9月に結婚。休みの日は、夫婦でライブに行くのが楽しみ。


大阪市からのお知らせ

考えよう人権のこと 12月4日~10日は人権週間です!
「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」(世界人権宣言第一条より抜粋)。
国際社会においては、世界人権宣言が採択されて以降、私たち一人ひとりが人権尊重を基礎として世界の人々と共に歩む姿勢が求められています。また、我が国においては、日本国憲法において基本的人権の享有が保障されています。
しかし、高齢者・女性・児童・障がいのある人等への虐待や、こどもの貧困問題、同和地区出身であることを理由とした差別、インターネット上での誹謗中傷、差別的な書き込み、ヘイトスピーチ、性的少数者等への偏見など、人権問題は複雑化、多様化しています。
昨年は、4月に「障害者差別解消法」、6月に「ヘイトスピーチ解消法」、12月に「部落差別解消推進法」がそれぞれ施行されましたが、こうした人権に関する法律が相次いで制定された動きを機に、さらに、人権尊重の機運が高まっていくことを願っています。
差別は、差別される人にとって、本人には全く責任のないことで苦しめられるという極めて不当な行為です。
そして、差別することは差別される人を傷つけるばかりか、差別する人の人間性も損ねてしまう行為なのです。
大阪市は、一人ひとりの人権が尊重され、すべての人が自己実現を目指して、生きがいのある人生を創造できる自由、平等で公正な社会を実現していくために、私たち一人ひとりがたゆまぬ努力を傾け、人権尊重の社会づくりを推進していくことを決意した「大阪市人権尊重の社会づくり条例」を制定し、さまざまな人権課題に対応するため、「大阪市人権行政推進計画」に基づき、人権施策を全市的に推進しています。
今後とも、「人権が尊重されるまち・大阪」の実現をめざし、私たち一人ひとりが、人権を尊重することの重要性を正しく理解し、他人の人権に配慮した行動がとれるよう、相手の気持ちを考え、思いやることの大切さを認識していきましょう。
人権問題の解決は、私たち一人ひとりの意識や行動から始まります。

平成28年度人権に関するキャッチコピー
人権、まずは知ること 考えること
〔高校生の部〕 優秀賞 前田 咲(まえだ さき)さん

特設人権相談を開設します
日常生活の中で生じるさまざまな人権問題について、人権擁護委員が無料で相談に応じます。秘密は厳守します。当日直接会場へお越しください。
日時 平成29年12月4日(月曜日) 午前10時から午後4時まで
会場 大阪市役所1階(南側) 市民相談室
(最寄駅:地下鉄・京阪本線「淀屋橋」駅1番出口、京阪中之島線「大江橋」駅6番出口)
対象 市内在住・在勤・在学の方

人権擁護委員とは?
人権擁護委員は、人権擁護委員法に基づいて地域住民の中から広く社会の実情に通じ、人権擁護に理解のある方を市町村長が推薦し、法務大臣が委嘱した民間ボランティアです。
さまざまな分野の方が、人権相談を受けたり人権の考えを広めるなど、積極的に人権擁護活動を行っています。
問い合わせ 大阪法務局・大阪第一人権擁護委員協議会
電話 06-6942-1489 ファックス 06-6943-7406


各区の取り組みを紹介します

旭区 高校生が教える出張授業企画!LINE白熱教室
旭区役所では、平成25年より府立旭高等学校と協働し、さまざまな手法を用いた区民向け人権啓発イベントを企画しています。ここでは、平成26・27年に2回にわたり開催した、高校生たちが講師となってLINEについて教える「LINE白熱教室」を紹介します。
LINEは、手軽であるがゆえに、犯罪の温床や、いじめ・仲間はずれなど人間関係のトラブルや人権侵害の場になりやすい、という面もあわせ持ち、ちょうど企画当時、LINEを通じて知人に呼び出された少年が殺害されるという痛ましい事件が起きるなど、教員や保護者も不安に思っている状況でした。
そういった中、LINEを知ってもらうことで、トラブルをなくしたい!自分たちの問題を大人に任せるのではなく、自分たちで解決しよう!と立ち上がったのが、旭高校生徒有志たちの「旭LINE同盟」だったのです。
平成26年の「高校生が教える!オトナのためのLINE白熱教室」。まず「LINE教室」では、日常的にLINEを使っている高校生が、手作りの教科書を配付し、LINEとは何か、LINEの利用実態やメールとの違い、なぜLINE上で人間関係がもつれるのかなど、実際の教室を模した舞台上で、先生役・生徒役となり、笑いも交えわかりやすく伝えました。続く「ホンネdeスマホとーくショウ」では、子どもたちはなぜLINEにハマるのか、どうすればLINEいじめをなくせるかなど、来場者を交えて自由なディスカッションが行われました。
このイベント開催以降、旭LINE同盟は、各地から依頼を受け、出張LINE教室を開催し、その反響の多さから、LINE教室の内容を1冊にまとめた「高校生が教える先生・保護者のためのLINE教室」も出版されました。
平成27年12月には、旭LINE同盟が中心となり区内4中学から有志70人を招き、LINEの利用ルールを中高生自らで考える「旭区中高生LINEサミットワークショップ」を開催しました。
そこで出た意見をもとに、3月に「みんなのためのLINE白熱教室2」を実施。第1部「当世若者のLINE最新事情」では、高校生がLINEの現状分析、LINEいじめなどについて解説。続いては中学生が、自分たちの学校でのLINE利用状況、漫才風の寸劇で「ながらスマホ」の危険性のアピール、自分たちとLINEの関係について考えを発表しました。
締めの「中高生オトナLINEサミット」では、オトナ、高校生、中学生の3チームに分かれ「オトナはLINEを使っている子どもとどのように関わればよいのか」をテーマに意見をたたかわせました。簡単に結論は出ないテーマですが、けんけんがくがくの議論に会場は多いに沸き立ちました。
今、LINEに限らず、Facebook、Twitter、InstagramなどSNSの利用者は全世代において増加し続けています。今後は、SNSに対象を広げながら継続していきたいと思っています。
問い合わせ 旭区役所
市民協働課
電話 06-6957-9734 ファックス 06-6659-2246

平野区 人権啓発カレンダー
平野区では、多くの区民のみなさんに人権について考えていただくために、昨年度より人権啓発カレンダーの製作を始めました。
毎年大阪市(人権啓発・相談センター)で実施している人権に関する作品(キャッチコピー)募集事業で受賞した作品の中から、平野区民まつりの人権啓発ブースにおいて、人権啓発推進員さんをはじめ、区民のみなさんの人気投票で選ばれた上位12作品を各月に掲載したカレンダーです。
卓上カレンダー型になっていて、区民のみなさんに人気の平野区マスコットキャラクター「ひらちゃん」をあしらうことで、使っていただきやすく、また毎日目にするカレンダーにキャッチコピーを掲載することで、人権意識の向上につながればと考えています。
区民のみなさんからは「私たち区民もカレンダー製作に関われて良い取り組みやね」、「可愛いカレンダーやね」、「よくできているね」など、多くのお褒めの言葉をいただくことができました。
今年度も、平野区民まつりの人権啓発ブースでキャッチコピーの人気投票を行い、来年(2018年)のカレンダーも製作する予定です。
今後も、できるだけ多くの区民のみなさんにも参加いただける人権啓発事業を考えていきたいと思っています。
問い合わせ 平野区役所
まちづくり協働課
電話 06-4302-9743
ファックス 06-4302-9880


Information インフォメーション

生野区人権週間事業講演会《12月4日~10日は人権週間です》
入場無料・申込不要・手話通訳あり
日時 平成29年12月6日(水曜日)19時開演(18時30分開場)
場所 生野区民センター ホール(大阪市生野区勝山北3-13-30 JR環状線「桃谷」駅から徒歩約15分 市バス「生野区役所」バス停前すぐ)
内容 『LGBTってなんだろう?』~私たちができること~
すべての人に「居場所」と「持ち場」のある生野区をめざし、「LGBT」などの性的少数者の方の思いを知り、多様性を認めあう社会について一緒に考えましょう!
講師 藤原 直(ふじわら なお)さん
女性から男性になったトランスジェンダー(性別越境者)。5年前に性別適合手術を受けて、今は戸籍上も男性として生活している。
平成29年6月から8月まで世界のLGBT先進国を巡るプロジェクトで21ヵ国(27都市)を訪問。LGBTの進んだ施策や、海外で自分らしく生きる当事者インタビュー、現地50名からのメッセージを公式ホームページで発信。「すべての人が自分らしく豊かに生きる社会」をめざして、インターネットラジオ『ゆめのたねラジオ』のパーソナリティ、ライター、ライフビジョンコーチとして幅広く活躍中。
対象 どなたでも
定員 300名【当日先着順】
問い合わせ 生野区役所地域まちづくり課(4階44番)
電話 06-6715-9009 ファックス 06-6717-1163

12月10日から12月16日は、「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」です
国民的課題である拉致問題の解決をはじめ、北朝鮮当局による人権侵害問題は、国際社会を挙げて取り組むべき課題です。私たち一人ひとりがこの問題についての関心と認識を深めていくことが大切です。本週間のさまざまな取り組みにぜひご参加ください。
問い合わせ 詳しくは、政府拉致問題対策本部ホームページ「北朝鮮による日本人拉致問題」をご覧ください。

犯罪被害への理解を深めましょう
犯罪被害は、いつ誰に起きるかわかりません。
犯罪被害にあわれた方やその家族・遺族の方(犯罪被害者等)が、被害から立ち直り、地域において再び平穏に過ごせるようになるためには、地域の人々の理解と配慮、協力が重要です。
大阪市では、「犯罪被害者週間(11月25日から12月1日)」にあわせて、犯罪被害者等への市民の理解を深めていただくため、大阪府・堺市・大阪府警察や、民間支援団体である大阪被害者支援アドボカシーセンターなどと連携して、さまざまな啓発活動を実施しています。
また、犯罪被害者等が被害から回復し、社会の中で再び平穏な生活ができるようになっていただくため、「犯罪被害者等支援のための総合相談窓口」を設置し、犯罪被害者等からの相談をお受けしています。
なお、身近な方が犯罪被害にあわれて支援を必要とされている場合についても、ぜひご相談ください。

身近に被害者がいた場合に、私たちにできること

被害者を傷つけてはいけないと距離を置くのではなく、普段通りに接することが大切です。そして、被害者が自分の気持ちを話し始めたら、ゆっくりと聴いてください。被害者の話をさえぎったり、興味本位に詮索せず、そのまま受け止めてください。
〔認定NPO法人 大阪被害者支援アドボカシーセンター啓発資料より抜粋〕

犯罪被害者等支援のための総合相談窓口
時間 9時~17時30分(土日・祝日・年末年始を除く)
問い合わせ 大阪市市民局ダイバーシティ推進室人権企画課(大阪市役所4階北側)
電話 06-6208-7619 ファックス 06-6202-7073

拉致問題を考える国民の集いin大阪
北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向けて、拉致問題に対してみなさまにより一層の関心を持っていただき、世論の高まりをめざして、拉致問題を考える国民の集いを開催します。
日時 平成30年2月17日(土曜日)14時30分〜16時30分
場所 KKRホテル大阪(大阪市中央区馬場町2-24)
問い合わせ 大阪市市民局ダイバーシティ推進室人権企画課(大阪市役所4階北側)
電話 06-6208-7619 ファックス 06-6202-7073


人権コラム 働き方改革3 自分らしく働くことができていますか?
平成28年から「一億総活躍社会」の実現のため政府が進めている『働き方改革』において、今回までに「長時間労働の削減」や「子育て・介護等と仕事の両立」等、ワーク・ライフ・バランスについてお伝えしてきました。
最終回では、さらに今後の少子高齢化による労働力不足に対応するためにも、若者や女性等がもっと活躍できる職場のあり方や働き方を紹介するとともに、今一度自分の働き方について、振り返っていただきたいと思います。

「働き方改革」って何?なぜ必要なの?
政府が進めている『働き方改革』についての方針は、非正規雇用の処遇改善や長時間労働の是正、賃金引き上げと労働生産性の向上などさまざまあります。
中でも、今後ますます進む少子高齢化がもたらす、労働力や人材不足が特に懸念されており、その担い手となる若者や女性の力は元より、いろいろな価値観を持つ人、子育て・介護・病気治療中の人、外国の人など、さまざまな人の力が必要となります。それに伴い、誰もが働きやすく柔軟性のある職場環境(在宅勤務やフレックスタイム)と、教育制度や就職支援体制等を整えていかなければなりません。
このような改革をすることで、人材の確保と生産性を高め、日本経済を安定させていくとともに、働く人の収入を安定させ、経済的自立を図ることを目的としています。

自分にもできる「働き方改革」はないの?
自分が働いている会社が変わるのを待っているだけでなく、個人でもできる「働き方改革」はないか考えてみましょう。例えば、
- 仕事内容ややり方を整理し、ムダや改善点はないかを再確認する。
- 仕事後の活動(趣味など)を広げ、メリハリのある働き方をする。
- 他の人が残業していても今日の自分の仕事が終わったら帰る。
- 育児・介護休暇や有給休暇など、必要に応じ申請する。
自分から率先して働き方を変えることで、賛同者を増やしていきましょう。

自分が納得できる「働き方」をしていますか?
今回を入れて3回、働き方改革についてお伝えしましたが、何よりも大切なことは、自分自身が、賃金を含め『納得のいく働き方』ができているかどうかということではないでしょうか。
そして、もちろん年齢や性別、宗教、障がいの有無等で差別や嫌がらせを受けていないことは言うまでもありません。

有給休暇取得率は48.7%
(厚生労働省の平成28年就労条件総合調査)
※付与日数に対し半分も取得されていない現状。

大阪府最低賃金のお知らせ
都道府県ごとに決められている最低賃金(毎年改訂)は、年齢に関係なく、パート・アルバイト等を含む全ての労働者に適用されます。
大阪府の最低賃金(平成29年9月30日改訂)
1時間909円です
なお、最低賃金は業種により異なり「1時間912円」の業種もあります。
最低賃金に関するお問い合わせ
大阪労働局(電話06-6949-6502)または最寄りの労働基準監督署へ


大阪市人権啓発・相談センター

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相談専用ファックス番号 06-6531-0666
相談時間 月曜日〜金曜日/9時〜21時
日曜日・祝日/9時〜17時30分
※土曜日、年末年始(12月29日~1月3日)・施設点検日は休業
※人権相談の受付は、相談時間終了の30分前までです。

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人権相談のほか、人権に関するパンフレットの提供や人権啓発ビデオ・DVDの貸出しも行っています。
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読者の「もっと知りたい!!」にお答えします!
これまで発刊した「KOKOROねっと」のバックナンバーについても、大阪市ホームページに掲載しています(平成22(2010)年6月発行No.5より)。過去に特集した内容やインタービュー記事などで、ご参考になるものがあるかもしれませんので、ぜひご覧いただければと思います。

編集後記
今回の特集は、「若者の貧困と人権」。これは社会全体が早急に取り組まなければならない、見過ごすことのできない問題なのだと、この号を通じて実感していただければ幸いです。また、人権コラムで3回にわたりお伝えした「働き方改革」。ワーク・ライフ・バランスについて考え、誰もが働きやすい職場のあり方・働き方の一例を参考に、自分自身にもできる働き方改革に取り組んでいただくことによって、安心して働ける職場が社会全体に今よりももっともっと増えることを願っています。

プレゼント付きアンケート!!
アンケートに答えて「Quoカード」をゲットしよう。No.35
ケータイ、スマートフォン(パソコン)などウェブサイトからもアンケートにお答えいただくことができます。専用フォームに入力するだけで簡単に応募できます。
(アンケートへの応募期間は終了しました。)
質問1
この情報誌を、どこで入手されましたか?
(その他の場合は具体的な場所をご記入ください)
- 駅構内
- 市・区役所
- 図書館
- 学校、職場
- 大阪市ホームページ
- その他( )
質問2
この情報誌のなかで興味・関心を持った記事はありましたか?
(複数回答可)
- 巻頭特集(P.1〜4)
- ヒューマンインタビュー(P.5〜6)
- 大阪市からのお知らせ「人権週間」(P.7)
- 各区の取り組み(P.8)
- 人権コラム(P.10)
- その他( )
質問3
あなたは、人権に関心がありますか?
- 関心がある
- すこし関心がある
- あまり関心がない
- 関心がない
質問4
この情報誌を読んで人権への理解に役立ちましたか?
- とても役に立った
- 役に立った
- あまり役に立たなかった
- 役に立たなかった
質問5
この情報誌を読んで人権に興味・関心がわき、次号も読んでみたいと思われましたか?
- ぜひ読みたい
- どちらかといえば読みたい
- どちらでもよい
- 読みたいとは思わない
質問6
今後もこのような情報誌を発行したほうが良いと思いますか?
- そう思う
- どちらかといえばそう思う
- どちらかといえばそう思わない
- そう思わない
質問7
この情報誌を読んだ感想やご意見、今後掲載してほしい内容やご要望をお書きください。
いただいた感想・ご意見等について、無記名の情報として、本誌や大阪市ホームページ上に掲載する場合があります。掲載に同意される場合はチェック欄にチェックを入れてください。
はがきまたは携帯電話などからも応募できます。
アンケートの答えとはがき表面に必要事項(ご住所・お名前・年齢)をご記入の上、はがきについてはキリトリ線にそって切り取り、ポストに投函してください(切手不要。応募はいずれかお1人1回)。抽選でQuoカード(10名様に2,000円相当)をプレゼントします。なお、当選発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。
応募期限:平成30(2018)年1月31日(水曜日)
※個人情報の取り扱いについて・・・アンケートから取得しました個人情報は、個人情報保護法及び大阪市個人情報保護条例等に基づき適切に取り扱います。ご住所・お名前についてはプレゼントの発送のために使用します。年齢については情報誌にかかる統計データ作成のために使用します。
◆次回のKOKOROねっとNo.36は、平成30(2018)年2月発行の予定です。
主な設置・配付場所:市役所、区役所、大阪市営地下鉄駅構内、市立各図書館等
大阪市人権だより KOKOROねっと
human rights & diversity magazine
平成29(2017)年12月発行 /Winter No.35
【発行】大阪市人権啓発・相談センター
〒550-0012 大阪市西区立売堀4-10-18 電話06-6532-7631 ファックス06-6532-7640
【制作協力】株式会社 アド・エモン
〔法務省委託事業〕
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このページの作成者・問合せ先
大阪市人権啓発・相談センター
住所: 〒550-0012 大阪市西区立売堀4丁目10番18号 阿波座センタービル1階
電話: 06-6532-7631 ファックス: 06-6532-7640