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「令和2年度以降の市政改革計画について(基本的考え方)〔案〕」の取りまとめについて

2022年5月2日

ページ番号:516604

【2019年9月9日公表】

 大阪市では、「市政改革プラン2.0 ―新たな価値を生み出す改革―」(平成28年8月策定)及び「市政改革プラン2.0【中間見直し版】」(平成30年7月策定)並びに「市政改革プラン2.0 (区政編)―ニア・イズ・ベターのさらなる徹底―」(平成29年8月策定)に基づき、令和元年度までを取組期間とする市政改革に取り組んでいますが、今般、令和2年度以降の市政改革計画についての基本的考え方〔案〕を取りまとめました。

はじめに

 本市では、これまで多額の単年度通常収支不足額が見込まれる厳しい財政状況の下で、平成18年度に市政改革に着手し、改革の取組を継続してきた。これにより、職員数の削減や財政状況の改善などに大きな成果を上げ、中期的には通常収支不足額が一旦解消するなど当面の収支均衡を見通せる段階に入りつつある。

 一方、今後人口減や少子高齢化が進行し生産年齢人口が減少する中、Society5.0に示されているように、IoTやAIなどの技術革新が社会に大きな変革をもたらすことが見込まれており、本市においてもこれらへの的確な対応が求められている。

 こうした中で、豊かな大阪をめざして政策を推進するとともに、住民生活の利便性を向上させ、「市民が本市に暮らすことの満足度」をさらに高めていく必要がある。

 このため、これまでの収支不足の解消を中心とした改革から、生産性向上の視点を踏まえ、「市民サービスの向上」「コスト削減」「スピードアップ」をめざす新たな市政改革にステージを移し、ICTを活用した市民サービスの向上や官民連携、働き方改革などに取り組む。

 令和2年度から4年間、着実かつスピード感をもって市政改革を推進していく。

1.これまでの改革の成果

(1)これまでの改革の経過

 バブル崩壊後の長期の経済低成長の中、本市は危機的な財政状況に陥り、平成18年2月に「市政改革基本方針(平成18~22年度)」を策定し、市政改革に着手した。その後も「市政改革プラン(平成24~26年度)」、「平成27年度市政改革の基本方針」などの計画に基づき、ムダを徹底的に排除した効果的・効率的な行財政運営に取り組むとともに、平成28年度からは「市政改革プラン2.0(平成28~31年度)」のもと、ICTの徹底活用や職員の能力を最大限引き出すことで、質の向上を図る改革などに取り組んできた。 

(2)成果

 平成18年度以降の改革の取組により、職員数の削減や財政状況の改善などに大きな成果を上げている。

ア 職員数を大きく削減

 職員数は、47,470人(平成17年度)から34,633人(平成30年度)まで12,837人(27パーセント減)を削減した結果、市民1万人当たりの職員数は128.7人となり、他都市〔横浜市、名古屋市、神戸市、京都市〕(135.2人)並みとなっている。

イ 市債残高を大きく削減

 公共事業費を削減し、市債の新規発行額を極力抑制したことなどにより、市債残高(全会計)は、5兆5022億円(平成17年度)から3兆5064億円(令和元年度)まで1兆9958億円(36パーセント減)を削減した。

ウ 外郭団体数を大きく削減

 本市の財政的関与・資本的関与等について見直しを進め、外郭団体数は、146団体(平成17年7月)から22団体(令和元年7月)まで124団体(85パーセント減)を削減した。

エ 単年度通常収支不足額の減少

 単年度通常収支不足額の見込みは平成24年2月時点で毎年500億円程度であったが、歳出の削減や歳入の確保、市債残高の削減、職員数の削減、外郭団体の見直しなどの市政改革の取組を進めた結果、各年度の当初予算編成時点での通常収支不足額は確実に減少してきた。

 中期的な財政見通しとしては、社会保障費の増や今後本格化する投資的事業の増等が見込まれる一方、この間の市債残高縮減及び金利低下に伴う公債費の減等が見込まれ、通常収支不足額が一旦解消するなど当面の収支均衡を見通せる段階に入りつつある。

2.生産性向上の視点を踏まえた市政改革の推進

 これまでの改革では、収支不足の解消を図るためインプット(費用などの投入資源)の削減に重点を置いてきたが、今後は、アウトプット(市民サービスなどの成果)も重視し、生産性(アウトプット/インプット)向上の視点から、市民サービスの向上・コスト削減・スピードアップ(QCDの改善)をめざす。

3.取組項目

(1)ICTを活用した市民サービス向上

 先端テクノロジーを利用し、都市機能の効率化・強化に活かす「スマートシティ」の取組が求められている。

 行政サービスにおいて、最先端のICTの活用を進めるとともに、ICTでできることは原則的にICTを活用する方針で市民サービスの質の向上を推進する。

  • 行政手続きのオンライン化とBPR
  • 市民利用施設に係る手続きの利便性向上
  • 多様な公共料金支払手段の整備

(2)官民連携の推進

 民間でできることは民間にゆだね、官が果たすべき役割については市場原理が機能しない部分に限るなど、公共サービスの提供手法について改めて問い直すことが求められている。

 官民の最適な役割分担のもと、官が担っている事業を民間が担うことにより、コスト削減やサービス向上が期待できるものは積極的に民間開放を推進する。また、公共施設等の整備・運営等にあたっては、PPP/PFI手法の活用などを促進する。

ア 各事業の経営システムの見直し

  • 水道、工業用水道、下水道、幼稚園、保育所、一般廃棄物(収集輸送)、市場(本場・東部市場)、動物園

イ 最適な民間活力の活用手法の導入

  • PPP/PFIの活用促進

(3)効果的・効率的な行財政運営

 質の高い業務執行により生産性向上を図るとともに、資産・リスクの適切なマネジメントの推進や安定した財政基盤の構築が求められている。

 庁内事務における「ムダ」の徹底的な排除の取組や最新技術(ドローン等)の活用など、業務処理の質・速度の向上を推進する。また施設利用者の安全・安心を確保しつつ、持続可能な施設マネジメントを行うための取組を推進するとともに、夢洲土地造成事業をはじめとする大規模事業のリスク管理を行う。

 施策・事業の見直しなど歳出の削減や歳入の確保に努め、効率的な行財政運営を図る。

ア 質の高い業務執行

  • 業務改革の推進
  • 最新技術を活用した維持管理業務等の効率化

イ 施設・事業の適切なマネジメント

  • 持続可能な施設マネジメントの取組の推進
  • 大規模事業のリスク管理

ウ 効率的な行財政運営

  • 歳出の削減(施策・事業の見直し、技能労務職員にかかる人員マネジメント)
  • 歳入の確保(未利用地の有効活用等、未収金対策の強化)

(4)ニア・イズ・ベターの徹底

 「市政改革プラン」以降推進してきたニア・イズ・ベターについて、今後、地域社会づくりと区行政の運営の両面において、より一層徹底させる必要がある。

 地域の実情や特性に即した地域運営を促進するため、地域活動協議会への効果的な支援を行うとともに、自律した自治体型の区政運営を推進するため、区CM制度の適切な運用の徹底等を行う。

  • 地域活動協議会による自律的な地域運営の促進
  • 区CM制度の趣旨を踏まえたルールや制度の適切な運用の徹底
  • 区役所業務の業務プロセス改善の推進、標準化

(5)人材育成・職場力の向上

 高度化・多様化する住民ニーズに的確に対応し、従来の水準で公共サービスを維持するためには、市政運営の基礎となる、個々の職員及び職場全体の力を向上する必要がある。

 自主的・主体的にリーダーシップを発揮できる職員の育成・支援等にこれまで以上に取り組む。

  • 次代を担う職員の育成

(6)働き方改革

 本市を取り巻く環境は大きく変化しており、経営(行政運営)資源としての人材の確保がより厳しくなることが見込まれるなか、生産性向上とともに働き方改革の推進が求められている。

 職員のワーク・ライフ・バランスにも配慮した、働きやすい、働きがいのある職場環境づくりを推進する。

  • 働き方改革の推進(テレワークの一層の推進、管理職研修の実施等)

4.めざす成果

(1)市民サービスの向上

  • 行政手続きオンライン化による手続きの負担減
  • 申込方法や支払方法の多様化による利便性の向上 など

(2)コスト削減

  • 点検・精査が必要な施策・事業について費用対効果等を検証したうえで見直しを実施
  • PPP/PFI手法の導入によるコスト削減 など

(3)スピードアップ

  • 最新技術(ドローン)の活用による防潮堤の効率的な点検
  • 水道事業への新たな経営手法導入による管路耐震化の迅速化
  • 各区業務プロセスのベストプラクティスをもとにした24区の標準化
  • フリーアドレスによる職員間のコミュニケーションパフォーマンスの向上 など

5.取組期間及び推進体制

(1)取組期間

 令和2年度から4年間

 (取組期間中に中間評価を行い、以降の計画内容に反映)

(2)推進体制

 「大阪市改革プロジェクトチーム」を活用し、全庁的な観点から組織横断的に改革を推進

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このページの作成者・問合せ先

大阪市 市政改革室 改革プラン推進担当

住所:〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所4階)

電話:06-6208-9885

ファックス:06-6205-2660

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