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事業所の皆さまへ~南海トラフ地震に係る防災対策について~

2024年1月15日

ページ番号:273524

はじめに

 「南海トラフ地震」とは、近い将来発生すると予測されている、日本列島太平洋沖の広い範囲を震源とする巨大地震のことであり、震度6弱以上の強い揺れに加え、大阪市の多くの地域が津波による浸水被害を受けると想定されております。このような災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的とし、南海トラフ地震に係る防災対策として、消防計画(防火管理)、予防規程(危険物)、危害予防規程(火薬類、高圧ガス)又は防災規程(石災法)に津波対策に関する事項を定めること等の早急な対応が求められています。

南海トラフ地震に係る関係法令の概要について

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目次

1.南海トラフ地震に係る防災対策を講ずる必要のある事業所等について

 ①津波による浸水被害が想定される区域に存する事業所等で、②施設又は事業を管理し、運営する者が“津波対策に関する事項等”を消防計画、予防規程、危害予防規程又は防災規程に定める必要があります。

①大阪市内において津波による浸水被害が想定される区域

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2.消防計画・予防規程・危害予防規程又は防災規程変更の届出等について

 消防計画、予防規程、危害予防規程又は防災規程を既に作成している事業所等で、かつ今回の南海トラフ地震の津波による浸水被害が想定される区域に新たに含まれた事業所等は、津波対策として次の防災対策として定めるべき事項を追加し、変更の届出等を行う必要があります。
防災対策として定めるべき事項

① 津波からの円滑な避難の確保に関する事項

② 防災訓練並びに地震防災上必要な教育及び広報に関する事項
提出及び問合せ窓口
■消防計画(防火管理)・予防規程(危険物)⇒各消防署
■危害予防規程(火薬類)⇒大阪市消防局規制課保安担当
■危害予防規程(高圧ガス)⇒各消防署(提出先)
■危害予防規程(高圧ガス)⇒大阪市消防局規制課保安担当(問合せ窓口)
■防災規程(石災法)⇒此花消防署
提出部数
■消防計画(防火管理) 1部 
■予防規程(危険物) 2部
■危害予防規程 (火薬類、高圧ガス) 2部 
■防災規程 (石災法)  2部

3.予防規程で定める津波対策について

 南海トラフ地震対策として、予防規程において定めなければならない津波対策は次のとおりです。

予防規程において定めなければならない津波対策

 上記内容については、本市では「危険物施設の地震・津波対策に係る予防規程の策定について」(平成24年8月21日付け消防危第197号通知)により運用しています。→通知はコチラ

 予防規程に記載する場合の具体的な内容については、お近くの消防署までご相談下さい。

 ※予防規程全般の留意事項についてはこちら

4.震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱いの安全対策について

 指定数量以上の危険物の貯蔵・取扱いは、市町村長等の許可を受けて設置された製造所、貯蔵所又は取扱所以外の場所で行ってはならないことが消防法(昭和23年法律第186号)第10条第1項に定められていますが、同条第1項ただし書きにおいて、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、10日以内の期間に仮に貯蔵し、又は取り扱うことができるとされています。危険物の仮貯蔵・仮取扱いについてはこちら

 平成23年3月に発生した東日本大震災では、ガソリンスタンドが被災したことや、被災地への交通手段が寸断されたことなどから多くの危険物の仮貯蔵・仮取扱いが行われましたが、平常時とは異なる対応を余儀なくされました。

 これらの経験を踏まえて、震災時等において危険物の仮貯蔵・仮取扱いの承認を迅速に受ける必要があると想定される事業所の方は、次の安全対策を具体的に計画して、管轄する消防署と事前に協議していただきますようお願いします。

共通対策

 1 危険物の取扱場所(可燃性蒸気対策)

      危険物を取り扱う場合は、可能な限り屋外で行うこと。また、屋内で取り扱う場合にあっても、可燃性蒸気が滞留しないよう換気に注意すること。

 2 保有空地の確保

   危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号。以下「政令」という。)第16条第1項第4号の規定の例により保有空地を確保すること。ただし、危険物の貯蔵及び取扱い形態から想定される流出危険性及び火災危険性が小さい場合は、当該危険性を踏まえた空地の幅とすることができること。

 3 標識等の設置

      危険物の仮貯蔵・仮取扱いを行う場所では、見やすい箇所に標識・掲示板を立て関係者に注意喚起を行うこと。

 4 流出防止策

    流出した危険物が拡散しない形状の場所を選定するとともに、危険物の貯蔵及び取扱いに伴い大量の危険物が流出する危険性がある場合は、吸着マットの用意や簡易の防油堤を設置する等、必要な流出防止対策を講ずること。

 5 火気使用の制限

      保有空地を含め、危険物の貯蔵及び取扱いを行う場所での火気使用を禁止すること。

 6   静電気対策

  ・ ガソリン等の第4類第1石油類を取り扱う場合は、危険物容器(ドラム本体、詰め替え容器)だけでなく、給油に使用するドラムポンプ等のアースも確保し、確実に静電気を逃がすこと。また、静電誘導による帯電を防止するために、危険物の貯蔵及び取扱いを行う場所には可能な限り金属類を置かず、どうしても必要な場合には当該金属類も確実にアース又はボンディング(導体同士を電線で接続すること)を確保すること。さらに、絶縁性素材の用具は極力使用しないこと(遮光や防風にもビニール等帯電しやすい素材を用いることを避けること)。また、危険物を取り扱う作業者は静電安全靴の着用等静電気対策を行うとともに、作業服を着脱した後には必ずアースされている金属等に触れて危険物の取扱い時における人体の帯電量を小さくしておくこと。さらに、作業場所にビニールシート等を敷く場合には、導電性の確保に留意すること。

  ・ 給油、移替え等の場合、その流速を可能な限り小さく抑える(充填の初期最大流速は1m/s)とともに、高所から危険物を放出してタンク壁面等に危険物が勢いよくぶつかる状況を避け、また充填後しばらく静置すること。

  ・ 第4類第1石油類以外の危険物を貯蔵及び取扱いを行う場合であっても、可能な限り静電気対策を行うこと。

 7 消火設備の設置

   取り扱う危険物に応じた消火設備(消火器等)を用意すること。

 8 取扱い場所の管理

   危険物を取り扱う場所は明確に区分しておくとともに、作業に関係がない者の立入りを厳に禁ずること。

 9 危険物取扱者の立会い等

   危険物の取扱いに際しては、可能な限り危険物取扱者免状保有者自身が取り扱うか立ち会うこと。また、危険物の貯蔵及び取扱いの全体管理業務は、危険物取扱に関する有資格者等専門知識を有する者が行うこと。

 10 二次災害の発生防止

    余震発生、避難勧告発令時等における対応について予め定めておくこと。

 11 安全対策を講ずる上で必要な資機材等の準備

    1から10で示した安全対策を講ずる上で必要となる資機材等を、当該場所以外の場所から調達する必要がある場合は、調達先・調達手順等について予め定めておくこと。

危険物の取扱い形態に着目した特有の対策

 危険物の仮貯蔵・仮取扱いに際して共通して講ずべき対策(共通対策)に加え、危険物の取扱い形態に着目した特有の対策は次のとおりです。

 1 ドラム缶等による燃料の貯蔵及び取扱い

   屋内においてドラム缶等による燃料の貯蔵を行う場合は、当該場所の通風及び換気を確保すること。

   また、ガソリン等の第4類第1石油類を、夏場の気温の上昇や直射日光等によりドラム缶等の温度上昇のおそれがある場所で貯蔵し、又は取り扱うことは、当該危険物の温度上昇及び圧力上昇により火災、流出事故の危険性が高まるため、厳に慎む必要があること。

   ドラム缶等からの給油、小分けについては、可燃性蒸気の滞留防止の観点から、可能なかぎり屋外で行うこと。また、屋内で行う場合であっても壁2面以上が開放された場所で行うなど、通風及び換気の確保された場所で行うこと。特にガソリン等の第4類第1石油類の給油又は小分けに際しては、ドラム缶等の蓋を開ける前に周囲の安全や火気使用制限の確認を徹底すること。

   燃料の小分け等の危険物の取扱いを行う場所は、ドラム缶等が集積されている貯蔵場所から離れた別の場所に確保するとともに、取扱い場所の危険物量は可能な限り少なくすること。

   なお、ドラム缶等から自動車にガソリンを給油する場合、ガソリンが満タンになった場合に自動的に停止する機能がなく、さらに給油中にガソリンの液面の位置を把握することが困難であることから、過剰給油によりガソリンが給油口から溢れだしてしまう危険性があることに留意し、細心の注意を払って給油するとともに、静電気対策を含めた出火防止対策を十分に行うこと。

 2 危険物を収納する設備等からの危険物の抜取り

   変圧器等の危険物を収納する設備について、点検又は修理するために危険物を抜き取る場合は、大量の危険物が流出する危険性があることから、仮設防油堤の設置、漏えい防止シートの敷設等の流出防止対策を講じるとともに、配管の結合部からの流出防止対策として必要に応じてオイルパンを設置することが必要であること。

   また、危険物の流出量を小さくするために、1ヶ所の取扱い場所で複数の設備からの抜き出しを同時に行うことを避けること。

 3 移動タンク貯蔵所等からの給油、注油等

   移動タンク貯蔵所から直接給油又は容器への詰め替え(政令第27条第6項第4号イ及びロで認められている取扱いを除く。)を行う場合には、原則としてガソリン以外の危険物とするとともに、特に周囲の安全確保及び流出対策として次の事項に留意すること。

  ・ 危険物を取り扱う場所を明確に定め、空地の確保や標識の設置等を行うとともに、給油や詰め替えに関係ない者の立ち入りを厳に禁ずること。

  ・ 吸着マット等危険物の流出時の応急資機材を準備しておくこと。

  ・ 移動タンク貯蔵所から移動タンク貯蔵所への注入を行う場合は、注入口と注入ホースを緊結すること。ただし、注入される側のタンク容量が1,000リットル未満で、引火点が40度以上の危険物に限り、注入ホースの先端部に手動開閉装置を備えた注入ノズル(手動開閉装置を開放の状態で固定する装置を備えたものを除く。)により注入を行うことができる。

  ・ ホース等に残った危険物の処理は適切に行うこと。

  ・ 移動タンク貯蔵所から直接給油する形態では吹きこぼしが発生するおそれがあるので、吹きこぼし防止に細心の注意を払って給油すること。

   なお、船舶から移動タンク貯蔵所や陸上の施設等に燃料を供給する場合もこれに準ずるが、船を確実に係留するとともに津波警報発令時の対応についても予め決めておくことが必要であること。

   また、震災等により広範囲に渡って給油取扱所の再開の見込みが立たず、応急対応や被災地での生活を営む上で、移動タンク貯蔵所から直接ガソリンを給油する必要に迫られている場合においても、ガソリンは引火点が-40度以下と非常に低く、静電気等の火花でも容易に着火する危険性があることや、可燃性蒸気が空気より重く広範囲に拡大して滞留するおそれがある(200リットルの流出事故で最大30mの範囲まで可燃性蒸気密度が高くなる可能性がある)こと等、二次災害の発生防止が極めて重要であることから、次に掲げる危険性について十分な安全対策を実施し、それぞれに適切な対応が必要であること。

  ・ 給油時のもれ・あふれ等による流出事故の発生危険性(給油取扱所の給油設備には、自動車タンク満量時の自動停止機能や安全に給油できる最大吐出量の設定等により、給油時のもれ・あふれ等を防止している。)

  ・ 流出事故が発生した場合の火災発生危険性(給油取扱所では、万が一ガソリンが流出した場合においても、流出したガソリンや可燃性蒸気が滞留せず、かつ、漏れたガソリンを敷地外に流出させないための傾斜や排水溝、貯留設備があり、給油空地外に被害が拡大することを防止している。)

  ・ 火災が発生した場合の人的被害発生危険性(給油取扱所では給油に関係のない者の立ち入りが管理されている。さらに、震災時においては、給油場所での給油希望者の行列などによる多数の利用者の集中が考えられる。)

  ・ 火災が発生した場合の周囲への延焼拡大危険性(給油取扱所では防火塀等の措置が講じられている。さらに、震災時においては、周辺建物の損壊等による延焼拡大危険性の増大が考えられる。)

5.危険物施設における臨時的な危険物の貯蔵及び取扱いを行う場合の留意事項について

 震災時等に危険物施設において臨時的な危険物の貯蔵及び取扱いを行う場合は、次の事項に留意して下さい。

危険物の仮貯蔵・仮取扱いの承認を必要としない臨時的な危険物の貯蔵及び取扱い

 震災時等に危険物施設において臨時的な危険物の貯蔵及び取扱いを行う場合は、設備等が故障した場合に備えて予め準備された代替機器の使用や停電時における非常用電源や手動機器の活用等、必ずしも消防法第10条第1項ただし書きの規定に基づく危険物の仮貯蔵・仮取扱いの承認を必要としないものもあります。この場合、当該臨時的な危険物の貯蔵及び取扱いについて、次に掲げる事前の対応が必要です。

 ただし、危険物施設の許可外危険物の貯蔵及び取扱い、利用方法が全く異なる設備等の利用等は、危険物の仮貯蔵・仮取扱いの承認又は法令による変更許可が必要になりますので留意して下さい。

事前の対応

 予め想定される震災時等における臨時的な危険物の貯蔵及び取扱いについて、具体的にその内容を計画し、許可内容との整合を図っておくことが必要です。

 1 許可内容への内包

   代替手段として用いる設備等についても、消防法第11条第1項により許可する内容に含めておくこと。

 2 予防規程への記載等

   発災時の緊急対応や施設の応急点検、臨時的な危険物の貯蔵及び取扱いの手順等を定めておき、予防規程及びそれに基づくマニュアル等に位置付けておくこと。

   また、定期的に従業員に対して当該対応の教育を行い、訓練等を行っておくこと。

 3 緊急時対応用資機材の用意

   その他、必要に応じて緊急用可搬式ポンプ、非常用発電機等の緊急時対応用の資機材を予め用意すること。

発災後の対応

 1 緊急対応

   発災直後は、予防規程等に基づき施設の緊急停止や従業員の安全確保に努めること。

 2 施設の緊急点検

   施設の応急点検を行って被害状況を確認し、想定していた臨時的な危険物の貯蔵及び取扱いが行える状況であるか否かを判断すること。

 3 異常時の対応

   臨時的な危険物の貯蔵及び取扱いの際、流出や火災等が発生した場合は、速やかに危険物の貯蔵及び取扱いを中止して、必要な対応を行うとともに消防機関に通報すること。

 4 臨時的な危険物の貯蔵・取扱いの停止

   臨時的な危険物の貯蔵及び取扱いの必要がなくなった場合は、速やかに危険物の当該貯蔵及び取扱いを停止し、必要に応じて平常時の危険物の貯蔵及び取扱いに移行すること。

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このページの作成者・問合せ先

〒550-8566 大阪市西区九条南1丁目12番54号(3階)
大阪市消防局 予防部 ファックス: 06-4393-4580
■消防計画に関する問合せ⇒【自主防災管理担当】電話:06-4393-6330
■予防規程に関する問合せ⇒【危険物担当】 電話:06-4393-6252
■危害予防規程に関する問合せ⇒【保安担当】 電話:06-4393-6266

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