住吉区の都市景観資源(わがまちナイススポット)
2023年11月1日
ページ番号:162573

住吉区の都市景観資源(わがまちナイススポット)について
宗教法人住吉大社 | 吾彦山大聖観音寺(通称あびこ観音) | 木下家住宅 | 浅沢神社 | 極楽寺 |
真宗大谷派西光寺 | 苅田の大楠 | 止止呂支比売命神社 | 大阪市立大学(杉本キャンパス) | 蔵のある住宅 |
大歳社 | 住吉子安地藏寺(すみよしのこやっさん) | 上田家住宅 | 熊野街道(HOPEゾーン内) | 天王山東福寺 |
池田家住宅 | 生根神社 | 蔵のある屋敷町 | 高谷家住宅 | WILL帝塚山 |
帝塚山古墳 | 帝塚山スタジオ(市川家住宅) | 荘厳浄土寺 | 神須牟地神社 | 保利神社 |
大依羅神社 | 閻魔地蔵尊 | 万代池公園 | 路面電車の走る住吉 |
平成15年度登録の都市景観資源(旧・指定景観形成物)

宗教法人住吉大社(しゅうきょうほうじんすみよしたいしゃ)
登録年月日
所在地
概要
講評
住吉大社はその杜と共に、上町台地南端の崖と浜の出会うポイントに位置し、大阪のまちの景観に強い影響を与えてきた。文学や和歌・句に詠われ、人々の心の中にイメージされる景観としての価値も高い。「美しい日本の国土を後世に残すこと」を景観のめざすところと考えると、難波宮造営の頃より現在地にあり、市内唯一の国宝建造物の社殿を中心として緑豊かな杜を持つ住吉大社は、大阪を代表する景観物といえる。 [大阪市都市景観委員 岩井珠惠]
平成24年3月30日登録の都市景観資源

吾彦山大聖観音寺(通称あびこ観音)(あびこさんたいしょうかんのんじ[つうしょうあびこかんのん)]
所在地
住吉区我孫子4丁目1番20号
概要
正式には「吾彦山」、寺号を「大聖観音寺」と称し、日本最古の観音信仰道場・厄除けの寺として有名。昔、この地に住んでいた依羅吾彦(よさみのあびこ)という勢力のある一族が、百済の聖明王から身の丈約5cmの小さな観音像を贈られた。人々は御堂を建てて信心したが、今から約1400年前、聖徳太子がこの地を訪ねられた際、観世音菩薩のお告げを受け、当寺を創建されたと伝えられている。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
厄除けの寺として、地域住民によく知られた歴史のある寺である。樹齢700年のひときわ大きな楠がまちのシンボル的な景観となっている。門構え、瓦や白壁の風景に格式と広がりがあり、五色の旗も印象的である。
木下家住宅(きのしたけじゅうたく)
所在地
住吉区上住吉1丁目8番28号
概要
「住吉街道」沿いに建つ大壁造りの漆喰壁の町家建築で、二階部分に虫籠窓が見られる。虫籠窓は角材に荒縄を巻いて土で塗り込んだもの。虫籠窓にはさまざまな説があり、防火目的と心理的な効果が狙いといわれている。また、二階造りの表を美しくみせるために生み出されたとも言われている。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
住吉街道沿いの古民家であり、往時を偲ぶ建物として貴重である。保存状態もたいへん良い。間口が長い江戸末期の日本家屋であり、黄味がかった漆喰壁に虫籠窓が特徴的である。
浅沢神社(あさざわじんじゃ)
所在地
住吉区上住吉2丁目11番21号
概要
住吉といえば「初辰まいり(はったつまいり」が有名だが、初辰とは、毎月最初の辰の日のこと。この日に参拝すれば、より一層力を与えて守り助けてくれると信仰されている。商売発達のために遠方から訪れる人も多い。種貸社(たねかししゃ)、楠珺社(なんくんしゃ)、浅沢神社、大歳社(おおとししゃ)の四社をそれぞれにお参りするのが慣わしとなっている。古くからこの付近は池沼も多く、かきつばたの名所として万葉集にも詠まれた。平成9年(1997年)には、往時を偲ばせる「かきつばた園」が復活した。また、現存する柳は、古木ながら枝振りが隆盛で見る者にとってエネルギーを与え続けているかのように、たくましさを感じる。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
極楽寺(ごくらくじ)
所在地
住吉区遠里小野5丁目11番2号
概要
榎津寺(えなつでら)の極楽院が、この寺の前身とされているが創建は不明で、本尊の毘沙門天は信貴山の毘沙門天と同じ材といわれる。楠木正成の両親が本尊に子宝を祈願し正成が誕生し、そのお礼に正成が寄進したとされる、石灯籠(重要文化財)が境内に、また正成お手植えといわれる楠もある。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
毘沙門天をまつる堂は、簡素な建築であるが、地域の人々の篤い信仰によりきっちりと維持されているという印象を受ける。毘沙門天像が重要文化財であり、こぢんまりとした境内に、謂われのある燈籠、楠などがあり、歴史的な雰囲気を持つ。
真宗大谷派西光寺(しんしゅうおおたにはさいこうじ)
所在地
住吉区苅田6丁目10番5号
概要
真宗東本願寺派の末寺で、的場山と号す。阿弥陀仏を本尊とする。的場才門太郎というものが、正安年間(1299-1301)浄土真宗に帰依し本寺を草創したと伝えられる。弘冶年間(1555-1557)にいたって西光寺という寺号を称した。当時の住職浄円が中興の祖とされている。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
苅田の大楠(かりたのおおくす)
所在地
住吉区苅田6丁目10番12号
概要
苅田の鎮守様は、草津大歳神社といい、現在の苅田福祉会館のある場所に鎮座していた。大阪市の保存樹に指定されている「苅田の大楠」はご神木。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
止止呂支比売命神社(とどろきひめのみことじんじゃ)
所在地
住吉区沢之町1丁目10番4号
概要
祭神は素戔鳴命(すさのおのみこと)・稲田姫命(いなだひめのみこと)。創建年代は不明だが神功皇后の創建とも伝えられている。若松神社は地元の愛称で、承久3年(1221年)後鳥羽上皇が行幸、造られた行宮を若松御所と名付けたことに由来。かつては住吉大社の摂社であったが、明治5年(1872年)分離し村社となる。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
あべの筋に面する広大な境内地は存在感があり、地域に貴重なオープンスペースを提供している。非常に魅力的な神社で、古くから現在まで地域の中心として親しまれてきたことが感じられる。地域のランドマークとしても、緑の景観としても、そして管理の状況もとても優れている。
大阪市立大学(杉本キャンパス)(おおさかしりつだいがく[すぎもとキャンパス])
所在地
住吉区杉本3丁目3番138号
概要
大阪市の南部、大和川を臨む地にある杉本キャンパスは緑豊かな清々しい環境が魅力の1つとなっている。杉本キャンパスのシンボル的存在である1号館(昭和9年(1934年)竣工)は国の登録有形文化財に登録されている。敷地中央にある「学術情報総合センター」は世界的に貴重な書物も含め約250万冊の蔵書を有し、教育・研究のための快適な環境を整えている。また、図書市民利用制度を設けており市民も利用できる。他にも八角形の大会議場・展示室等を連なる田中記念館、再生ガラスと透明ガラスを組み合わせた外壁と樹木が融合する高原記念館などがある。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
市内唯一の総合大学のキャンパス。登録有形文化財であるアールデコ風のデザインの1号館とその前面の整形式庭園広場は、シンメトリーに設計されており、シンプルではあるが大学の顔らしいシンボル性を有している。
蔵のある住宅(くらのあるじゅうたく)
所在地
住吉区墨江1丁目5番14号
概要
大歳神社から国道479号線に向かうとすぐ左手に見られ、白壁と板壁の珍しい造りをしている。白壁と板壁の蔵、カイヅカイブキの古木、和風とモダンの住宅が美しく調和している。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
白壁よりも板壁の部分が多い珍しいデザインであり、保存状態も良い。同じ敷地内にある居宅も、和洋折衷の面白い建築である。歴史の変遷の名残をとどめた景観である。
大歳社(おおとししゃ)
所在地
住吉区墨江1丁目5番
概要
住吉大社の境外末社で、祭神は大歳神 (おおとしのかみ) 。収穫の神であるところから、集金・商売繁盛・家内安全・願望成就に神徳があり、毎月最初の辰の日に参る「初辰まいり」では、種貸社、楠珺社、浅沢神社と参り、ここで集金・収穫に感謝してしめくくる。拝殿右横の石柱の上にある丸い石を「おもかる石」と呼んでいる。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
商売繁盛の御利益のある神社として、また、「初辰まいり」の最後の神社として親しまれており、気楽に訪れることができる名所となっている。拝殿横の石柱の上にある「おもかる石」についての言い伝えも興味深い。
住吉子安地藏寺(すみよしのこやっさん)(すみよしこやすじぞうじ[すみよしのこやっさん])
所在地
住吉区墨江1丁目6番7号
概要
地蔵寺は承応3年(1654年)に僧承圓(しょうえん)が建立したという天台宗の寺院である。本尊の地蔵菩薩は、伝教大師作と伝えられ、地元では子安さんと親しまれている。平安時代の木造地蔵菩薩立像の優品で、大阪市指定有形文化財に指定されている。門前に百度石、門内に五大力尊像がある。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
それほど目立つ寺院ではないが、気楽に入ることができる歴史的名所であり、まち歩きのポイントにもなっている。本尊の地蔵菩薩は、地元では子安さんと親しまれており、大阪市の指定有形文化財に指定されている。
上田家住宅(うえだけじゅうたく)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
HOPEゾーン事業により、瓦葺き屋根、出格子などの伝統的な町家の形態を保ちつつ修復された町家である。保存状態がきわめて良く、明治時代の町家建築を今に伝える建物として、たいへんに貴重である。
熊野街道(HOPEゾーン内)(くまのかいどう[ほーぷぞーんない])
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
古街道の面影をよく残しており、歩いてみたくなる場所である。熊野街道と住吉街道が交差する付近では、HOPEゾーン事業により修景された建物も望見できる。
天王山東福寺(てんのうざんとうふくじ)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
寺院でありながら鳥居があり、その鳥居には「毘沙門天」の額がかかっている。神仏習合の歴史が一目でわかるような、面白い寺院である。方形の本堂をはじめとして、管理がよく行き届いている。
池田家住宅(いけだけじゅうたく)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
住吉街道と熊野街道の交差点という、歴史的に重要なポイントに立地していることに加えて、屋根の上に灯籠が置かれているなど、目をひく建物である。建物の保存状態も良く、景観資源にふさわしいものである。
生根神社(いくねじんじゃ)
所在地
概要
創立は不詳であるが延喜式神名帳(927年)に記載されている。桧皮葺・壱間社流(いっけんしゃながれ)造りの建物で、正面千鳥破風や扉の装飾などに、桃山時代の華麗な様式を残す。江戸時代は住吉大社の摂社であった。生根神社本殿は大阪府有形文化財に指定されている。また、境内のクスノキ、モチノキ、エノキ、ムクノキは大阪市保存樹林に指定されている。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
拝殿の大きさに比べて本殿の規模がかなり大きい、珍しい神社建築である。また、安土桃山時代の本殿が華麗である。目立たない場所に立地しているが、静かな境内と美しい本殿・拝殿は、重要な都市景観資源である。
蔵のある屋敷町(くらのあるやしきまち)
所在地
概要
帝塚山地区には屋敷町があり、近年の建物が建ち並ぶ中で和の懐かしい文化を今に伝える家が残っている。帝塚山の住宅開発の100年とともにある蔵。よく手入れされた屋敷に屹立する白壁の蔵がとても美しい。
講評〔大阪市都市景観委員会〕
土蔵を併設した和風建築の邸宅は、お屋敷町としての帝塚山の歴史を伝えるものであり、景観的価値は高い。多くの住宅が建て替え、洋風化とともに姿を消しつつあるが、蔵のある景観は歴史の厚みを感じさせる。
高谷家住宅(たかたにけじゅうたく)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
銅板切り妻の屋根の上に風見鶏をのせたつくりは、大正期のモダン建築の典型的な事例として貴重であり、帝塚山という地域の歴史を感じさせるものである。関東大震災直後の建築のため(1924年)、耐震性にも気を使われたようである。
WILL帝塚山(うぃるてづかやま)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
マンションの建設に際して、以前からあった土蔵や庭石を生かしている。マンション住民は土蔵の外観や庭石を眺めて心を和ませることができる。周辺住民も土蔵を改造したギャラリーに、地域の歴史を感じることができる。
帝塚山古墳(てづかやまこふん)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
大阪市内にある古墳はたいへん珍しく、「帝塚山」という地名のそもそものルーツとしても重要である。古墳内に立ち入ることができないのが残念であるが、まち歩きのスポットとしての価値は高い。
帝塚山スタジオ(市川家住宅)(てづかやますたじお[いちかわけじゅうたく])
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
和風住宅の2階にスペイン風洋館が載る和洋折衷の家屋と、フラメンコの練習場として利用されている土蔵とが、程よくマッチしてよい雰囲気を醸し出している。帝塚山地域の文化を感じさせる建築物である。
荘厳浄土寺(しょうごんじょうどじ)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
住吉三寺のうち唯一現存する寺院として歴史的価値は高い。住吉街道に面していることから、まち歩きのスポットとしての立地もよい。住吉四天王寺とも称せられた寺であるが、中世の戦乱によりかつての巨大な本堂は消失している。
神須牟地神社(かみすむちじんじゃ)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
境内地は、参道が2方向からアプローチしているなど、地域に対して開放的であり視認性が高い。また、唐破風の本殿も存在感がある。毎年、定期的に祭りが開催され、古くからの住宅街の中で地域と密着して現在も親しまれている。
保利神社(ほりじんじゃ)
所在地
概要
神社創建の年代は不詳である。里伝によれば、足利時代に周防守(すおうのかみ)某なるものが本地に城を築いたとき、城の守護神として勧請されたといわれている。祭神は素盞嗚尊(すさのおのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)。境内に6基の力石がある。これは、力試し、力競べをするために使われた石で、村のあちこちに置かれていた力石が神社に集められて奉納されたもの。
また、境内には、クスノキ、エノキ、ムクノキ、ウバメガシの古木があり、大阪市の保存樹林に指定されている。講評〔大阪市都市景観委員会〕
境内地には公園が併設しており、大阪市の保存樹林により構成されることで、稠密な市街地の中の緑空間であり、貴重なオープンスペースとなっている。古木が多く、社殿を含め歴史的な景観を有している。
大依羅神社(おおよさみじんじゃ)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
式内社であり由緒ある神社である。大きな神木、祠、社殿などがまとまって歴史的な景観の風格を維持しており、建物は造形も美しく管理も十分に行われている。
万代池公園(まんだいいけこうえん)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
住民の憩いの場としても、都市の緑地としても、重要な公共施設である。また、聖徳太子伝説もあり歴史性も備わっている。昭和15年に公園として開園したが、池自体の歴史は古く、上町台地の浸食谷をせき止めて造られたようである。池周囲には大きなサクラ並木がある。
閻魔地蔵尊(えんまじぞうそん)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
閻魔の顔をした地蔵は珍しい。学校帰りの小学生が立ち寄るなど、地域に暮らす人々にとっては、親しみのある場所となっているようである。六道の辻と言われるが、今は七道の辻となっている。
路面電車の走る住吉(ろめんでんしゃのはしるすみよし)
所在地
概要
講評〔大阪市都市景観委員会〕
いつの時代でも変わらず市民の足となり親しまれている路面電車の走る風景は、周辺の景観に溶け込むとともに、住吉を代表する景観資源であると評価できる。
ダウンロードファイル
住吉区の都市景観資源紹介(その1)(PDF形式, 921.71KB)
住吉区の都市景観資源紹介(その2)(PDF形式, 866.00KB)
住吉区の都市景観資源紹介(その3)(PDF形式, 704.51KB)
Adobe Acrobat Reader DCのダウンロード(無償)
- PDFファイルを閲覧できない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Acrobat Reader DC をダウンロード(無償)してください。
探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先
計画調整局 計画部 都市計画課(都市景観)
電話: 06-6208-7887 ファックス: 06-6231-3751
住所: 〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所7階)