修景事例紹介 「天満屋ビル」
2024年9月27日
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建物本来の魅力の回復と築港の歴史の継承につながる修景

•建物名称:天満屋(てんまや)ビル
•所在地:港区海岸通
•建築年:昭和10(1935)年
•構造:鉄筋コンクリート造
•階数:3階建て(一部地下)
•建物評価等:大阪市都市景観資源
•修景実施年度:令和2(2020)年度
かつて築港は大阪の海の玄関口として港湾事業で大いに栄えたが、その歴史を今に伝える近代建築としては、旧住友倉庫(1923)や旧商船三井築港ビル(1933)、そしてこの天満屋ビル(旧天満屋回漕店、1935)などわずかしか残っておらず、特に天満屋ビルと旧商船三井築港ビルが並び建つ風景は、築港の景観要素として極めて重要な存在といえる。またかつての大桟橋(現・中央突堤)から街中へと接続する築港大道路(現・みなと通)に面して建つその立地は、築港の歴史を今に伝えるランドマークに相応しいといえる。
また地盤の低い港区は、戦後の復興事業として水害対策のために地域全体が2mほど嵩上げされ、3階建であった天満屋ビルは1階が土に埋まって2階建のようになったが、今も元の地盤面がドライエリアのような形で残存しており、戦後の大阪の歴史的遺構としても貴重な存在といえる。
(大阪市地域魅力創出建築物修景事業 専門家相談員 髙岡 伸一)
主な修景の内容
外壁の洗い、窓枠の塗替え
上:修景前
下:工事中(注)
修景後
- 経年の汚れが見られた外壁は、全体的に洗いがかけられました。
- 窓枠は、塗装が剥離していた部分を取り除き、既存類似色に調色して塗替えられました。
(注)写真提供:株式会社西村工務店
タイルの貼替え
上:修景前
下:工事中
修景後
- 浮きやひび割れがあったタイルの補修・貼替えが行われました。
- 庇の曲面部分で、スクラッチタイル風に仕上げられていたモルタルは、スクラッチタイルで復元されました。
- 貼替え・復元には、オリジナルに合わせて製作したタイルが使用されています。
柵の取替え
修景前
修景後
- 建物全体の意匠と調和していなかった柵は、シンプルなデザインの柵へ取替えられました。
室外機・配管の整理
修景前
修景後
- 外観の魅力を損ねていた空調室外機・配管は、できるだけ道路から遠いところに配置し直されました。
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