有機フッ素化合物(PFOS、PFOAなど)について
2025年1月14日
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有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)は、環境中で分解されにくく、長期的に環境に残留しやすいため、国内外において製造、使用等が制限されています。

新着情報

有機フッ素化合物(PFAS、PFOS、PFOAなど)とは
有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び、1万種類以上の物質があるとされています。PFASには炭素鎖の長さが異なる複数の同族体が存在し、その物性は炭素鎖の長さで大きく異なりますが、中には撥水・撥油性、熱・化学的安定性等の物性を示すものがあり、そのような物質は撥水・撥油剤、界面活性剤、半導体用反射防止剤等の幅広い用途で使用されています。
PFASの中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、幅広い用途で使用されてきました。具体的には、PFOSについては、半導体用反射防止剤・レジスト、金属メッキ処理剤、泡消火薬剤などに、PFOAについては、フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤などに主に使われてきました。
PFOS、PFOAには、難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質があるため、現時点では北極圏なども含め世界中に広く残留しています。そして、仮に環境への排出が継続する場合には、分解が遅いために地球規模で環境中にさらに蓄積されていきます。環境や食物連鎖を通じて人の健康や動植物の生息・生育に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

PFOS及びPFOAの人の健康への影響について
PFOS、PFOAは、動物実験では、肝臓の機能や仔動物の体重減少等に影響を及ぼすことが指摘されています。また、人においてはコレステロール値の上昇、発がん、免疫系等との関連が報告されています。しかし、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについては十分な知見はありません。そのため、現在も国際的に様々な知見に基づく基準値等の検討が進められています。また、国内において、PFOS、PFOAの摂取が主たる要因と見られる個人の健康被害が発生したという事例は確認されておりませんが、環境省は内閣府食品安全委員会が行った食品健康影響評価の結果等を踏まえ、最新の科学的知見に基づき、暫定目標値の取扱いについて、専門家による検討を進めています。

PFOS及びPFOAに係る規制の状況について
予防的な取組方法の考え方に立ち、国際的な条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約))に基づき、PFOSは2009年に、PFOAは2019年に廃絶等の対象とすることが決められています。当該条約を締結する我が国でも、国内担保措置として「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に基づき製造・輸入等を原則禁止しています(PFOSは2010年、PFOAは2021年)。
なお、消防機関のほか、石油コンビナート、基地、空港などの施設の消火装置で使用される泡消火薬剤で、国内法令で規制される前に製造されたものにはPFOS、PFOAを含有するものがありますが、これらについては、国が定めた基準に従って、漏れることのないよう保管し、万が一漏れた場合には回収する等、厳格な管理が義務付けられています。
厚生労働省では、水道水について、2020年にPFOS、PFOAを水質管理目標設定項目に位置付け、当時の科学的知見に基づき安全側に立った考え方を基に、PFOSとPFOAの合算値で50 ng/L以下とする暫定目標値を定めており、飲料水中のPFOS、PFOAが暫定目標値を超えることがないように水道事業者等による管理をお願いしています。環境省においても同様に、公共用水域や地下水における暫定目標値としてPFOSとPFOAの合算値で50 ng/Lと定めています。
しかし、「PFOSとPFOAの人への影響」のとおり、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについてはいまだ確定的な知見はなく、現在も国際的に様々な知見に基づく検討が進められています。環境省は内閣府食品安全委員会が行った食品健康影響評価の結果等を踏まえ、最新の科学的知見に基づき、暫定目標値の取扱いについて、専門家による検討を進めています。

PFOS及びPFOAに係る基準について

環境中の基準
PFOS及びPFOAは、令和2年5月に、水質汚濁に係る要監視項目(注1)に指定され、河川や地下水などにおける暫定的な目標値(指針値)として、PFOS及びPFOAの合算値で1リットルあたり50ナノグラム(注2)以下とされました。
(注1)要監視項目: 「人の健康の保護に関連する物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等からみて、直ちに環境基準とはせず、引き続き知見の集積に努めるべきもの」として、平成5年3月に設定したものです。現在、公共用水域では27項目、地下水では25項目が設定されています。(出典:環境省ホームページ「要監視項目」)
(注2)ナノグラム:10億分の1グラムを示す単位

飲用水の基準
飲用水につきましては、令和2年3月に水質管理目標設定項目に位置付けられており、暫定的な目標値は、PFOS及びPFOAの合算値で1リットルあたり50ナノグラム以下となっています。

食品における基準
現在、土壌や食物(米、野菜等)に関する指針値等はありません。

排水にかかる基準
現在、事業所からの排水に関する指針値等はありません。

大阪市の水道水について
大阪市の水道水については、水道局が定期的に調査を実施しており、各浄水場における水道水の有機フッ素化合物の濃度は、国が定める暫定的な目標値を大きく下回っていることから、水道水の安全性は確保されております。
(参考)大阪市の水道水における有機フッ素化合物(PFAS)の検出状況について(水道局)

大阪市におけるPFOS及びPFOAの環境モニタリング調査について
大阪市内の河川水に含まれるPFOS及びPFOAについては、水質汚濁防止法第16条に基づき大阪府が策定した「水質測定計画」(大阪府ホームページ)に沿って調査を実施しております。
令和2年度に環境省が実施した「有機フッ素化合物全国存在状況把握調査(環境省ホームページ)」において、大阪市内の地下水から、暫定的な目標値を超過した有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)が検出されたことを受け、令和3年度から各区1か所以上における地下水の実態を把握してきました。
大阪市におけるPFOS及びPFOAの調査結果
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なお、大阪府では摂津市内の河川(水路)及び地下水のPFOS及びPFOAについて、継続的に調査を実施しています。
暫定的な目標値を超過した井戸及びその周辺において、地下水が飲用に供されていないことから、人への健康被害のおそれはありませんが、地下水(井戸水)を利用されている方は、飲用には水道水(水道局)を利用するようお願いいたします。
周知チラシ「地下水(井戸水)は飲まないでください」
周知チラシ「地下水(井戸水)は飲まないでください」(PDF形式, 356.65KB)
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PFOS等含有消火剤の使用に伴いPFOS等が公共用水域へ排出された際は情報提供をお願いしております。

国における状況
環境省においては、自治体と連携して継続性の観点と網羅性の観点から各種環境モニタリング調査を実施しています。
継続性の観点からは、化学物質環境実態調査により2009年以降、同一の測定点において水質(河川等の公共用水域)、底質、生物及び大気中のPFOS、PFOAの環境中の濃度を測定しています。測定結果の経年動向を分析したところ、水質、底質及び大気については、経年的な濃度の減少傾向が統計的に有意であること、また、生物については、おおむね検出率が経年的に減少していることが統計的に有意と判定され、一般環境中におけるPFOS、PFOA濃度の減少傾向が示唆されています。
網羅性の観点からは、水質(公共用水域、地下水)について、2019年度及び2020年度に環境省として全国的な存在状況を把握するため、有機フッ素化合物の排出源となり得る施設の周辺を対象とした調査を行いました。さらに、2020年に要監視項目に指定し、各自治体が地域の実情に応じてモニタリングを実施することで測定地点の拡大を図っています。これらの2019年度から2022年度までの水質測定地点延べ2,735地点(2019年度:171地点、2020年度:173地点、2021年度:1,133地点、2022年度:1,258地点)のうち、暫定目標値を超過した地点数は、延べ250地点であり、主に都市部及びその近郊で超過が確認される傾向が見られました。なお、暫定目標値の超過が確認された地点については、超過した水が飲用に供されないよう、都道府県等において必要に応じ、当該井戸の所有者等に対して指導・助言等を行うなど「PFOS及びPFOAの対応の手引き」(環境省ホームページ)に基づき対応されています。
国において、PFOS及びPFOAに関する専門家会議が設置され、水質の目標値等の設定や食品の摂取による人の健康への影響に関する検討が行われています。
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大阪市 環境局環境管理部環境管理課水環境保全グループ
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビルO’s棟南館5階
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ファックス:06-6615-7949