外来生物について
2025年3月4日
ページ番号:637001

外来生物法について

目的
「特定外来生物」による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止することを目的としています。そのために、問題を引き起こす海外起源の外来生物を「特定外来生物」として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取扱いを規制等行うこととしています。

特定外来生物について
人間の活動等によって、もともと生息していなかった地域に持ち込まれた生物を「外来種」と言います。このうち、外来生物法では、海外起源の外来種を「外来生物」と定めています。特に、生態系、人の生命若しくは身体又は農林水産業に被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるものを「特定外来生物」としており、令和6年7月1日現在162種類が指定されています。

規制について
特定外来生物に指定されたものについては、以下のこと等が原則禁止されます。
1.飼育、栽培、保管及び運搬すること
2.輸入すること
3.野外へ放つ、植える及び種をまくこと
4.許可を受けて飼養等する者が、飼養等する許可を持っていない者に対して譲渡し、引渡しなどをすること
5.販売すること

出典:環境省ホームページ

罰則について
特定外来生物は、たとえば野外に放たれて定着してしまった場合、人の生命・身体、農林水産業、生態系にとても大きな影響を与える可能性があるため、行為の内容によっては厳しい罰則が課せられます。
【最高】
個人の場合懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金/法人の場合1億円以下の罰金
※詳しくは環境省ホームページ「日本の外来種対策(罰則について)」をご覧ください。

大阪市内で確認された特定外来生物等について
大阪市内で確認されている生き物のうち、特定外来生物に指定されているものは、25種類となります。

人への危害の可能性のある特定外来生物
人への危害の可能性のある特定外来生物の疑いがあるものは、触らない、刺激しない、安全を確保する等、ご注意ください。特に、「要緊急対処特定外来生物(注)」であるヒアリやアカカミアリについては、下記をご覧ください。
(注)特定外来生物のうち、まん延した場合には著しく重大な生態系等に係る被害が生じ、国民生活の安定に著しい支障を及ぼすおそれがあるため、当該特定外来生物又はその疑いのある生物を発見した場合に、検査、防除などの拡散を防止するための措置を緊急に行う必要がある生物。

ヒアリ(写真提供:環境省)

アカカミアリ(写真提供:環境省)
分類・名称 | 説明 |
---|---|
爬虫類 カミツキガメ | 陸上にいるときは在来のカメと異なり非常に攻撃的で首を長く伸ばし、俊敏に動き噛みつくなどし、人にも危害が及ぶ恐れがあります。また、在来のカメと競合し、地域の生物多様性を脅かします。 |
昆虫類 アルゼンチンアリ | 日本に輸入される資材などに付着し国内に侵入したと考えられています。繁殖力が強く、日本に昔からいた在来のアリを駆逐してしまうなど、生態系への影響が生じています。 |
昆虫類 アカカミアリ 【要緊急対処特定外来生物】 | 刺されると、アルカロイド系の毒によって非常に激しい痛みを覚え、水泡状に腫れ、毒に対するアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こす場合があります。 |
昆虫類 ヒアリ 【要緊急対処特定外来生物】 | 船や飛行機に積まれたコンテナや貨物にまぎれこんで海外からやってきたと言われています。 毒針で刺されると、やけどのような激しい痛みを感じます。定着してしまうと暮らしや産業にも大きな影響を与えます。 |
クモ類 ハイイロゴケグモ | 国内では、貨物やコンテナ、建築資材、自動車等に営巣したものが運ばれた結果、生息域が広範囲に拡大したと考えられています。メスには毒があります。 |
クモ類 セアカゴケグモ | 国内では、貨物やコンテナ、建築資材、自動車等に営巣したものが運ばれた結果、生息域が広範囲に拡大したと考えられています。メスには毒があります。 |
※詳細は侵入生物データベース(国立環境研究所ウェブサイト)をご覧ください。

その他の特定外来生物
クビアカツヤカミキリは、大阪市内では平成30年に初めて確認されています。幼虫がサクラなどの幹を食べるため、木を弱らせて枯らしてしまいます。繁殖力が高く、放っておくと大量に増えてしまうため、見つけた際は、踏みつけるなど、その場で駆除をお願いします。
クビアカツヤカミキリ
〔写真提供(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所]
分類・名称 | 説明 |
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ほ乳類 アライグマ | 日本にはペットなどとして輸入されましたが、捨てられたり逃げ出したりした個体が野生化しました。見た目に反し、どう猛で近づくと噛みついたりすることがありますので、目撃した際は近寄らないようにご注意ください。 |
ほ乳類 タイワンリス | ペットや動物園等での飼育個体が逃げ出したり、放たれたりした事が原因で野生化しました。果樹産業への被害、林業への被害、電線、電話線、インターネット回線のかじり被害などが考えられます。 |
ほ乳類 ヌートリア | 毛皮の採取に利用するため日本に持ち込まれました。 水辺に近いところにある植物を旺盛に食べるため、農業被害が各地で生じたり、希少な水草への影響が懸念されたりしています。 |
鳥類 ソウシチョウ | 日本には古くから飼い鳥として輸入されており、一般家庭からの逸出、または経営破綻した業者による大量放鳥により、生息が広がったと考えられています。 |
爬虫類 カミツキガメ | 陸上にいるときは在来のカメと異なり非常に攻撃的で首を長く伸ばし、俊敏に動き噛みつくなどし、人にも危害が及ぶ恐れがあります。また、在来のカメと競合し、地域の生物多様性を脅かします。 |
両生類 ウシガエル | 食用、養殖用として持ち込まれ、今ではほぼ日本全国に分布が広がっています。昆虫やザリガニの他、小型の哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類まで、幅広い小動物を捕食します。 |
魚類 カダヤシ | 世界各地で在来魚への影響が問題視されており、他の小型の魚との競争や稚魚などの捕食により、在来種が減少し、生態系に影響を与えます。 |
魚類 ブルーギル | 繁殖力、定着力ともに高く、侵入先で個体数を急激に増やします。他の水生生物を捕食し、生態系へ影響を与えます。 |
魚類 オオクチバス | 通称「ブラックバス」と呼ばれ、繁殖力、定着力ともに高く、他の魚や甲殻類、水生昆虫などを旺盛に捕食し、日本の淡水の生態系に大きな影響を与えています。 |
魚類 コクチバス | 魚食性が非常に強く、繁殖力も旺盛な魚です。50センチメートル位まで成長し、冷たい水や流れに対する適応能力もあることから、河川の上・中流部でも生息可能でイワナやヤマメ、アユ等の食害が懸念されています。 |
昆虫類 クビアカツヤカミキリ | 幼虫がサクラやウメ、モモ、スモモなどの樹木の中に入り込み、木の内部を食い荒らしてしまう外来昆虫です。2012 年に日本国内で初めて発見されて以来、全国各地に次々と分布を拡大し、街路樹や果樹園で被害が出ています。被害の拡大を食い止めるためには、見つけたら早期に駆除することが重要です。 |
淡水産貝類 カワヒバリガイ | 輸入シジミ類への混入が侵入経路と考えられており、農業水利施設の壁面や配管等に侵入・固着し、通水障害をもたらします。 |
維管束植物 ボタンウキクサ | 繁殖力が旺盛で、ため池などで大繁茂し、水面を覆い尽くすこともあるため、在来水生植物との競合などが懸念されます。また、通水阻害や冬季に枯死した腐敗個体による水質悪化を引き起こします。 |
維管束植物 オオフサモ | 湖沼、河川、池、水路などの浅水中に群生し、水路の通水障害などを引き起こします。 |
維管束植物 アレチウリ | 全国の河川や林緑で大繁茂し、在来植物を駆逐します。また、飼料畑でも大発生して農業被害が生じます。 |
維管束植物 ナガエツルノゲイトウ | 茎は千切れやすく水に浮くため、断片が水流によって運ばれ、新たな地で定着・再生するため、大雨時の増水や水流によって、広範囲に拡散する可能性があります。 |
維管束植物 オオカワヂシャ | 水面を埋め尽くし、絶滅危惧種のカワヂシャなど他の植物を激減させています。また、カワヂシャとの間に雑種をつくることも、その減少の要因となっています。 |
維管束植物 オオキンケイギク | 緑化や園芸などによく利用され、日本各地に分布を拡大してきました。土手や河原などでよく見られますが、日本に昔からいた植物よりも旺盛に繁殖し、在来種を駆逐していきます。 |
維管束植物 ミズヒマワリ | ちぎれた茎の節から根を出して短期間で生長するなど繁殖力が強く、在来水生植物との競合、水路の水流阻害等を引き起こします。 |
維管束植物 ナルトサワギク | 海辺の埋立地、空き地、河川などで生育します。家畜が食べると中毒をおこすおそれがあります。 |
※詳細は侵入生物データベース(国立環境研究所ウェブサイト)をご覧ください。

条件付特定外来生物
アカミミガメとアメリカザリガニは、2023年6月1日より「条件付特定外来生物(注)」に指定され、野外に放したり、逃がしたりすることが禁止されます。一般家庭において現在飼育しているアカミミガメとアメリカザリガニについては、これまで通り引き続き飼うことができますので、野外に放出せずに、最後まで飼い続けるよう、お願いいたします。
(注)条件付特定外来生物とは、外来生物法に基づき特定外来生物に指定された生物のうち、通常の特定外来生物の規制の一部を、当分の間、適用除外とする(規制の一部がかからない)生物の通称。
2023年6月1日よりアカミミガメ・アメリカザリガニの規制が始まりました! (環境省ウェブサイト)

アカミミガメ(写真提供:環境省)

アメリカザリガニ(写真提供:環境省)
分類・名称 | 説明 |
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爬虫類 ミシシッピアカミミガメ 【条件付特定外来生物】 | 飼育しきれなくなって捨てられたり、逃げ出したりして、各地で野生化・定着が進んだとされています。在来カメ類の日光浴の場所や食物を奪い、また、雑食性で水草や様々な水生生物を捕食するため、在来生物に大きな影響を与えています。 |
甲殻類 アメリカザリガニ 【条件付特定外来生物】 | 日本全国に広く定着し、水生植物を消失させたり水生昆虫の局所的な絶滅を引き起こすなど、生態系等へ大きな影響を与えています。 |

その他外来生物
ナガミヒナゲシは、5月頃にポピーに似たオレンジ色の花を咲かせるケシ科の植物です。特定外来生物には指定されていませんが、繁殖力が強く周囲の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあり、市内でも繁殖が確認されています。ナガミヒナゲシの茎や葉には植物毒である「アルカロイド」が含まれています。アルカロイドを含む黄色い汁に触れると、皮膚の弱い人はかぶれやただれを起こす恐れがあるためご注意ください。

ナガミヒナゲシ
分類・名称 | 説明 |
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維管束植物 ナガミヒナゲシ | ヨーロッパ地中海沿岸を原産とする一年草で、特定外来生物には指定されていませんが、繁殖力が強く周囲の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあります。 |
※詳細は侵入生物データベース(国立環境研究所ウェブサイト)をご覧ください。

外来生物の被害を予防するために

外来種被害予防三原則
外来種への対策では、発生した被害の拡大を防ぐ「防除」だけでなく、そもそも被害を発生させないための「予防」も重要です。
環境省では侵略的な外来生物による被害を未然に防ぐため、以下のような「外来種被害予防三原則」の3原則を提唱しています。市民や事業者の皆さまにも、この原則を心にとめ、行動いただきますようご協力をお願いいたします。
1. 入れない
悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ「入れない」。
2. 捨てない
飼養・栽培している外来種を適切に管理し、「捨てない」(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)。
3. 拡げない
既に野外にいる外来種を他地域に「拡げない」(増やさないことを含む)。
- 日本の外来種対策(環境省ウェブサイト)
外来種の防除について
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