「大阪市人権だよりKOKOROねっと」第43号 web版
2024年2月29日
ページ番号:511197
大阪市人権だより「KOKOROねっと」第43号
human rights & diversity magazine
令和 2(2020)年9月発行 Autumn No.43
《特集》 あなたのその悩み、「就活ハラスメント」かもしれません。
目次
1面、2面 学生の明るい未来のために 就活ハラスメントを根絶しよう 常見 陽平さん
どう考える? 就活ハラスメント問題
学生の明るい未来のために 就活ハラスメントを根絶しよう
就活ハラスメント、それは就職活動中に起こるハラスメントです。
これから社会人として踏み出そうとする学生たちは、夢を持つと同時に、不安や期待を抱えていることでしょう。
そんな学生たちが、社会人になる目前で、就活ハラスメントに遭うとしたら! それはとても残念な、あってはならないことです。
しかし、近年このような問題が多く発生しています。なぜなのでしょうか?
その疑問を解決するために、就活関連の書籍を多く著されている、人材コンサルタントの常見陽平さんに解説していただきました。
常見 陽平(つねみ ようへい)
千葉商科大学国際教養学部准教授/働き方評論家/いしかわUIターン応援団長
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。リクルート、バンダイ、ベンチャー企業、フリーランス活動を経て2015年より千葉商科大学国際教養学部。専攻は労働社会学。大学生の就職活動、労使関係、労働問題を中心に、執筆・講演など幅広く活動中。ラジオ番組bayfm「POWER BAY MORNING」レギュラーコメンテーター。『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社新書)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など著書多数。 公式サイト http://www.yo-hey.com
就活ハラスメントとは何か?
今年の就活戦線は、混迷を極めている。なんせ、新型コロナウイルスショックである。採用活動のスケジュールが延期となる企業も多く、学生は混乱している。ウェブを活用した説明会や選考も行われているが、学生も企業も戸惑っているようだ。業績悪化による採用数減少も懸念される。
その就活において、ここ数年、問題となっていたのが「就活ハラスメント」である。文字通り、就活におけるハラスメントだ。次のようなものがあげられる。
1 就活セクハラ
- 面接において「彼氏はいるのか?」「デートは週に何回するの?」など、恋愛や性に関する質問をする。体型などについてコメントする。
- 学生に対して、採用活動に関係のない場での面会を求める、交際や性的な関係を求めるなどの行為。
- 「○○さんの女らしさを活かして活躍してほしい」「男なら、一度は営業職を経験してほしい」など、社会的・文化的な背景に基づいて、伝統的に認識されている「男らしさ」「女らしさ」を前提とした一方的な発言をする。
2 就活パワハラ
- OB・OG訪問、面接の場などで「考えが甘い」「やる気があるのか?」など、威圧的な態度をとる。
- 面接などで、求職者の話を無視する、一方的に否定するなど、圧迫面接を行う。
3 オワハラ(就活終わらせろ・終われハラスメント)
- 「今、受けている企業を全部辞退すれば、この場で内定を出す」「この場で、受けている企業全部に辞退の連絡を入れなさい」などと、他社の内定辞退を強要する。
- 他社の選考に行かせないように、毎日のように面接や面談の日程を入れるなどして妨害する。
- 自社の内定辞退をしようとした人を脅す。
なお、就活セクハラやパワハラの加害者は企業で働く社員で、被害者は学生であることが大半であるが、それだけではない。学生が、学生に対して行うハラスメントというものも問題である。就活は、将来への不安を抱えながら、若い男女が同じ時期に活動する。そこでの出会いにより、恋愛に発展することもある(リクラブと呼ぶ)。恋愛は個人の自由だ。しかし、あまりに一方的である場合は、ハラスメントとなる。そこには、異性を蔑視する視点が垣間見える。
男女関係なく、学生間で知名度などの低い大学に通う学生を蔑視し、グループディスカッションなどの場でバカにしたりする例もある。さらには、このような学生を騙し詐欺に勧誘する例まである。
また、学生から社員に対するハラスメントというものもある。職業差別のような発言をしたり、セクハラ質問をしたりというものだ。
このように、就活ハラスメントは主に、セクハラ、パワハラ、オワハラの3つである。主に社会人が加害者で、学生が被害者なのだが、それだけではないこともおさえておこう。
なぜ、就活ハラスメントは起こるのか?
就活ハラスメントが起こる理由を考えてみよう。「学生が弱い立場にある」ということが背景にあることは容易に想像できる。
学生と企業の立場は対等であるべきだ。学生も内定が出ても辞退する権利はある。ここ数年は売り手市場となり、学生も交渉力があるかのような状況であった。ただ、採用するか否かの決定権は企業側にある。しかも、就活のときに会う社員とは入社後にもずっと一緒に働くかもしれない。そうであるがゆえに、異議申し立てがしにくい。ただでさえ、学生は年長者である社会人に物申しにくいのだ。
就活ハラスメントの中でもオワハラに関しては、ここ数年売り手市場であり、人材獲得競争が熾烈化していたことが発生原因としてあげられる。また、2010年代には何度も就活スケジュールが変更となり混乱した。その中で青田買いも横行した。優秀な学生を他社に取られないようにするために、オワハラに走る企業が現れた。
もっとも、就活ハラスメントが起こり、明るみに出ると、企業の評判は地に落ちることになる。なにしろ、人権を踏みにじる問題である。企業も対策を行っている。採用活動に関わる社員向けに、学生に対する言動であってはならないことは共有されている。人権に関わる件は、特に強調して説明される。家族構成やその職業についての質問、国籍や出身地、好きな本、購読している新聞、尊敬する人などに関する質問など、一部は日常会話で行われそうな質問に関しても、面接においては不適切だとされ注意喚起が行われている。
それでも、ここ数年、就活ハラスメントが大きく報じられることがある。なぜか?実は、人事部の預かり知らぬところで問題が発生するのだ。その温床の一つが、OB・OG訪問である。会社説明会や面接に協力する社員は、まだ人事部がコントロールしやすい。しかし、学生と社員が人事部の目の届かないところで接点を持っていたら、コントロールがきかないこともある。
最近では、OB・OG訪問を仲介するマッチングアプリが存在する。これにより出会った社員と学生の間で、就活セクハラが発生している。本来、このアプリは便利なものだ。企業のリアルな情報を仕入れるために、OB・OG訪問は有益だ。これを手軽に行うことができ、便利極まりない。しかし、これを悪用する社員がおり、問題化した。
このように、就活ハラスメントは、就活生の弱い立場につけ込んだ悪質なものである。ただ、オワハラのように、売り手市場や就活スケジュールの変更により誘発されたものもある。そして、企業が就活ハラスメント対策をしても、水面下で発生してしまうリスクがある。
採用活動は対等な立場で!
就活ハラスメントをどのように根絶するか。問題は簡単ではない。ただ、正攻法の対策として、様々な立場の人が警鐘を鳴らし続けることが有効だろう。
すでに大学では、就活における様々なトラブルに関して指導が行われている。就活ハラスメントもその一つである。個別の企業においても対策が進んでいるのは前述したとおりだ。今後は経済団体や自治体なども 一丸となって取り組むべき問題だ。マッチングアプリを提供する企業にも、ますます学生が安全に使えるような環境の提供を期待したい。
就活ハラスメントに巻き込まれた学生は気の毒でしょうがない。学生は何も悪くない。とはいえ、最悪の事態は誰にでも起こり得るものであるので、労働法に関する知識を身につけること、おかしいなと思ったら声をあげること、社会人と1対1で会う際は、オープンな場所で会うようにすることがポイントだろう。
新卒一括採用という慣行は賛否を呼んでいるし、見直しの動きもあるが、未経験で未完成の若者の可能性にかけるという側面も持っている。学生の社会人生活を少しでも明るいものにするために、その入口で絶望させてしまってはいけない。就活ハラスメントを根絶しよう。
※OB・OG 以前にその組織・団体に属した者。
3面 あなたのその悩み、「就活ハラスメント」かもしれません
データが示す「就活ハラスメント」の実態
就活セクハラ セクシュアル・ハラスメント
就職活動中に、セクシュアル・ハラスメントを受けたことはありますか?
対象:就職活動を行った人
回答者全体では 835人のうち
- ある人 10.5%
- ない人 89.5%
男性世代別
20代 109人のうち
- ある人 21.1%
- ない人 78.9%
30代 112人のうち
- ある人 10.7%
- ない人 89.3%
40代 120人のうち
- ある人 8.3%
- ない人 91.7%
50代 112人のうち
- ある人 1.8%
- ない人 98.2%
女性世代別
20代 104人のうち
- ある人 12.5%
- ない人 87.5%
30代 97人のうち
- ある人 15.5%
- ない人 84.5%
40代 95人のうち
- ある人 9.5%
- ない人 90.5%
50代 86人のうち
- ある人 4.7%
- ない人 95.3%
就職活動中にセクシュアルハラスメントを受けたことがあると回答した人のうち、38%が「就職活動のやる気喪失」、14%が「人と会うのが怖くなった」と回答しています。
※「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」より 日本労働組合総連合会(連合)
就活パワハラ パワー・ハラスメント
新卒の就職活動で圧迫面接を経験したことはありますか?
対象:就職活動を経験した社会人1~3年目の人(212人)
- はい 63.7%
- いいえ 36.3%
63.7%の就活経験者が「圧迫面接を経験したことがある」と回答
※株式会社リクルートキャリア『リクナビ』就職準備ガイドより
『就活準備ガイド 企業はなぜ圧迫面接をする?
採用のプロが意図と対処法を解説!』(2018年版)
圧迫面接とは
- ひじを机に置き、常に怒った口調で質問をする
- 就活生の意見を完全に否定する
- 下を向いていて、答えたことに反応しない
- 常に「なんで?」と問いかける などの威圧的な面接
オワハラ 就活終わらせろ・終われハラスメント
学生からオワハラの相談を受けたことはありますか?
対象:国公私立大学、短期大学及び高等専門学校(1,106校)
- ある 32.9%
- ない 62.6%
- 無回答 4.5%
32.9%の大学等が「相談を受けたことがある」と回答
※「2019年度 就職・採用活動に関する調査(大学等)
調査結果【速報版】」 より 文部科学省
オワハラは、なぜ起こる?
オワハラは、その時々の経済環境で多くの企業が人材を取り合う「売り手市場」となる場合に、より起こりやすくなると考えられます。
4面 公正採用選考の基本的な考え方についてご存知ですか?
娘:私、将来は海外で働く仕事がしたいの!子どもの頃からの夢なのよ!
祖母:オマエが遠くに行くと寂しくなるからイヤじゃ
祖父:うちはひとり親家庭だからそんな大きな会社には就職できないよ!
父:そんなことはないよ!会社の採用は、「人」を見て判断するんだよ。
だから、その人の「家庭環境」や「出身地」などで判断されないよ!
娘:そっか〜。よかった!それなら自分の「夢」に向かって頑張れるわ!みんなも応援してね!
面接では、面接官がさまざまな質問を通して「あなたがどんな人か」を探りますが、次のような「本人に責任のないこと」「本来自由であるべきこと」に関する質問は就職差別につながります。
- 国籍・本籍・出生地に関すること
- 家族に関すること(職業・続柄・健康・地位・学歴・収入など)
- 住宅状況に関すること(間取り・部屋数・住宅の種類など)
- 生活環境・家庭環境に関すること
- 宗教・思想・信条に関すること
公正採用選考の基本的な考え方
採用選考は、人の一生を左右しかねない重要な意味を持っています。就職の際の採用選考では、次の3点の基本的な考え方を踏まえなければなりません。
- 「人を人としてみる」人間尊重の精神、すなわち応募者の基本的人権を尊重する。
- 応募者のもつ適性・能力を基準として採用選考を行う。(特定の人を排除しない。)
- 応募者に広く門戸を開く。
ちょっとまめ知識
部落差別の解消の推進に関する法律」の施行と公正採用選考
平成28年12月16日、「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。この法律は、現在もなお部落差別が存在すること、部落差別は許されないものであるとの認識のもとに、これを解消することが重要な課題であることとされています。同和問題(部落差別)をはじめ広く人権課題の解決のひとつとして、公正な採用選考を行うことが大切です。
将来への希望をもって、自分の人生を切り開くために行なっていた就職活動の中で、せっかくの夢を摘まれてしまわないよう、就職差別を「しない・させない」風潮をみんなでつくっていきましょう。
相談窓口
大阪労働局
ハラスメント等労働問題に関するあらゆる分野の相談。新型コロナウイルス感染症の影響による内定取り消し、雇止め等の労働相談。
総合労働相談コーナー
大阪市中央区大手前4-1-67 大阪合同庁舎第2号館8階
電話番号 0120-939-009 大阪府内の固定電話のみ通話可
電話番号 06-7660-0072
ファックス 06-6949-6486
時間 月曜・水曜・木曜・金曜 9時~17時
火曜 9時~18時(入館時刻は17時45分まで)
大阪市人権啓発・相談センター
人権相談専用電話
電話番号 06-6532-7830(なやみゼロ)
ファックス 06-6531-0666
時間 月曜~金曜 9時~21時 日曜 ・ 祝日 9時~17時30分
※土曜日、年末年始(12月29日~1月3日)は休業
大阪法務局
みんなの人権110番
電話番号 0570-003-110
時間 月曜~金曜 8時30分~17時15分
※祝日、年末年始(12月29日~1月3日)は除く
※この電話番号は、おかけになった場所の最寄りの法務局・地方法務局につながります。
相談してみよう!
5面~7面 ダイバーシティ体験ルポ 大阪で学ぶ学生は今
新型コロナウイルス感染症の拡大で、生活はどう変わった!? 私が感じたこと、考えたこと。
この春、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するための「緊急事態宣言」が発出され、私たちは1カ月以上もの間「外出の自粛」、「人との接触を8割削減する」、「三つの密を避ける」ことなどを求められてきました。
この初めての経験について、大学生のみなさんにお話を聞いてみました。
今回お話をお聞きした、関西大学の7名の学生の皆さん
- 社会学部 3回生 堀井 昭宏(ほりい あきひろ)さん
- 文学部 2回生 田邊 爽佳(たなべ さやか)さん
- 文学部 2回生 坪井 菜央(つぼい なお)さん
- 社会学部 2回生 杉村 桜(すぎむら さくら)さん
- 社会学部 2回生 三島 彩香(みしま あやか)さん
- 文学部 2回生 弓場 裕香(ゆみば ひろか)さん
- 文学部 3回生 山下 桜花(やました さくら)さん
Q1 大学では、通学できないことから今期はオンライン授業が行われたとのことですが、実際に体験してどんな感想をお持ちですか?
他にもみなさんからは、オンラインの便利さや不便さを感じ、実際に会うこととオンラインを上手に使い分けていけたらというお話や、オンライン授業では、自分で資料を印刷する必要があるため、資料の印刷代がかさんでしまうといったお話が聞かれました。また、オンラインの環境が整っていない人を気遣う発言も多く聞かれました。
Q2 「緊急事態宣言」の期間中は、「オンライン授業」だけでなく「オンライン飲み会」、「オンライン帰省」などという言葉が生まれましたが、オンラインになじみのある皆さま方はどのように思われましたか?
オンライン○○ですが、私としては「やらないよりはマシ」という印象が強いです。オンライン飲み会なども実施しましたが、やはり会話の盛り上がりなどは対面の方が圧倒的だなと思います。ただ、それでもそういう会話の場がないよりは良いですし、オンラインだからこそ遠隔地にいても参加できるというメリットは確かにあると思います。部活動でいえば、他キャンパスのメンバーとも交流がしやすくなったのは大きいです。
会いたくても会えない状況で、逆に親や友だちと頻繁に連絡を取るようになった気がします。メディアで「直接だと言いにくいこともオンラインなら言える」、「実際の飲み会だと抜けにくいけど、オンラインなら抜けやすい」という社会人の意見が取り上げられていて、在宅勤務でオンラインだとこんなメリットもあるんだな、面白いなと思いました。
Q3 「緊急事態宣言」を体験して、皆さんの心の変化のようなものがあれば教えてください。
緊急事態宣言期間も誰かが働かないと社会は回らないので、不安な気持ちを持ちながらも働いてくださった医療関係者やスーパーの人には感謝の気持ちでいっぱいです。
今まで自分はほかの人と比べてやりたいと思うことが少ないなと思っていたんですが、たくさんのことが制限された期間を通して、解除後にしたいことが沢山あるなと思うようになっていました。それは、今まで自分がいつかできるからと後回しにすることが多くて欲求も少なかったんだろうなという気づきにつながりました。今、学生のうちにできることをたくさん経験しようと思っています。
常に他の人との距離感に気をつけないといけなくなったり、ビュッフェスタイルの外食ができなくなったり…。もちろんそういうネガティブな面ばかりではなく、オンラインでのやり取りが広がり、地方にいても取れる選択肢が増えるかもしれません。今後世界がどんな風に変わっていくのか、注意深く見ていきたいなと思いますし、変化を恐れずに生活していきたいなとも思います。
少し体調が悪いだけでも、新型コロナウイルス感染症のことが頭によぎりとても不安になります。心から、感染が収束して欲しいです。
様々な情報に振り回されるのではなく、何が正しくて必要なのかは自分が考えていかないといけないと感じました。
また、自粛生活では運動をしてみたり、料理を手伝ったりと、普段は時間が無くてしなかったこともやってみました。いろんなことに挑戦してみた期間でもありましたし、自分を見直すきっかけになったと思っています。
学生のみなさんのお話からは、「この経験を決して無駄にしてはならない」「どんな時も思いやりや感謝の気持ちを持つことが大切」「大変な時だからこそ、正しい情報に基づいた行動をしなければ」といった思いが強く伝わってきました。
そして、このようなみなさんが増えていけば、差別のない、誰もが認めあい尊重しあえる社会が作られていくのだろうと思いました。
今回の「緊急事態宣言」という経験を通して、次に困難が訪れても、みなさんは強く優しく立ち向かって行ってくれるのだろうと誇らしい気持ちになりました。
8面 新型コロナウイルス感染症問題 ~誰もが安心して暮らせる社会に向けて~
新型コロナウイルス感染症に関する、誤解や偏見等により、不当な差別、いじめ等があってはなりません。
そうした誤解や偏見が拡がることは、新型コロナウイルス感染症に関する人々の不安をあおることになります。
あなたはしていませんか? こんな行動
- インターネット、SNS上での誹謗中傷や不確かな情報の拡散
- 咳をしているだけで、「感染者ではないか」と疑い、避ける
- 感染は本人の責任であると中傷する
- 感染者の子どもに対するいじめ
- 海外から帰国したことだけをもって中傷する
- 医療従事者や家族に対する差別的な行為
- 宅配業者の配達員への心ない態度
新型コロナウィルス感染症に関する不確かな情報で、発熱のある方の感染を疑ったり、感染者やその家族を差別したり、誹謗中傷する動きは、およそ90年前にハンセン病に罹患された方やその家族を社会から切り離し差別したことと重なるところはないでしょうか?
ハンセン病は、「感染する」「治療方法がない」などの誤った情報によって、罹患された方は様々な差別を受け、隔離施設での生活を余儀なくされました。
戦後、特効薬によって治療法が確立したものの、社会の誤解や偏見はなくならず、罹患された方やそのご家族は、今もなお差別に苦しんでおられます。
今、新型コロナウイルス感染症に関連して、感染者、濃厚接触者、医療従事者など懸命に社会生活を支えている方々に対して、感染に対する恐怖心や不安な気持ちなどからくる、誤解や偏見に基づく差別、いじめなどが多く発生しています。私たちは、過去の過ちを再び繰り返してはなりません。
正しい情報に基づき、冷静な行動をこころがけましょう。
人権に関するご相談について
大阪市人権啓発・相談センター
電話番号 06-6532-7830(なやみゼロ)
ファックス 06-6531-0666
大阪市西区立売堀4丁目10-18 大阪市阿波座センタービル1F
相談時間 : 月曜日~金曜日 9時~21時 日曜日・祝日 9時~17時30分
※土曜日、年末年始(12月29日〜1月3日)は休業
9面 インフォメーション
「大阪市犯罪被害者等の支援に関する条例」を制定しました
犯罪被害者やその家族・遺族の方(以下「犯罪被害者等」という。)の多くは、犯罪そのものからひき起こされる被害に加え、事件後の周囲との関わりの中で、さらに傷つけられてしまうという二次被害にも苦しめられていることが少なくありません。そのため、大阪市では、「大阪市犯罪被害者等の支援に関する条例」を制定(令和2年4月1日施行)し、犯罪被害者等に対し、次のような各種支援施策を実施しています。
主な支援の内容
- 遺族見舞金、重傷病見舞金などの支給
- 掃除・洗濯などの日常的な家事支援や配食サービス
- 就学前の子の一時保育費、精神医療費や転居費の助成
- 犯罪被害者等の支援に精通した弁護士による相談
※死亡や重傷病などの重大な犯罪等の被害が対象となります。
※条例が施行した令和2年4月1日以降に発生した犯罪等の被害が対象となります。
問い合わせ 大阪市犯罪被害者等支援のための総合相談窓口
大阪市市民局ダイバーシティ推進室人権企画課内(大阪市役所4階北側)
犯罪被害にあわれてお困りの方や、身近な方が犯罪被害にあわれて支援を必要とされている場合は、ぜひご相談ください。
相談時間 : 9時~17時30分 土日・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)は除く
電話番号 06-6208-7489
ファックス 06-6202-7073
令和2年度なんば市民セミナー はじめて知るLGBT ~LGBTって何だろう?~
みんな違う人間。でもみんな同じ人間。LGBTについて知ることで、個性を認め合う社会の実現に向けてのはじめの一歩を学びます。
- LGBTっていったい何のこと?
- LGBTは生まれつき?
- LGBTはなぜ周りにいないの?
- LGBTは何に困ってるの?
- LGBTにどう接したらいいの?
など
LGBT啓発活動に取り組んでいる、一般社団法人結婚トータルサポート協会の公認講師が、これらの疑問にお答えします。
日時 9月19日(土曜日)13時30分~16時
場所 難波市民学習センター 大阪市浪速区湊町1-4-1 OCATビル4階
最寄駅 Osaka Metro各線「なんば駅」、JR「JR難波駅」
定員・参加費 定員16名(先着順)/参加費無料
申し込み方法 事前に電話・来館・インターネット「いちょうネット」にて
問い合わせ 大阪市立難波市民学習センター
電話番号 06-6643-7010
ファックス 06-6643-7050
※新型コロナウイルス感染拡大予防のため、中止とさせていただく場合があります。
開催の有無については難波市民学習センターまでお問い合わせください。
令和元(2019)年度 人権啓発キャッチコピー入選作品をご紹介します!
令和元(2019)年度、人権課題のテーマに沿った人権啓発キャッチコピーを募集したところ、7,402作品のご応募をいただきました。その中から入選作品の一部をご紹介いたします。
大阪市長賞
小学生(低学年)の部
小学生(高学年)の部
中学生の部
高校生の部
一般の部
その他の入選作品については、大阪市のホームページ「令和元(2019)年度 「人権に関する作品募集事業」キャッチコピーの入選発表」をご覧ください。
10面 各区の取組を紹介します
東住吉区では、様々な人権啓発活動を展開しています!
また東住吉区最大のイベントである「区民フェスティバル」をはじめ、「のびのび・ワクワク体験広場」「生涯学習文化祭」などの区内行事における人権標語パネル展示、啓発グッズ配布など、あらゆる機会をとらえて人権啓発活動を展開しています。
区民フェスティバル
東住吉区では、今後も人権啓発推進員はじめ区民のみなさまや各関係機関と連携して、様々な人権啓発活動に取り組んでまいります。
人権啓発推進員対象研修会
住民票の写し等の交付に係る本人通知制度について
大阪市では、平成27年2月2日より、住民票の写しや戸籍全部(個人)事項証明(戸籍謄抄本)などを第三者に交付した場合に、事前に登録された方に対し、その交付の事実を通知する本人通知制度を実施しています。
同制度については、住民票の写し等の証明が第三者に取得された事実を通知することで、不正請求及び不正取得による個人の権利の侵害の防止と、迅速な人権救済を図ります。
登録の手続きは、お住まい(又は本籍地)の区役所(又は区役所出張所)で受け付けます。また、登録申請については代理人(法定代理人又は任意代理人)による申請と、郵送による申請も可能です。
問い合わせ
各区役所窓口サービス課
大阪市市民局総務部住民情報担当
電話番号 06-6208-7337
ファックス 06-6202-7073
11面 大阪市人権啓発・相談センターからのお知らせ
専門相談員による人権相談
大阪市にお住まいの方で、人権に関することでお悩み、お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。まずはお電話を!
専門の相談員が対応します。
プライバシーには十分配慮しています。安心してご相談ください
電子メールによる相談もできます!
電子メールによる相談はこちら
またはこちらの2次元コードから
電話 06-6532-7830(なやみゼロ)
相談専用ファックス番号
ファックス 06-6531-0666
相談時間 月曜日〜金曜日/9時〜21時
日曜日・祝日/9時〜17時30分
※土曜日、年末年始(12月29日~1月3日)は休業
※人権相談の受付は、相談時間終了の30分前までです。
人権啓発事業に関するお問い合わせ
人権相談のほか、人権に関するパンフレットの提供や人権啓発ビデオ・DVDの貸し出しも行なっています。
研修会などにぜひ、ご活用ください。
人権啓発事業に関するお問い合わせ
電話 06-6532-7631
ファックス 06-6532-7640
開設時間 月曜日〜金曜日/9時〜17時30日
※土日・祝日・年末年始(12月29日~1月3日)は休業
大阪市人権啓発・相談センター LINE@
大阪市の人権に関する取り組みや人権問題の今日的なテーマやクイズなどを掲載しています。週1回配信しています!
友だち追加ID
@osaka7830で検索
またはこちらの2次元コードから
編集後記
新型コロナウィルス感染症の世界的な感染拡大により、私たちの社会はオンラインでいろいろなことをするようになったり、三つの密を避けるなど、大きく変化しています。この情報誌の編集作業も、これまでのように取材のためにみんなで集まることができない中でいろいろな皆さまのご協力により発刊することができました。新しい生活様式の中で、人と人との距離を確保することが求められていますが、人と人との心のつながりはいつも大切にしたいですね。
次号は12月発行です。ぜひご覧ください。
「KOKOROねっと」バックナンバーのお知らせ
これまで発刊した「KOKOROねっと」のバックナンバーについて、大阪市ホームページに掲載しています(平成22(2010)年6月発行No.5より)。過去に特集した内容やインタービュー記事などで、ご参考になるものがあるかもしれませんので、ぜひご覧ください。
読者アンケート
ウェブサイトからも次のアンケートにお答えいただくことができます。専用フォームに入力するだけで簡単に応募できます。
KOKOROねっとNo.43 アンケートはがき
次の事項のあてはまる番号を○で囲むか、必要事項をご記入ください。
質問1
この情報誌を、どこで入手されましたか?
(その他の場合は具体的な場所をご記入ください)
- 駅構内
- 市役所・区役所
- 図書館
- 学校、職場
- 大阪市ホームページ
- その他( )
質問2
この情報誌のなかで興味・関心を持った記事はありましたか?(複数回答可)
- [どう考える? 就活ハラスメント問題] 常見 陽平さん (P.1~2)
- あなたのその悩み、「就活ハラスメント」かもしれません。(P.3~4)
- ダイバーシティ体験ルポ(P.5~7)
- 新型コロナウイルス感染症問題(P.8)
- インフォメーション(P.9)
- 各区の取組(P.10)
質問3
あなたは、人権について関心がありますか?
- 関心がある
- すこし関心がある
- あまり関心がない
- 関心がない
質問4
この情報誌を読んで人権への興味・関心がわき、理解に役立ちましたか?
- とても役に立った
- 役に立った
- あまり役に立たなかった
- 役に立たなかった
質問5
今後もこのような情報誌を読んでみたい(発行したほうが良い)と思いますか?
- そう思う
- どちらかといえばそう思う
- どちらかといえばそう思わない
- そう思わない
質問6
あなたの年代についてお聞かせください。
- 10代
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
- 60代以上
質問7
この情報誌を読んだ感想やご意見、今後掲載してほしい内容やご要望をお書きください。
◆次回のKOKOROねっとNo.44は、令和2年(2020)年12月発行の予定です。
主な設置・配付場所:市役所、区役所、大阪メトロ駅構内、市立各図書館等
点字版の設置場所:市役所、区役所、市立中央図書館等
大阪市人権だより KOKORO(こころ)ねっと
human rights & diversity magazine
令和2年(2020)9月発行 /Autumn No.43
【発行】大阪市人権啓発・相談センター
〒550-0012 大阪市西区立売堀4-10-18 電話 06-6532-7631 ファックス06-6532-7640
【制作協力】株式会社 ITP
〔法務省委託事業〕
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大阪市人権啓発・相談センター
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