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大阪市公文書管理条例解釈・運用の手引

2019年10月8日

ページ番号:200154

第1条 目的

この条例は、市政運営に関する情報は市民の財産であるという基本的認識の下、市政運営に対する市民の信頼の確保を図るため、公文書等の管理責任を明確にし、公文書等の管理に関する基本的な事項を定めることにより、現用の公文書の適正な管理並びに歴史資料として重要な公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって市政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、本市及び地方独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の市民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。

[趣旨]

  この条例は、市政運営に関する情報を「市民の財産」と位置付け、本市及び地方独立行政法人等はその情報を記録した公文書を適正かつ適切に管理する責任を負うことを明示しています。公文書の管理並びに歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用等が適正に行われることにより、市政の適正かつ効率的な運営を実現するとともに、本市及び地方独立行政法人等の諸活動について市民に対する説明責務を全うし、市政運営の透明性を向上させ、情報公開制度の目的と同様、市政に対する市民の理解と信頼の確保を図ることを目的とします。

[解説]

1 本条例の位置付け
    本条例は、公文書の作成、分類、編集、保存、保存期間満了後の廃棄、又は特定歴史公文書等(公文書館に引き継がれた歴史資料として重要な公文書その他の文書)の保存及び利用という公文書のライフサイクル全体について定めています。このように本条例は、公文書の管理に関して、現用文書(業務における本来的な使用中の文書)及び非現用文書(保存期間が満了し、業務における本来的な使用を終えた文書)の両方について規定しています。
 一方、公文書等の公開(利用)に関しては、非現用文書である特定歴史公文書等が対象である場合は本条例に基づく利用請求制度、現用文書である公文書が対象である場合は情報公開条例に基づく情報公開制度により行います。なお、利用とは、条例で定めるところにより、公文書館で収蔵する特定歴史公文書等の閲覧又は写しの交付のことをいいます。
  本市の機関において、その詳細は、大阪市公文書管理条例施行規則(以下「市規則」という。対象となる主体は、第2条第1項の「本市の機関」のうち大阪市会議長を除く。)及び大阪市公文書管理規程(対象となる主体は、「本市の機関」のうち市長部局のみ。)等により定めます。

【公文書管理条例と情報公開条例の関係】

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2 本条例の基本的認識
    本市及び地方独立行政法人等の職員は、市政運営に関する情報は市民の財産であるという基本的認識の下、公文書を適正に管理し、適切に保存及び利用しなければなりません。
    また、市民は本市及び地方独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等(現用文書である公文書及び非現用文書である特定歴史公文書等)にアクセスすることにより、本市及び地方独立行政法人等の事務事業の遂行状況や歴史的な事実について正確に把握することが可能になります。そのような意味でも公文書等は市民の貴重な共有財産であるといえます。

3 本条例の目的
  (1) 市政の適正かつ効率的な運営
       適正な公文書管理ができていれば、例えば公文書の即時検索が可能となる等、効率的な事務執行により、市政の適正かつ効率的な運営が図られます。

  (2) 現在及び将来の市民に対する説明責務を果たすこと
       本条例では、現在の市民だけでなく、将来の市民に対しても説明責務を果たすことを定めています。現在の市民への説明責務については、現用文書である公文書を対象とする情報公開制度及び非現用文書である特定歴史公文書等を対象とする利用請求制度の両制度で図られます。また、将来の市民に対しては、歴史資料として重要な公文書等の適切な保存を行い、利用請求制度で説明責務を果たすことになります。

  (3) 市政運営に対する市民の信頼確保
      上記(1)及び(2)を確実に果たすことにより、市政運営の透明性が向上し、市政運営に対する市民からの信頼の確保が図られます。

4 本条例の適用範囲
     本条例の対象となる主体は、本市の機関だけでなく、地方独立行政法人等、出資等法人及び公の施設の指定管理者も含まれます。これらは、本市とは別個の法人格ですが、本市の事務事業の一部を補完又は分担し、市政の重要な一翼を担っていることから、市民に対する説明責務を全うするためには、これらの文書管理についても適正に行う必要があります。そこで、本条例では、本市の機関の基準に準じつつ、各主体の性格や業務内容に的確に応じた公文書等の管理を行えるよう、その基本的な事項を定めています。
    まず、地方独立行政法人等については、その保有する公文書は、「法人公文書」(第2条第4項)として「公文書」(第2条第3項)に含まれ、本条例において、本市の機関とほぼ同様の公文書を管理する義務を定めています。(第3条第2項、第11条、第12条)
    他方、出資等法人及び公の施設の指定管理者の保有する文書は、「公文書」には含まれませんが、本市の機関及び本市が設立した地方独立行政法人には、出資等法人及び公の施設の指定管理者に対し、必要な指導等の実施を講ずる努力義務が定められています。また、出資等法人及び公の施設の指定管理者にはこの条例の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正管理に関する必要な措置を講ずる努力義務が定められています。(第13条、第14条)

5 意思形成過程文書の作成義務
     本市では、公文書管理条例第4条第1項において意思決定をするに当たっては、正確性の確保、責任の明確化及び本市の諸活動を市民に説明する責務を全うする観点から、公文書を作成して行うことを原則としています。さらに、市民に対する説明責務を全うするためには、市民が必要とする情報を的確に文書化する必要があるため、「意思決定の過程に関する事項であって意思決定に直接関係するもの」についても、公文書を作成しなければなりません。

6 利用請求権の保障
     保存期間が満了した公文書のうち歴史資料として重要な公文書や寄贈又は寄託された歴史的に重要な民間文書は、公文書館において永久保存され、利用請求制度によって市民の利用に供されることになります。
     利用請求権を保障するということは、条例で定める要件を満たした適法な利用請求に対しては、第16条第1項各号に掲げる情報のいずれかが記録されている場合を除き、市長は当該特定歴史公文書等を利用に供しなければならない条例上の義務があることを意味します。条例上の具体的な請求権として何人にも保障されており、その決定に不服のある場合は審査請求ができます。
     公文書等の利用という点では、情報公開制度と類似の制度であり、本条例の利用制限情報については情報公開条例の非公開情報を準用しています。その一方で、非現用文書においては、特定の情報を利用に供することによりその後の審議や事務の遂行に支障をきたすという事態が想定されないため、こうした事態の防止を前提とした情報については、特に利用制限情報から外す等の違いがあります。(詳しくは第16条の解説2「情報公開制度の非公開情報との相違について」、をご覧ください。)

7 公文書管理条例における保存期間の定めについて
    本条例では、第6条第3項に基づき定められた別表に従い、別表の左欄に掲げる公文書の区分に応じ、同表の右欄に定める期間公文書を保存しなければならないことが定められています。これは、公文書の廃棄が行政の恣意で行われるのを防ぐ趣旨です。市政運営に関する情報は市民の財産であるという基本的認識が廃棄の段階においても表われています。

[運用]

 本条は、この条例の解釈及び運用の指針となるものであり、各条文の解釈及び運用は、本条及び第3条の規定に照らして、適正に行わなければなりません。

第2条 定義

この条例において「本市の機関」とは、市長、大阪市会議長(以下「議長」という。)、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者及び消防長をいう。

2 この条例において「地方独立行政法人等」とは、本市が設立した地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人 をいう。以下同じ。)及び大阪市住宅供給公社をいう。

3 この条例において「公文書」とは、大阪市情報公開条例(平成13年大阪市条例第3号。以下「情報公開条例」という。)第2条第2項に規定する公文書及び大阪市会情報公開条例(平成13年大阪市条例第24号)第2条に規定する公文書をいう。

4 この条例において「法人公文書」とは、公文書のうち地方独立行政法人等が保有しているものをいう。

5 この条例において「歴史公文書等」とは、歴史資料として重要な公文書その他の文書をいう。

6 この条例において「特定歴史公文書等」とは、歴史公文書等のうち、次に掲げるものをいう。

(1) 第8条第2項若しくは第3項後段又は第12条第2項後段の規定により保存されている公文書

(2) 法人その他の団体(本市及び地方独立行政法人等を除く。以下「法人等」という。)又は個人から公文書館(大阪市公文書館条例(昭和63年大阪市条例第12号)第1条の規定により設置される公文書館をいう。以下同じ。)に寄贈され、又は寄託された文書

[趣旨]

 本条は、本条例の適用対象となる「本市の機関」、「地方独立行政法人等」、「公文書」、「法人公文書」、「歴史公文書等」及び「特定歴史公文書等」を定義し、その範囲を明らかにしています。

[解説]

1 本市の機関(第1項)

(1) 本項は、地方自治法(昭和22年法律第67号)及び地方公営企業法(昭和27年法律第292号)等により、独立して事務を管理し、執行する機関である市長、大阪市会議長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者及び消防長を本市の機関として定めます。

(2) 選挙管理委員会は、市及び各区の選挙管理委員会をいいます。

2 地方独立行政法人等(第2項)

(1) 市政を担う行政機関に準ずるものとして、本市が設立した地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社をもって、「地方独立行政法人等」としたものです。なお、「本市が設立した地方独立行政法人」としては、公立大学法人大阪市立大学及び地方独立行政法人大阪市立工業研究所並びに地方独立行政法人大阪市民病院機構(平成26年10月現在)があります。

(2) 地方独立行政法人等の公文書管理

地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社は特別法により設立され、地方公共団体とは別人格を有する独立した法人であるため、それぞれの法人の性格や業務内容が本市の機関とは異なります。公文書の適正管理を行うに当たっての制度や施策は、本市の機関と同様の制度を一律に適用することは適切ではなく、個々の法人の性格や業務内容に的確に対応した制度の整備その他の施策を講ずるべきであることから、本市の機関の範囲には含めていません。

もっとも、本市の事務事業の一部を補完又は分担し、市政の重要な一翼を担っていること、理事長等の最高責任者が市長によって任命されていること、また、本市が出資金等を出資していることなどを考慮し、情報公開条例と同じく、本市が設立した地方独立行政法人等の保有する文書を「公文書」と定めています。なお、本市の機関は、地方独立行政法人等に対し、必要な指導等の実施を講ずる努力義務が定められているとともに、それぞれの法人は、その性格や業務内容に応じて公文書の適正な管理のために必要な措置を講ずる責任を負うことを、第3条第2項、第11条及び第12条で定めています。

3 公文書(第3項)

(1) この条例では、公文書の定義を大阪市情報公開条例及び大阪市会情報公開条例に規定する公文書の定義と同義としています。

大阪市情報公開条例第2条第2項

「この条例において「公文書」とは、実施機関の職員(本市が設立した地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社(以下「本市が設立した地方独立行政法人等」という。)の役員を含む。以下同じ。)が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数のものに販売することを目的として発行されるものを除く。」

※「実施機関」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者及び消防長、本市が設立した地方独立行政法人並びに大阪市住宅供給公社をいいます。(同条第1項)

大阪市会情報公開条例第2条  

「この条例において「公文書」とは、大阪市会事務局(以下「事務局」という。)の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、事務局の職員が組織的に用いるものとして、大阪市会議長(以下「議長」という。)が管理しているものをいう。ただし、官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数のものに販売することを目的として発行されるものを除く。」

(2) 公文書の判断基準

公文書に該当するためには、「実施機関又は市会事務局の職員が職務上作成し、又は取得したもの」であり、かつ、「当該実施機関又は市会事務局の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有又は市会議長が管理しているもの」という2つの要件が同時に満たされる必要があります。したがって、ある文書が公文書に該当するかどうかの判断は、時間的経過やその文書の処理経過等により異なってくるものであり、文書そのものの内容や性質により一律に判断することはできません。次に掲げる具体例を参考に適正に判断する必要があります。

○ 公文書に該当する具体例

・ 決裁権者が決裁・供覧・承認等(口頭によるものを含む。)を行った文書

・ 局部課長会議など、局内又は局間の課以上の組織にまたがる組織的な検討のための会議等に提出された資料及び会議録等

・ 市長、副市長、局長等への説明資料

・ 審議会、懇談会等へ提出した資料その他依頼等により組織として作成し、提出した資料

・ 本市へ提出された申請書、届出書、報告書等及び本市の職員が職務上出席した対外的な会議等で収受した資料その他の文書

・ 事務分担表、事務マニュアル、業務日程表、業務上の各種統計資料

・ 委託契約等による成果物(印刷物等)

4 法人公文書(第4項)

第3項で定める「公文書」のうち地方独立行政法人等が保有しているものをいいます。

5 歴史公文書等(第5項)

現在及び将来の市民に対する説明責務を果たすため、後世に残すべき対象となる歴史資料として重要な公文書その他の文書を、現用文書か非現用文書かを問わず包括的に「歴史公文書等」と定義しています。

(1)「歴史資料として重要な」

歴史資料として重要であるかどうかの決定は、第7条第1項に基づき、市長及び市会議長が定める基準により決定します。

(2)「公文書その他の文書」

歴史資料として重要である文書については、公文書に限定せず、これに類する民間文書も、「その他の文書」として対象に含めています。

6 特定歴史公文書等(第6項)

特定歴史公文書等とは、第5項の歴史公文書等のうち、次のものをいいます。

・ 保存期間が満了した本市の機関の公文書及び法人公文書で、公文書館に引き継がれたもの(第1号)

・ 法人等又は個人から公文書館に寄贈・寄託されたもの(第2号)

したがって、「歴史公文書等」のうち、公文書館に引き継がれ又は寄贈若しくは寄託されたものが「特定歴史公文書等」ということになります。

【「公文書」の範囲について】

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[運用]

(電子メールの取扱いについて(第3項関係))
 電子メールについても、「 [解説] 3 公文書(第3項) (2) 公文書の判断基準」に記載する要件を満たす場合は、当然、公文書に該当します。
 電子メールに係る公文書の該当要件のうち、とりわけ「組織的に用いるもの」の判断がポイントとなりますが、次のものについては、組織共用の実質を備えた状態で実施機関が保有しているものとして、公文書に該当することとなります。
・  組織メールアドレスを用いて送信し、又は受信したもの
・  職員が個人メールアドレスを用いて送信し、又は受信したものであって、2以上の職員に対し同時に送信されたもの
・  上記に掲げるもののほか、職員が個人メールアドレスを用いて送信し、又は受信したものであって、転送、用紙への出力その他の方法により他の職員と共用しているもの

【公文書に該当する電子メールの範囲】

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第3条 本市の機関等の責務

本市の機関は、第1条の目的を達成するためには公文書を適正に管理することが重要であることを十分に認識し、この条例の定めるところに従い、公文書を適正に管理しなければならない。
2 地方独立行政法人等は、第1条の目的を達成するためには公文書を適正に管理することが重要であることを十分に認識し、この条例の趣旨にのっとり、公文書の適正な管理に資するために必要な措置を講じなければならない。

[趣旨]

 本条は、第1条の規定とともに、この条例の解釈及び運用の基本となる本市の機関の責務及び地方独立行政法人等の責務について定めたものです。

[解説]

1 第1項関係
 本項は、第1条の目的を踏まえ、この条例の解釈及び運用に当たって本市の機関が留意すべき事項を明らかにしたものです。
 本市の機関には、市政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、本市の有するその諸活動を現在及び将来の市民に説明する責務があり、その基礎となる公文書を適正に管理する責務を有することを定めたものです。
 公文書を適正に管理するためには、次条以下の各条項に従うことはもちろん、公文書管理改善方策の検討・実施や定期点検、研修の実施等の必要な措置を講じるとともに、当該機関の職員に対して公文書管理の重要性を周知徹底しなければなりません。
 また、当該機関の職員は、公文書管理の重要性を常に念頭に置きながら、適正な文書事務を行わなければなりません。

2 第2項関係
 第2条第2項の解説にあるように、本市が設立した地方独立行政法人等については、市政の重要な一翼を担っており、これらの法人の文書についても「公文書」と位置付けているように(第2条第4項)、本市と同等の公文書の管理責任を負っています。しかし、これらの法人は地方公共団体とは別人格を有する独立した法人であり、公文書の管理方法について本市の機関と一律に同じ取扱いをすることは適当ではなく、個々の法人の性格や業務内容に的確に対応した制度の整備その他の施策を講ずるべきと考えられます。
 このような考え方から、本条では、それぞれの法人に対して各条項を直接適用するのではなく、法人の性格や業務内容に応じて公文書の適正管理が行われるよう、この条例の趣旨にのっとり、それぞれの法人で公文書の適正な管理に資するために必要な措置を講ずる責任を負うこととしています。(第11条、第12条をご覧ください。)

第4条 作成

本市の機関は、意思決定をするに当たっては、公文書(法人公文書を除く。以下この条及び次条において同じ。)を作成してこれをしなければならない。ただし、事案が軽微なものであるとき又は意思決定と同時に公文書を作成することが困難であるときは、この限りでない。
2 本市の機関は、意思決定と同時に公文書を作成することが困難である場合において、前項ただし書の規定により公文書を作成することなく意思決定をしたときは、当該意思決定をした後速やかに公文書を作成しなければならない。
3 本市の機関は、審議又は検討の内容その他の意思決定の過程に関する事項であって意思決定に直接関係するものについては、事案が軽微なものである場合を除き、公文書を作成しなければならない。
4 本市の機関は、事務及び事業の実績については、事案が軽微なものである場合を除き、公文書を作成しなければならない。
5 市長は、本市の機関の意思決定の過程に関する事項に係る公文書が適切に作成されるようにするため、公文書の作成に関する指針を定めるものとする。

[趣旨]

 本条は、本市の機関が、市政運営に関する情報について公文書を作成して記録する義務を負うことを定めています。

[解説]

1 第1項関係
 (1) 意思決定をするに当たっては、正確性の確保、責任の明確化及び本市の諸活動を市民に説明する責務を全うする観点から、公文書を作成して行うことを原則としたものです。ただし、事務執行の効率化の観点から、事案が軽微であるとき又は意思決定と同時に公文書を作成することが困難であるときを除いています。
 (2) 「事案が軽微なものであるとき」とは、事後に確認が必要とされるものではなく、文書を作成しなくとも職務上支障が生じないような場合であり、次に挙げる例が考えられます。(第3項、第4項においても同じ)
  ・ 所掌事項に関する単なる照会・問い合わせに対する応答
  ・ 本市の機関の内部又は相互における日常的業務の連絡・打ち合わせ等
 (3) 「意思決定と同時に公文書を作成することが困難であるとき」とは、次に挙げる例が考えられます。
   ・ 緊急に事務を処理しなければならない場合
  ・ 会議において口頭了承を行う場合
  ・ 現場における行政指導                                 等

2 第2項関係
 意思決定と同時に公文書を作成することが困難である場合について、第1項ただし書の規定により、公文書を作成することなく意思決定をしたときは、事案が軽微である場合を除き、事後に公文書を作成する必要があることを定めています。

3 第3項関係
 公文書作成の在り方として、従来からの事務及び事業の適正執行だけでなく、市民に対する説明責務を全うするためという観点からも適正な作成が必要です。そのためには、市民が必要とする情報を的確に文書化する必要があるため、「意思決定の過程に関する事項であって意思決定に直接関係するもの」についても、事案が軽微なものである場合を除き、公文書を作成しなければならないとしたものです。
 「意思決定の過程に関する事項であって意思決定に直接関係するもの」とは、「意思決定に大きく影響を与える会議や協議における審議又は検討の内容」や「市長、副市長への説明資料や説明時の指示の内容」などをいい、第5項の規定により定める「説明責任を果たすための公文書作成指針」に示していますので、意思決定の過程に関する事項についても的確に公文書を作成し、記録しなければなりません。なお、意思形成過程文書の作成は本条例制定時には努力義務として定められていましたが、市民に対する説明責務を全うするため、平成23年4月の本条例の改正に伴い、作成が義務付けられることになりました。

4 第4項関係
 第1項及び第2項の意思決定事項と同様、事務及び事業の実績についての記録を適正に残すことも公文書作成の大きな要素の一つです。本市の機関は、事務及び事業の実績についても、事案が軽微なものを除き、公文書を作成しなければなりません。

5 第5項関係
 本市の機関の意思決定の過程に関する事項に係る公文書が適切に作成されるようにするために、市長が公文書の作成に関する指針を定めることとしたものです。本項で定めることとされている指針については、「説明責任を果たすための公文書作成指針」として定めており、意思決定の過程に関する事項については、この指針に基づき適切に公文書を作成しなければなりません。

第5条 分類

本市の機関は、公文書を事務及び事業の性質、内容等に応じて系統的に分類しなければならない。
2 本市の機関は、前項の規定による公文書の分類に関する基準を定めるとともに、これを一般の閲覧に供しなければならない。

[趣旨]

 本条は、公文書を効率的かつ適正に管理するための分類について定めています。

[解説]

1 公文書の分類(第1項)
 公文書の管理方法として、1件ずつの公文書を個別に管理することは、管理する対象が多すぎること、公文書の利用の面からも効率的でないこと等の問題があることから、事務及び事業の性質、内容等に応じて系統的に分類し、管理することとしたものです。
 この分類に従って公文書を簿冊(第6条第1項)に編集することにより、公文書の検索性が高まり、事務の効率化に役立つとともに、情報公開のための目録としての機能も持たせることができます。

2 文書分類の基準及びその公表(第2項)
 公文書の分類に関する基準は、款・項・目・節等の分類に、その下位分類として「簿冊名称」、「保存期間」を加えたものを「文書分類表」として本市の機関ごとに定めます。
 文書分類表は、公文書を事務及び事業の性質、内容等に応じて系統的に整理分類するための基準として定めるものなので、新規事業の実施等により新たに公文書が発生した場合等は適宜改正します。
 また、本市の機関は、定めた「文書分類表」を一般の閲覧に供しなければなりません。閲覧に供する方法としては、インターネットの利用並びに公文書館及び市民情報プラザへの配架等があります。

 

第6条 編集及び保存

本市の機関は、前条第2項の規定により定める基準に従い、市規則(議長にあっては、その定める規程。以下この章において同じ。)で定めるところにより、公文書(法人公文書及び特定歴史公文書等を除く。以下この章において同じ。)を簿冊(相互に密接な関連を有し、保存期間を同じくすることが適当である公文書の集合物をいう。以下同じ。)に編集しなければならない。
   2 本市の機関は、前項の規定により編集された公文書の保存期間が満了するまでの間、その内容、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において、識別を容易にするための措置を講じた上で当該公文書を保存しなければならない。
3 公文書の保存期間は、別表の左欄に掲げる公文書の区分に応じ、同表の右欄に定める期間とする。
4 本市の機関は、公文書の保存期間を前項に定める期間を超えて定める必要があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該公文書の保存期間を別に定めることができる。
5 前2項の保存期間は、市規則で定める日から起算する。
6 本市の機関は、保存期間が満了した公文書について、職務の遂行上必要があると認めるときは、一定の期間を定めて当該保存期間を延長するものとする。この場合において、当該延長に係る保存期間が満了した後なお職務の遂行上当該公文書を保存する必要があると認めるときも、同様とする。

[趣旨]

 本条は、公文書を管理の単位としての簿冊に編集するとともに、公文書の保存、保存期間、保存期間の起算点及び保存期間の延長について定めています。

[解説]

1 公文書管理の単位としての「簿冊」への編集(第1項)
  相互に密接な関連を有し、保存期間を同じくすることが適当である複数の公文書については、効率的な事務又は事業の処理や適切な保存のために、市規則第3条に基づき速やかに、相互に密接な関連を有し、保存期間を同じくすることが適当である公文書の集合物である簿冊に編集しなければなりません。

2 保存期間が満了するまでの公文書の保存方法(第2項)
 (1) 「その内容、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において…保存しなければならない。」とは、機密性の高い内容が記された公文書の場合には、紙媒体であれば施錠した部屋やキャビネットに保管し、文書管理システムでは適切な閲覧区分を設定することにより情報漏えいの防止措置を講じることをいいます。
   また、時の経過に伴う利用頻度に応じて、作成から一定期間は現に業務を行っている事務室の書棚、一定期間経過後は別室の書庫において保存を行うこと等により、適正な情報管理及び事務スペースの有効活用を図りつつ、適切な公文書の保存を確保することをいいます。

 (2) 「識別を容易にするための措置」とは、例えば、公文書か否か及びその内容が分かるように表紙及び背表紙(大阪市公文書管理規程第30条第1項第3号)を簿冊に付けること等をいい、それにより公文書の検索性を向上させ、紛失を防止し、適切に公文書を保存することができます。 

3 保存期間の設定(第3項)
 本項では、公文書の保存期間に関する基準を定めており、別表に定める公文書の区分に応じて定めた期間は公文書を保存しなければなりません。
 個々の公文書の管理は、前条の規定に基づく文書分類表に定める簿冊に編集することにより、定められた期間が満了するまで管理します。

4 別表によらない保存期間の設定(第4項)
 前項は、本市の機関の事務及び事業の性質、内容等に応じた公文書の保存期間の基準を定めるものですが、個別の事務及び事業の内容や他の事業との関係性などの観点から、この基準を超える保存期間とする必要があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該公文書の保存期間を別に定めることができるとしています。

5 保存期間の起算日(第5項)
 第3項及び第4項で定める保存期間の起算日については、市規則で定めることを明らかにしています。市規則第5条では、公文書の保存期間の起算日について「同一の簿冊に編集された公文書に係る公文書の完結日のうち最も遅い日の属する会計年度の翌年度の4月1日(暦年により編集された公文書にあっては同一の簿冊に編集された公文書に係る公文書の完結日のうち最も遅い日の属する年の翌年の4月1日)とする。」と定めています。

6 保存期間の延長(第6項)
 保存期間が満了した公文書について、職務の遂行上必要があると認めるときは、一定の期間を定めて保存期間を延長することを定めています。延長した期間が満了した時に、なお延長の必要があるときは、再延長を行います。
 〇保存期間を延長する必要があるものの例(大阪市公文書管理規程第40条)
  ・ 現に監査、検査等の対象になっているもの
  ・ 現に係属している訴訟における手続上の行為をするために必要なもの
  ・ 現に係属している不服申立てにおける手続上の行為をするために必要なもの(不服申立てに対する裁決又は決定の日の翌日から起算して1年を経過していないものを含む。)
  ・ 情報公開条例第10条第1項若しくは第2項又は個人情報保護条例(平成7年大阪市条例第11号)第23条第1項若しくは第2項、第32条各項若しくは第40条各項の決定の日の翌日から起算して1年を経過していないもの
  ・ その他、主管課長が職務の遂行上なお必要であると認めるもの


第7条 歴史公文書等の決定

本市の機関は、公文書について、保存期間(前条第6項の規定により延長された場合にあっては、延長後の保存期間。次条において同じ。)の満了前に、市長が定める基準(議長にあっては、その定める基準)により、歴史公文書等に該当するかどうかを決定しなければならない。
2 市長又は議長は、前項に規定する基準を制定し、又は改廃しようとするときは、あらかじめ第29条第1項の規定による大阪市公文書管理委員会(以下「委員会」という。)の意見を聴かなければならない。

[趣旨]

 本条は、保存期間満了時の措置の事前の設定及び歴史公文書等の判定基準の制定改廃時に公文書管理委員会への意見聴取を行わなければならないことを定めています。

[解説]

 1 歴史公文書等の決定(第1項)

 本市の機関は、公文書について、保存期間の満了前に、市長が定める基準(議長にあっては、議長の定める基準)により、歴史公文書等に該当するかどうかを決定しなければなりません。

 当該基準の中で、個別の公文書が歴史公文書等に該当するかどうかを決定するにあたっての具体的な判断の指針が定められています。また、決定に際しては、歴史資料として重要な公文書等について調査研究を行う者(以下「アーキビスト」という。)の意見を聴かなければなりません。

 決定にあたっての手続としては、次の(1)~(3)の流れになります。新たに公文書が発生する等、歴史公文書等に該当するかどうかを決定する必要が生じたときの判定業務を、円滑かつ安定的に継続することができるような仕組みとなっています。

  (1) 所属が歴史公文書等に該当するか否かを判断した内容を総務局へ報告

  (2) 所属から報告を受けた内容についてアーキビストによる意見の付与

  (3) アーキビストからの意見を踏まえて最終的に本市の機関が決定

 また、歴史公文書等の該当性判断における統一性を確保するため、所属による判定及びアーキビストによる判定を経て本市の機関として決定した内容を大阪市公文書管理条例第7条第1項に規定する議長及び市長が定める基準の細目として取りまとめています。より適正な歴文判定を行うために細目を活用してください。

 2 公文書管理委員会への意見聴取(第2項)

 歴史公文書等の判定基準は、保存期間満了後、公文書が公文書館で永久に保存されるか否かを決める重要なものなので、市長又は議長のみの判断で制定又は改廃するのではなく、学識経験者等から成る公文書管理委員会に意見聴取し、専門的な知見を活用することとしています。

 この他、公文書管理委員会は市長の諮問機関として、審査請求(第25条)、特定歴史公文書等の廃棄(第28条第2項)、公文書等の管理に関する重要な事項(第29条第2項)について調査審議し、市長に意見を述べる権能を有しています。

第8条 保存期間が満了した公文書の取扱い

本市の機関は、保存期間が満了した公文書については、市規則で定めるところにより、適正に廃棄しなければならない。
2 市長は、保存期間が満了した公文書であっても、当該公文書が歴史公文書等であるときは、前項の規定にかかわらず、これを引き続き保存しなければならない。
3 市長以外の本市の機関は、保存期間が満了した公文書であっても、当該公文書が歴史公文書等であるときは、第1項の規定にかかわらず、これを市長に引き継がなければならない。この場合において、市長は、当該引き継がれた公文書を保存しなければならない。
4 本市の機関は、第2項の規定により引き続き保存され、又は前項の規定により市長に引き継がれる公文書について、第16条第1項第1号に掲げる場合に該当するものとして市長において利用の制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨の意見を付さなければならない。

 

[趣旨]

 本条は、保存期間が満了した公文書の廃棄、歴史公文書等の保存及び利用制限に係る意見の付与について定めています。

[解説]

1 保存期間満了時の廃棄(第1項)
 第6条第3項の規定に基づき、公文書には事務遂行上の必要に応じて保存期間が定められており、保存期間が満了した公文書は、公文書の検索性の向上及び事務スペースの有効活用の観点からも適正に廃棄しなければなりません。
 なお、保存期間が満了した公文書については、本条第2項及び第3項で定める歴史公文書等として保存するものを除き、市規則第6条で定めるところにより、廃棄する公文書を特定するために必要な項目を記録した目録(廃棄簿冊目録)を作成し、適正に廃棄することを定めたものです。この廃棄簿冊目録を作成する趣旨は、別表の保存期間の定めに基づき、公文書が適正に廃棄されることを担保する趣旨です。

2 保存期間満了時の引継(第2項、第3項)
 保存期間が満了した歴史公文書等については、市長が公文書館において永久に保存します。
   また、当該歴史公文書等を保有する機関が市長以外の場合には、市長に引き継ぎ、公文書館において永久に保存しなければなりません。

3 利用制限に係る意見付与(第4項)
 公文書館に引き継がれた特定歴史公文書等に記載された内容やそれに関する施策の現状、当該公文書を公にすることが与える影響等に関しては、当該公文書を作成・取得した引継元である本市の機関が最もよく分かっています。その引継元の知見を第16条第1項第1号に定める利用制限情報に該当するか否かの判断に当たっても活用する必要があります。
 そこで、本項において、歴史公文書等を引き継ぐ際には、引継元の本市の機関が特定歴史公文書等について利用制限を行うことが適切であると判断する場合には、その旨の意見を付さなければならないことを定めています。なお、市長は、引継元の意見を参酌しなければなりません。(第16条第2項)


第9条 管理状況の報告等

市長は、公文書の適正な管理を確保するために必要があると認める場合には、市長以外の本市の機関に対し、公文書の管理について、その状況に関する報告若しくは資料の提出を求め、又は当該職員に実地調査をさせることができる。

[趣旨]

 公文書管理に関するコンプライアンスを確保するため、市長は必要があると認める場合に、第2条第1項に定める市長以外の本市の機関(大阪市会議長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者及び消防長)に対し、報告又は資料の提出を求め、または、当該職員に実地調査をさせることができることを定めています。

[解説]

1 「必要があると認める場合」とは、例えば、公文書管理上の問題発生時や、制度運営上、特定の公文書の取扱いについて検討の必要が生じたとき等をいいます。
2 本条に規定する「実地調査」とは、各行政機関における公文書管理の現場である事務室や書庫に出向き、実際の公文書管理の状況を職員から聴取したり、公文書を確認したりすることで、本条例等の基準に照らして、公文書管理が適正に行われているかどうかを調べることをいいます。

第10条 公文書管理体制の整備

本市の機関は、市規則で定めるところにより、公文書を適正に管理するために必要な体制を整備しなければならない。

[趣旨]

 本条は、公文書を適正に管理するために、市規則第7条で定めるところにより必要な公文書管理体制を整備しなければならないことを定めています。

[解説]

 本市の機関は、次に掲げる体制を整備するとともに、それぞれに役割を設け、公文書管理の適正化に努めなければなりません。

公文書管理体制

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第11条 法人公文書の管理

地方独立行政法人等は、第4条から第6条まで及び第8条第1項の規定に準じて、法人公文書を適正に管理しなければならない。
2 地方独立行政法人等は、公文書の作成、分類、保存及び廃棄に関する基準その他の法人公文書の適正な管理に必要な事項について定めを設けるとともに、これを一般の閲覧に供しなければならない。

[趣旨]

 本条は、法人公文書の適正管理を推進するため、地方独立行政法人等は本市の機関の公文書の作成、分類、保存及び廃棄に関する基準に準じて法人公文書を適正に管理し、その管理に必要な事項について定めを設けるとともに、これを一般の閲覧に供する責務を定めています。

[解説]

1 第1項関係
 地方独立行政法人等については、本市とは別人格を有する独立した法人であり、公文書の管理方法について本市の機関と一律に同じ取扱いをすることは適当ではありません。
 しかし、地方独立行政法人等は本市の機関に準ずるものであり、第2条第4項において、これらの法人の文書については「法人公文書」と位置付け、本市と同等の公文書の管理責任を負っています。公文書の適正管理を行うためには、個々の法人の性格や業務内容に的確に対応した制度の整備その他の施策を講じる必要があります。
 そこで、本条では、地方独立行政法人等は、公文書の作成(第4条)、公文書の分類(第5条)、公文書の編集及び保存(第6条)及び保存期間が満了した公文書の廃棄(第8条第1項)について、地方独立行政法人等の性質を考慮しつつ、本市の機関の基準に準じて公文書管理を行うものとしています。

2 第2項関係
 地方独立行政法人等は、その性格や業務内容に応じた適正な公文書管理を行うために、この条例の規定に準じて、それぞれの法人で法人公文書の作成、分類、保存及び廃棄に関する基準その他公文書の管理に関する必要な事項について定めを設けなければなりません。また、その定めについては、市民等が閲覧可能な場所へ配架するなど、一般の閲覧に供しなければなりません。

第12条 歴史公文書等に該当する法人公文書の取扱い

地方独立行政法人等は、法人公文書について、保存期間の満了前に、第7条第1項の規定により市長が定める基準を勘案して当該地方独立行政法人等が定める基準により、歴史公文書等に該当するかどうかを決定しなければならない。
2 地方独立行政法人等は、前項の規定により歴史公文書等に該当すると決定された法人公文書のうち、当該法人公文書の保存期間が満了したものを簿冊に編集して市長に引き継がなければならない。この場合において、市長は、当該引き継がれた公文書を保存しなければならない。
3 地方独立行政法人等は、前項の規定により市長に引き継ぐ法人公文書について、第16条第1項第1号に掲げる場合に該当するものとして市長において利用の制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨の意見を付さなければならない。

[趣旨]

 本条は、法人公文書について歴史公文書等に該当するか否かの決定、当該決定された歴史公文書等の保存及び利用制限に係る意見の付与について定めています。

[解説]

1 歴史公文書等の決定(第1項)
 地方独立行政法人等は、法人公文書について、市長が定める歴史公文書等の判定基準(第7条第1項)を勘案して、法人公文書の歴史公文書等の判定基準を定めます。その基準により、歴史公文書等に該当するかどうかを保存期間の満了前に決定しなければならないことを定めています。

2 保存期間満了時の引継(第2項)
 第1項の規定によりで歴史公文書等と決定された法人公文書については、保存期間満了後、地方独立行政法人等は市長に引き継ぎ、市長は公文書館において特定歴史公文書等として永久に保存しなければなりません。(第2条第6項第1号)

3 利用制限に係る意見付与(第3項)
 本項は、本市の機関が歴史公文書等を公文書館に引き継ぐ際の意見付与(第8条第4項)と同趣旨です。利用制限情報については、文書の内容に関する事柄も規定されていることから、特定歴史公文書等となった法人公文書については、当該法人公文書を作成・取得した引継元の地方独立行政法人等が、当該法人公文書に記載された内容やそれに関する施策の現状、当該法人公文書を公にすることが与える影響等に関する知見を有しているため、引継後の利用制限情報に該当するか否かの判断においても、引継元の地方独立行政法人等の知見を活用する必要があります。そこで、本項において、地方独立行政法人等が法人公文書を引き継ぐ際に、第16条第1項第1号に掲げる情報に該当するものとして利用制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨の意見を付さなければならないことを定めています。市長は、本項の規定に基づき付された意見を参酌し、時の経過も考慮した上で、請求の対象となった特定歴史公文書等を利用に供するかどうかを判断します。(第16条第2項)

第13条 出資等法人の文書の管理

本市の機関及び本市が設立した地方独立行政法人は、情報公開条例第34条第1項に規定する出資等法人の保有する文書が適正に管理されるよう、当該出資等法人に対し必要な指導等の実施に努めなければならない。
2 情報公開条例第34条第2項に規定する出資等法人は、この条例の趣旨にのっとり、その保有する文書を適正に管理するため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

[趣旨]

 本条は、出資等法人の保有する文書の適正管理を推進するため、本市の機関及び本市が設立した地方独立行政法人(以下「本市の機関等」という。)並びに出資等法人が負うそれぞれの努力義務を定めています。

[解説]

1 出資等法人の文書管理
 出資等法人については、本市と密接な関係にありますが、多様な設立形態があり、また、本市とは全く別個の独立した法人格を有しています。このような本市とは別人格の独立した法人に対して、本市の機関と同様に条例を直接適用することによって公文書等の管理の義務を課すことは、それぞれの根拠法で認められた法人の設立趣旨を損ない、当該法人の事業運営における自主性、独立性を制約することにもなりかねません。また、出資等法人を本市の機関と一律に同じ取扱いをすることは一般的には、地方自治法で定められた条例制定権の範囲を超えるおそれがあり、現行法上困難であると考えられます。
  しかしながら、出資等法人は、実質上本市の事務事業の一部を補完又は分担し、市政の重要な一翼を担うとともに、本市から財政的支援や人的支援を受けているものが多いこと等を考慮すれば、出資等法人の設立の趣旨や自律性に配慮しつつ法律上可能な範囲内で、出資等法人の文書管理の適正化を図っていく必要があります。
 また、本市の説明責務を全うするという観点からすれば、本市の機関等としても、その監督・管理する出資等法人の文書管理の適正化を図る責務を有しているといえます。
 このような見地から、本条は第1項において、本市の機関等は、出資等法人の文書管理の適正化が図られるよう、出資等法人に対し、必要な指導等を行うよう努めることを定めています。
   他方、本条は、第2項において、出資等法人のうち、本市が行う事務又は事業と特に密接な関係にある法人については、当該法人の責務として、この条例の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正管理に関する必要な措置を講ずるよう努めなければならないとしています。

2 第1項関係
 「本市の機関及び本市が設立した地方独立行政法人は、資本金、基本金その他これらに準ずるものを出資し、又は職員の派遣等を行っている法人(本市が設立した地方独立行政法人等を除く。)であって、市長が定めるもの」とは、外郭団体(本市が資本金、基本金その他これらに準ずるものの4分の1以上を出資している法人)及び外郭団体に準ずる団体をいいます。なお、本市が設立した地方独立行政法人等については、本条例に基づき適正な文書管理を行う責務を負うことから、出資等法人からは除外されます。一方で、本市が設立した地方独立行政法人等が財政的・人的支援を行うなど密接な関係にある団体については、出資等法人に加えます。
 「必要な指導等」とは、本市の機関等が、出資等法人の文書の適正管理を推進するために必要と認める範囲内において、当該出資等法人に対して行う指導、助言、相談、調整等をいいます。本市の機関等が、第2項の対象となる出資等法人に対し、文書の適正管理に関する制度を整備するよう指導することも含まれます。

3 第2項関係
 「出資等法人のうち、本市等が行う事務又は事業と特に密接な関係にある法人であって、市長が定めるもの」とは、本市の機関等が資本金、基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資している法人をいいます。
 「その保有する文書を適正に管理するため必要な措置を講ずる」とは、本項の対象となる出資等法人が、当該法人自身の内部規程を設けることにより、本市の機関等がこの条例に基づいて行う公文書管理に準じた制度を整え、これを実施することをいいます。

第14条 公の施設の指定管理者の文書の管理

情報公開条例第34条の2第1項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)は、この条例の趣旨にのっとり、本市が設置する公の施設(地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第244条第1項に規定する公の施設をいう。)の管理に関する文書を適正に管理するため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 本市の機関は、指定管理者が前項に定める措置を講ずるよう必要な指導等の実施に努めなければならない。

[趣旨]

 本条は、本市が設置する公の施設の指定管理者が保有する当該施設の管理に関する文書を適正に管理するため、指定管理者及び本市の機関それぞれの責務を定めています。

[解説]

 本市が設置する公の施設の管理を行っている指定管理者についても、前条に規定されている出資等法人と同様に、本市とは全く別個の独立した人格を有しており、本市の機関と同様に条例を直接適用することによって文書の適正管理の義務を課すことは、当該事業者の施設運営における自主性、独立性を制約することになりかねません。
 しかしながら、指定管理者が管理を行っている施設は本市が設置した公の施設であり、本市の事務事業の一部を補完又は分担し、市政の一翼を担うものであるということができることから、本市としては、指定管理者の自律性に配慮しつつも、本市の施設の管理に関する文書を適正に管理する必要があります。
 このような見地から、第1項において指定管理者は当該指定管理者の責務として、この条例の趣旨にのっとり、当該公の施設の管理に関する文書を適正管理するために、必要な措置を講ずるよう努めなければならないとしています。
 他方、第2項において、本市の機関に対しては指定管理者の文書管理が適正に実施されるよう、指定管理者に対し必要な指導等を行う義務を課しています。

 

[運用]

 指定管理者は、本条の規定により、当該公の施設の管理に関する文書について、適正に管理を行うものとしますが、指定管理者自身にとって必要がある文書だけを管理するのではなく、市民が知りたい情報が記載されている文書、必要としている情報が記載されている文書についても適正に管理しなければなりません。
 本市の機関は、所管する公の施設を管理する指定管理者との間で取り交わされる協定において、指定管理者が文書管理を適正に行うための規定を盛り込むとともに、適宜指導を行います。

第15条 特定歴史公文書等の保存等

市長は、特定歴史公文書等について、第28条第1項の規定により廃棄されるに至る場合を除き、公文書館において永久に保存しなければならない。
2 市長は、特定歴史公文書等について、その内容、保存状態、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。
3 市長は、特定歴史公文書等に個人情報(生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。)が記録されている場合には、当該個人情報の漏えいの防止のために必要な措置を講じなければならない。
4 市長は、市規則で定めるところにより、特定歴史公文書等を編集した簿冊の分類、名称その他の特定歴史公文書等の適切な保存を行い、及び適切な利用に資するために必要な事項を記載した目録を作成し、公表しなければならない。

[趣旨]

 現在及び将来の市民への説明責務を全うするため、本条において、市長に対し、特定歴史公文書等を公文書館において永久保存するとともに、適切な保存及び利用に資するため必要な事項を記録した目録(利用請求対象簿冊目録)を作成及び公表することについて定めています。

[解説]

1 第1項関係
 公文書館における特定歴史公文書等の利用を図り、現在及び将来の市民への説明責務を全うするため、第1項において、市長に対し、特定歴史公文書等を永久に保存することを義務付けています。「第28条第1項の規定により廃棄されるに至る場合を除き」とは、同条の解説においても触れているとおり、本条例の趣旨に適合しなくなったものについて例外的に廃棄することを定めています。

2 第2項関係
 公文書館における特定歴史公文書等の保存の方法について定めています。
 「内容」とは公文書等に利用制限情報が記録されているか等を、「保存状態」とは紙等の媒体の劣化の状態等を、「利用の状況」とは利用頻度等をいいます。
 「適切な記録媒体により」とは、公文書の電子化の在り方や長期保存の問題等を考慮しながら、電磁的記録についての技術の進展等を踏まえた媒体を選択することをいい、「識別を容易にするための措置」とは、例えば、簿冊に配架番号を付けることをいいます。

3 第3項関係
 特定歴史公文書等について、本条例により保存が義務付けられ、かつ、市民に対する利用請求権の付与及び審査請求手続の導入等がなされたことを踏まえれば、特定歴史公文書等であっても、個人情報の漏えいの防止のために必要な措置を講じなければなりません。
 本条例の「個人情報」は、個人情報保護法第2条第2項及び独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律第2条第2項と同じです。なお、対象を生存する個人に限定しているのも、個人情報保護条例と同じです。
 「個人情報の漏えいの防止のために必要な措置」には、物理的保護措置、技術的保護措置、組織的保護措置があります。物理的保護措置としては、書庫の施錠、立入制限、防火設備の整備等、技術的保護措置としては、ネットワークに接続されているコンピューターへのファイアウォールの構築等、組織的保護措置としては、職員に対する教育・研修の実施等が挙げられます。

4 第4項関係
 公文書館が、特定歴史公文書等を効率的に管理し、適切に市民の利用に供するために、市長に対して利用請求対象簿冊目録の作成及び公表を義務付けています。ここで作成された目録は、第16条第1項に規定する利用請求の際にも使用されます。
 目録には、特定歴史公文書等を編集した簿冊の分類、名称その他の目録に記載すべき事項を掲載します。その他の目録に記載すべき事項は市規則第9条第1項で定めます。
 公表の方法については、市規則第9条第2項において、「市長は、条例第15条第4 項の目録について、公文書館に備えて一般の閲覧に供するとともに、インターネットの利用その他の情報通信の技術を利用する方法により公表しなければならない。」と定めています。

第16条 特定歴史公文書等の利用請求及びその取扱い

市長は、公文書館において保存されている特定歴史公文書等について前条第4項の目録の記載に従い利用の請求があった場合には、次に掲げる場合を除き、これを利用させなければならない。
(1) 当該特定歴史公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合
ア 情報公開条例第7条第1号に掲げる情報
イ 情報公開条例第7条第2号、第3号又は第5号ア若しくはオに掲げる情報
ウ 情報公開条例第7条第6号又は第7号に掲げる情報
(2) 当該特定歴史公文書等がその全部又は一部を一定の期間公にしないことを条件に法人等又は個人から寄贈され、又は寄託されたものであって、当該期間が経過していない場合
(3) 当該特定歴史公文書等の原本を利用に供することにより当該原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそれがある場合又は公文書館において当該原本が現に使用されている場合
2 市長は、前項に規定する利用の請求(以下「利用請求」という。)に係る特定歴史公文書等が同項第1号に該当するか否かについて判断するに当たっては、当該特定歴史公文書等が公文書として作成され、又は取得されてからの時の経過を考慮するとともに、当該特定歴史公文書等に第8条第4項又は第12条第3項の規定による意見が付されている場合には、当該意見を参酌しなければならない。
3 市長は、第1項第1号又は第2号に掲げる場合であっても、同項第1号アからウまでに掲げる情報又は同項第2号の条件に係る情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、利用請求をしたもの(以下「利用請求者」という。)に対し、当該部分を除いた部分を利用させなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

[趣旨]

 利用請求があったときは、利用請求に係る特定歴史公文書等に第16条第1項各号に規定する情報が記載されている場合を除き、利用請求者に対し、当該特定歴史公文書等を利用に供しなければならないという市長の義務を定めています。
そのうち、本条第1項第1号では、情報公開条例第7条の必要な部分を準用し、6項目の利用制限情報を限定列挙し、その内容及び要件を定めています。
 本条第1項第2号では、特定歴史公文書等には、その全部又は一部を一定の期間公にしないことを条件に法人等又は個人から寄贈され、又は寄託されたものについて、当該期間が経過していない場合には、当該特定歴史公文書等の利用を制限することを規定しています。これは、寄贈者・寄託者の意思を尊重する趣旨です。
 また、本条第1項第3号では、特定歴史公文書等を永久に保存するため、利用により原本の破損若しくはその汚損のおそれがある場合には、当該特定歴史公文書等の利用を制限することを定めています。

[解説]

1 第16条第1項第1号に基づく利用制限
 特定歴史公文書等に記録されている情報が、条例第16条第1項第1号に規定する情報(大阪市情報公開条例第7条第1号、第2号、第3号、第5号ア若しくはオ、第6号又は第7号に掲げる情報)に該当する場合には、当該特定歴史公文書等の利用を制限します。

2 情報公開制度の非公開情報との相違について
 公文書管理条例の利用制限情報については、情報公開条例の非公開情報を準用しています。その一方で、非現用文書においては、特定の情報を公開することによりその後の審議や事務の遂行に支障をきたすという事態が想定されないため、こうした事態の防止を前提とした情報公開条例第7条第4号並びに第5号本文及び例示列挙のイ、ウ、エについては、利用制限情報から外しています。
 情報公開制度との比較は、以下のとおりです。

情報公開制度との比較

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第16条第1項第1号ア 個人情報

当該特定歴史公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合
ア 情報公開条例第7条第1号に掲げる情報

情報公開条例第7条第1号(個人情報)について

(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

ア 法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報

イ 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報

ウ 当該個人が公務員等(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)第5条第1号ハに規定する公務員等並びに大阪市住宅供給公社の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分

[趣旨]

    本号アは、個人の尊厳を守り、基本的人権を尊重する立場から、プライバシーを中心とする個人の正当な権利利益を最大限に保護するために、特定の個人を識別することができる情報について原則としてその利用を制限することを定めています。一方で、個人に関する情報であっても、個人の権利利益の保護の観点から利用を制限する必要のないものや公益上公にする必要性が認められるものについて、本号ただし書の規定により例外的に利用制限情報から除くことにしています。

[解説]

1 条例第16条第1項第1号ア(個人情報)[情報公開条例第7条第1号]について

(1) 特定の個人を識別できる情報等(情報公開条例第7条第1号本文)について

ア 「個人に関する情報」とは、個人の人格や私生活に関する情報に限らず、個人の知的創作物に関する情報、組織体の構成員としての個人の活動に関する情報、その他個人との関連性を有するすべての情報を意味します。具体的には、次に掲げるような情報が該当します。

・ 氏名、住所、本籍など戸籍的事項に関する情報

・ 学歴、職歴など経歴に関する情報

・ 疾病、障害など心身に関する情報

・ 資産、収入など財産に関する情報

・ 思想、信条等に関する情報

・ 家庭状況、社会的活動状況に関する情報

・ その他個人に関する一切の情報

イ 「事業を営む個人の当該事業に関する情報」は、個人に関する情報に含まれるものですが、その情報の性質上、情報公開条例第7条第2号により保護される法人等の事業活動に関する情報と同様の利用制限基準によることが適当であるので、第16条第1項第1号イの規定により判断します。

 ただし、事業を営む個人に関する情報であっても、その事業とは直接関係がない個人に関する情報については、第16条第1項第1号アにより利用を制限するかどうかについて判断します。

ウ 「特定の個人を識別することができる」とは、当該情報に含まれる氏名、住所、生年月日その他の記述等により、他の者と区別された特定の個人が明らかに識別され、又は識別される可能性がある場合のことをいいます。

エ 「他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。」とは、当該情報そのものからは特定の個人を識別することはできないが、他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができる場合も「特定の個人を識別することができるもの」に含まれます。

オ 「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」とは、カルテ、反省文など個人の人格と密接に関わる情報や未公表の研究論文等の著作物であって、氏名、肩書その他の個人識別性のある部分を除いたとしても、利用に供することにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものをいいます。

(2) 法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報(情報公開条例第7条第1号ただし書ア)について

ア 「法令等の規定により」とは、法律、政令、省令又は条例に根拠となる規定があることをいいます。

イ 「慣行として」とは、法令等に根拠規定がない場合であっても、行政機関において、事実として定例又は反復的に行われてきていることをいいます。

ウ 「公にされ……ている情報」とは、現に何人も容易に知り得る状態に置かれている情報をいいます。したがって、過去に新聞等で報道された事実であっても、現在は限られた者しか知らない事実は、「公にされ……ている情報」に該当しません。

エ 「公にすることが予定されている情報」とは、利用請求の時点においては、公にされていないが、将来、公にすることが予定されている(具体的に公表が予定されている場合に限らず、求めがあれば何人にも提供することを予定しているものを含む。)情報をいいます。

(3) 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報(情報公開条例第7条第1号ただし書イ)について

 ア 情報公開条例第7条第1号本文に規定する個人情報に該当する情報であっても、当該情報の利用を制限することにより得られる利益よりも、当該情報を利用させることにより得られる人の生命、身体、健康、生活又は財産の保護という公益が優越する場合には、当該情報を利用に供します。

 イ 比較衡量を行うに当たっては、人の生命等を害する相当の蓋然性その他保護の必要性、緊急性等を具体的かつ慎重に検討します。

(4) 公務員等に関する情報の取扱い(情報公開条例第7条第1号ただし書ウ)について

ア 公務員等の職務遂行に係る情報については、情報公開条例第7条第1号本文の「個人に関する情報」に該当しますが、本市の説明責務を全うするため、行政事務と不可分の関係にある公務員等の職及び職務遂行の内容に係る部分については利用に供します。

イ 公務員等の氏名については、行政事務に関する情報ですが、同時に当該公務員等の私生活においても個人を識別する基本的な情報として一般に用いられており、これを利用に供すると公務員等の私生活等に影響を及ぼすおそれもあり得ることから、法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」であるか否かにより判断します。
 この場合において、職務遂行上の情報に係る本市職員の氏名については、職階に関係なく原則として公にする慣行が定着しているので、特段の事由がない限り利用に供します。一方、本市職員以外の公務員等の氏名の取扱いについては、当該団体の職務遂行上の情報であるので、当該団体において慣行として公にされ、又は公にすることが予定されているか否かによって判断します。

ウ 「公務員等」には、一般職だけでなく特別職を含めたすべての公務員が該当し、また、独立行政法人等、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社の役員及び職員を含みます。

エ 「その職務の遂行に係る情報」とは、公務員等が、行政機関その他の国の機関、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人又は大阪市住宅供給公社の一員として、その担任する職務を遂行する場合における当該職務遂行に関する情報をいいます。

 したがって、公務員等が受ける勤務評定、懲戒処分、分限処分その他の行政措置は、当該公務員等にとっては、職務に関する情報ではあっても、「その職務の遂行に係る情報」には該当しません。

オ 公務員等の職務の遂行に係る情報であっても、それが他の利用制限事由に該当する場合には、その職及び職務遂行の内容に係る部分を含めて全体を利用に供しないことがあります。

[運用]

1 利用請求は、何人でも行うことができ、本条本文は利用請求者のいかんにかかわらず、
 一律に利用制限を適用することとしています。しかし、利用請求者が自己に関する個人情報の利用を請求した場合は情報公開制度とは異なり、本人以外のものからの利用請求とは別に扱います。(第17条)
 したがって、利用請求では本号アに該当する個人情報であっても、市規則第10条第2項で定めるところにより本人であることを示す運転免許証、旅券等の書類の提示又は提出があったときは、本人の生命、身体、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き、利用に供します。

2 利用請求に係る特定歴史公文書等に利用請求者以外の第三者に関する情報が記録されているときは、意見書の提出の機会の付与等の第三者保護の手続を任意又は必要的に行う場合があるので留意する必要があります。(第22条参照)

3 本号に規定する「個人」は、その文理から明らかなように、自然人に限られ、法人その他の団体は含まれません。
 また、死者は権利利益の主体とはなり得ませんが、死者の名誉に関する市民感情や、死者の情報が利用されることによりその遺族・関係者のプライバシーが侵害されるおそれがあることを考慮すれば、本号に規定する「個人」には、死亡した個人も含まれるものとして運用します。

第16条第1項第1号イ 法人等情報、任意提供情報、事務事業遂行情報

当該特定歴史公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合
イ 情報公開条例第7条第2号、第3号又は第5号ア若しくはオに掲げる情報

情報公開条例第7条第2号(法人等情報)について

(2) 法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。以下「法人等」という。) に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。

[趣旨]

 法人等の事業者の活動は、社会的に尊重されるべきであり、法人等の事業者の経営上又は技術上の情報には、自由で公正な競争秩序の維持や経済の健全な発展のために保護されるべきものがあるので、法人等の事業者に関する情報で、公にすることにより当該法人等の事業者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものを利用制限情報としています。
   しかしながら、法人等の事業者の活動は、地域社会と密接な係わりを持ち、市民生活に及ぼす影響も少なくないので、人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報については、公益が優越するものとして利用に供することとしています。



[解説]

1 法人等には、株式会社等の会社法(平成17年法律第86号)上の会社、財団法人、社団法人、学校法人、宗教法人、政治団体、外国法人等も含まれます。ただし、国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社については、その公共的性格に鑑み、本号の「法人」から除かれます。国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社も企業活動を行うことがありますが、それは情報公開条例第7条第2号ではなく、情報公開条例第7条第5号ア若しくはオに掲げる情報に該当するかどうかにより判断します。

2 法人等を代表する者若しくはこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として行う行為に関する情報又はその他の者が権限に基づいて当該法人等のために行う契約の締結等に関する情報その他の法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報については、専ら法人等に関する情報としての利用制限情報が規定されているものとして本号で判断します。

3 「事業を営む個人」とは、地方税法(昭和25年法律第226号)第72条の2第8項から第10項までに掲げる事業を営む個人のほか、農業、林業等を営む個人をいいます。

4 「当該事業に関する情報」とは、営利を目的とすると否とを問わず、事業活動に関する一切の情報をいいます。

5 「権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは、次のような情報をいいます。

・ 法人等の事業者が保有する生産技術上又は販売上の情報であって、公にすることにより、当該法人等の事業者の事業活動が損なわれるおそれがあるもの

・ 経営方針、経理、人事等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、公にすることにより、法人等の事業者の事業運営が損なわれるおそれがあるもの

・ その他公にすることにより、法人等の事業者の名誉、社会的評価、社会的活動の自由等が損なわれるおそれがあるもの

6 「権利」は、財産権に限定されず、信教の自由、学問の自由等の自由権のように、非財産的権利も当然含まれます。

7 法人等の事業者に関する情報であって、法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されているものについては、当該法人等の事業者の「正当な利益を害する」とは認められず、利用に供することとなります。

8 情報公開条例第7条第2号本文に規定する法人等の事業者に関する情報に該当する情報であっても、当該情報の利用を制限することにより得られる利益よりも、当該情報を利用に供することにより得られる人の生命、身体、健康、生活又は財産の保護という公益が優越する場合には、当該情報を利用に供することとなります。比較衡量を行うに当たっては、人の生命等を害する相当の蓋然性その他保護の必要性、緊急性等を具体的かつ慎重に検討します。

9 情報公開条例第7条第2号本文に該当する法人等の事業者に関する情報が第三者に関する情報である場合において、ただし書の規定により例外的に利用に供するときは、原則として、当該第三者に意見書提出の機会を付与しなければなりません。(第22条第2項参照)

情報公開条例第7条第3号(任意提供情報)について

(3)実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で個人又は法人等から任意に提供された情報であって、当該個人又は当該法人等における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの。ただし、人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。

[趣旨]

 個人又は法人等は、自己のプライバシーや経営上の内部管理に属する情報、一般にはまだ知られていない情報、特別の情報源から入手した情報、特別の関係がなければ他人に提供しない情報を有しています。このような情報が市長の要請に応じて任意に提供され、市長がこれを保有することになった場合に、市長が保有していることのみを理由として、何人に対しても利用に供することになるのは、情報提供者の期待と信頼を損ない、将来、行政事務に必要な情報の入手に支障を来し、円滑な行政運営を妨げるおそれがあります。
   他方、公にしないとの条件があればすべて利用を制限することは、特定歴史公文書等の利用請求権を保障したこの条例の趣旨に反することになります。
   そこで、情報公開条例第7条第3号は、この両者の調整規定として、人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため公益上利用が必要とされる場合を除き、当該個人又は当該法人等における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるものに限り、利用を制限することができます。



[解説]

1 「実施機関の要請を受けて」とは、文書、口頭を問わず、実施機関から当該情報を提供してほしい旨の依頼があった場合をいいます。したがって、個人又は法人等の側から、自己に有利な政策決定を求めて、自ら実施機関に情報を提供したような場合は含まれません。また、法令等で定められた権限の行使として、実施機関が資料の提出等を求めた場合は、この要件に該当しません。

2 「公にしないとの条件」とは、契約書、要綱、調査票等の書面中に「他の目的に使用しない」、「秘密を厳守する」、「公開しない」等の記載があるなど、明示があるものに限ります。したがって、情報提供者が形式的に又は一方的に条件を付しただけではこれに該当せず、実施機関が当該条件を了承していることが必要です。

3 「任意に提供された情報」とは、法令等の根拠に基づかず、相手方の協力等により提供された情報をいい、法令等により提出義務がある情報は含まれません。

4 「当該個人又は当該法人等における通例として公にしないこととされているもの」とは、当該個人又は当該法人等が属する業界、業種等の通常の慣行に照らして、公にしないことに客観的、合理的な理由があるものをいいます。

5 「当時の状況等に照らして」とは、当該条件が付された時点における諸般の事情を考慮して判断することを基本としますが、必要に応じて、その後の期間の経過や状況の変化を考慮します。

6 情報公開条例第7条第3号本文の規定する任意提供情報に該当する情報であっても、当該情報の利用を制限することにより得られる利益よりも、当該情報を利用に供することにより得られる人の生命、身体、健康、生活又は財産の保護という公益が優越する場合には、当該情報を利用に供します。比較衡量を行うに当たっては、人の生命等を害する相当の蓋然性その他保護の必要性、緊急性等を具体的かつ慎重に検討します。

情報公開条例第7条第5号ア若しくはオ(事務事業遂行情報)について

(5) 本市の機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれ…があるもの
 ア 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
 オ 本市が経営する企業に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ

[趣旨]

 本市の機関等が行うすべての事務又は事業に関する情報が公にされることにより、その公正かつ円滑な遂行が妨げられると、結果的に市民全体の利益を損なうことになりかねません。他方、行政の事務又は事業に関し、必要な情報を公にすることにより、当該事務又は事業についての市民の理解と協力を得ることは、市民に対する説明責務を果たす観点から極めて重要です。そこで、情報公開条例第7条第5号は、本市の機関等が行う事務又は事業の内容及び性質に着目し、アからオまでの五つの代表的な事務又は事業にグループ分けし、それぞれのグループごとに典型的な支障を例示することにより、利用制限情報としての要件の明確化を図ったものです。
   もっとも、利用請求制度では、情報公開条例の非公開情報を準用していますが、公文書館に引き継がれる公文書等は必要な保存期間を満了し、既に現用文書としての役割を終えたものであることを踏まえれば、その特殊性を考慮する必要があります。
   具体的には、監査、検査、取締り等に関する事務に関する情報(情報公開条例第7条第5号ア)に関しては、当該検査等が終了したからといって、これらに関する情報を無制限に公開すると、同様多種の違法・不当な行為が容易になる等のおそれがあると考えられます。また、本市が経営する企業に係る事業に関する情報(情報公開条例第7条第5号オ)については、法人等に関する情報(情報公開条例第7条第2号)と同様に、当該企業等の経営上の正当な利益を保護する必要があると考えられます。よって、情報公開条例第7条第5号ア及びオの事由については、利用制限情報に含めています。
   他方、特定歴史公文書等に記録されている当該事務・事業は終了しており、これらに関する情報を公にすることにより、事務・事業の適正な遂行を阻害するものとは考えられないため、利用請求制度においては、本市の機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの(情報公開条例第7条第5号本文)、契約、交渉又は争訟に係る事務に関する情報(同条同号イ)、調査研究に係る事務に関する情報(同条同号ウ)及び人事管理に関する事務に関する情報(同条同号エ)を利用制限情報から除外しています。

[解説]

1 事務事業遂行情報(情報公開条例第7条第5号ア若しくはオ)について

(1) 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務は、いずれも事実を正確に把握し、その事実に基づいて評価又は判断を加えて、一定の決定を行うことがあるものです。これらの事務に関する情報の中には、例えば、監査等の対象、実施時期、調査事項等の詳細な情報、試験問題等のように、事前に公にすると、適正かつ公正な評価又は判断の前提となる事実の把握が困難となるもの、行政客体における法令違反行為又は法令違反に至らないまでも、妥当性を欠く行為を助長し、又はこれらの行為を巧妙に行うことにより隠蔽をすることを容易にするおそれのあるものがあり、このような情報については利用を制限します。また、監査等の終了後であっても、例えば、違反事例等の詳細を公にすることにより、他の行政客体に法規制を免れる方法を示唆することになるものは、利用を制限します。

(2) 本市が経営する企業に係る事業については、企業経営という事業の性質上、その正当な利益を保護する必要があり、これを害するおそれがあるものは利用を制限します。

2 情報公開条例第7条第5号における「本市の機関」とは、本市の執行機関、議決機関、補助機関及び附属機関を、「国等」とは、国、独立行政法人等、他の地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社をいいます。

第16条第1項第1号ウ 公共の安全・秩序維持情報、法令秘情報

当該特定歴史公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合
ウ 情報公開条例第7条第6号又は第7号に掲げる情報

情報公開条例第7条第6号(公共の安全・秩序維持情報)につい

(6) 公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報

[趣旨]

 本市が保有する情報の中には、公にすることにより、犯罪、違法行為、不正行為等を誘発・助長し、人の生命、身体、財産又は社会的な地位を脅かしたり、犯罪の予防、犯罪の捜査等に関する活動を阻害するおそれが生じたりするものがあります。そこで、これらの事態を防止し、安全で平穏な市民生活を守るため、公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報の利用を制限します。

[解説]

1 「人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護………に支障が生じると認められる情報」とは、例えば、次のような情報をいいます。
 ・ 公にすることにより、犯罪の被疑者、参考人、情報提供者等が特定され、その結果これらの人の生命若しくは身体に危害が加えられ、又はその財産若しくは社会的な地位が脅かされるおそれがあると認められる情報
 ・ 公にすることにより、特定の個人の行動予定、家屋の構造等が明らかになり、その結果、これらの人が犯罪の被害を受けるおそれがあると認められる情報

2 「犯罪の予防」とは、刑事犯、行政犯であるとを問わず、犯罪行為をあらかじめ防止することをいい、犯罪を誘発・助長するおそれがあると認められる情報を含みます。

3 「犯罪の捜査」とは、被疑者等の捜索、身柄の確保、証拠の収集、保全等の活動をいい、内偵活動等を含みます。

4 「その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報」とは、例示列挙された前段の各情報を含め、公にすることにより、安全で平穏な市民生活、善良な風俗など公共の安全と秩序を維持することに支障が生じると認められる情報をいいます。


情報公開条例第7条第7号(法令秘情報)について

(7) 前各号に掲げるもののほか、法令等の規定の定めるところにより公開しないこととされ、若しくは公にすることができないと認められる情報又は法律若しくはこれに基づく政令の規定による明示の指示等により公にすることができないと認められる情報

[趣旨]

 条例は、法律の範囲内で、かつ、法令に違反しない限りにおいて制定することができるのであり(憲法第94条、地方自治法第14条)、法令で利用することができないとされている情報は、この条例に基づく利用請求制度においても利用に供することはできません。
   公文書の管理は、地方公共団体の自治事務であることから、本市の機関が法定受託事務に伴い作成又は取得した公文書であってもこの条例の対象となることから、その利用及び利用制限は、当該公文書を管理する市長の判断と責任において行われるべきものです。
   しかしながら、地方公共団体に対する国の新たな関与のあり方を定めた地方自治法第245条第1号ヘの指示その他これに類する明示の指示等により公にすることができないとされている情報については、本市の機関は、法律上これに従う義務を有していることから、利用を制限しています。
   また、特別法と一般法との関係では特別法が優先することから、利用についての一般法的な性格を有するこの条例に対して、他の条例において特別法としての規定があり、利用に供することができないとされている場合には、当該他の条例の規定が優先するので、その趣旨も併せて規定しています。

[解説]

1 「法令等」とは、法令及び条例をいい、「法令」とは、法律及び政令、府令、省令その他の国の機関が定めた命令をいいます。

2 「法令等の規定の定めるところにより公開しないこととされ……る情報」とは、法令又は条例の明文の規定により、公開が禁止され、他の目的への使用が禁止され、又は具体的な守秘義務が課されている情報をいいます。

3 「法令等の規定の定めるところにより……公にすることができないと認められる情報」とは、法令又は条例に公開を禁止する明文の規定はないが、当該法令又は条例の趣旨、目的に照らしてその規定するところを解釈した場合に、公にすることができないと認められる情報をいいます。

4 「法律若しくはこれに基づく政令の規定による明示の指示等」とは、法律の規定又は法律に基づく政令の規定を根拠として発せられた利用に供してはならない旨の明示の指示、勧告、助言等をいいます。したがって、電話その他の口頭によるものは含まれず、文書によるものであっても、一般的な問答集や「利用については慎重に取り扱うこととされたい」といった抽象的な内容のものは含まれません。また、通達類もその根拠が不明なものは含まれず、法律に基づく政令の規定を根拠として発せられた通達類であっても、単に解釈の基準を示したに過ぎないものなど、法的な拘束力を有しないものは該当しません。なお、本号の「明示の指示等」の判断に際しては、当該指示等の法的根拠と形式、指示等の発信者、指示等の内容及び具体的表現、指示等に示された理由の合理性等を総合的に考慮して、当該指示等が法的拘束力を有するものかどうかを慎重に検討します。

第16条第1項第2号 寄贈又は寄託された特定歴史公文書等

 当該特定歴史公文書等がその全部又は一部を一定の期間公にしないことを条件に法人等又は個人から寄贈され、又は寄託されたものであって、当該期間が経過していない場合

[趣旨]

 法人等や個人の保有する歴史公文書等は、基本的には私有財産であり、公文書館に寄贈・寄託する場合は、あくまで法人や個人の自由意思に基づくものであるため、当該法人や個人からの寄贈・寄託を推進するためにも、寄贈者・寄託者には一定の配慮を行う必要があります。
 また、個人の保有する歴史公文書等には、関係者のプライバシーに関する情報が多く記録されていることも想定されるため、利用に関しても慎重な配慮が必要な場合があります。
 そこで、利用請求に係る特定歴史公文書等がその全部又は一部を一定の期間公にしないことを条件に法人等又は個人から寄贈又は寄託されたものであって、当該期間が経過していない場合には、当該特定歴史公文書等の利用を制限します。

[解説]

 公文書館に法人等や個人から寄贈又は寄託された文書については、寄贈者・寄託者の意向を最大限に尊重することとし、利用の制限についても特段の配慮を行いますが、本号に規定する「一定の期間」は、公にすると何らかの支障を生ずるおそれがある有期の期間をいい、公にしないことを無期限に約束するものではありません。

 

第16条第1項第3号  原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそれがある場合等

当該特定歴史公文書等の原本を利用に供することにより当該原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそれがある場合又は公文書館において当該原本が現に使用されている場合

[趣旨]

 公文書館において保存する特定歴史公文書等の中には、作成から相当の年月が経過して劣化することにより破損の危険性が高くなっているものや、資料価値が非常に高いがゆえに、原本の状態を維持するために極めて慎重な取扱いが必要とされるものがあります。また、長期の保存に耐えうるように、くん蒸等の劣化防止措置や修復を行っている最中の特定歴史公文書等も存在します。これらについては、仮に利用の請求があったとしても、利用に供することが物理的に不可能と考えられるため、利用制限事由として規定したものです。
 ただし、公文書館において保存されている特定歴史公文書等が市民の利用に供されるものであることを踏まえれば、このような物理的な理由のみをもって特定歴史公文書等の内容に全く触れることができなくなることは本条例の意図するところではないので、仮に本号に定める利用制限事由に該当するものであっても、劣化防止措置や修復が施されている特定歴史公文書等の利用制限については、真に必要で合理的なものに限られます。

 

[解説]

1 「原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそれがある場合」とは、水濡れ等による固着、虫損、酸性劣化、変色、退色その他の要因により、通常の利用に供した場合、当該特定歴史公文書等に記録されていた情報、材質、形態についてそのままの状態の維持に支障が生じる可能性がある場合をいいます。
 なお、合理的な費用及び時間で原本の修復を行うことが可能である場合は、利用を制限せず、適切な期間をおいて利用に供します。

2 「原本が現に使用されている場合」とは、利用請求に係る当該特定歴史公文書等の原本が、劣化防止など保存のための措置、代替物の作成、展示(他機関への貸出しを含む。)、他の利用請求者による利用等の合理的な理由により使用されている期間など、直ちに当該利用請求に応じることができない場合をいいます。

 

 


第16条第2項 時の経過の考慮及び本市の機関等の意見の参酌

市長は、前項に規定する利用の請求(以下「利用請求」という。)に係る特定歴史公文書等が同項第1号に該当するか否かについて判断するに当たっては、当該特定歴史公文書等が公文書として作成され、又は取得されてからの時の経過を考慮するとともに、当該特定歴史公文書等に第8条第4項又は第12条第3項の規定による意見が付されている場合には、当該意見を参酌しなければならない。


[趣旨]

 特定歴史公文書等は、公文書としては既に保存期間が満了し、作成又は取得から相当の期間が経過しているものが多数存在します。この場合、作成又は取得時、あるいは引継時においては、個人、法人等の権利利益や公共の利益を保護する必要があったものでも時の経過やそれに伴う社会情勢の変化に伴い、保護の必要性が失われることもあり得ます。こうした事情に鑑み、本項では、市長に対し、利用制限情報の該当性を判断するに当たり、時の経過を考慮する旨を規定したものです。
   また、引継元の知見を生かすことにより適切な判断を担保するため、当該特定歴史公文書等に第8条第4項又は第12条第3項の規定による意見が付されている場合には、市長は当該意見を参酌しなければなりません。

[解釈]

1 個人、法人等の権利利益や公共の利益を保護する必要性は、時の経過やそれに伴う社会情勢の変化に伴い、失われることもあり得ることから、利用決定において「時の経過を考慮する」に当たっては、国際的な慣行である「30年ルール」(利用制限は原則として作成又は取得されてから30年を超えないものとする考え方)を踏まえるものとし、時の経過を考慮してもなお利用を制限すべき情報がある場合に必要最小限の制限を行うこととします。
     したがって、特定歴史公文書等に記録されている個人情報については、作成又は取得の日から30年以上の一定の期間が経過し、個人の権利利益を害するおそれがあると認められなくなった時点で利用制限情報に該当しないと判断することとなります。個人の権利利益を害するおそれがあるかについて検討を行う際の「一定の期間」の目安については、大阪市公文書管理条例に基づく利用請求に対する処分に係る審査基準別表「30年を経過した特定歴史公文書等に記録されている個人情報について」のとおりとします。

2 「参酌」とは、本市の機関及び地方独立行政法人等の意見を尊重し、利用制限情報の該当性の判断において適切に反映させていくことを意味するものであり、最終的な判断はあくまで市長に委ねられています。



別表 30年を経過した特定歴史公文書等に記録されている個人情報について

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第16条第3項 部分利用

市長は、第1項第1号又は第2号に掲げる場合であっても、同項第1号アからウまでに掲げる情報又は同項第2号の条件に係る情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、利用請求をしたもの(以下「利用請求者」という。)に対し、当該部分を除いた部分を利用させなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

[趣旨]

 本項は、利用請求に係る特定歴史公文書等の一部に利用制限情報が記録されている場合において利用制限情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、市民に対する説明責務を果たす観点から、当該特定歴史公文書等の全体を利用に供しないこととするのではなく、利用制限情報を除外した部分について、利用に供する義務があることを定めています。

[解説]

1 「容易に区分して除くことができるとき」とは、利用制限情報が記録されている部分とそれ以外とを区分し、かつ、利用制限部分を物理的に除くことが、利用請求に係る特定歴史公文書等の保存状況や利用制限情報の記録状態、部分利用をさせるための複写又は複製物の作成の時間、労力、費用等から判断して、過度の負担を要せずに行うことができるものと認められることをいいます。
 特定歴史公文書等については、第15条第1項において、永久に保存することが求められており、その利用についても当該特定歴史公文書等の永久保存を確保する範囲にとどまるので、部分利用のためのコピー等により原本を破損等させることがないよう、「容易に」の該当性判断については慎重に検討する必要があります。

2 「有意の情報が記録されていないと認められるとき」とは、利用制限情報が記録されている部分を除いた残りの部分に記載されている情報の内容が、無意味な文字、数字、様式等のみとなる場合や、断片的な情報や公表された情報のみとなり、利用請求者が知りたいと欲する内容が十分提供できない場合等をいいます。

第17条 本人情報の取扱い

市長は、前条第1項第1号アの規定にかかわらず、当該規定に掲げる情報により識別される特定の個人(以下この条において「本人」という。)から、当該情報が記録されている特定歴史公文書等について利用請求があった場合において、市規則で定めるところにより本人であることを示す書類の提示又は提出があったときは、本人の生命、身体、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き、当該特定歴史公文書等につき当該規定に掲げる情報が記録されている部分についても、利用させなければならない。

[趣旨]

 個人識別情報は第16条第1項第1号アの利用制限情報に該当しますが、当該情報の本人が利用請求をした場合については、その例外として、本条の規定に基づき取り扱います。

[解説]

1 公文書館が保存する特定歴史公文書等について、個人識別情報に該当する情報が記録されているものは利用制限情報に該当するので利用に供することはできません。
  しかしながら、当該情報の利用請求があった場合に、その本人を識別することができる情報であることのみをもって第16条第1項第1号アの規定により利用に供しない旨の処分を行うことは不合理であることから、本条において、この点に関する例外規定を設けたものです。
  具体的には、本人からの利用請求があった場合は、本人確認を行った上で、本人の生命、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き、当該本人に係る個人識別情報が記録されている部分についても利用に供しなければならないとしています。
  なお、仮に当該情報が「本人に係る個人識別情報」以外の第16条第1項各号に掲げられた利用制限情報にも該当する場合には、第16条の原則により判断することになります。例えば、当該情報が「本人以外の個人(第三者)に係る個人識別情報」でもあり、第16条第1項第1号アに該当する場合が考えられます。

2 「市規則で定めるところにより本人であることを示す書類の提示又は提出があったときは」と定め、個人識別情報が誤って他人に利用されてしまうと、本人が不測の権利利益の侵害を被る場合もあることから、利用請求を行うに当たって、本人であることを示す書類の提示又は提出を要件としています。この本人確認に必要な書類及びその手続については、市規則第10条第2項で定めています。

3 「本人の生命、身体、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き」とあるように、本人からの請求であっても、「本人の生命、身体、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報」については利用が制限されます。例えば、治癒困難な遺伝性疾患に罹患しているという情報が記録された特定歴史公文書等を本人の利用に供することにより、本人が大きな精神的打撃を受け、精神の健康を害するおそれがあるような場合が考えられます。

第18条 利用請求の手続

利用請求は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「利用請求書」という。)を市長に提出する方法(これに準ずるものとして市規則で定める方法を含む。)により行わなければならない。
  (1) 利用請求をするものの氏名又は名称及び住所、居所又は事務所若しくは事業所の所在地並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名
  (2) 利用請求に係る特定歴史公文書等に係る第15条第4項の目録に記載された事項
  (3) 前2号に掲げるもののほか、市規則で定める事項
2 市長は、利用請求書(前項の市規則で定める方法により利用請求をする場合にあっては、利用請求書に代わるものとして市規則で定めるもの)に形式上の不備があると認めるときは、利用請求者に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。

[趣旨]

 本条は、利用請求の手続について定めています。

[解説]

1 第1項関係

(1) 利用請求は、利用決定等という行政処分を求める申請手続であって、事実関係を明確にするとともに、事務処理を正確に行うため、本項各号に掲げる必要事項を記載した利用請求書(市規則第1号様式)を市長に提出する方法により行わなければなりません。したがって、電話等口頭による利用請求は認められません。

(2) 「これに準ずるものとして市規則で定める方法」とは、利用請求書そのものの提出ではありませんが、これに準ずる方法として市規則等で定めるものをいい、本市では、ファクシミリによる利用請求を実施しています。(市規則第11条)

(3) このように利用請求については、書面主義を原則とするものの、昨今の急速な情報通信技術の進展、普及に伴い、申請手続の電子化をはじめとする電子自治体としての政策を実施する必要性が生じています。

 本市では、大阪市行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例(平成17年大阪市条例第86号)に基づき、各種の手続きについてインターネットを通じて利用できる大阪市電子申請システム(以下「電子申請システム」という。)を運用しており、利用請求についても、このサービスを活用して、大阪市ホームページで受け付けることとしています。

(4) 本項第3号の「市規則で定める事項」とは、利用請求をしようとするものの連絡先(法人その他の団体にあっては、当該利用請求の担当者の氏名及び連絡先)及び利用の実施方法の区分をいいます。(市規則第10条第4項)

2 第2項関係

(1) 本項は、利用請求書に形式上の不備がある場合の補正の手続について定めています。

 市長が本項に基づき、相当の期間を定めて、補正を求めたにもかかわらず、利用請求者がこれに応じない場合は、当該利用請求を却下することができます。(行政手続条例第7条)

(2) 「前項の市規則で定める方法により利用請求をする場合にあっては、利用請求書に代わるものとして市規則で定めるもの」とは、本条第1項の規定により、ファクシミリ等による利用請求があったときは、利用請求書に代わるものとしてあらかじめ市規則で定めるものについて、必要事項が具備されているかどうかの要件審査を行うという趣旨です。

(3) 「相当の期間」とは、補正すべき内容に応じて、利用請求者が当該補正をするに足る合理的な期間をいいます。なお、本項の規定により補正を求めた場合は、当該補正に要した日数は、利用決定等の期間に算入しません。(第20条第1項ただし書)

[運用]

1 利用請求から利用の実施までの事務処理手続は、次のとおりです。

(1) 利用請求書の提出

(2) 利用請求書の受付(到達主義)

(3) 利用決定

(4) 利用の実施

2 利用請求書の提出

 利用請求者は、窓口に備え付けの利用請求書に必要事項を記載し、公文書館の窓口へ提出します。(利用請求書の送付、電子申請システム又はファクシミリによる送信によっても請求できます。)利用請求に係る特定歴史公文書等の件名を的確に記載することが困難である場合は、公文書館の職員は、具体的に何が知りたいのかを利用請求者から十分に聴取した上で、利用請求対象簿冊目録から当該特定歴史公文書等の件名の特定を行います。

3 利用請求書の受付

(1) 利用請求書の受付事務は、公文書館において一元的に処理します。
(2) 形式要件の確認

 提出された利用請求書(電子申請システム又はファクシミリによる利用請求にあたっては、これを出力した書面)について、第18条第1項各号並びに市規則第10条及び第1号様式に規定する必要事項が記載されているかどうかを確認します。これらの記載がされていない場合又は不十分な場合には、利用請求者の利便を考慮して、可能な限りその場で説明の上、補正を求めます。

(3) 利用請求書の収受手続

 提出された利用請求書に必要事項が記載されていること等を確認したときは、利用請求書に受付印を押印し、受け付けた後、利用請求者に利用請求書の写しを手渡します。この場合、条例が到達主義を採用していることから、受付印の年月日は、公文書館の窓口で利用請求書を受け取った場合は当該受け取った日、送付による場合は公文書館に利用請求書が届けられた日、電子申請システムによる場合は、当該公開請求が電子申請システムに記録された日、ファクシミリによる場合は当該利用請求に係る情報が公文書館に設置されたファクシミリに到達した日とします。ただし、第18 条第1項の規定に基づき、市規則で特別の定めをしている場合は、その定めによります。

(4) 利用請求者への説明

ア 特定歴史公文書等の利用は、利用請求書の受付と同時に実施するものではなく、原則として利用請求があった日の翌日から起算して14日以内に市長が利用決定等を行います。また、利用を実施する場合の日時及び場所は、利用決定等の通知書で指定するか、又は通知後別途調整します。

イ アの場合において、やむを得ない理由があるときは、14日の期間を、その満了する日の翌日から起算して30日を限度として延長することがあり、このときは、延長する理由を請求者に対し、決定期間延長通知書(市規則第5号様式)により通知します。また、利用請求に係る特定歴史公文書等が著しく大量である場合には、利用請求があった日の翌日から起算して44日以内に相当の部分について利用決定等をし、残りの特定歴史公文書等については相当の期間内に利用決定等をすることがあり、このときは、14日以内に利用決定等の期限の特例通知書(市規則第6号様式)により通知します。

ウ 利用請求に係る特定歴史公文書等に利用請求者以外の第三者の情報が記録されている場合には、第三者保護の手続を採ることがあり、当該第三者が利用に反対の意思を表明した場合には、利用決定の日と利用の実施日との間に少なくとも2週間を置きます。

エ 利用請求書に記載された利用請求者の希望にかかわらず、多色刷りによる文書の交付に対応できない場合があること、また、電磁的記録については、用紙に出力したものの閲覧又は写しの交付に限定する場合があります。

オ 特定歴史公文書等の写しの作成及び送付に要する費用(電磁的記録にあっては、これらに準ずるものとして市長が定めるものを含む。)は、利用請求者の負担となり、利用の実施の際に現金で徴収します。送料については、送付に要する費用の負担を求めます。

(5) 送付による利用請求の取扱い

 利用請求書が送付されてきた場合は、公文書館において、利用請求書に必要事項が記載されていることを確認し、受け付けた後、利用請求者に利用請求書の写しを送付します。
 この場合、当該利用請求書に形式要件の欠如があれば、利用請求者と電話等で連絡をとり、請求の趣旨を確認した上で特定歴史公文書等の特定を行い、補正が必要な場合は、補正を求めます。ただし、補正の内容が明白(誤字脱字等)又は軽微な場合は、利用請求者の了解を得て、職権で補正することができます。なお、受付印の年月日は、公文書館に利用請求書が届けられた日です。

(6) 電子申請システムによる利用請求の取扱い

 電子申請システムによって利用請求がなされた場合は、公文書館において出力し、必要的記載事項が記入されていることを確認します。その後、受付をし、利用請求者に当該書面の写しを送付します。

 当該利用請求に形式要件の欠如がある場合は、送付による利用請求と同様に取り扱います。

 なお、受付印の年月日は、当該請求が電子申請システムに記録された日とします。

(7) ファクシミリによる利用請求の取扱い

   ファクシミリによって利用請求がなされた場合は、公文書館において必要事項が記載されていることを確認し、受け付けた後、利用請求者に利用請求書の写しを送付します。
 当該利用請求に形式要件の欠如がある場合は、送付による利用請求と同様に取り扱います。なお、受付印の年月日は、当該請求に係る内容が公文書館に設置されたファクシミリに到達した日です。

4  利用決定

(1) 全部利用及び部分利用の場合

 特定歴史公文書等を利用する日時を利用決定通知書若しくは部分利用決定通知書で連絡します。部分利用の場合は、利用に供しないこととした部分及びその理由も記載します。

(2) 利用制限の場合

 利用制限決定通知書を送付します。利用に供しないこととした理由も記載します。

5 利用の実施(全部利用及び部分利用の場合)

  (1) 請求者は、決定通知書を持参します。

 (2) 閲覧は無料ですが、写しの交付を受ける場合は費用を負担していただきます。写しの送付を希望される場合は、その送料も負担していただきます。

6 審査請求

 利用決定等に不服があるときは、当該決定があったことを知った日の翌日から起算して3箇月以内に審査請求をすることができます。審査請求を受け、市長は学識経験者等で構成する公文書管理委員会に諮問し、その答申を尊重して審査請求に対する裁決を行い、請求者に通知します。

第19条 利用請求に対する措置等

市長は、利用請求に係る特定歴史公文書等の全部又は一部を利用させるときは、その旨の決定をし、利用請求者に対し、その旨及び利用に関し市規則で定める事項を書面により通知しなければならない。
2 市長は、利用請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させないときは、利用させない旨の決定をし、利用請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
3 市長は、前2項の規定により利用請求に係る特定歴史公文書等の全部又は一部を利用させないときは、利用請求者に対し、当該各項に規定する書面によりその理由を示さなければならない。

[趣旨]

 本条は、利用請求に対する市長の応答義務及び応答の方法並びに理由の提示に関して、その内容及び手続を定めています。

[解説]

1 第1項関係
 (1) 利用請求は、行政手続条例第2条第4号に規定する「申請」に該当し、行政庁である本市の機関は、諾否の応答をすべき条例上の義務を有しています。したがって、利用請求があった場合には、市長は、第20条又は第21条に定める期間内に、本条第1項又は第2項に規定する決定のいずれかを必ずしなければならず、これをしない場合には、行政不服審査法第3条に規定する不作為についての審査請求又は行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第3条第5項に規定する不作為の違法確認の訴えの対象となることに留意しなければなりません。
 (2) 「市規則で定める事項」とは、利用を実施する日時及び場所並びに利用の実施方法です。(市規則第12条第1項)

2 第2項関係
     「利用させない旨の決定」には、利用請求が明らかに権利の濫用と認められる場合も含まれます。この場合も、本条第3項の規定により、その理由を提示しなければなりません。

3 第3項関係
     本項は、行政手続条例第8条(理由の提示)の規定の特則として、利用請求に係る特定歴史公文書等の全部又は一部を利用させないときは、利用請求者に対し、利用制限決定通知書等によりその理由を示さなければならないことを定めています。
     理由の提示は、利用請求を拒否する処分の適法要件であり、本項により理由を提示すべきであるにもかかわらず、理由を提示していない場合又は提示された理由が抽象的、一般的なもので不十分である場合には、手続上瑕疵(かし)ある行政処分となるので、本項の趣旨にのっとった十分かつ明確な理由の提示をしなければなりません。
     具体的には、部分利用決定通知書の「利用に供しないこととした部分」欄には、利用請求に係る特定歴史公文書等のうち、第16条第1項各号の規定に該当し、利用に供することができない部分の情報を、例えば、「○○申請書に記載された申請者の氏名、住所及び電話番号」のように、具体的に分かりやすく記入し、「上記の部分を利用に供しない理由」欄には、「利用に供しないこととした部分」欄に記載された情報を利用に供しない理由について、その根拠規定が第16条第1項第何号であるかを記入するとともに、なぜ当該号に該当するかを具体的に記載します。また、第16条第1項各号の複数の号に該当する場合は、各号ごとにその理由を記載します。



[運用]

1 本条に基づく利用・利用制限の決定及び通知等の事務は、公文書館の事務となります。

2 本条第1項又は第2項の各通知に用いる書面は、次の表のとおりです。

通知書面一覧

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第20条 利用決定等の期限

前条第1項又は第2項の決定(以下「利用決定等」という。)は、利用請求があった日(第18条第1項の市規則で定める方法により利用請求をする場合にあっては、市規則で定める日。以下同じ。)の翌日から起算して14日以内にしなければならない。ただし、第18条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の規定にかかわらず、市長は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、利用決定等をすべき期間を、同項に規定する期間が満了する日の翌日から起算して30日を限度として延長することができる。この場合において、市長は、利用請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

[趣旨]

 本条は、利用請求に対して市長が行う利用決定等の原則的な期限、正当な理由がある場合の期間延長及びその通知方法を定めています。

[解説]

1 第1項関係
  (1) 市長は、利用請求に対して、原則として14日以内に利用決定等をしなければなりません。利用請求については、この14日間が行政手続条例第6条に規定する標準処理期間に相当します。
      14日の日数は、利用請求があった日の翌日から起算します。ただし、ファクシミリで送信する方法により利用請求をする場合には、公文書館のファクシミリで受信した時に利用請求があったものとみなし、その翌日から起算します。(市規則第11条第項)
  (2) 「利用請求があった日」とは、申請の到達主義を明らかにしたものであり、利用請求書が提出先である公文書館に到達し、了知可能な状態になった日をいいます。したがって、到達日と、到達後公文書館が利用請求書の要件審査を行った上で有効な申請として受理した日が異なる場合は、到達日をもって利用請求があった日とする趣旨です。
  (3) 第1項ただし書は、利用請求書に必要事項が記載されていないなど形式上の不備がある場合において、市長が第18条第2項の規定により補正を求めたときは、当該補正に要した日数については、利用決定等を行う期間に算入しないことを規定したものです。
  (4) 期間計算の最終日が大阪市の休日を定める条例(平成3年大阪市条例第42号)第1条第1項に規定する市の休日(日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日、12月29日から翌年の1月3日までの日)に当たるときは、その翌日以後最初の市の休日でない日をもって満了日とします。
     ただし、期間の途中に市の休日が含まれていても、その休日は日数にそのまま算入します。したがって、期間の最終日が市の休日に当たる場合のみ上記の取扱いとなります。

2 第2項関係
  (1) 本項は、市長は、14日以内に利用決定等をすることができない正当な理由があるときは、30日を限度として期間延長をすることができること、及びその場合の通知方法を定めたものです。
  (2) 「事務処理上の困難その他正当な理由があるとき」とは、市長が、利用請求に対して、利用請求があった日の翌日から起算して14日以内に利用決定等をするように誠実に努力しても、当該期間内に利用決定等をすることができない合理的な理由がある場合をいい、その理由については具体的に記載します。
     おおむね次に掲げる場合などがこれに該当します。
   ア 利用請求に係る特定歴史公文書等に第三者に関する情報が記録されている場合において、当該第三者の意見聴取等のため相当の日数が必要であり、期間内に利用決定等を行うことが困難であるとき
     イ 利用請求に係る特定歴史公文書等が大量であり、その全てを検索し、内容を精査して、期間内に利用決定等を行うことが困難である場合、又は利用請求に係る特定歴史公文書等の内容が複雑であるため、第16条第1項各号の適用判断に相当の検討を要し、期間内に利用決定等を行うことが困難である場合
     ウ 天災等の発生や予測し難い突発的な業務量の増大等のため、期間内に利用決定等を行うことが困難である場合
     エ 年末年始等執務を行わない期間があるときその他の合理的な理由により、期間内に利用決定等を行うことが困難である場合

   (3) 「同項に規定する期間が満了する日の翌日から起算して30日を限度として延長することができる」とは、本条第1項に規定する14日間が満了する日(その日が市の休日に当たるときは、その翌日以後最初の市の休日でない日)の翌日から起算して最長で30日間(当然これよりも短い期間を指定してもよい。)延長することができるとの趣旨です。
   (4) 市長は、本条第2項の規定により期間延長を行うときは、当初の決定期間内に、利用請求者に対し、その旨及び理由並びに延長後の期限を決定期間延長通知書により通知します。(市規則第14 条及び第5号様式)
   (5) 本項による期間延長は、原則として同一の利用請求について再度行うことはできません。

第21条 利用決定等の期限の特例

利用請求に係る特定歴史公文書等が著しく大量であるため、利用請求があった日の翌日から起算して44日以内にそのすべてについて利用決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、市長は、利用請求に係る特定歴史公文書等のうちの相当の部分につき当該期間内に利用決定等をし、残りの特定歴史公文書等については相当の期間内に利用決定等をすれば足りる。この場合において、市長は、同条第1項に規定する期間内に、利用請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
(1) 本条を適用する旨及びその理由
(2) 残りの特定歴史公文書等について利用決定等をする期限

[趣旨]

 本条は、利用請求に係る特定歴史公文書等が著しく大量であるため、第20条に定める決定期間内にそのすべてについて利用決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合における利用決定等の期限の特例を定めています。

[解説]

1 市長は、第20条第2項の規定により期間延長を行う場合であっても、最長44日以内に利用決定等を行うのが原則ですが、利用請求に係る特定歴史公文書等が著しく大量である場合には、当該期間内に利用決定等をするように誠実に努力してもできないことがあり得ます。また、どのようなことがあったとしても当該期間内に利用決定等をしなければならないとすれば、公文書館が市民のために処理しなければならない事務事業の遂行が著しく停滞し、結果として本市の行政サービスを享受する市民に不利益を与える事態も想起し得ます。
 本条は、このような配慮のもとに、著しい大量請求について、第20条に定める利用決定等の期限の特例を新たに設けたものです。

2 「利用請求に係る特定歴史公文書等が著しく大量であるため」とは、第20条第2項の規定により30日の期間延長を行ったとしても、利用請求に係るすべての特定歴史公文書等を処理することにより公文書館の分掌事務の遂行に著しい支障が生じる程度の文書量があることをいいます。

3 「事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合」とは、公文書館が分掌事務を遂行する上で通常生じ得る負荷の程度を超えた、業務上看過し得ない支障が生ずる蓋然性がある場合をいいます。

4 「利用請求に係る特定歴史公文書等のうちの相当の部分」とは、本条が、利用請求に係る特定歴史公文書等について、利用決定等を分割して行うことを認めた趣旨に照らして、公文書館が44日以内に努力して処理することができる範囲の文書量であり、利用請求者の要求をある程度満たす一定のまとまりのある部分をいいます。

5 「当該期間内に利用決定等をし」とは、利用請求があった日の翌日から起算して44日以内に、利用請求に係る特定歴史公文書等のうちの相当の部分について利用決定等をしなければならないことをいいます。

6 残りの特定歴史公文書等について利用決定等を行う「相当の期間内」とは、利用請求に係る特定歴史公文書等のうち44日以内に利用決定等を行う特定歴史公文書等を差し引いた残りの特定歴史公文書等の量及び内容に応じて、これを処理することが可能な合理的な期間をいいます。したがって、何日以内でなければならないという数値的制限はありませんが、その量及び内容からみて、社会通念上相当と考えられる範囲を逸脱した不当に長期にわたる期間であってはならないことは当然です。

7 「同条第1項に規定する期間内」とは、第20条第1項に規定する14日以内をいいます。したがって、公文書館は、本条の規定により利用決定等の期限の特例を適用しようとするときは、利用請求があった日の翌日から起算して14日以内に、利用請求者に対して、必ず利用決定等の期限の特例通知書を送付し、この特例を適用する旨及びその理由を具体的に記載するとともに、残りの特定歴史公文書等について利用決定等をする期限を通知しなければなりません。(市規則第15条及び第6号様式)

8 利用請求者に対して14日以内に利用決定等の期限の特例通知書により本条を適用する旨を通知した場合には、第20条第2項による決定期間延長通知を行う必要はなく、「相当の部分」について44日以内に利用決定等をし、「残りの特定歴史公文書等」について「相当の期間内」に利用決定等をすればよいことになります。



第22条 第三者に対する意見書提出の機会の付与等

利用請求に係る特定歴史公文書等に本市、国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。)、他の地方公共団体、地方独立行政法人、大阪市住宅供給公社及び利用請求者以外のもの(以下この条において「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、市長は、利用決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他市規則で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。

2 市長は、第三者に関する情報が記録されている特定歴史公文書等の利用をさせようとする場合であって、当該情報が情報公開条例第7条第1号イ又は第2号ただし書に規定する情報に該当すると認められるときは、利用させる旨の決定に先立ち、当該第三者に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他市規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

3 市長は、前2項の規定により意見書を提出する機会を与えられた第三者が当該特定歴史公文書等を利用させることに反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、当該特定歴史公文書等を利用させる旨の決定をするときは、その決定の日と利用させる日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、市長は、その決定後直ちに、当該意見書(第25条第2号において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、利用させる旨の決定をした旨及びその理由並びに利用させる日を書面により通知しなければならない。

[趣旨]

 本条は、利用請求に係る特定歴史公文書等に利用請求者以外の第三者(本市、国、独立行政法人等、他の地方公共団体、地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。)に関する情報が記録されている場合において、当該第三者の権利利益を保護するとともに、利用決定等の公正を期すため、当該第三者に対し意見書提出の機会を付与し、反対意見書の提出があった場合の等の適正な行政手続を保障することを定めています。

[解説]

1 任意的意見聴取(第1項)
  (1) 利用請求に係る特定歴史公文書等に第三者に関する情報(当該第三者が識別できる情報に限らず、第三者に何らかの関連性を有する情報も含まれます。)が記録されている場合においても、基本的には、公文書館において当該情報の第16条第1項各号該当性を判断することになります。
       しかしながら、同一の情報であっても、市長と当該情報の当事者である第三者とでは、その評価に差異が生じることがあり得ます。そこで、市長が必要と認めるときは、市長の裁量により、当該第三者に意見書提出の機会を付与することにより、当該第三者の権利利益を保護するとともに、利用決定等の公正を期すこととしたものです。
  本項による意見書提出の機会の付与は、当該第三者に対して、利用決定等についての同意権を与えたものではなく、市長は、その意見に拘束されるものでありません。

 (2)「意見書を提出する機会を与えることができる。」
   第三者の意見聴取の方法としては、書面(市規則第7号様式別紙)の提出を求めることとしています。これは、本項の規定による意見聴取の結果、利用させることに反対の意見が出された場合、利用させる旨の決定をするときに当該決定の日と利用させる日との間に少なくとも2週間を置かなければならないので、意見表明の事実を明確にしておく必要性があるためです。

 (3) 本項の規定による通知は、意見書提出の機会付与通知書(市規則第16条第3項、市規則第7号様式)により行います。

2 公益的利用の場合の必要的意見聴取(第2項関係)
 (1) 利用制限情報は一旦利用に供されると、事後的に利用決定を取り消しても意味がなく、情報を利用に供された第三者にとっては、損害賠償請求以外に救済手段がないことに鑑みれば、本来利用制限とされるべき情報でありながら、公益上の必要から情報公開条例第7条第1号イ又は第2号までのただし書の規定により例外的に利用に供される場合には、当該第三者の権利利益を保護する必要が特に高く、事前手続としてのデュー・プロセスの保障が重要です。
 本項は、このような観点から、当該第三者に意見書提出の機会を付与することを市長に義務付けることを定めています。
 ただし、情報公開条例第7条第1号イ又は第2号のただし書の規定により利用に供する場合において常にこのような事前手続を義務付けることは、一方で利用決定及び利用の実施までの期間が長期化することとなり、利用請求権の保障との関係で問題があります。
 一方で、本市の機関である市長が第三者の所在について合理的な努力を行ったにも関わらず、第三者が行方不明で連絡が取れない場合にまで意見聴取を義務付けることは不合理です。
 そこで、本項ただし書は、情報公開条例第7条第1号イ又は第2号のただし書の規定により例外的に利用に供される場合であっても、第三者の所在が判明しないときには、意見聴取の義務を免除しています。

 (2) 本項による意見書提出の機会の付与は、当該第三者に対して、利用決定等について同意権を与えたものではなく、市長がその意見に拘束されるものではないことは、第1項と同様です。

 (3) 本項の規定による通知は、意見書提出の機会付与通知書(市規則第16条第3項、第7号様式)により行います。

3 反対意見書を提出した場合の手続(第3項関係)
 (1) 本項は、利用に供することに反対する意見書が提出された場合において、市長が利用決定を行うときには、当該第三者のために争訟の機会を確保することを定めています。
 
 (2) 処分の取消しの訴え又は審査請求の提起は、いずれも、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げないので(行政事件訴訟法第25条第1項、行政不服審査法第25条第1項)、利用決定に反対する第三者からの申立てにより、裁判所又は市長による利用決定の執行を停止する決定が行われない限り、利用の実施は妨げられるものではありません。
 
 (3) 本項による通知は、第三者に関する情報の利用決定通知書(市規則第16条第4項、第8号様式)により行います。なお、反対意見書を提出していない第三者には、この通知を行う義務はありませんが、口頭を含め、同様の通知をすることが望ましいです。

第23条 利用の方法

市長が特定歴史公文書等を利用させる場合には、文書又は図画については閲覧又は写しの交付の方法により、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して市規則で定める方法により行う。ただし、閲覧の方法により特定歴史公文書等を利用させる場合にあっては、当該特定歴史公文書等の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときに限り、その写しを閲覧させる方法により、これを利用させることができる。

[趣旨]

 本条は、利用請求に係る特定歴史公文書等の全部又は一部の利用決定をした場合における利用の実施方法について定めています。

[解説]

1 市長は、利用決定をしたときは、速やかに本条に基づいて当該決定に係る特定歴史公文書等を利用に供しなければなりません。特に、対象文書が大量である場合には、利用請求者が、利用決定された特定歴史公文書等を検証した上で、行政不服審査法に基づく審査請求を行うことができるように、利用決定等から利用の実施までの期間が、同法が定める審査請求期間を超えることがないよう配慮する必要があります。

2 「文書又は図画」の利用の方法
「文書又は図画」という視覚によって直接その内容を確認できる特定歴史公文書等については、特定歴史公文書等そのものを見せる「閲覧」とその写しを作成して交付する「写しの交付」という利用の方法があります。特定歴史公文書等については、第15条第1項において永久保存の義務が規定されており、頻繁に原本を持ち運んで写しの作成を行えば、特定歴史公文書等の破損を招くおそれも想定されるため、「閲覧」によるか「写しの交付」によるか、また両方を認めるかについては、市長の判断に委ねられています。

3 閲覧の方法について
     閲覧の方法による特定歴史公文書等の利用は、原則としてその原本により行うこととします。ただし、次の場合は、その写しにより行うことができます。
 (1) 特定歴史公文書等が、後世に適切に残すために閲覧を行う機会を制限する必要がある場合や、原本の傷みが激しくそのまま閲覧に供すると保存に支障がある場合等、通常の閲覧によると特定歴史公文書等の保存に支障を生ずるおそれがあると認められる場合。
 (2) 「正当な理由があるとき」とは、次のような場合などをいいます。
   ア 第16条の規定により特定歴史公文書等の利用を制限すべき情報がある場合において一旦原本の写しを作成し、これに黒塗りしたもの又はこの写しを閲覧に供する場合。
   イ その他事務又は事業の適正かつ円滑な遂行に支障が生じるおそれがある場合。

4 「電磁的記録」の利用の方法
    電磁的記録の利用方法については様々な形態が考えられるところであり、技術的・専門的な観点からの検討を行う必要があることから、その種別、情報化の進展状況等を勘案して市規則で定めることとしたものです。
 (1) 閲覧に準じるものとして市長が定める方法
      現在、市規則で定める方法としては、市規則第18条第1項に掲げる電磁的記録の区分に応じ、当該各号に定める方法とします。
   ア 録音テープ又は録音ディスク
         当該録音テープ又は録音ディスクを専用機器により再生したものの聴取
   イ   ビデオテープ又はビデオディスク 
         当該ビデオテープ又はビデオディスクを専用機器により再生したものの視聴
   ウ 電磁的記録(前2号に掲げるものを除く。) 
         次に掲げる方法のいずれか
     (ア) 当該電磁的記録を用紙に出力したものの閲覧
     (イ) 当該電磁的記録をディスプレイに出力したものの視聴

(2) 利用決定された特定歴史公文書等が電磁的記録である場合に、写しの交付並びに写しの作成及び送付に準ずるもの(市規則第18条第2項、第3項)として市規則で定める方法(第24条第2項)とは、次に定める方法とします。
   ア 当該電磁的記録を用紙に出力したものの写しの交付並びに写しの作成及び送付による方法
   イ  当該電磁的記録を直径120ミリメートルの光ディスクに複写したものの交付並びに写しの作成及び送付による方法

(3) 全部利用の場合であっても、次のような場合は「公文書館が現に保有する機器で容易に対処することができるとき」(市規則第18条第1項ただし書及び第2項ただし書)には該当しません。
   ア 公文書館が当該電磁的記録を出力又は複写する機器を保有していない場合
   イ 公文書館が現に使用する機器やプログラムでの処理が容易でない場合又はその処理に過分の費用若しくは時間を要する場合
   ウ 著作権等との関係により、複写・複製物を作成できない場合 
   エ 個人情報の保護やシステム保全などセキュリティの確保が容易でない場合
   オ その他事務又は事業の適正かつ円滑な遂行に支障が生じるおそれがある場合

[運用]

(特定歴史公文書等の利用事務の概要)
1 特定歴史公文書等の利用は、公文書館が指定する日時及び場所において、公文書館が指定する方法により行います。(市規則第17条第1項)

2 公文書館の職員は、特定歴史公文書等の閲覧(電磁的記録の聴取、視聴を含む。)を実施するに当たって、請求者が特定歴史公文書等を改ざんし、汚損し、若しくは破損し、又はそのおそれがあると認められるときは、当該特定歴史公文書等の閲覧を中止させ、又は禁止することができます。(市規則第17条第2項及び第3項)

3 特定歴史公文書等の写し(電磁的記録の写しを含む。以下同じ。)の交付は、当該写しの作成に要する費用を徴収した後に実施します。なお、特定歴史公文書等の写しの交付部数は、利用請求に係る特定歴史公文書等1件につき1部とします。(市規則第17条第5項)

第24条 手数料等

特定歴史公文書等の利用に係る手数料は、無料とする。
2 前条の規定により特定歴史公文書等の写しの交付(電磁的記録にあっては、これに準ずるものとして市規則で定める方法を含む。)を受けるものは、当該写しの作成及び送付(電磁的記録にあっては、これらに準ずるものとして市規則で定めるものを含む。)に要する費用を負担しなければならない。

[趣旨]

 本条は、特定歴史公文書等の利用に係る手数料を無料とすること及び特定歴史公文書等の写しの交付を受けるものは、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならないことを定めています。

[解説]

1 何人に対しても特定歴史公文書等の利用請求権を保障した条例の目的からすれば、特定歴史公文書等の利用に関し手数料を徴収することは、制度利用についての制約要因となりかねず、適当ではありません。
    このような観点から、本条第1項は、特定歴史公文書等の利用に係る手数料を無料とすることを明記したものです。

2 他方、本条第2項は、特定歴史公文書等の写しの作成及び送付(電磁的記録にあっては、これに準ずるものとして市規則で定めるものを含む。)に要する費用については、受益者負担の観点から、特定歴史公文書等の写しの交付(電磁的記録にあっては、これに準ずるものとして市規則で定めるものを含む。)を受けるものの負担とすることとしたものです。

3 特定歴史公文書等の写しの交付並びに写しの作成及び送付(電磁的記録にあっては、これに準ずるものとして市規則で定める方法を含む。)については、前条の解説2及び4を参照して下さい。

4 本条第2項に規定する費用は、前納しなければなりません。(市規則第19条)
     また、写しの送付に要する費用については、切手、小為替、現金書留等の提出を求める方法若しくは納入通知書による納付の方法によります。



[運用]

費用の額

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第25条 審査請求及び委員会への諮問

利用決定等又は利用請求に係る不作為について行政不服審査法(平成26年法律第68号)による審査請求があったときは、市長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、速やかに委員会に諮問し、その答申を尊重して当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し当該審査請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させることとする場合(当該特定歴史公文書の利用について反対意見書が提出されている場合を除く。)

[趣旨]

 本条は、利用請求に対する処分又は利用請求に係る不作為について行政不服審査法による審査請求があった場合に、審査請求を受けた市長に対し、第29条に規定する公文書管理委員会への諮問を義務付けています。

[解説]

1 利用決定等は、行政処分に該当するので、行政不服審査法による審査請求(処分庁に対する審査請求)が可能です。ただし、審査請求をするだけでは、処分の執行停止の効力は生じないので、審査請求に係る利用決定等の効力が停止されるものではありません。
      また、本条例に基づく利用決定等については、不服申立前置主義が採られていないので、行政不服審査法による審査請求を行うことなく、直ちに行政事件訴訟法による取消訴訟等を提起することも可能です。

2 「利用決定等又は利用請求に係る不作為について行政不服審査法(平成26年法律第68号)による審査請求があったとき」
  (1) 第16条第1項において、特定歴史公文書等の利用を具体的権利として定めたことから、利用請求に対する市長の決定は行政不服審査法に規定する「処分」となります。また、行政不服審査法においては審査請求を不作為についてもできることとされていることから、本条においても利用に供する旨の決定等とあわせ、利用請求に係る不作為に対しても行政不服審査法上の審査請求ができることを前提としています。
       なお、審査請求については、利用請求者が利用請求に対する処分の取消を求めることが典型ですが、第三者に関する情報が記録された特定歴史公文書等について利用に供する旨の裁決がなされた場合に、当該情報に係る第三者が取消を求める審査請求を起こすことも考えられます。
 
3 公文書管理委員会への諮問
  (1) 「市長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、速やかに委員会に諮問し、その答申を尊重して当該審査請求に対する裁決をしなければならない。」
      利用決定等について審査請求が提起されたときは、市長は本条各号のいずれかに該当する場合を除き、速やかに公文書管理委員会に諮問しなければなりません。これは、市長が自ら行った利用決定等の是非を判断するに際して、第三者性をもった公文書管理委員会に諮問し、その答申を尊重するシステムを導入することにより、審査請求に対する裁決の公正性及び客観性を確保しようとする趣旨です。
      この点、特定歴史公文書等の利用に関する調査審議については、利用制限情報(第16条第1項)の該当性のみならず、作成又は取得されてからの時の経過(同条第2項)も考慮する必要があり、情報公開制度とは異なる独自の観点も踏まえた判断が必要となるため、諮問機関については、情報公開審査会及び個人情報保護審議会ではなく、公文書管理委員会としています。

   (2) 「その答申を尊重して」とは、委員会の答申は、市長に対する法的拘束力を有するものではありませんが、答申を受けた市長は、特段の合理的な理由がない限り、答申と異なる裁決をすることができないことをいいます。

   (3) 「審査請求が不適法であり、却下する場合」(第1号)とは、行政不服審査法第45条第1項に基づき却下する場合を意味します。本号に該当するケースとしては、例えば、次のような場合がありますが、このようなケースについては第三者の意見を聴くまでもなく、客観的に判断できるので、諮問を要しないこととしています。
     ア 審査請求が、審査請求期間(原則として「処分があったことを知った日の翌日から起算して3月」。行政不服審査法第18条参照)の経過後にされたものであるとき。
     イ 審査請求人としての資格要件を満たさない者からの審査請求であるとき。
     ウ  存在しない利用請求に対する処分等についての審査請求であるとき。

  (4) 「裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させることとする場合(当該特定歴史公文書の利用について反対意見書が提出されている場合を除く。)」(第2号)
     ア 本号は審査請求人の主張を全面的に認めるケースであり、公文書管理委員会に諮問する必要性に乏しいため、諮問義務の例外としています。
     イ 「審査請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させることとする場合」には、利用請求をした者が、利用制限に該当するとされた特定歴史公文書等のうち一部についてのみ審査請求をした場合には、当該部分のすべてについて利用に供することとする場合を含みます。これは、たとえ部分利用決定の場合であっても、審査請求人にとっては、その要求が完全に満たされた結果になるためです。
     ウ 「当該特定歴史公文書等の利用について反対意見書が提出されている場合を除く。」反対利害関係人が存在する場合に、審査請求に対する裁決で、審査請求の全部を認容し、特定歴史公文書等を利用に供することとすると、当該決定については審査請求をすることができない(行政不服審査法第7条第1項第12号)ことから、当該利害関係人が裁決の取消訴訟を提起することが考えられます。しかしながら、第三者機関である公文書管理委員会による諮問の制度を設けた趣旨を踏まえれば、このようなケースについては、審査請求の段階で公文書管理委員会の答申を踏まえることが適当であり、反対利害関係人が存在することが明確な場合、すなわち、第22条第1項又は第2項の規定により第三者に意見書提出の機会を与えた場合であって、特定歴史公文書等の利用について当該第三者が反対の意思を明らかにしている場合には、諮問義務の例外事由の例外として諮問しなければならないとしています。

[運用]

1 審査請求があった場合の事務処理手続きは、おおむね次のとおりです。
  (1) 審査請求書の受理
  (2) 委員会への諮問
  (3) 委員会の審議及び答申
  (4) 審査請求に対する裁決

2 審査請求書の受理
  (1) 審査請求は、行政不服審査法に基づき裁決を行う市長に対して行うものであり、公文書館において審査請求書を受理します。
  (2) 審査請求は、決定があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、審査請求書を提出してしなければならず、公文書館においては、この審査請求書に次の事項の記載及び押印があることを確認します。
    ア 審査請求人の氏名及び年齢又は名称並びに住所
  イ 審査請求に係る処分
  ウ 審査請求に係る処分があったことを知った年月日
  エ 審査請求の趣旨及び理由
  オ 処分庁の教示の有無及びその内容
  カ 審査請求の年月日

3 委員会への諮問
  公文書館においては、当該審査請求が不適法であるとき及び審査請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用に供する旨の裁決を行うときを除いて、諮問書に必要な資料(審査請求書、利用請求書、審査請求に係る決定通知書の各写し等)を添えて、委員会に諮問します。委員会への諮問は、総務局を通じて行います。

4 委員会の組織等
     委員会の組織及び運営については第29条から第33条、また、調査審議の手続きについては第26条の解説を参照してください。

5 審査請求に対する裁決 
      公文書館においては、委員会から答申を受けたときは、その答申を尊重して、速やかに当該審査請求に対する裁決を行わなければなりません。

第26条 情報公開条例の準用

情報公開条例第18条、第19条、第23条~27条、第29条関係

(審査請求に関する読替規定)

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[趣旨]

 本条は、第25条に基づく審査請求に関する、公文書管理委員会における調査審議手続等について定めています。基本的な骨格は、情報公開制度における審査請求と同様のため、情報公開条例第18条、第19条、第23条~第27条及び第29条の規定を準用し、必要な読替規定を置いています。

第26条 情報公開条例の準用 情報公開条例第18条関係(諮問した旨の通知)

第26条

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[趣旨]

 本条は、情報公開条例第18条を準用し、市長が公文書管理委員会に諮問した場合には審査請求人等の関係者に諮問をした旨を通知すべき義務を有することを定めています。



[解説]

1 市長が審査請求に係る事案をいつ委員会に諮問したかは、審査請求人等が意見書の提出や口頭意見陳述を希望する場合、その準備等を行う上でも有益であることから、条例上の通知義務として明文化したものです。

2 市長が諮問をした旨の通知をしなければならない相手方は、審査請求人及び参加人、利用請求者(審査請求人及び参加人に該当する者を除く。)、並びに反対意見書を提出した第三者(審査請求人及び参加人に該当する者を除く。)です。

3「参加人」とは、行政不服審査法第13条に規定する参加人をいい、市長の許可を得て審査請求に参加する利害関係人(同法第13条第1項)と市長の求めにより審査請求に参加する利害関係人(同法第13条第24条第2項)とがあります。

4 本条第1号、第2号及び第3号の適用関係は、次のとおりです。
 (1) 利用請求者又は反対意見書を提出した第三者が審査請求人又は参加人であるときは、 第1号が適用されます。
 (2) 利用決定に対する反対意見書を提出した第三者が審査請求を提起している場合において、利用請求者が参加人になっていないときは、当該利用請求者には、第2号が適用されます。
 (3) 利用請求者が審査請求を提起している場合において、反対意見書を提出した第三者が参加人になっていないときは、当該第三者には、第3号が適用されます。

第26条 情報公開条例の準用 情報公開条例第19条関係(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

情報公開条例第19条関係(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

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[趣旨]

 本条は、利用決定(部分利用決定を含む。以下同じ。)に対する第三者からの審査請求を棄却する裁決をする場合において、当該第三者が取消訴訟等を提起する機会を保障するため、情報公開条例第19条の規定を準用することを定めています。



[解説]

1 審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げないので(行政不服審査法第25条)、利用決定に反対する第三者が審査請求を提起する場合は、通常、同時に利用決定の執行停止の申立てを行い、決定があるまで利用決定の執行を停止する旨の決定を得ておくことが考えられますが、そのような場合であっても、当該審査請求を却下し、又は棄却する決定がなされて直ちに当該特定歴史公文書等が利用されてしまえば、当該第三者に回復困難な損害が生ずるおそれがあります。
    そこで、本条は、そのような場合には、当該第三者が取消訴訟等を提起する機会を保障するため、第22条第3項の規定を準用し、決定の日と利用を実施する日との間に少なくとも2週間の期間を置くこと等により、当該第三者が取消訴訟等を提起する機会を保障することとしたものです。また、決定後直ちに、当該第三者に対し、利用することを決定した旨及び利用を実施する日等を書面により通知します。

2 本条第2号は、市長が審査請求に係る利用制限決定及び部分利用決定等を変更し、当該特定歴史公文書等を利用に供する旨の決定を行う場合においても、第三者である参加人が当該特定歴史公文書等の利用に反対の意思を表示しているときには、当該第三者が取消訴訟等を提起する機会を保障するため、第22条第3項の規定を準用し、決定の日と利用を実施する日との間に少なくとも2週間の期間を置くとともに、決定後直ちに、当該第三者に対し、利用に供することを決定した旨及び利用を実施する日等を書面により通知することを定めています。
   なお、本条第2号が、第三者である参加人が当該特定歴史公文書等の利用に反対の意思を表示している場合に限って2週間の期間を置くようにしているのは、利用に反対の意思を表示していない場合にまで、速やかな利用を求める審査請求人の利益を犠牲にして第三者の争訟の機会を確保する必要性が乏しいと考えられるためです。

[運用]

 本条の規定により第三者に利用の実施日等を通知する場合には、審査請求人等に関する情報の利用実施日等通知書(市規則第10号様式)を審査請求人等に送付又は交付します。


第26条 情報公開条例の準用 情報公開条例第23条関係(委員会の調査権限)

情報公開条例第23条関係(委員会の調査権限)

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[趣旨]

 本条は、委員会が市長から独立した第三者性を有する機関として、公正かつ的確な判断を行うことができるように、実効性のある審理を進める上で必要な委員会の調査権限について定めた情報公開条例第23条を準用しています。

[解説]

1 第1項関係
  (1) 市長が利用制限とした情報が客観的にみて第16条第1項各号に掲げる情報に該当するか、部分利用が適切に行われているか等を的確に判断するためには、市長から利用決定等に係る特定歴史公文書等を委員会に提出させ、委員会において当該特定歴史公文書等を実際に見分して調査審議することが極めて有効です。
      このようなインカメラ審理は、委員会の重要な調査権限であることから、条例に明記することとしたものです。(本項前段)
  (2) 本項後段は、インカメラ審理の性質上、委員会に提出されている利用決定等に係る特定歴史公文書等については、何人も委員会に対しその利用を求めることができないことを定めています。
  (3) 「利用決定等に係る特定歴史公文書等の提示」とは、利用決定等の対象となっている特定歴史公文書等の原本の提示のみならず、当該特定歴史公文書等の写しの提出を含む趣旨です。

2 第2項関係
     本項は、インカメラ審理の実効性を担保するため、委員会から利用決定等に係る特定歴史公文書等の提出を求められたときは、市長はこれを拒んではならないことを定めています。

3 第3項関係
  (1) 本項は、利用決定等に係る特定歴史公文書等が大量であり、複数の利用制限事由が複雑に交錯している事案などの審理では、論点を整理し、効率的な調査審議を行うためにも、利用制限とされた部分と当該部分に適用された利用制限事由の規定及びその理由等を、委員会の指定する方法により分類又は整理した資料(以下「ヴォーン・インデックス」という。)を活用することが有効であることから、委員会は、必要があると認めるときは、市長に対し、ヴォーン・インデックスを作成し、委員会に提出するよう求めることができる権限を有することを定めたものです。

  (2) ヴォーン・インデックスの提出の求めに対しては、第2項のように市長はこれを拒否することができない旨の規定が置かれていません。これは市長の裁量に委ねる趣旨ではなく、そのような規定がなくとも、市長には審査請求の審理に協力すべき義務を当然負っていることから、ヴォーン・インデックスの提出の求めに対しては、市長は、特段の合理的な理由がない限り、これに応じなければなりません。

4 第4項関係
  (1) 本項は、インカメラ審理及びヴォーン・インデックスの各権限のほか、審査請求に係る事件に関し、審査請求人等に意見書又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実を陳述させることその他必要な調査をすることができる権限が委員会に付与されていることを定めています。
  (2) 委員会は、審査請求に係る事件の調査審議に関し必要があると認めるときは、本条第4項の規定により、委員会が定める相当の期間内に、市長に対し利用決定等の理由等を記載した意見書の提出を、また、審査請求人又は参加人に対し市長の提出した意見書に対する反論等を記載した意見書の提出を、それぞれ求めることができます。
  (3) 委員会は、市長から意見書が提出されたときは、当該意見書の写しを審査請求人又は参加人に送付し、審査請求人又は参加人から意見書が提出されたときは、当該意見書の写しを市長に送付します。
  (4) 委員会は、審査請求人又は参加人が定められた期間内に意見書又は資料の提出をしないときは、当該審査請求に係る事件の調査審議を速やかに終了し、市長に対し答申を行います。

第26条 情報公開条例の準用 情報公開条例第24条関係(意見の陳述等)

情報公開条例第24条関係(意見の陳述等)

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[趣旨]

 本条は、審査請求人等に弁明、反論の機会を保障するため、口頭で意見を述べる機会を原則として与えています。また、補佐人とともに出頭することができることを定めています。

[解説]

1 第1項関係
  (1)  委員会における審査請求事件の審理については、職権に基づき、書面を中心として行われることになりますが、審査請求人等の権利利益を保護するため、本項は、審査請求人等の申立てに基づき、口頭で意見を述べる機会を原則として与えることにより、審査請求人等の弁明、反論の機会を保障しています。
     なお、「審査請求人等」には、市長も含まれるので(第26条で準用する情報公開条例第23条第4項)、市長も利用決定等を行った理由等について、口頭意見陳述の申立てをすることができます。
  (2) 本項ただし書は、例外的に口頭で意見を述べる機会を付与しないことができることを定めています。本項ただし書に該当する場合としては、委員会が審査請求を全面的に認める場合や、同一の情報について、過去に委員会の答申が先例として確立しており、その後の諸般の事情の変化による答申変更の必要性が認められない場合などがあります。

2 第2項関係
  (1) 本項は、審査請求人又は参加人は、委員会の許可を得て、補佐人とともに出頭することができることを定めています。本市の機関である市長には、その必要性が認められないので、補佐人とともに出頭することは認めらません。
  (2) 口頭意見陳述における補佐人は、許可制になっているので、委員会は、合理的な範囲で、出頭する補佐人の人数その他円滑な審理を実施する上で必要な制限又は条件を設定することができます。

3 第3項関係
  (1) 審査請求の当事者である審査請求人等は、委員会における迅速な審理に協力すべき義務を負っており、審理の著しい遅延を招くことのないように、病気その他特段の理由がない限り、口頭意見陳述に指定された期日を遵守しなければなりません。
      本項は、上記の考え方から、委員会が指定する相当の期間内に審査請求人等が口頭意見陳述を行うことができないときは、委員会は、当該審査請求人等に対し、口頭意見陳述に代えて、相当の期間を定めて当該期間内に意見書を提出するよう求めることができることを定めています。
  (2)「相当の期間」は、意見書を準備し、提出するため社会通念上必要と認められる期間をいいます。

第26条 情報公開条例の準用 情報公開条例第25条関係(意見書等の提出等)

情報公開条例第25条関係(意見書等の提出等)

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[趣旨]

 本条は、審査請求人等の権利利益を保護するため、委員会に対し、意見書又は資料を提出することができることを定めています。



[解説]

 審査請求人等は、任意に、委員会に対し、意見書又は自己に有利な資料を提出することができます。しかし、委員会の審理がほぼ終了した時期に、審査請求人等から意見書又は資料が提出されたために、新たに争点整理をし、改めて審理し直すことは、迅速かつ円滑な審理の進行を阻害するものであり、適当ではありません。
 そこで、本項ただし書は、委員会の職権により、意見書又は資料を提出すべき期間を定めることができるものとし、その場合は、指定された期間内にこれを提出しなければならないこととしています。
   「相当の期間」は、意見書又は資料を準備し、提出するため社会通念上必要と認められる期間をいいます。
   本項ただし書の規定により相当の期間内に意見書又は資料を提出するよう求められた審査請求人等が、指定された期間内に意見書又は資料を提出しないときは、本条に基づき、意見書又は資料を提出することができなくなります。

第26条 情報公開条例の準用 情報公開条例第26条関係(委員による調査手続)

情報公開条例第26条関係(委員による調査手続)

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[趣旨]

 本条は、委員会が審査請求に関する調査審議を行うに当たり、案件の実情に即した効率的な審理を実施するため、その指名する委員に委員会が行う調査手続の一部を行わせることができる旨を定めています。

[解説]

1 委員会の調査権限は第26条で準用する情報公開条例第23条で規定されていますが、すべての調査を合議体の会議で行うのは非効率であり、調査審議の迅速性確保のためには、事件の審議にあたる委員に必要な調査を行わせた上で、その調査結果や入手した資料を元に会議で審議を行うことが適切な場合があります。
     また、本条に基づき、審査請求人が遠隔地に居住している場合等には、委員が赴いて調査を行う等の方法が可能となります。このようなことから、本条は、委員会の指名する委員に委員会が行う調査手続の一部を行わせることができることとしています。

2 本条の規定により、委員を指名して、その委員に行わせることができる調査手続は、次に掲げるとおりです。
(1) インカメラ審理において市長から提示された特定歴史公文書等を閲覧させること(第26条で準用する情報公開条例第23条第1項)
(2) 審査請求人等に意見書又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実を陳述させることその他必要な調査をすること(第26条で準用する情報公開条例第23条第4項)
(3) 審査請求人等の意見の陳述を聴かせること(第26条で準用する情報公開条例第24条第1項本文)
(4) 意見の陳述に代えて提出された意見書を閲覧させること(第26条で準用する情報公開条例第24条第3項)

[運用]

 本条の規定により委員会から指名された委員が、閲覧、調査、陳述の聴取等を行ったときは、その結果を速やかに委員会に報告します。

第26条 情報公開条例の準用 情報公開条例第27条関係(提出資料の閲覧)

情報公開条例第27条関係(提出資料の閲覧)

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[趣旨]

 本条は、審査請求人等(審査請求人、参加人又は市長)が有効に弁明、反論を行うことができるように、委員会に提出された意見書又は資料を、提出した審査請求人等以外の審査請求人等に送付するとともに、委員会に対し、意見書又は資料の閲覧又は写しの交付を求めることができることを定めています。

[解説]

1 審査請求人等が有効に弁明、反論を行うためには、他の審査請求人等が委員会に提出した意見書や資料の内容を知る必要があります。また、委員会としても、双方の当事者に意見書や資料を送付し、閲覧又は写しを交付することにより、公平で円滑な審理を実施することができます。
    このような観点から、本条は、委員会に提出された意見書や資料を、提出した審査請求人等以外の審査請求人等に送付するとともに、審査請求人等が委員会に提出された意見書又は資料の閲覧又は写しの交付を求めることができることとしています。


2 「資料」には、インカメラ審理において、市長から委員会に提出された利用決定等に係る特定歴史公文書等又はその写しは含まれません。これは、当該特定歴史公文書等の利用の是非が審査請求の争点になっていることから当然のことです。

3 「第三者の利益を害するおそれがあると認められるとき」とは、委員会に提出された意見書又は資料に、個人又は法人等に関する情報が記録されており、当該意見書又は資料の送付、閲覧又は写しの交付を認めることにより、当該個人又は法人等の正当な権利利益を害するおそれがある場合をいいます。

4 「その他正当な理由があるとき」とは、委員会に提出された意見書又は資料が公にされることにより、本市の事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある場合等をいいます。

5 本条第1項後段の規定により閲覧又は複写を拒否された審査請求人等は、委員会が行った当該拒否決定に対して審査請求を提起することはできません。これは、委員会が行う審査請求の審議手続における中間的・付随的な処分を争わせることによって審議手続が遅延することの不利益を考慮して、このような中間的・付随的な処分を争わなくとも、最終的には、委員会の答申に基づく市長の決定を争うことができるからです。

 


第26条 情報公開条例の準用 情報公開条例第29条関係(答申書の送付等)

情報公開条例第29条関係(答申書の送付等)

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[趣旨]

 本条は、委員会としての説明責務を果たす観点から、答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付するとともに、答申の内容を公表することを定めています。

[解説]

1 委員会の答申は、当然のことながら、諮問をした市長に対して行われるものであり、審査請求人及び参加人に対しては、市長が答申を尊重して決定を行うことになっています。
    しかし、それでは審査請求人及び参加人は、自己の審査請求の結果に大きな影響を及ぼす委員会の答申の内容を迅速かつ正確に知り得ないこととなります。
 そこで、本条は、審査請求人及び参加人に対する答申書の写しの送付及び答申の内容の公表を定めたものです。

2 公表の対象を「答申書」とせずに、「答申の内容」としている趣旨は、答申書には、個人の住所、氏名、企業名その他公表することが適当でない事項が記載されている場合があるので、そのような部分を除いた内容を公表することとしています。

[運用]

1 委員会は、諮問に対する答申をしたときは、速やかに送付等により答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付します。

2 答申の内容の公表は、答申の概要又は答申書の写し(個人の住所、氏名、企業名その他公表することが適当でない部分を除いた書面)を作成し、大阪市ホームページへの掲載等により行います。


第27条 本市の機関等による利用の特例

特定歴史公文書等を作成した本市の機関又は地方独立行政法人等(当該作成した本市の機関の所掌事務又は業務が他の本市の機関又は地方独立行政法人等に移管されている場合にあっては当該他の本市の機関又は地方独立行政法人等、当該作成した地方独立行政法人等の所掌事務又は業務が本市の機関又は他の地方独立行政法人等に移管されている場合にあっては当該本市の機関又は他の地方独立行政法人等)が市長に対してそれぞれその所掌事務又は業務を遂行するために必要であるとして当該特定歴史公文書等について利用請求をした場合には、第16条第1項第1号の規定は、適用しない。

[趣旨]

 特定歴史公文書等を作成した本市の機関又は本市が設立した地方独立行政法人等が、それぞれの所掌事務又は業務を遂行するために必要があるとして当該特定歴史公文書等について利用請求をした場合は、第16条第1項第1号に規定する利用制限情報であっても、利用の制限を行いません。

[解説]

1 本条例では、保存期間が満了した公文書等のうち、歴史公文書等に該当するものはすべて公文書館において保存します。(第8条第2項・第3項後段、第12条第2項後段)公文書館で保存する特定歴史公文書等は、現用文書としての役割を終えているため、引継元の機関等が職務上頻繁に使用することは想定されませんが、例えば、参考資料として使用する等、職務において必要となる場合がありえます。こうした場合には、引継元の機関が、第16条の利用請求を通じて、公文書館で保存する特定歴史公文書等を利用することが想定されます。

2 第16条第1項第1号に規定する利用制限情報は、個人の権利利益や公共の利益について、一般に利用させる利益と比較衡量した上で、前者の保護が高いが故に、制限の対象としたものです。しかし、引継元の機関等においては、利用制限情報であっても、引継前には知りえた情報であり、引継元の機関等の中で利用する限りにおいては、利用制限情報を利用に供したからといって、個人の権利利益や公共の利益を不当に侵害することは考えられず、逆に、こうした利用をいたずらに制限することで、適切な業務遂行が不当に妨げられる可能性が高くなると考えられます。そこで、これらの事情を考慮し、本条では、特定歴史公文書等を引継元の機関等において、業務上利用する場合には、これらの利用制限情報に該当する場合であっても、制限を行わないことを特例として規定したものです。

3 特定歴史公文書等を作成した本市の機関の所掌事務又は業務が他の本市の機関又は地方独立行政法人等に移管されている場合に、事務移管を受けた他の本市の機関又は地方独立行政法人等が特定歴史公文書等を業務上利用する場合には、業務移管を受けた他の本市の機関又は地方独立行政法人等が、第16条第1項第1号に規定する利用制限を受けずに、特定歴史公文書等を利用できることを定めています。同様に、特定歴史公文書等を作成した地方独立行政法人等の所掌事務又は業務が本市の機関又は他の地方独立行政法人等に移管されている場合にあっては、業務移管を受けた当該本市の機関又は他の地方独立行政法人等が第16条第1項第1号に規定する利用制限を受けずに、特定歴史公文書等を利用できることを定めています。

第28条 特定歴史公文書等の廃棄

市長は、特定歴史公文書等として保存されている文書が歴史資料として重要でなくなったと認める場合には、当該文書を廃棄することができる。
2 市長は、前項の規定により文書を廃棄するときは、あらかじめ、委員会の意見を聴かなければならない。

[趣旨]

 本条は、特定歴史公文書等の廃棄について定めています。

[解釈]

1 特定歴史公文書等については、第15条第1項において永久保存の原則が定められていますが、特定歴史公文書等が歴史資料として重要でなくなったと認められる場合に例外的に廃棄を認めたのが本条の規定です。

2 歴史資料として重要でなくなったと認める文書を決定するためのルールとして、「大阪市公文書管理条例第28条にかかる運用ルール」を定めています。その中で、次に該当する文書が歴史資料として重要でなくなったと認める文書にあたるものとされています。

(1) 刊行物等を編綴している文書で、行政刊行物等として取扱うことを決めた文書

(2) 他の特定歴史公文書等の内容と重複する文書

(3) 大阪市公文書管理条例第7条の基準に当てはまらない文書 

  ア  業務上の必要性から長期保存されている文書

 イ 市民、民間企業からの申請書等または給付金等の台帳等で内容が公報や統計書等により公になっている文書

 ウ 国からの通達・他都市に関する資料、参考文献等

3 公文書管理委員会への諮問

 一度誤った廃棄が行われれば、当該特定歴史公文書等を取り戻すことはできないため、その廃棄については極めて慎重な判断が必要です。

 そこで、廃棄に当たっては、専門的な知識に基づく判断とともに、中立・公平な第三者的な見地による判断も確保するため、公文書管理委員会への諮問を義務付け(第29条第1項)、廃棄に関して適切な判断がなされることを担保しています。

第29条 委員会の設置

第7条第2項、第25条及び前条第2項の規定によりその権限に属するものとされた事項について、諮問に応じて審議を行わせるため、委員会を置く。
2 委員会は、前項に定めるもののほか、公文書等の管理に関する重要な事項について、市長の諮問に応じて調査審議するとともに、市長に意見を述べることができる。

[趣旨]

 本条は、中立・公正な第三者的立場から専門的な意見を述べる諮問機関として、歴史公文書等の判定基準の制定又は改廃(第7条第2項)、審査請求(第25条)、特定歴史公文書等の廃棄(第28条第2項)及び公文書等の管理に関する重要な事項について調査審議(第29条第2項)し、市長に意見を述べるため、大阪市公文書管理委員会を設置することを定めています。

[解説]

1 公文書管理委員会は、地方自治法第138条の4第3項に規定する執行機関の附属機関として、この条例により設置されるものです。

2 「公文書等の管理に関する重要事項」とは「大阪市公文書管理条例に基づく利用請求に対する処分に係る審査基準」作成にあたっての調査審議等、公文書等を管理する上で必要となる基本的な事項の改善その他制度のあり方に関する重要な変更及び改善及び公文書管理の推進を図るために必要な事項等をいいます。

[運用]

 委員会の組織及び運営並びに調査審議の手続に関し必要な事項は、次条から第33条までの規定に定めるほか、第33条の規定により定める大阪市公文書管理委員会規則(平成23年大阪市規則第5号。以下「委員会規則」という。)の定めるところによります。

第30条 組織等

委員会は、委員7人以内で組織する。
2 委員は、学識経験者その他市長が適当と認める者のうちから、市長が委嘱する。
3 委員の任期は、2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
4 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
5 委員会は、その指名する委員3人以上をもって構成する部会に、第25条に規定する異議申立てに係る事件について調査審議させることができる。
6 委員会は、前項の規定により部会の所掌とした事項については、部会の決議をもって委員会の決議とすることができる。

[趣旨]

 本条は、委員会の組織、委員数、委嘱、任期等を定めたものです。また、委員会の迅速かつ機動的な運用を図るため、審査請求に係る事件について委員3人以上をもって構成する部会に調査審議させることができる旨を定めたものです。

[解説]

1 第1項~第3項関係
     委員会は、学識経験者その他市長が適当と認める者、例えば、歴史学や行政法学等に知見のある者、法曹関係者等の学識経験のある者、文書管理の実務に精通している者等のうちから市長が委嘱する委員7人以内で組織します。また、委員の任期は2年(再任可)であり、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。

2 第4項関係
     委員会の委員は、非常勤であるので、地方公務員法第3条第3項第2号の特別職となり、同法第4条第2項の規定により、同法第34条第1項の守秘義務は適用されません。
     しかしながら、委員会は、第26条の規定により読み替えられた情報公開条例第23条第1項の規定により、利用制限情報が記録された特定歴史公文書等を直接見分するいわゆるインカメラ審理の権限を有しています。そこで、本条第4項は、委員会の委員の守秘義務を条例上課しています。

3 第5項関係
     委員会に多数の審査請求に係る事件が係属している場合、それぞれの事件の複雑多岐にわたる検討項目を整理し、迅速な審理を実現するためには、小人数による部会を設置し、部会で調査審議を行うことが有効です。
 そこで、本条は、部会制を導入することにより、委員会体制の充実を図り、審査請求に係る事件の審理の迅速化を図っています。
    部会は、必置機関ではなく、必要があると認められるときに、委員会において3人以上の委員を指名して、部会を構成することができる趣旨です。
    部会は、審査請求に係る事件に限り調査審議できるものであり、歴史公文書等の判定基準の制定又は改廃に関する調査審議(第7条第2項)、特定歴史公文書等の廃棄について調査審議(第28条第2項)及び公文書等の管理に管理に関する重要な事項の調査審議(第29条第2項)については調査審議することができません。

4 第6項関係
     委員会は、部会の所掌とした事項について部会に調査審議させることができるだけでなく、部会の決議をもって委員会の決議とすることができる趣旨です。

[運用]

1 委員会の庶務は総務局において処理します。

2 委員会に委員長を置き、委員の互選により定めることとしています。(委員会規則第2条第1項)

3 委員長は、委員会を代表し、議事その他の会務を総理する権能を有します。(委員会規則第2条第2項)

4 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長の指名する委員(委員長代行)が、委員長の職務を代行することとしています。(委員会規則第2条第3項)

5 委員会の会議は、会長が招集するものとし、定足数は、委員の半数以上です。(委員会規則第5条第1項及び第2項)

6 部会長は、部会を代表し、議事その他の会務を総理し、並びに部会における調査審議の状況及び結果を委員会に報告することとしています。(委員会規則第4条第2項)

7 部会の会議は、部会長が招集するものとし(委員会規則第7条・第5条第1項)、定足数は、部会に属する委員の半数以上です。(委員会規則第7条・第5条第2項)

また、部会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、部会長の決するところによります。(委員会規則第7条・第5条第3項)

第31条 資料の提出等の求め

委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認める場合には、本市の機関又は地方独立行政法人等に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

[趣旨]

 本条は、委員会が本市の機関等から独立した第三者性を有する機関として、公正かつ的確な判断を行うことができるように、実効性のある審理を進める上で必要な資料の提出等を求めることができることを定めています。

[解説]

 公文書管理委員会の所掌事務である、歴史公文書等の判定基準の制定又は改廃に関する調査審議(第7条第2項)、審査請求に関する調査審議(第25条)、特定歴史公文書等の廃棄に関する調査審議(第28条第2項)及び公文書等の管理に関する重要な事項の調査審議(第29条第2項)に当たり、適切な検討を行うため、本市の機関又は地方独立行政法人等に対し資料の提出を求めること、意見を陳述させること、説明させることその他必要な協力を求めることができる権限が委員会に付与されていることを定めています。

第32条 調査審議手続の非公開

委員会の行う調査審議の手続は、公開しない。ただし、第7条第2項及び第28条第2項の規定によりその権限に属するものとされた事項に係る調査審議並びに第29条第2項の規定による調査審議の手続については、特段の支障がない限り、公開して行うものとする。

[趣旨]

本条は、委員会の会議の公開に関し、以下の手続については、原則として公開して行い、審査請求に関する調査審議の手続(第25条)については、公開しないことを定めています。
・ 歴史公文書等の判定基準を制定又は改廃に関する調査審議(第7条第2項)
・ 特定歴史公文書等の廃棄に関する調査審議(第28条第2項)
・ 公文書等の管理に関する重要な事項についての調査審議(第29条第2項)

 

[解説]

    審査請求に関する調査審議の手続については、紛争当事者である審査請求人や参加人等の権利利益に関わる情報のほか、特定の個人のプライバシーや法人等の経営上の秘密等に関わる情報が審議過程で現われるのが通常です。また、利用決定等に係る特定歴史公文書等を実際に見分して調査審議することから、その手続は公開になじみません。
 そこで、本条本文は、このような性質を有する審査請求についての調査審議の手続を公開しないことを定めています。
    一方、歴史公文書等の判定基準の制定又は改廃に関する調査審議、特定歴史公文書等の廃棄に関する調査審議及び公文書等の管理に関する重要事項の調査審議の手続を公開することについて支障はなく、むしろ、審議経過等を市民に公開することの必要性が高いです。
   そこで、本条ただし書は、これらの調査審議の手続については、特段の支障がない限り、公開して行うことを定めています。また、「委員会の行う調査審議の手続」には、審査請求人等の口頭意見陳述の手続も含まれます。



[運用]

 本条ただし書の規定により、委員会の会議を公開して調査審議の手続を行う場合は、「審議会等の設置及び運営に関する指針」の定めるところによります。

第33条 委任

この章に定めるもののほか、委員会の組織及び運営並びに調査審議の手続に関し必要な事項は、市規則で定める。

[趣旨]

 本条は、この条例に定めるもののほか、委員会の組織及び運営並びに調査審議の手続に関し必要な事項について、市規則で定めることを明らかにしています。

[解説]

 本条の委任を受けて、大阪市公文書管理委員会規則が定められています。

第34条 公印の管理

本市の機関(消防長を除く。)は、市規則、法第138条の4第2項に規定する規程、地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第10条に規定する管理規程その他の規程(以下「市規則等」という。)でその使用する公印(市長にあっては、消防長が使用する公印を含む。)の管理に関し必要な事項を定めなければならない。
2 本市の機関は、前項の市規則等の定めるところにより、公印を適正に管理しなければならない。

[趣旨]

 本条は、公印の管理について定めています。

[解説]

 公印は、公文書が真正であることを明示する役割を果たす重要なものであり、公文書の適正管理と同様、厳重な管理が求められることから、本市の機関は、大阪市公印規則をはじめ各委員会規則・規程や企業管理規程等で、その使用する公印の管理責任を負う者など公印の管理に関し必要な事項を定める責務を負うことを定めています。
 本市の各機関は、市規則等に定めるところにより、公印の適正な管理を行わなければなりません。

第35条 他の法令等との関係

法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定により、公文書の管理に関する事項について特別の定めが設けられている場合にあっては、当該事項については、当該法令等の定めるところによる。

[趣旨]

 本条は、本条例が公文書管理に関する一般法的な性格を有することについて、他法令等との関係において明確化しています。

[解説]

 第1条では「この条例は…公文書等の管理に関する基本的な事項を定める」とし、本条例が公文書等の管理に関する一般法的なものである旨を明らかにしています。一方、本条では、「公文書の管理に関する事項について特別の定めが設けられている場合にあっては、当該事項については、当該法令等の定めるところによる。」として、本条例の公文書等の管理に関する一般法的な性格を他法令等との関係を示すことによってさらに明確化しています。
 特別の定めとは、対象としている実質的内容が競合していることが要件であって、本条例が規定している内容と全く無関係な事項に係る内容については、そもそも特別の定めであるか否かという問題にはなりません。実質的に他の法令が本条例に比べて別段の趣旨に基づき特別の規律を行うものかどうかということです。
 例えば、戸籍法施行規則第5条第4項において除籍簿の保存期間が当該年度の翌年から百五十年とすると定められていますが、これは除籍簿の特殊性を踏まえた保存期間についての「特別の定め」であるといえます。また、情報公開条例は、本条例で定める公文書の利用のうち現用文書である公文書の公開(利用)に関する「特別の定め」であるといえます。

第36条 適用除外

この条例の規定は、図書館、博物館その他これらに類する本市の施設において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされている公文書及び一般の利用に供することを目的として管理されている文書については、適用しない。

[趣旨]

 本条は、図書館等の施設において、特別の管理がされている公文書や一般利用の方法が定められた文書について、この条例の適用関係を定めたものです。

[解説]

 本条は、図書館、博物館その他これらに類する本市の施設(美術館等)において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされている公文書及び一般の利用に供することを目的として管理されている文書については、当該施設の目的に応じた管理方法や閲覧・貸出し等の利用方法が定められています。これらの公文書等については、その定めに従った利用を行うべきであることから、そのような公文書等についてはこの条例の規定を適用しないこととしています。

第37条 施行の細目

この条例の施行に関し必要な事項は、市規則で定める。

[趣旨]

 本条は、この条例の施行に関し必要な事項は市規則により定めることを明らかにしたものです。

[解説]

 市規則で定めた内容は、本市の機関(議長を除く。)に共通の定めとして適用します。議長については、市会公文書管理規程において、市規則の規定の例によるとされています。
 なお、本条は委任の一般規定であり、この条例の個別の条文に委任規定がある場合は、当該規定が優先します。

附則

  

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