大阪市内の川にすむ魚 (大阪市内河川魚類生息状況調査)
2023年11月8日
ページ番号:445202

大阪市では、市民の皆さまに魚類の生息状況から見た大阪市内の河川のきれいさと魚種の豊富さを伝えていくため、平成3年度から概ね5年ごとに市内河川魚類生息状況調査を実施しています。きれいな水質でなければ生息できない魚種として、淡水域では、ハス・コウライモロコ・カワヒガイ・シロヒレタビラの4種、汽水域では、コチ属・クロダイ・ヒメハゼ・イシガレイの4種、計8種を指定し、大阪市内の全ての河川でこれらの魚が生息できるきれいな水質を確保することをめざしています。
また、令和3年3月に策定した「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」実行計画においても、同計画の達成に向けた取組みの指標の一つとして「きれいな水質の河川に生息する魚の確認地点を全19地点に増やす」ことを掲げており、各種施策に取り組んでおります。

きれいな水質の河川に生息する魚

淡水(海水が混じっていない川)にすむ魚

汽水(海水が混じった川の水)にすむ魚

お知らせ
道頓堀川でニホンウナギが捕獲されました。ニホンウナギは大阪府のレッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に指定されている魚種であり、道頓堀川で確認されたのは、学術的な調査において初めてのことです。


令和4年度の調査結果概要
令和4年度に実施した魚類生息状況調査では、大阪市内の河川19地点で調査を行い、大阪府レッドリストの絶滅危惧種Ⅰ類及びⅡ類に指定されるカワヒガイやシロヒレタビラ、ニホンウナギ、ミナミメダカなどを含め、在来種は42種が確認されました。また、コウライモロコやクロダイなどの「きれいな水質の河川に生息する魚」については、9地点で確認されました。
大阪市では、今回の調査結果により判明した現状をふまえて、水辺の生物多様性を守るため、必要な施策を講じることにより魚類が生息できる水環境の改善・創造に努めてまいります。

調査地点
大阪市内河川域 19地点
調査番号 | 河川名 | 調査地点名 |
---|---|---|
1 | 神崎川上流 | 江口橋 |
2 | 神崎川下流 | 三国橋 |
3 | 淀川上流 | 菅原城北大橋(淀川大堰上流) |
4 | 淀川下流 | 淀川大橋(淀川大堰下流) |
5 | 寝屋川 | 朝日橋 |
6 | 第二寝屋川 | 下城見橋 |
7 | 平野川 | 南弁天橋 |
8 | 平野川分水路 | 片一橋 |
9 | 大川 | 桜宮橋 |
10 | 堂島川 | 大江橋 |
11 | 土佐堀川 | 淀屋橋 |
12 | 安治川上流 | 船津橋下流部 |
13 | 安治川河口 | 安治川内港 |
14 | 道頓堀川 | 下大和橋 |
15 | 尻無川上流 | 岩崎橋 |
16 | 尻無川河口 | 甚兵衛渡 |
17 | 木津川上流 | 水門下流部 |
18 | 木津川河口 | 新木津川大橋 |
19 | 大和川 | 高野大橋 |

調査日程
令和4年度魚類調査は、季節ごとの年4回で実施しました。
- 春季調査 令和4年5月24日(火曜日)、25日(水曜日)、6月6日(月曜日)、7日(火曜日)、8日(水曜日)
- 夏季調査 令和4年8月1日(月曜日)、4日(木曜日)、5日(金曜日)、8日(月曜日)、9日(火曜日)、17日(水曜日)
- 秋季調査 令和4年10月31日(月曜日)、11月1日(火曜日)、7日(月曜日)、9日(水曜日)、11日(金曜日)
- 冬季調査 令和5年2月22日(水曜日)、24日(金曜日)、27日(月曜日)、3月1日(水曜日)、3日(金曜日)

調査方法
投網を用いて魚類を採取しました。投網の打数は1地点につき30回とし、調査範囲は調査地点を基準に上下流それぞれに200メートル程度の範囲としました。投網による方法で捕獲できないような小型の魚類が観察された場合には、タモ網を用いて採取しました。調査にあたっては、調査地点の状況、捕獲個体の状況が分かるように写真撮影並びに記録を行いました。
また、捕獲した魚は調査後もとの河川に放しました。

調査結果概要
- 確認された魚種は45種で、前回調査(平成29年度調査、以下同じ。)と比べて7種減少しました。うち在来種については42種で、前回調査と比べて4種減少しました。
- 確認種数(在来魚、外来魚合わせた種数)が多かった地点は、神崎川上流(17種)、大和川(15種)、淀川下流(14種)、淀川上流(13種)、大川(12種)でした。
- きれいな水質の河川にすむ魚の確認地点数は9地点であり、前回調査(10地点)とほぼ変わらない結果となりました。
- 大阪府レッドリスト2014において絶滅危惧種として記載されている、カワヒガイ(絶滅危惧Ⅰ類)が神崎川上流で、ニホンウナギ(同Ⅱ類)が淀川下流で、ミナミメダカ(同Ⅱ類)が大和川で、生息が確認されました。また、大川でシロヒレタビラ(同Ⅰ類)が平成13年度調査を最後に確認されていませんでしたが、久しぶりに確認されました。また、神崎川下流・尻無川河口では、初めてきれいな水質の河川にすむ魚が確認されました。
- これまできれいな水質の河川にすむ魚が確認されていた大和川においては、大規模な治水工事などにより生息状況が変化したことから、きれいな水質の河川にすむ魚が確認できなかったと考えられます。
- 外来種については、オオクチバス(ブラックバス)は4地点(前回調査5地点)で、ブルーギルは5地点(前回調査6地点)で確認されており、前回に比べ生息範囲が狭まりましたが、市内河川全体の個体数は増加していました。なお、前回確認されたコクチバスは確認されませんでした。
平成3年度 | 平成8年度 | 平成13年度 | 平成18年度 | 平成23年度 | 平成29年度 | 令和4年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
きれいな水質の河川にすむ魚の確認地点数 | 5地点 | 4地点 | 9地点 | 9地点 | 11地点 | 10地点 | 9地点 |
確認された魚種数 | 40種 | 40種 | 40種 | 39種 | 47種 | 52種 | 45種 |
上記のうち、在来種の種数 | 36種 | 36種 | 34種 | 36種 | 42種 | 46種 | 42種 |

河川ごとの特徴

神崎川
上流域では、前回調査に引き続き、きれいな水質の河川にすむ魚であるコウライモロコが最も多く捕獲されました。また、ブルーギルなどの外来種については、前回から大きな変化はありませんでした。
下流域では、ボラ、スズキ、キチヌなどの汽水性海水魚が最も多く確認されました。

淀川
上流域では、前回調査で確認された在来種であるオイカワの個体数が激減し、ブルーギル、オオクチバスなどの外来種による脅威が増加している可能性があります。
下流域では、ボラ、マハゼなどの汽水性海水魚が最も多く確認されました。

寝屋川・第二寝屋川
寝屋川では、比較的汚濁に強いボラが多く確認されました。また、初めてニゴイ属が確認され、在来種であるオイカワ、モツゴ、ギンブナについても引き続き確認されました。第二寝屋川では、ボラ、コイの2種が確認されました。

平野川・平野川分水路
前回調査に引き続き、ボラなどの比較的汚濁に強い種が多く確認されました。平野川分水路では、タモロコ、オイカワが確認されるなど水環境の改善が見られました。

大阪市内河川
大川ではオオクチバスの個体数が増加するなど、ブルーギル、オオクチバスなどの外来種による脅威が増加している可能性があります。
道頓堀川では、きれいな水質の河川にすむ魚であるコウライモロコが前回調査同様に確認され、魚種数が増えるなど良好な方向へ向かっていると推測されます。また、別の調査ではニホンウナギが確認されています。
安治川、尻無川、木津川など汽水域では、スズキ、ボラなど汽水性海水魚が多く確認されました。また、きれいな水質の河川にすむ魚であるイシガレイやハゼ類などの底生魚が確認されるなど良質な水質状況が維持されています。一方で、底質にヘドロが残っている地点もあることから、魚類生息状況をさらに向上させるためには底質の今後の一層の改善が必要と考えられます。

大和川
前回調査と比較して、種類及び個体数とも減少しています。
溶存酸素など水質データは良質な水質状況が維持されていますが、調査地点付近では、大規模な治水工事による岸際の樹木伐採や護岸整備がなされ、岸際の状況が変化したことから、きれいな水質の河川にすむ魚が確認できなかったと考えられます。
令和4年度 市内河川魚類生息状況調査結果概要
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令和4年度 市内河川魚類生息状況調査結果 河川ごとの魚の分布状況
令和4年度 市内河川魚類生息状況調査結果 魚の分布状況(地図表示)(PDF形式, 489.12KB)
令和4年度 市内河川魚類生息状況調査結果(簡易版)大阪市内河川で見つかった魚(PDF形式, 572.40KB)
令和4年度 市内河川魚類生息状況調査結果 魚の分布状況(一覧表表示)(PDF形式, 118.90KB)
令和4年度 市内河川魚類生息状況調査結果 魚の分布状況(一覧表表示)(XLSX形式, 20.59KB)
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大阪市内の川の魚 写真一覧(令和4年度調査で確認された魚種)


ア行








カ行














サ行



スズキ(スズキ科、汽水・海水魚)
【一般生態】波の荒い沿岸や内湾、河口域の岩礁域や人工漁礁に生息する。また、若魚は汽水域や淡水域にも出現する。季節的な深浅移動を行う。夏季には浅場で生活するが、冬季には比較的深場へと移動する。産卵期は晩秋から春で、産卵場所は外洋に面した沿岸の水深50メートルの岩礁域。ふ化後半年ほどたった6月前後には体長5センチメートル前後の稚魚が河口の汽水域や河川の淡水域にも出現する。体長2~3センチメートルの仔稚魚はアミ類やヨコエビ類を摂食するが、成長するにつれてエビ類や魚類も食べるようになる。20センチメートル以上の若魚や成魚は主にイカナゴやハゼなど魚類を好み、ほかにテナガエビやスジエビなどの甲殻類を捕食するようになる。


タ行




ナ行





ハ行




ボラ(ボラ科、汽水・海水魚)
【一般生態】全長60センチメートルに達する。季節的に小規模の回遊を行う。春から秋には沿岸の内湾や湖で索餌、成長し、秋以降に外海に移動して産卵をした後に越冬する。産卵期は秋から冬で、関東周辺、紀伊半島や高知沖、九州では10~1月に産卵される。産卵場は潮通しのよい外海や外海に面した10メートル以深の海底。翌春に全長3~6センチメートルに達すると銀白色になり、外洋から沿岸の河口や河川に侵入して生活する。秋には全長20~25センチメートルに成長して湾内に戻る。雑食性で動物プランクトンや珪藻、付着藻類、デトリタス、底生の小動物を底泥ごと食う。そのため、ボラの胃は筋肉がそろばん玉のように発達して、この胃の中で泥と栄養分をより分け、泥は排出してしまう。


マ行







ワ行

参考文献
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これまでの市内河川魚類生息状況調査の結果(平成29年度まで)
これまでの市内河川魚類生息状況調査結果
平成29年度調査結果(PDF形式, 100.43KB)
平成23年度調査結果(PDF形式, 108.48KB)
平成18年度調査結果(PDF形式, 150.12KB)
平成13年度調査結果(PDF形式, 120.82KB)
平成8年度調査結果(PDF形式, 156.92KB)
平成3年度調査結果(PDF形式, 142.75KB)
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大阪市 環境局環境管理部環境管理課水環境保全グループ
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