大阪市の生活習慣病の状況
2025年4月8日
ページ番号:307919


生活習慣病

生活習慣病とは
不適切な生活習慣(過食・偏食・欠食などの食習慣、運動不足、喫煙、過度の飲酒など)が大きな要因となって発症すると考えられている疾患の総称です。
不適切な生活習慣によって内臓脂肪が増加すると、内臓脂肪が糖や脂質の代謝、血管へ悪影響を及ぼし、高血糖、高血圧、脂質異常を引き起こします。それらを放置し続けると、心疾患、脳血管疾患、糖尿病(進行すれば腎不全、網膜症)となる可能性があります。
生活習慣病は、自覚症状がないまま悪化する場合があります。特定健康診査(注1)等を受診して、ご自身の健康状態を知ることが大切です。対象となる方は是非受診しましょう。
(注1) 各医療保険者に義務付けられた健診で、40歳~74歳までの方を対象としています。

(注2) 内臓脂肪の蓄積に加え、高血圧・高血糖・脂質異常のいずれか、または複数が重なることにより、心疾患や脳血管疾患がおこりやすくなる状態をいいます。

大阪市における生活習慣病による死亡の状況
「悪性新生物(がん)」「心疾患」「脳血管疾患(脳卒中)」「高血圧性疾患」「糖尿病」「慢性閉塞性肺疾患(注)」は、生活習慣と関連することが多く、これらの病気による死亡が半数以上を占めています。
(注)慢性閉塞性肺疾患は従来、肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた疾患の総称で、主として喫煙のために肺に炎症が起こり、やがては咳、痰、息切れ等の症状が進行し、正常な呼吸ができなくなる病気です。

生活習慣に関連する死因別死亡割合
2023年の大阪市における死因別死亡のうち、生活習慣に関連する死因割合を男女別に帯グラフで表しています。
生活習慣に関連する死因について、男性では、悪性新生物(がん)は26.9%、心疾患は14.1%、脳血管疾患は5.5%でした。女性では、悪性新生物(がん)は21.6%、心疾患は15.5%、脳血管疾患は5.7%でした。
(すべての死因を含めた死因順位については、大阪市の死亡(死因順位)をご覧ください。)
悪性新生物 | 心疾患 | 脳血管疾患 | 慢性閉塞性肺疾患 | 高血圧性疾患 | 糖尿病 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 26.9 | 14.1 | 5.5 | 2.0 | 1.3 | 1.1 | 49.2 |
女性 | 21.6 | 15.5 | 5.7 | 0.6 | 1.1 | 0.8 | 54.7 |
資料:厚生労働省「人口動態統計」


生活習慣病(循環器疾患)

循環器疾患について
2023年の大阪市民におけるすべての死因のうち、「心疾患」は第2位、「脳血管疾患(脳卒中)」は第5位でした(大阪市民の死亡(死因順位)については、大阪市の死亡をご覧ください)。
「心疾患」の中でも、その半数以上を占めるのが「虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)」で、「脳血管疾患(脳卒中)」とあわせて、「循環器疾患」と呼ばれています。
「循環器疾患」の原因は、「高血圧症」「脂質異常症」「糖尿病」「メタボリックシンドローム(注1)」等であり、これらを発見するのが特定健康診査(注2)です。
大阪市では健康増進計画「すこやか大阪21(第3次)」において、「発症予防」および「重症化予防」に取り組んでいます。詳細については、大阪市健康増進計画「すこやか大阪21(第3次)」をご覧ください。
(注1)内臓脂肪の蓄積に加え、高血圧・高血糖・脂質異常のいずれか、または複数が重なることにより、心疾患や脳血管疾患がおこりやすくなる状態をいいます。
(注2)各医療保険者に義務付けられた健診で、40歳~74歳までの方を対象としています。

国民健康保険特定健康診査受診率の年次推移
2020年度から2023年度までの国民健康保険特定健康診査受診率(注)の推移を、折れ線グラフで表しています。
大阪市の受診率は、ゆるやかに上昇しています。しかし、国・大阪府に比較すると受診率は低い状況です。
(注)国民健康保険加入者のうち、特定健康診査項目のすべてを実施した者の割合
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大阪市 | 20.6 | 22.8 | 24.2 | 25.5 | |||||
大阪府 | 27.5 | 29.2 | 30.8 | -※ | |||||
国(市町村国保) | 33.7 | 36.4 | 37.5 | -※ |
※編集時データ未公表
資料:【区及び大阪市】大阪市国民健康保険特定健康診査・特定保健指導実施状況(速報版) 【府】国民健康保険中央会「市町村国保特定健康診査・特定保健指導実施状況報告書」 【国】厚生労働省「特定健康診査・特定保健指導の実施状況に関する結果について」
大阪市国民健康保険 特定健康診査受診者数(国・府・市・24区)
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国民健康保険特定健康診査受診者データから見た生活習慣病等の状況
2023年度の大阪市の評価対象者(注)のデータ(83,318人)を使用しています。
大阪市の国民健康保険加入者の割合は、市民全体の20.1%(2024年3月末現在)です。
(注)特定健康診査受診者及び健康診査項目に欠損している項目があっても、特定保健指導の対象あるいは非対象者と確定できる者
資料:大阪市福祉局「福祉事業統計集」

肥満の状況

肥満度判定基準
肥満度の判定には、国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が用いられています。
BMI(数値の範囲) | 肥満度判定 | ||||
---|---|---|---|---|---|
BMI<18.5 | やせ | ||||
18.5≦BMI<25.0 | 普通 | ||||
25.0≦BMI | 肥満 |

肥満度判定割合
2023年度の肥満度判定割合を、男女別に帯グラフで表しています。
男性は女性に比べて肥満の割合が高く、女性は男性に比べてやせの割合が高いです。男性の肥満割合は50歳代が最も高く、その後年代が上がるごとにその割合は低くなっています。女性のやせ割合は50歳代が最も高く、その後年代が上がるごとにその割合は低くなっています。
集計対象者数(人) | やせ (%) |
普通 (%) |
肥満 (%) |
||
---|---|---|---|---|---|
40~49歳 | 4,800 | 3.6 | 59.8 | 36.7 | |
50~59歳 | 6,903 | 2.9 | 58.3 | 38.8 | |
60~69歳 | 11,849 | 3.7 | 60.7 | 35.6 | |
70~74歳 | 12,084 | 3.8 | 64.1 | 32.2 | |
総計 | 35,636 | 3.6 | 61.2 | 35.2 |
集計対象者数(人) | やせ (%) |
普通 (%) |
肥満 (%) |
||
---|---|---|---|---|---|
40~49歳 | 5,259 | 14.5 | 68.5 | 17.0 | |
50~59歳 | 7,933 | 16.5 | 64.6 | 18.8 | |
60~69歳 | 17,496 | 15.1 | 66.9 | 18.0 | |
70~74歳 | 16,993 | 12.8 | 67.4 | 19.8 | |
総計 | 47,681 | 14.4 | 66.9 | 18.7 |
資料:大阪市福祉局「令和5年度大阪市国民健康保険特定健康診査・特定保健指導実施状況(速報版)用データ」から算出

メタボリックシンドロームの状況

メタボリックシンドローム判定基準
ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm女性90cmを超え、高血圧(注1)、脂質異常(注2)、高血糖(注3)の3つのうち2つ以上に当てはまるとメタボリックシンドロームと判定されます。
(注1) 高血圧:収縮期血圧130mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上かつ/または血圧を下げる薬の使用
(注2) 脂質異常:中性脂肪150mg/dL以上かつ/またはHDLコレステロール40mg/dL未満かつ/またはコレステロールを下げる薬の使用
(注3) 高血糖(糖尿病):空腹時血糖110mg/dL以上かつ/または糖尿病の治療にかかる薬の使用


メタボリックシンドローム基準該当者・予備群該当者
2023年度のメタボリックシンドローム基準該当者・予備群該当者割合を、男女別に棒グラフで表しています。
男性は女性に比べてメタボリックシンドローム基準該当者・予備群該当者の割合が高いです。
評価対象者数 | 基準該当者(%) | 予備群該当者(%) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 35,636 | 31.0 | 18.3 | ||||||
女性 | 47,682 | 8.8 | 5.4 | ||||||
総計 | 83,318 | 18.3 | 10.9 |
評価対象者数:特定健康診査受診者及び健康診査項目に欠損している項目があっても特定保健指導の対象あるいは非対象者と確定できる者の数
資料:大阪市福祉局「令和5年度大阪市国民健康保険特定健康診査・特定保健指導実施状況(速報版)用データ」から算出
メタボリックシンドローム基準該当者数・予備群該当者数(市・24区)
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高血圧症・脂質異常症・糖尿病有病者の状況

年代別高血圧症・脂質異常症・糖尿病有病者割合
2023年度の年代別高血圧症・脂質異常症・糖尿病有病者割合を、男女別に棒グラフで表しています。
高血圧症有病者の割合は、女性より男性の方が高く、男女とも年代が上がるごとにその割合は高くなっています。
脂質異常症有病者の割合は、40歳代は男性が高いですが、50歳代以降は女性の方が男性より高くなっています。その割合は、男女とも年代が上がるごとに高くなっています。
糖尿病有病者の割合は、女性より男性の方が高く、男女とも年代が上がるごとにその割合は高くなっています。
【男性】 集計対象者数(人) |
【男性】 割合(%) |
【女性】 集計対象者数(人) |
【女性】 割合(%) |
||
---|---|---|---|---|---|
40~49歳 | 4,798 | 21.5 | 5,258 | 9.4 | |
50~59歳 | 6,903 | 41.1 | 7,930 | 23.9 | |
60~69歳 | 11,849 | 60.0 | 17,495 | 40.4 | |
70~74歳 | 12,084 | 68.6 | 16,992 | 54.7 | |
総計 | 35,634 | 54.1 | 47,675 | 39.3 |
【男性】 集計対象者数(人) |
【男性】 割合(%) |
【女性】 集計対象者数(人) |
【女性】 割合(%) |
||
---|---|---|---|---|---|
40~49歳 | 4,798 | 37.0 | 5,257 | 21.5 | |
50~59歳 | 6,897 | 41.9 | 7,931 | 43.3 | |
60~69歳 | 11,847 | 47.5 | 17,495 | 59.9 | |
70~74歳 | 12,084 | 49.6 | 16,992 | 64.2 | |
総計 | 35,626 | 45.7 | 47,675 | 54.4 |
【男性】 集計対象者数(人) |
【男性】 割合(%) |
【女性】 集計対象者数(人) |
【女性】 割合(%) |
||
---|---|---|---|---|---|
40~49歳 | 4,800 | 4.8 | 5,258 | 2.5 | |
50~59歳 | 6,903 | 12.4 | 7,933 | 4.4 | |
60~69歳 | 11,849 | 20.1 | 17,496 | 7.5 | |
70~74歳 | 12,084 | 23.1 | 16,994 | 11.5 | |
総計 | 35,636 | 17.6 | 47,681 | 7.9 |
集計対象者:当該検査項目の判定不能を差し引いた者
高血圧症有病者:最大血圧値140mmHg以上または最小血圧値90mmHg以上の者および高血圧症の治療にかかる薬を使用している者
脂質異常症有病者:LDLコレステロール140mg/dL以上の者および脂質異常症の治療にかかる薬を使用している者
糖尿病有病者:空腹時血糖126mg/dLまたはHbA1cがNGSP値6.5%以上の者および糖尿病の治療にかかる薬を使用している者
資料:大阪市福祉局「令和5年度大阪市国民健康保険特定健康診査・特定保健指導実施状況(速報版)用データ」から算出


生活習慣病(がん)

悪性新生物(がん)について
「悪性新生物(がん)」は、大阪市民のすべての死因別死亡割合の第1位であり、その対策が重要です。
健康増進計画「すこやか大阪21(第3次)」では、一次予防として「がんにならないための生活習慣を身につけること」、二次予防として「がんを早期発見し、早期治療につなげること」をめざしています。
「禁煙」「節酒」「身体活動」「食生活」「適正体重の維持」は、日本人のがんの予防にとって重要です。この5つの生活習慣を日頃から実践することで、あなた自身の努力でがんになる確率を低くしていくことが可能です。(注)

(注)参考資料:国立がん研究センターがん対策情報センター「科学的根拠に基づくがん予防」
がんを早期に発見・治療するためには、がん検診を受診しましょう。がん検診は、各区保健福祉センターや市内の取扱医療機関で受診することができます。詳細については、大阪市がん検診をご覧ください。

がん検診受診率
ここで示すがん検診受診率は、全住民のうち大阪市が実施するがん検診を受けた割合を示します。職場でのがん検診や任意の人間ドック等は含みません。(大阪市では、職場等でがん検診を受ける機会がない方を対象としてがん検診を実施しています。)
2023年度のがん検診受診率を、棒グラフで表しています。
子宮頸がん、乳がん検診の受診率は高く、胃がん、大腸がん、肺がん検診の受診率は低くなっています。
胃がん | 大腸がん | 肺がん | 子宮頸がん | 乳がん | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大阪市 | 2.1 | 3.9 | 3.4 | 9.5 | 6.8 |
胃がん・子宮頸がん検診受診率={(前年度受診者数)+(当該年度受診者数)-(前年当該年度2年連続受診者数)}÷対象人口×100
大腸がん・肺がん検診受診率=当該年度受診者÷対象人口×100
乳がん検診受診率={(前年度マンモグラフィ受診者数)+(当該年度マンモグラフィ受診者数)-(前年当該年度2年連続マンモグラフィ受診者数)}÷対象人口×100
対象人口:(胃がん・大腸がん・肺がん)40歳以上の全住民(子宮頸がん)20歳以上の女性住民(乳がん)40歳以上の女性住民
資料:大阪市健康局調

悪性新生物(がん)の部位別死因割合
2023年の大阪市の悪性新生物による死亡数について部位別にみると、男性では、肺がん、大腸がん(注)、胃がんの順に死因割合が高く、女性では、肺がん、大腸がん(注)、膵がんの順に死因割合が高いです。
食道 | 胃 | 大腸 | 肝及び 肝内胆管 |
胆のう | 膵 | 気管、気管支及び肺 | 乳房 | 子宮 | 白血病 | その他の悪性新生物 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 3.8 | 11.6 | 13.1 | 8.3 | 3.4 | 8.2 | 25.6 | 0.1 | - | 2.5 | 23.4 |
女性 | 1.7 | 7.9 | 14.3 | 6.3 | 4.6 | 11.6 | 16.3 | 10.3 | 3.9 | 2.2 | 20.9 |
(注)大腸がん:結腸、直腸S状結腸移行部及び直腸の悪性新生物
資料:厚生労働省「人口動態統計」
悪性新生物(がん)の部位別死亡者数(市)
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大阪市 健康局大阪市保健所保健医療対策課企画調査グループ
住所:〒545-0051 大阪市阿倍野区旭町1丁目2番7-1000号(あべのメディックス10階)
電話:06-6647-0687
ファックス:06-6647-0804