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「大阪市人権だよりKOKOROねっと」第47号 web版 

2024年2月29日

ページ番号:549000

KOKOROねっと47号の表紙の画像。

大阪市人権だより「KOKOROねっと」第47号
human rights & diversity magazine
令和 3(2021)年12月発行 No.47

《特集》 インターネットによる誹謗中傷

目次

1面、2面 東京オリンピック・パラリンピックで見えた差別との新しい闘い方

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大で史上初1年延期となり、異例ずくめとなった東京オリンピック・パラリンピックでしたが、アスリートたちの勝負にかける熱い思いや、様々なドラマは、世界中の人々に感動を与えてくれました。
 その一方で、競技開始前や表彰の場で、ジェンダー差別や人種差別などへの抗議を表すポーズをとる選手の姿が多く見られました。
 オリンピックの舞台での選手による相次ぐ抗議表明から、私たちは何を受け取るべきなのかを武蔵大学社会学部教授アンジェロ・イシさんに語っていただきました。

 コロナ危機の最中に開催された東京オリンピック・パラリンピックは、差別の諸問題を考える絶好の機会となった。オリンピック開幕式では、日本代表選手団の旗手という名誉ある役に、バスケットボールのスター、八村塁が選ばれた。彼はベナン人と日本人の「ハーフ」だ(この用語は広く使われているので敢えて本稿でも用いているが、実は問題点の多い”差別用語“であり、鉤括弧(かぎかっこ)でくくる必要がある。同様の理由で、「外国人」という言葉も鉤括弧付きで表記していることに気づいていただけただろうか。こちらもまた、可能な限り使いたくない言葉である)。また、さらに多様なバックグラウンドを持つ大坂なおみが聖火を点火するという、最高の役割を任された。

 私はこの二人の起用に対して、手放しでは喜べなかった。その理由は簡単で、日本国民の一部が本音レベルではこの起用を喜んでいないことを知っていたからだ。確かに八村や大坂がこのような出番が得られたのは、日本で頑張る「外国人」全般にとって心強いことだが、この程度の出番づくりで、日本社会の「多様性」が尊重され、日本に住む約300万人の「外国人」に対してエールが送られたと片付けていいのだろうか。

 まず、オリンピック・パラリンピックの開幕前に私が危惧したのは、どこからともなく「外国人」を「コロナという脅威を持ち込む危険な人々」と見なす報道が目立ったことだ。例えば、一時期は「海外メディア関係者が自主隔離に違反するのを見かけたら通報するように」促す言説がメディア空間を支配したけれど、このように一般市民を「監視役」にさせるのはとても危険な発想だ。日本にずっと住んでいて、隔離の必要もない人々に冷たい疑いの視線が注がれた可能性もある。東京オリンピック・パラリンピックの誘致の際に滝川クリステルがスピーチして有名になった「お・も・て・な・し」にはほど遠い動きであった。

 世界には、そして日本も例外ではなく、「外国人」に対する差別が根深く存在している。そこで重要となってくるのは、どのようにすればその差別が無くせるかということである。具体的には、二つの方法があり、どちらがベストという次元の話ではなく、足し算の論理でその両方を組み合わせる必要がある。一つは表現の自由に留意しつつも差別への罰則を検討すること、そしてもう一つは差別は無くすべきだという共通の理解を広めるための意識啓発である。

 一つ目の「罰則」に関しては、世界レベルでは昭和44(1969)年に国連が「人種差別撤廃条約」を発効し、日本では「ヘイトスピーチ解消法」がようやく平成28(2016)年に施行されたが、残念ながら差別者を罰する法律にはなり得ていない。そうなると、ますます二つ目の方法、「意識啓発」に期待がかかる。

 私は平成22(2010年)に、外務省・神奈川県・国際移住機関(IOM)共催の国際ワークショップでこの意識啓発に特化した部会のコーディネーターを務め、地域住民の意識啓発に関する提言書もまとめた。そこでは「外国人」に対する「心の壁」を無くすための多方面での施策が必要だと強調した。さらに、個人レベル、組織レベルで官民を問わず、大胆に、積極的に、反差別のメッセージを発信することが相乗効果を生むと考える。

 実は、オリンピック・パラリンピックやサッカーのワールドカップなどの巨大スポーツイベントこそが、こういう発信の絶好の場なのだ。なぜなら、これらのイベントは世界中で注目され、ニュースになる「メディア・イベント」としての要素が強いからだ。今回のオリンピックでは、ジェンダー差別や人種差別に抗議する発信が多く見られた。ドイツの体操女子選手が足まで隠せる「ユニタード」というユニフォームを着用したことが話題になったが、これは女性選手が「見せ物」にされることへの勇気ある抗議であった。また、女子サッカー日本代表とイギリス代表の対戦で、両チームとも右膝を地面につけるポーズを取ったが、これは米国で始まった黒人差別への抗議運動、ブラックライブズマター(BLM)への賛同表明であった。

 このような表現が可能になったのは、多くの競技や国際大会において、選手が政治的・社会的なメッセージを発信する権利の制限が緩和される動きが強まっているからである。オリンピック・パラリンピックでも選手の表現の自由を許容したことは評価したいのだが、主催者によるもっと大胆な、組織的な意識啓発キャンペーンが実施される機会は逃された。例えば平成26(2014)年のサッカーW杯ブラジル大会では、国連、ブラジル組織委員会、そして国際サッカー連盟(FIFA)が連名で、全ての試合前にスタジアム内のスクリーンに反差別の声明文を表示し、各チームのキャプテンにその朗読をお願いした。その一部を引用する。「ジェンダー、人種、エスニックな出自、性的指向、宗教あるいは階級にかかわらず、尊重し合い、あらゆる形態の差別と闘うべく、私たちは声をそろえます。」

 では、一般市民の私たちも何かできるだろうか。もちろん!まず、共感できた有名人の発言や表現を拡散することができるし、自分自身の言葉で、差別の恐ろしさと無意味さを伝えることを、SNSの時代は可能にしたのだ。その第一歩は、差別が他人事でも対岸の火事でもないという当事者意識を持つことである。私たちは知らぬ間に、差別の加害者にも被害者にもなり得るのだから。

アンジェロイシさんの写真

アンジェロ・イシ
Angelo Ishi さん

サンパウロ市生まれの日系ブラジル人三世、自称「在日ブラジル人一世」。武蔵大学社会学部教授。サンパウロ大学ジャーナリズム学科卒業。平成2(1990)年に日本へ国費留学、東京大学大学院総合文化研究科の博士課程を経てポルトガル語新聞の編集長を務めた。

専門は国際社会学、移民研究、メディア論。公益財団法人海外日系人協会の常務理事、ブラジル政府の在外市民代表者会議評議員、総務省や外務省の多文化共生施策の有識者会議の委員も歴任。テレビ番組出演多数。国際交流、多文化共生などについて各地で講演。著書に『ブラジルを知るための56章』(明石書店)、共著に『日本人の海外移住』(同)など。

3面、4面 インターネットによる誹謗中傷

 有名人やタレントへのインターネットでの誹謗中傷は度々問題となっていますが、オリンピック・パラリンピックにおいても出場選手へのSNSでの誹謗中傷が問題となりました。
 そこで、安易に誹謗中傷を行うとどうなるのか、逆に、万が一、誹謗中傷の被害者となってしまったときどうすればいいのかを知っておきましょう。

1 誹謗中傷するとどうなるの?

 SNS上で根拠のない悪口を投稿すると、名誉毀損罪や侮辱罪などに問われたり、高額の慰謝料を請求されたりすることがあります。また、自らそのような投稿をしなくても、再投稿(注)などで拡散した場合も同じです。匿名だからといって何を言ってもいいわけではありません。技術的に投稿の発信者は特定できると肝に銘じておきましょう。

注 再投稿:共感したり気に入ったりした情報をその まま投稿して他者に広める行為。SNSサービスにより、「リツイート」、「リグラム」、「リポスト」など名称が異なります。

 SNSは、思ったことを気軽に投稿できたり、共感したりして見知らぬ他人とのコミュニケーションの輪を広げてくれる一方で、他人への誹謗中傷、無責任なうわさ、個人のプライバシー情報などを広げてしまうおそれもあります。リアルな生活と同じようにルールやモラルを守り、SNSの正しい利用を心がけましょう。

 誹謗中傷を投稿する人の中には、「テレビやネットでの言動が気に入らない」「反道徳的な行為を許せない」「正義感からやった」などと主張する人もいますが、有名人やタレントであっても相手の人格を否定または攻撃する投稿や拡散が許されるわけではありません。

2 誹謗中傷を投稿、拡散しないためには?


 SNSの向こう側にいるのは一人の身の人間です。もし、自分が同じことを言われたらどう感じるか、投稿する前に考える必要があります。
 また、誰かが投稿した誹謗中傷に、安易に同調したり、拡散したりしていませんか。あなたの行為が知らず知らずのうちに、他人を傷つけているかもしれません。「目立つ存在なんだから仕方ない」という主張は通用しません。相手が芸能人や有名人であっても、SNS上での誹謗中傷は許されません。
 他人を傷つけないためにも、次のようなことに注意する必要があります。

1 誹謗中傷と批判意見は違う

 相手の人格を否定または攻撃する言い回しは、批判ではなく誹謗中傷です。また、他人の投稿を安易に再投稿したりしないようにしましょう。投稿された内容を正しく見極め、慎重に投稿や再投稿しましょう。

2 匿名でも特定されます

 対面や実名では言えないような攻撃的な表現は、SNSでも避けましょう。たとえ匿名の投稿であっても、技術的に投稿の発信者を特定することができるため、民事上・刑事上の責任を問われる可能性があります。匿名だからといって、何を言ってもいいというわけではありません。

3 カッとなったとしても時間を置いて

 投稿が炎上したり訴えられたりした後に、「あんな投稿しなければよかった」と悔やんでも時間は戻せません。勢いですぐに送信せず、一度時間を置いて投稿を見直すような習慣をつけましょう。また、ネットから離れ、誰かと話して気分転換をすることもおすすめです。

3 誹謗中傷を受けたときはどうするの?

 SNS上で言い争ってしまうと、さらに悪化する可能性があります。まず冷静に、次のような対処をしましょう。

  1. ミュートやブロックなどで「見えなくする」
    (情報にふれないようにする)
  2. SNS事業者に誹謗中傷の投稿削除を依頼する
  3. 信頼する人や公的な相談窓口に相談する

 また、炎上すると、世の中のすべての人が、あなたを攻撃しているように思えるかもしれませんが、大多数の意見ではありません。令和元年度版の情報通信白書の研究結果によれば、炎上投稿に直接参加する人は、ごく限られた一部の悪意を持つ人だけです。

1 ミュートやブロックなどで「見えなくする」(情報にふれないようにする)

 「ミュート」や「ブロック」などのSNS内の機能を使い、深く傷つく前に「見えなくする」ことをおすすめします。ミュートとは、相手に知られずに投稿を非表示にするもの、ブロックとは誹謗中傷してくる相手とのつながり自体を断つものです。また、返信やコンタクトができる相手を制限できる機能もあります。それぞれ、名称や操作方法などはサービスやアプリによって異なりますので、調べて確認しながら使ってみてください。

2 SNS事業者に誹謗中傷の投稿削除を依頼する

[0]可能な状況であれば、投稿者に削除してほしいと連絡してみる(無理は禁物)

[1]該当する投稿のURLやアドレスのメモをとる ※画面(=スクリーンショット)や動画の保存もする

[2]「通報」「報告」「お問い合わせ」などSNS事業者に削除依頼ができるページやメニューを探す

[3]フォームに従って必要な選択・入力を行い、漏れがないか内容を確認し、送信する
 ミュートやブロック、削除依頼だけでは解決しない場合、匿名の発信者を特定して損害賠償請求などをすることができます。
 また、発信者の開示請求をしたい場合は、弁護士にご相談ください。

3 信頼する人や公的な相談窓口に相談する

 SNSなどで誹謗中傷を受けて困ったとき、傷ついて辛いときは、一人で抱え込まず、相談しましょう。

 電話、メール、SNS、Webチャットなどを使って、誰にも知られずに相談できます。

出典 : 政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202011/2.html別ウィンドウで開く

相談窓口

法務省「インターネット人権相談窓口」

SNSでの誹謗中傷をはじめ、人権に関する様々な相談に応じます。削

除依頼の方法について相談者に助言を行うほか、内容に応じて法務

局からプロバイダやSNS事業者に削除要請を行います。

法務省「インターネット人権相談窓口」について詳しくはこちら別ウィンドウで開く

大阪市人権啓発・相談センター(専門相談員による人権相談)

大阪市にお住まいの方で、人権に関することでお悩み・お困りのこと

があればお気軽にご相談ください。専門の相談員が対応します。

大阪市人権啓発・相談センター(専門相談員による人権相談)について詳しくはこちら

インターネット違法・有害情報相談センター(総務省支援事業)

専門の相談員が、誹謗中傷の書き込みを削除する方法などについて

丁寧にアドバイスします。

インターネット違法・有害情報相談センター(総務省支援事業)について詳しくはこちら別ウィンドウで開く

大阪府警察 サイバー犯罪に関する情報提供・相談

サイバー犯罪に関する相談をメールフォームで受け付けています。緊急を要する場合は、110番または最寄りの警察署に通報してください。

大阪府警察 サイバー犯罪に関する情報提供・相談について詳しくはこちら別ウィンドウで開く

5面~7面 ダイバーシティ体験ルポ


オリンピック・パラリンピックを経て 私が感じたこと、考えたこと。

 今年の夏、オリンピック・パラリンピックが日本で開催され、開催前も開催期間中も様々な話題がニュースなどで報道されました。

 コロナ禍に開催され、また、多様性や調和がテーマとして取り上げられた大会において、どのようなことを感じたのか、関西大学の学生のみなさんにお伺いしました。

今回お話をお聞きした、関西大学の5名の学生のみなさん

  • 社会学部 3回生 三島 彩香(みしま あやか)さん
  • 文学部 2回生 佐伯 実果子(さえき みかこ)さん
  • 文学部 2回生 坂本 怜衣羅(さかもと れいら)さん
  • 文学部 2回生 杉本 拓実(すぎもと たくみ)さん
  • 社会学部 2回生 鈴木 優花(すずき ゆうか)さん

Q.1 コロナ禍に開催されたオリンピック・パラリンピックでしたが、みなさんは選手の活躍を見てどんなことを感じましたか?


三島さん

オリンピック・パラリンピック開催前はコロナ禍という状況もあり、日本でオリンピック・パラリンピックが行われることに不安な気持ちがありました。しかし、オリンピック・パラリンピックが開催されると選手の活躍に勇気づけられ、結果的にオリンピック・パラリンピックが開催されて良かったと感じました。また、コロナが流行して以降、暗いニュースが多かった中でオリンピック・パラリンピックでの日本人選手のメダルラッシュのニュースに明るい気持ちになれました。

佐伯さん

選手のみなさんが1年間の延期期間を乗り越えてきたこと、厳しい状況の中モチベーションを保ち続けていたことは本当にすごいと感じました。
技術面だけでなく、精神面でも卓越した人たちが結果を残すのだなとしみじみ思いました。

坂本さん

例年とは異なる環境での開催だったにもかかわらず、それぞれの選手がベストを尽くせるように準備を行ってきたということが、画面を通して感じられました。競技場に観客がいないというのは少しさみしい部分もありましたが、選手のパフォーマンスに何度も感動し、楽しむことができました。

杉本さん

今回のオリンピック・パラリンピック開催に関して、かねてから様々な議論や批判があったかと思います。しかし、新型コロナウイルスの感染予防対策について選手の理解と協力があったからこそ大会は大きな問題なく終了することができたのだと思います。
私もこのことに恥じることのないよう、新型コロナウイルス対策を心がけようと思いました。
また、大会の結果に関しても日本の選手は数多くの金メダルを獲得したと聞き、感動しました。


鈴木さん

最初は人ごとのように感じていた両大会ですが、いざ開催されると開会式から視聴していました。あまり多くの試合を観戦することはできていませんが、各国の選手たちの笑顔や頑張る姿を見ているその瞬間は「大会が開催されてよかった」と心から感じました。

Q.2 オリンピックのテーマは多様性や調和でした。その一方で、開会前も開会中も人種や性別などの色々な人権に関する問題が起こってニュース等で取り上げられました。皆さんが印象に残った出来事はありますか?


三島さん

女子サッカーの選手が人種差別について考えるきっかけとして、キックオフの前に片膝をつくポーズをとったことが印象的でした。以前は、片膝をつくポーズのことは知らなかったのですが、今回のオリンピックでのそのポーズに「人種差別に抗議をする」という意味を持つと学びました。このように、世界中の人々が注目する舞台でメッセージを発信することは大切だと思いました。


佐伯さん

大会関係者による差別的言動が明るみに出たことが印象に残っています。多様性に対して意識の低い人も関わっていると知り、このテーマの説得力が失われていくように感じました。ユニフォーム改変などの意味ある出来事もあっただけに、関係者内でテーマが十分に理解のうえ共有されていなかったことは残念に思います。

坂本さん

スケートボードの競技ではミスをした選手に対して、国にかかわらずその挑戦を称えて担ぎ上げたりハグをしたりしている姿が見られました。競技という場面においてはライバルの関係であっても、お互いを尊重し合って心から競技を楽しんでいるという様子が伝わり、勝ち負けだけでなくチームを超えた調和が感じられて印象的でした。


杉本さん

東京オリンピックはLGBTQ※の選手参加数が過去最多になったと聞きました。自分自身、性的マイノリティの人が身近におり、講義でもジェンダーに関する勉強をしていたので、このニュースは印象的でした。
日本はこの分野に関してまだまだ世界に後れを取っているとはいえ、この東京オリンピックを機に性的マイノリティに対する関心が高まればいいなと思いました。

※LGBTQ・・・L=レズビアン(女性同性愛者)・G=ゲイ(男性同性愛者)・B=バイセクシャル(両性愛者)・T=トランスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別にとらわれない性別のあり方を持つ人)・Q=クイア(その他の性的マイノリティのことを総称する言葉)またはクエスチョニング(自分の性的指向や性自認が決まっていない人、決めていない人)の頭文字としてだけではなく、SOGI(Sexual Orientation・Gender Identity/性的指向と性自認)におけるマイノリティ(少数者)の総称として用いられています。

鈴木さん

私が印象に残っているのは、サッカーの試合での片膝をつく行為です。私は最初あのポーズが何を表現しているのか分からなかったのですが、試合内でそのような表現をすることによって「私のような何も知らない人にも思いを伝えることができるんだな」と感じ、強く印象に残っています。

Q.3 オリンピックに続いて開催されたパラリンピックで印象に残っている競技はありますか?


三島さん

車いすテニスです。金メダルを獲得された国枝慎吾さんの圧巻の強さは同じ日本人として誇らしいものでした。この大会で初めて車いすテニスを見たのですが、広いコートを車いすで動き回る姿はとてもかっこよくて見入ってしまいました。これをきっかけに、これからもパラリンピックの競技の試合に注目していきたいです。


佐伯さん

ブラインドマラソンでは、選手をサポートする伴走者という役割があることを知りました。選手と伴走者が互いに信頼し合って競技に臨んでいる姿が印象的でした。また、伴走者を特集している番組を見て、選手以外の人の活躍も注目されているのが素敵だなと感じました。

坂本さん

自転車の杉浦佳子選手が50歳で金メダルの最年長記録を出したことが印象に残りました。最年少記録は作れなくても最年長記録は更新できるという思いから、自身の記録をさらに更新して二つ目の金メダルを獲得した杉浦選手からは、常に挑戦を続ける前向きな姿勢を感じられました。

杉本さん

最も印象に残っているパラリンピック競技は、男子走り幅跳びです。選手はバネのような柔軟性のある義足で跳躍していました。跳躍距離が予想していた以上で驚かされました。障がいのある人もオリンピックのメダリストと同じくらい素晴らしいパフォーマンスができるのだと、その可能性を感じました。

鈴木さん

私が一番印象に残っている競技は車いすバスケです。競技自体の力強さも理由の一つなのですが、バイト中にお店でお客様がスマホで試合を観戦しているのを見て、やはりみんなも関心を持っているんだなと実感することができた競技であることが一番の理由です。


Q.4 次に開催される夏季オリンピック・パラリンピック(2024年のパリ大会)はこうなっていたらいいな、という夢はありますか?



三島さん

今回の大会のテーマのように「多様性」や「調和」が実現した社会になっていてほしいです。今現在も、テレビや新聞で性や人種の差別が世界で起きているということが報道されています。このような差別がなくなり、誰もが「自分らしく」生きることができる社会のもと、2024年のオリンピック・パラリンピックは開催されてほしいと願っています。

佐伯さん

東京五輪は無観客で行われましたが、その分工夫すれば自宅でも十分観戦を楽しむことができると気が付きました。パリ五輪はもちろん有観客で開催されるのが望ましいですが、コロナ禍で生み出された新しい応援の仕方を活用し、会場に足を運ぶことのできない人も楽しめるような大会になったらいいなと思います。

坂本さん

新型コロナウイルスの影響で出場できなかった選手がいたそうなので、次のオリンピック・パラリンピックは選手がのびのびとパフォーマンスできて、観客は競技場で選手に声援を送れるような状況になっていたらいいなと思います。

杉本さん

次の夏季オリンピック・パラリンピックこそは新型コロナウイルスの克服を象徴するものになればいいなと思います。今回、東京オリンピック・パラリンピックはコロナ禍での開催となってしまいましたが、次こそはコロナ禍が収束した中での開催となってほしいです。

鈴木さん

コロナが収まっているのはもちろんなのですが、ただ単にコロナ禍のことを忘れて盛大に開催するのではなく、コロナの関係で今回の大会に参加できなかったなどのやりきれない思いを解消できるような大会になってほしいと思います。関わる人たちが笑顔になれる大会であってほしいです。


みなさん様々な思いを持って、オリンピック・パラリンピックを観戦されたようですが、コロナ禍での明るい話題となっていた一面もあるようです。このオリンピック・パラリンピックをきっかけとして多様性や調和が世界中により広がってほしいですね。

8面 第2回大阪市性の多様性尊重大賞受賞団体が決定しました!

 大阪市では、大阪市人権尊重の社会づくり条例の趣旨に基づき、誰もが暮らしやすい社会の実現に向けた取組の促進を目的に、性の多様性を尊重し、LGBTなどの性的マイノリティが直面している課題等の解消、あるいは広くSOGI差別解消に向けた様々な活動について、特にその功績が顕著であると認められる個人・団体・学校または事業者を対象として「大阪市性の多様性尊重大賞」の表彰を行っています。

注:「SOGI」・・・LGBTは特定の「人」を指す言葉ですが、すべての人がもつ性のあり方の多様性に焦点をあて、性的指向と性自認(Sexual Orientation and Gender Identity)の頭文字をとってSOGI(ソジ)という言葉が使われることもあります。なお、「SOGI差別」とは、性的指向や性自認に基づいて差別や偏見の対象とすることを指します。

大賞 イケア・ジャパン株式会社 IKEA鶴浜

 入社応募時のエントリーシートから性別記載をなくし、個性を重視した採用を行うなど、すべての従業員が自分らしくいることができるフラットで風通しの良い組織風土を作り出し、ダイバーシティ&インクルージョンが社内で実現している。また、レインボーカラーで彩られた商品の展開とリンクさせた啓発活動を行うなど、LGBTをはじめとする性的マイノリティの存在を社会に広める活動を幅広く行っていることが評価されました。

表彰式の記念写真、イケア・ジャパン株式会社 IKEA鶴浜の担当者と大阪市浅川副市長がイスに座っている。

受賞者からのコメント

 イケアは、人を大切にし、平等を推進する企業として、性的指向やジェンダーアイデンティティー、出身に関係なく、すべての人が公平な扱いと平等な機会を受けるべきだと考えています。この度、IKEA鶴浜の日々のさまざまな取り組みに対して表彰頂きました事を大変うれしく感じております。

 イケアでは、イケアで働く全てのコワーカー(従業員)に「自分らしくいる事」を推奨しており、引き続き、IKEA鶴浜は、誰もが自分らしく活躍できる社会の実現へ向け、私たちの取り組みを発信し、大阪市内のダイバーシティ&インクルージョンの推進に向け貢献できればと思います。

IKEA鶴浜 マーケットマネジャー 小林 重崇

レインボーカラーのスピーカー用メッシュカバーの写真

レインボーカラーのスピーカー用メッシュカバー

レインボーカラーのストールストッマバッグの写真

レインボーカラーのストールストッマバッグ

その他に受賞された団体(名称順)

入賞 アストラゼネカ株式会社

表彰式の記念写真、アストラゼネカ株式会社の担当者と大阪市浅川副市長がイスに座っている。

入賞 大阪市立桃谷中学校

表彰式の記念写真、大阪市立桃谷中学校の担当者と大阪市浅川副市長がイスに座っている。

たくさんのご応募ありがとうございました。

「大阪市性の多様性尊重大賞」の詳細は、大阪市ホームページ『第2回「大阪市性の多様性尊重大賞」受賞団体が決定しました!でご確認ください。

大阪市人権啓発・相談センター 電話 06-6532-7631(平日、午前9時から午後5時30分)

9面 同和問題(部落差別)に関する人権問題が今もなお起きています

同和問題(部落差別)に関する人権問題が今もなお起きています。

同和問題(部落差別)を正しく理解し、一人ひとりの人権が尊重される社会を実現していきましょう。

同和問題(部落差別)とは・・・


 日本社会の歴史的過程で形作られた身分差別により、日本国民の一部の人々が、長い間、経済的、社会的、文化的に低い状態に置かれることを強いられ、今もなお日常生活の上でさまざまな差別を受けるなどしている、我が国固有の人権問題です。
 残念ながら、今なお、結婚や住宅の選択に際し、忌避意識がみられるほか、差別的な内容の文書が送付されたり、インターネット上で差別を助長するような内容の書込みがなされるといったことが起きています。
 差別意識や思い込み・偏見に基づくこうした行為は、他人の人格や尊厳を傷つけるものであり、決して許されないものです。

「部落差別の解消の推進に関する法律」

 現在も部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って部落差別に関する状況に変化が生じていることを踏まえ、部落差別のない社会を実現することを目的として、平成28(2016)年12月に公布・施行されました。
 大阪市では、相談体制を強化するとともに、啓発を積極的に進めています。
 みなさん一人ひとりが部落差別について正しく理解し、部落差別を「しない」「させない」「許さない」という意識を持ち行動することで、部落差別のない一人ひとりの人権が尊重される社会を実現していきましょう。

 「部落差別の解消の推進に関する法律」について詳しくはこちら

10面 大阪市からのお知らせ

考えよう人権のこと

12月4日~10日は人権週間です!!

「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」

(世界人権宣言第一条より抜粋)


 人権週間は、国連で昭和23(1948)年12月10日に「世界人権宣言」が採択されたことを記念して定められたものです。人権とは私たちが幸せに生きるための権利で、人種や民族、性別などの違いを超えて一人ひとりに備わった権利です。一人ひとりがお互いを認め、お互いの人権を守ることが大切です。すべての人の人権が尊重されるまちを、私たちみんなで築いていきましょう。

世界人権宣言

 20世紀、世界を巻き込んだ戦争が二度も起こり、特に第二次世界大戦中においては、特定の人種の迫害、大量虐殺等、人権の侵害や抑圧が横行しました。かつては、人権問題はそれぞれの国の国内問題と考えられていましたが、このような経験から、人権問題は国際社会全体に関わる問題であり、人権の保障が世界平和の基礎であるという考え方が主流になってきました。

 そこで、昭和23(1948)年12月10日、国連第3回総会において、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」として、「世界人権宣言」が採択されました。この宣言は、すべての人々が持っている市民的・政治的・経済的・社会的・文化的分野にわたる、多くの権利を内容とし、前文と30の条文から成っており、世界各国の憲法や法律に取り入れられるとともに、様々な国際会議の決議にも用いられ、世界各国に強い影響を及ぼしています。

人権擁護委員による特設人権相談を開設します

 日常生活の中で生じるさまざまな人権問題について、人権擁護委員が無料で相談に応じます。秘密は厳守いたします。当日直接会場へお越しください。

日時 令和3年12月6日(月曜日)10時~16時

会場 大阪市役所1階(南側) 市民相談室
(最寄駅:Osaka Metro・京阪本線「淀屋橋」駅1番出口、京阪中之島線「大江橋」駅6番出口)

対象 市内在住・在勤・在学の方

人権擁護委員とは?

 人権擁護委員は、人権擁護委員法に基づいて地域住民の中から広く社会の実情に通じ、人権擁護に理解のある方を市町村長が推薦し、法務大臣が委嘱した民間ボランティアです。
 様々な分野から選出された委員が、人権相談を受けたり人権の考えを広めるなど、積極的に人権擁護活動を行っています。

問い合わせ

大阪法務局・大阪第一人権擁護委員協議会

電話 06-6942-1489

ファックス 06-6943-7406

11面 大阪市人権啓発・相談センターについて

専門相談員による人権相談

ひとりで悩んでいませんか?

 大阪市にお住まいの方で、人権に関することでお悩み、お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
 専門の相談員が対応します。
 プライバシーには十分配慮しています。安心してご相談ください。

電話 06-6532-7830(なやみゼロ)

ファックス 06-6531-0666

相談時間      月曜日〜金曜日/9時〜21時
日曜日・祝日/9時〜17時30分
※土曜日、年末年始(12月29日~1月3日)は休業
※人権相談の受付は、相談時間終了の30分前までです。

電子メールによる相談もできます!
電子メールによる相談はこちら別ウィンドウで開く

「KOKOROねっと」音訳版

 視覚に障がいをお持ちの方々に聞いていただけるよう、音訳ボランティアグループの皆様のご協力により、音声デイジー版を発行しています。音声デイジー版のCDをご希望の方は大阪市人権啓発・相談センターまでご連絡ください。
 また、MP3形式の音声は大阪市ホームページから聞いていただくことができます。

大阪市人権啓発・相談センター

電話 06-6532-7631(平日/9時~17時30分)

ファックス 06-6532-7640

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「KOKOROねっと」バックナンバーのお知らせ

これまで発刊した「KOKOROねっと」のバックナンバーについて、大阪市ホームページに掲載しています(平成22(2010)年6月発行No.5より)。過去に特集した記事などで、ご参考になるものがあるかもしれませんので、ぜひご覧ください。

「KOKOROねっと」バックナンバーはこちら

大阪市人権啓発・相談センターなどの情報はこちら

編集後記


この夏、オリンピック・パラリンピックが開催され、数多くの感動的なシーンに心打たれた方も多かったのではないでしょうか?また、今回のオリンピック・パラリンピックは、「人種差別」や様々なネットへの書き込みも話題となりました。私たちは差別や誹謗中傷の加害者にも被害者にもなりうることを常にしっかりと認識し、責任ある行動を心掛けたいものですね。
次回のKOKOROねっとは、令和4年2月発行予定です。お楽しみに!

KOKOROねっと 読者アンケート

ウェブサイトからも次のアンケートにお答えいただくことができます。専用フォームに入力するだけで簡単に応募できます。

KOKOROねっと読者アンケートNo.47 アンケートはがき

下記事項のあてはまる番号を丸で囲むか、必要事項をご記入ください。

質問1
この情報誌を、どこで入手されましたか?
(その他の場合は具体的な場所をご記入ください)

  1. 駅構内
  2. 市役所・区役所
  3. 図書館
  4. 学校、職場
  5. 大阪市ホームページ
  6. デジタルブック
  7. その他(                         )

質問2
この情報誌のなかで興味・関心を持った記事はありましたか?(複数回答可)

  1. 東京オリンピック・パラリンピックで見えた差別との新しい闘い方 アンジェロ・イシさん( P.1~2)
  2. インターネットによる誹謗中傷 (P.3~4)
  3. ダイバーシティ体験ルポ( P.5~7)
  4. 第2回「大阪市性の多様性尊重大賞」受賞団体が決定しました!( P.8)
  5. 同和問題(部落差別)に関する人権問題( P.9)
  6. 大阪市からのお知らせ( P.10)

質問3
あなたは、人権について関心がありますか?

  1. 関心がある
  2. すこし関心がある
  3. あまり関心がない
  4. 関心がない

質問4
この情報誌を読んで人権への興味・関心がわき、理解に役立ちましたか?

  1. とても役に立った
  2. 役に立った
  3. あまり役に立たなかった
  4. 役に立たなかった

質問5
今後もこのような情報誌を読んでみたい(発行したほうが良い)と思いますか?

  1. そう思う
  2. どちらかといえばそう思う
  3. どちらかといえばそう思わない
  4. そう思わない

質問6
あなたの年代をお聞かせください。

  1. 10代
  2. 20代
  3. 30代
  4. 40代
  5. 50代
  6. 60代以上

質問7
この情報誌を読んだ感想やご意見、今後掲載してほしい内容やご要望をお書きください。

◆次回のKOKOROねっとNo.48は、令和4(2022)年2月発行の予定です。
主な設置・配付場所:市役所・区役所・大阪メトロ駅構内・市立各図書館等

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  2. 市政全般に関わるご意見・ご要望、ご提案などについては、市民の声へお寄せください。
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このページの作成者・問合せ先

大阪市人権啓発・相談センター
住所: 〒550-0012 大阪市西区立売堀4丁目10番18号 阿波座センタービル1階
電話: 06-6532-7631 ファックス: 06-6532-7640

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