個人市・府民税の税制改正内容
2024年5月16日
ページ番号:385042
令和6年度から実施される主な税制改正
定額減税
賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和するため、令和6年度分の個人市・府民税において次のとおり定額減税が実施されます。
- 対象者
令和6年度の個人市・府民税所得割の納税義務者のうち、前年の合計所得金額が1,805万円以下(給与収入2,000万円以下に相当)の者
- 減税額の算出
納税義務者本人および控除対象配偶者・扶養親族(国外居住者を除く)1人につき1万円 - 減税の実施方法
給与特別徴収:定額減税後の税額を令和6年7月分から令和7年5月分の11か月に分割して徴収
普通徴収:定額減税前の税額をもとに算出した第1期分の税額から順次減税
年金特別徴収:定額減税前の税額をもとに算出した令和6年10月分の特別徴収税額から順次減税
特別徴収税額通知の電子化
令和6年度課税分より、全市町村において、電子申告(eLTAX:エルタックス)により給与支払報告書を提出する際に、特別徴収税額通知の特別徴収義務者用と納税義務者用のそれぞれについて、選択により電子データ(正本)による受け取りができるようになりました。
電子データによる受け取りを選択した場合、eLTAX(エルタックス)を経由して特別徴収税額通知の電子データ(正本)を送信します。(書面による送付は行いません。)
詳しくは「特別徴収税額通知の電子化について」をご確認ください。
上場株式等の配当所得等および譲渡所得等に係る課税方式の統一
上場株式等の配当所得等および譲渡所得等については、所得税と個人住民税でそれぞれ異なる課税方式を選択することが可能とされていましたが、令和6年度課税分からは、所得税において選択した課税方式が個人住民税にも適用され、所得税と個人住民税で課税方式が必ず一致することとなりました。
これに伴い、所得税確定申告書(第二表)における「住民税・事業税に関する事項」の「住民税」のうち、「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄が削除されるほか、上場株式等の配当所得等および譲渡所得等について、個人住民税の申告により所得税と異なる課税方式を選択することができなくなりました。
森林環境税(国税)の課税開始
温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、平成31年に森林環境税(国税)及び森林環境譲与税が新たに創設されました。
森林環境税は国内に住所のある個人に対して課税される国税であり、令和6年度より、市町村において個人住民税均等割と併せて年額で1,000円が徴収されます。その税収の全額が、国によって森林環境譲与税として都道府県・市町村へ譲与されます。
森林環境税・森林環境譲与税の趣旨や仕組み、取組状況など詳細は総務省ホームページ「森林環境税及び森林環境譲与税について」をご確認ください。
また、東日本大震災を踏まえ、地方公共団体が実施する防災施策の財源を確保するため、臨時の措置として平成26年度から令和5年度まで、個人住民税均等割に年額で1,000円が加算(市町村民税:500円、道府県民税:500円)されていましたが、この加算期間が終了します。
これにより、個人住民税均等割と森林環境税の合計額は従前の個人住民税均等割の額と同額となります。
個人住民税均等割と森林環境税の合計額(イメージ)
(注)大阪市では、大阪府条例の規定により、災害防止および暑熱環境の改善にかかる施策の財源(森林環境税)を確保するため、個人府民税の均等割額に300円が加算(令和5年度以前:1,800円、令和6年度以降:1,300円)されますので、個人市・府民税均等割と森林環境税の合計額は5,300円となります。
国外居住扶養親族における扶養控除等の見直し
扶養控除の対象となる国外居住親族について、年齢30歳以上70歳未満の者を除外するものとされました。
ただし、30歳以上70歳未満の者であっても、以下の者については、控除の対象となります。
・留学により国内に住所、居所を有しなくなった者
・障がい者
・扶養控除を申告する納税義務者から前年において生活費または教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者
提出書類について
国外居住親族に係る扶養控除の適用を受けようとする場合には、年末調整や所得税確定申告、市・府民税申告の際に次のとおり各種証明書類を添付する必要があります。(提出書類の詳細などは国税庁ホームページ「国外居住親族に係る扶養控除等の適用について」をご確認ください。)
国外居住親族の年齢等の区分 | 申告書の提出時に必要な書類 | |
---|---|---|
16歳以上30歳未満又は70歳以上 | ・親族関係書類 ・送金関係書類 |
|
30歳以上 70歳未満 |
①留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者 | ・親族関係書類 ・留学ビザ等書類 ・送金関係書類 |
②障がい者 | ・親族関係書類 ・送金関係書類 |
|
③納税義務者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者 | ・親族関係書類 ・38万円送金書類 |
|
(上記①~③以外の者) | (扶養控除の対象外) |
- 「親族関係書類」
国外居住親族が納税義務者の親族であることを証する書類(※日本語での翻訳文も必要)(例:戸籍の附票の写しと旅券の写し、出生証明書など) - 「送金関係書類」
その年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を行ったことを明らかにする書類(※日本語での翻訳文も必要)(例:送金依頼書、クレジットカードの利用明細書の写しなど) - 「留学ビザ等書類」
国外居住親族が外国における留学の在留資格に相当する資格をもってその外国に在留することにより国内に住所及び居所を有しなくなった旨を証する書類(※日本語での翻訳文も必要)(例:ビザに類する書類の写し、在留カードに相当する書類の写し) - 「38万円送金書類」
「送金関係書類」のうち、納税義務者から国外居住親族へのその年における支払の金額の合計額が38万円以上であることを明らかにする書類。
令和5年度から実施された主な税制改正
住宅ローン控除の延長等
住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)について、適用期限が4年延長され、令和4年1月1日から令和7年12月31日までの入居者を対象とすることとなりました。
当該期間の入居者に対する控除額及び控除期間は次のとおりとなります。
- 控除額...所得税から控除しきれない控除額がある場合には、所得税の課税総所得金額等の5%を乗じて得た額〔最高97,500円〕が所得割額から控除されます。
(注)令和4年中の入居者のうち、特例の延長等に該当する場合は、控除限度額が課税総所得金額等の7%を乗じて得た額〔最高136,500円〕となります。 - 控除期間...新築等の認定住宅等については、令和4~7年入居につき13年、新築等のその他の住宅については、令和4・5年入居は13年、令和6・7年入居は10年、既存住宅については、令和4~7年入居につき10年となります。
(注)認定住宅等とは、認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)及び一定の省エネ基準を満たす住宅をいいます。 詳しくは、国土交通省ホームページ「住宅ローン減税」をご確認ください。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の延長等
スイッチOTC医薬品(要指導医薬品および一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した場合において適用される医療費控除の特例の適用期限が5年延長され、令和8年12月31日までとなりました。
また、控除対象となる医薬品の範囲の見直しが行われました。詳細は厚生労働省ホームページ「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」をご確認ください。
民法改正に伴う未成年者の非課税措置の改正
現行制度において、未成年者は、前年中の合計所得金額が135万円以下の場合には非課税となりますが、民法の改正により成年年齢が20歳以上から18歳以上に引下げられたことに伴い、この非課税の対象となる未成年者の年齢も同様に、20歳未満から18歳未満に引き下げられます。
(注)令和5年度の場合、平成17年1月3日以降に生まれた方が未成年者となります。
令和4年度から実施された主な税制改正
上場株式等の配当所得等および譲渡所得等の申告手続きの簡素化
上場株式等の配当所得等および譲渡所得等について、所得税と個人住民税で異なる課税方式を選択する場合は、申告期限までに、所得税と異なる課税方式を選択するための申告を行う必要があります。
令和3年分の所得税確定申告から、所得税において申告した上場株式等の特定配当等所得および特定株式等譲渡所得の全部を、個人住民税において申告不要とする場合(総所得金額等や合計所得金額に含めない場合)は、原則として、所得税確定申告のみで申告手続きが完結するよう簡素化され、所得税確定申告書の様式の改正により当該記載事項が追加されます。
適用を受けるには、下記のとおり、所得税確定申告書(第二表)の下段「住民税・事業税に関する事項」の「住民税」のうち、確定申告書A様式は「特定配当等の全部の申告不要」欄、確定申告書B様式は「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄に、それぞれ「○」を記載する必要があります。
確定申告書A様式(案)(抜粋)
確定申告書B様式(案)(抜粋)
住宅ローン控除の特例の延長等
住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)について、控除適用期間13年間の特例措置を延長し、一定の期間(注)に契約した場合、令和4年12月31日までの入居者を対象とすることとなります。
また、この延長した部分に限り、合計所得金額が1,000万円以下の者について面積要件を緩和し、床面積が40㎡以上50㎡未満である住宅も対象となります。
詳しくは、国土交通省ホームページ「住宅ローン減税」をご確認ください。
(注)注文住宅は令和2年10月から令和3年9月末まで、分譲住宅などは令和2年12月から令和3年11月末まで
国や地方自治体の実施する子育てにかかる助成等の非課税措置
子育て支援の観点から、保育を主とする国や地方自治体(都道府県・市町村)からの子育てにかかる施設・サービスの利用料に対する助成等について非課税となります。
非課税となる助成等の例
国や地方自治体(都道府県・市町村)からの助成のうち以下のもの
- ベビーシッターの利用料に対する助成
- 認可外保育施設等の利用料に対する助成
- 一時預かり・病児保育などの子を預ける施設の利用料に対する助成
(注)上記の助成と一体として行われる助成についても対象となります。(例:生活援助・家事支援、保育施設等の利用の際の主・副食費や交通費等)
令和3年度から実施された主な税制改正
- 押印等の見直し
- 給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替
所得金額調整控除の創設
各種所得控除の所得要件の見直し
個人住民税非課税基準の引き上げ - 給与所得控除の見直し
所得金額調整控除の創設 - 公的年金等控除の見直し
- 基礎控除の見直し
調整控除の見直し - ひとり親控除の創設および寡婦(寡夫)控除の見直し
- 給与支払報告書等のeLTAX(エルタックス)・光ディスク等による提出義務範囲の拡大
- 退職所得課税の適正化
(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う税制改正)
押印等の見直し
国において税務関係書類の押印義務が見直され、地方税法施行規則様式等の改正により、令和3年4月から、個人市・府民税に関する申告書・申請書・届出書等について、押印は不要とし、署名(自署による氏名等の記載)は一部を除き記名(機器等による印字を含めた氏名等の記載)でも受け付けることとしました。
個人市・府民税に関する申告書・届出書等については、「個人市・府民税に関する申告書・届出書等ダウンロード」をご確認ください。
(注)お手元に押印欄のある申告書・申請書・届出書等をお持ちの場合も、押印は不要です。
(注)関与税理士の署名・押印が必要な様式については、押印は不要としますが、署名は引き続き必要です。
給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替
働き方の多様化を踏まえ、働き方改革を後押しする等の観点から、給与所得控除および公的年金等控除の控除額が一律10万円引き下げられ、基礎控除の控除額が10万円引き上げられます(所得税:48万円、個人住民税:43万円)。
所得金額調整控除の創設
上記の改正により負担増が生じないよう、給与所得控除後の給与所得金額および公的年金等に係る雑所得金額があり、給与所得控除後の給与所得金額と公的年金等に係る雑所得金額の合計額が10万円を超える場合は、給与所得金額から所得金額調整控除額が控除されます。
所得金額調整控除額の計算式
所得金額調整控除額=(給与所得金額(限度額10万円)+公的年金等に係る雑所得金額(限度額10万円))-10万円
(注)所得金額調整控除には、給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替に伴う所得金額調整控除のほかに、給与所得控除の見直しに伴う所得金額調整控除があります。
(注)給与所得控除の見直しに伴う所得金額調整控除の適用がある場合は、その適用後の給与所得金額から控除します。
各種所得控除の所得要件の見直し
給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替に伴い、次表のとおり各種所得控除の所得要件が見直されます。
項目 | 改正内容 | |
---|---|---|
勤労学生控除 | 合計所得金額の要件を 75万円以下(改正前:65万円以下)に引き上げ | |
配偶者控除 | 合計所得金額の要件を 48万円以下(改正前:38万円以下)に引き上げ | |
配偶者特別控除 | 合計所得金額の要件を48万円超133万円以下(改正前:38万円超123万円以下)とし、控除額の算定基礎となる配偶者の合計所得金額区分を下表のとおり変更(注) | |
扶養控除 | 合計所得金額の要件を 48万円以下(改正前:38万円以下)に引き上げ | |
雑損控除 | 雑損控除の対象となる資産を有する親族に係る総所得金額等の要件を 48万円以下(改正前:38万円以下)に引き上げ |
配偶者の合計所得金額(改正前) | 配偶者の合計所得金額 (改正後) | 納税義務者の 合計所得金額 900万円以下 | 納税義務者の 合計所得金額 900万円超 950万円以下 | 納税義務者の 合計所得金額 950万円超 1,000万円以下 | 納税義務者の 合計所得金額 1,000万円超 |
---|---|---|---|---|---|
38万円超 85万円以下 | 48万円超 95万円以下 | 33万円 | 22万円 | 11万円 | 0円 |
85万円超 90万円以下 | 95万円超 100万円以下 | 33万円 | 22万円 | 11万円 | 0円 |
90万円超 95万円以下 | 100万円超 105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | 0円 |
95万円超 100万円以下 | 105万円超 110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | 0円 |
100万円超 105万円以下 | 110万円超 115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | 0円 |
105万円超 110万円以下 | 115万円超 120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | 0円 |
110万円超 115万円以下 | 120万円超 125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | 0円 |
115万円超 120万円以下 | 125万円超 130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | 0円 |
120万円超 123万円以下 | 130万円超 133万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 | 0円 |
個人住民税非課税基準の引き上げ
給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替に伴い、次表のとおり個人住民税の非課税基準が引き上げられます。
項目 | 改正後 | 改正前 | |
---|---|---|---|
均等割および所得割ともに非課税となる方 | 障がい者・未成年・寡婦・ひとり親に対する非課税措置 (注)改正により、ひとり親が追加されます。 | 合計所得金額が (125万円+10万円)以下 | 合計所得金額が 125万円以下 |
均等割が非課税となる方 | 同一生計配偶者および扶養親族がいない場合 | 合計所得金額が (35万円+10万円)以下 | 合計所得金額が 35万円以下 |
同一生計配偶者または扶養親族がいる場合 | 合計所得金額が次の金額以下 35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族)の人数 +(21万円+10万円) | 合計所得金額が次の金額以下 35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族)の人数 +21万円 | |
所得割が非課税となる方 | 同一生計配偶者および扶養親族がいない場合 | 総所得金額等が (35万円+10万円)以下 | 総所得金額等が 35万円以下 |
同一生計配偶者または扶養親族がいる場合 | 総所得金額等が次の金額以下 35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族)の人数 +(32万円+10万円) | 総所得金額等が次の金額以下 35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族)の人数 +32万円 |
給与所得控除の見直し
給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替に伴い、給与所得控除額が10万円引き下げられます。
また、勤務関連経費および諸外国の水準を踏まえ、給与等の収入金額が850万円を超える場合の給与所得控除額が195万円に引き下げられます。
改正後 | 改正前 | ||||
---|---|---|---|---|---|
給与等の収入金額 | 給与所得の金額 | 給与等の収入金額 | 給与所得の金額 | ||
55万1千円未満 | 0円 | 65万1千円未満 | 0円 | ||
55万1千円以上 161万9千円未満 | 給与等の収入金額-55万円 | 65万1千円以上 161万9千円未満 | 給与等の収入金額-65万円 | ||
161万9千円以上 162万円未満 | 106万9千円 | 161万9千円以上 162万円未満 | 96万9千円 | ||
162万円以上 162万2千円未満 | 107万円 | 162万円以上 162万2千円未満 | 97万円 | ||
162万2千円以上 162万4千円未満 | 107万2千円 | 162万2千円以上 162万4千円未満 | 97万2千円 | ||
162万4千円以上 162万8千円未満 | 107万4千円 | 162万4千円以上 162万8千円未満 | 97万4千円 | ||
162万8千円以上 180万円未満 | 給与等の収入金額÷4千円=A (小数点以下を切捨て) | A×4千円×60%+10万円 | 162万8千円以上 180万円未満 | 給与等の収入金額÷4千円=A (小数点以下を切捨て) | A×4千円×60% |
180万円以上 360万円未満 | A×4千円×70%-8万円 | 180万円以上 360万円未満 | A×4千円×70%-18万円 | ||
360万円以上 660万円未満 | A×4千円×80%-44万円 | 360万円以上 660万円未満 | A×4千円×80%-54万円 | ||
660万円以上 850万円未満 | 給与等の収入金額 × 90%-110万円 | 660万円以上 1,000万円未満 | 給与等の収入金額 × 90%-120万円 | ||
850万円以上 | 給与等の収入金額-195万円 | 1,000万円以上 | 給与等の収入金額-220万円 |
所得金額調整控除の創設
上記の改正により負担増が生じないよう、給与等の収入金額が850万円を超え、次のいずれかの要件に該当する場合は、給与所得金額から所得金額調整控除額が控除されます。
要件
- 納税義務者本人が特別障がい者に該当する場合
- 特別障がい者である同一生計配偶者または扶養親族を有する場合
- 年齢23歳未満の扶養親族を有する場合
所得金額調整控除額の計算式
所得金額調整控除額=(給与等の収入金額(1,000万円を超える場合は1,000万円)-850万円)×10%
(注)所得金額調整控除には、給与所得控除の見直しに伴う所得金額調整控除の他に、給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替に伴う所得金額調整控除があります。
(注)給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替に伴う所得金額調整控除の適用がある場合は、この適用後の給与所得金額から控除します。
公的年金等控除の見直し
給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替に伴い、公的年金等控除額が10万円引き下げられます。
また、世代内・世代間の公平性を確保する観点から、公的年金等収入金額が1,000万円を超える場合の公的年金等控除額に195万5千円の上限が設けられ、公的年金等以外の所得金額が1,000万円超の場合は公的年金等控除額が引き下げられます。
公的年金等の収入金額 (A) | 改正後 | 改正前 | ||
---|---|---|---|---|
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | ||||
1,000万円以下 | 1,000万円超 2,000万円以下 | 2,000万円超 | ||
130万未満 | 60万円 | 50万円 | 40万円 | 70万円 |
130万以上 410万円未満 | (A)×25%+27万5千円 | (A)×25%+17万5千円 | (A)×25%+7万5千円 | (A)×25%+37万5千円 |
410万円以上 770万円未満 | (A)×15%+68万5千円 | (A)×15%+58万5千円 | (A)×15%+48万5千円 | (A)×15%+78万5千円 |
770万円以上 1,000万円未満 | (A)×5%+145万5千円 | (A)×5%+135万5千円 | (A)×5%+125万5千円 | (A)×5%+155万5千円 |
1,000万円以上 | 195万5千円 | 185万5千円 | 175万5千円 |
公的年金等の収入金額 (B) | 改正後 | 改正前 | ||
---|---|---|---|---|
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | ||||
1,000万円以下 | 1,000万円超 2,000万円以下 | 2,000万円超 | ||
330万未満 | 110万円 | 100万円 | 90万円 | 120万円 |
330万円以上 410万円未満 | (B)×25%+27万5千円 | (B)×25%+17万5千円 | (B)×25%+7万5千円 | (B)×25%+37万5千円 |
410万円以上 770万円未満 | (B)×15%+68万5千円 | (B)×15%+58万5千円 | (B)×15%+48万5千円 | (B)×15%+78万5千円 |
770万円以上 1,000万円未満 | (B)×5%+145万5千円 | (B)×5%+135万5千円 | (B)×5%+125万5千円 | (B)×5%+155万5千円 |
1,000万円以上 | 195万5千円 | 185万5千円 | 175万5千円 |
基礎控除の見直し
高所得者の基礎控除が見直され、合計所得金額2,400万円超から控除額が段階的に減少し、2,500万円超で控除の適用がなくなります。
合計所得金額 | 改正後 | 改正前 |
---|---|---|
2,400万円以下 | 43万円 | 33万円 (所得制限なし) |
2,400万円超 2,450万円以下 | 29万円 | |
2,450万円超 2,500万円以下 | 15万円 | |
2,500万円超 | 0円 |
調整控除の見直し
基礎控除の見直しに伴い、合計所得金額が2,500万円を超える場合は調整控除の適用がなくなります。
基礎控除額が逓減する合計所得金額が2,400万円超2,500万円以下の場合の、調整控除における基礎控除の人的控除額の差額は従来どおり5万円として計算します。
また、配偶者の合計所得金額の範囲と配偶者特別控除額の見直しに伴い、次表のとおり調整控除における基礎控除の人的控除額の差額が見直されます。
納税義務者の合計所得金額 | 配偶者の合計所得金額 改正後 | 配偶者の合計所得金額 改正前 | 所得税と個人住民税の 控除額の差額 |
---|---|---|---|
900万円以下 | 48万円超 50万円未満 | 38万円超 40万円未満 | 5万円 |
50万円以上 55万円未満 | 40万円以上 45万円未満 | 3万円 | |
55万円以上 | 45万円以上 | 0円 | |
900万円超 950万円以下 | 48万円超 50万円未満 | 38万円超 40万円未満 | 4万円 |
50万円以上 55万円未満 | 40万円以上 45万円未満 | 2万円 | |
55万円以上 | 45万円以上 | 0円 | |
950万円超 1,000万円以下 | 48万円超 50万円未満 | 38万円超 40万円未満 | 2万円 |
50万円以上 55万円未満 | 40万円以上 45万円未満 | 1万円 | |
55万円以上 | 45万円以上 | 0円 |
ひとり親控除の創設および寡婦(寡夫)控除の見直し
婚姻歴や性別にかかわらず、生計を一にする子(前年の総所得金額等が48万円以下で、他の方の同一生計配偶者や扶養親族になっていない方)を有する単身者について、同一の「ひとり親控除」(所得税:35万円、個人住民税:30万円)が創設されます。
また、ひとり親控除に該当しない寡婦については、引き続き、寡婦控除(所得税:27万円、個人住民税:26万円)が適用され、子以外の扶養親族を有する場合の寡婦控除には、所得制限(合計所得金額500万円)が設けられます。
(注)ひとり親控除および寡婦控除のいずれも、住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある方は適用の対象となりません。
給与支払報告書等のeLTAX(エルタックス)・光ディスク等による提出義務範囲拡大
令和3年1月1日以後の提出分から、給与支払報告書および公的年金等支払報告書について、インターネットを利用した電子申告(eLTAX:エルタックス)または光ディスク等による提出義務の範囲が拡大します。
所得税におけるe-Taxまたは光ディスク等による提出義務範囲拡大については、国税庁ホームページ「e-Tax又は光ディスク等による提出義務基準の引下げについて」をご確認ください。
- 電子的提出の義務が課される者
基準年(前々年)の所得税の源泉徴収票の提出枚数が100枚以上(改正前1,000枚以上)の事業者(給与支払者・公的年金等支払者) - 提出の方法
eLTAX(エルタックス)または光ディスク等による提出
(注)eLTAX(エルタックス)による提出については、eLTAX(エルタックス)ホームページ「eLTAX(エルタックス):地方税ポータルシステム」をご確認ください。 - 適用時期
令和3年1月1日以後に提出する給与支払報告書および公的年金等支払報告書
※令和元(平成31)年に税務署へ提出された給与所得の源泉徴収票等の枚数が100枚以上であった事業者(給与支払者・公的年金等支払者)は、令和3年1月1日以後に提出する給与支払報告書等について、eLTAXまたは光ディスク等による提出が義務付けられます。
【eLTAX(エルタックス)による給与支払報告書等の提出をお願いします】
平成29年1月から、個人住民税の給与支払報告書および所得税の源泉徴収票の同時作成・一括送信機能が導入され、令和元年10月から、地方税共通納税システムによる複数の地方公共団体への一括電子納税機能が導入されるなど、大きく利便性が向上しており、納税者の方々の事務負担の軽減とともに、申告・納税手続きの対面機会を減らすことにより感染症拡大防止にも繋がるため、eLTAX(エルタックス)のご利用をお願いします。
退職所得課税の適正化
現状の退職給付の実態を踏まえ、退職所得の課税の特例が見直され、勤続年数が5年以下の法人役員等以外の方が令和4年1月1日以後に支払を受ける退職手当等について、退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した残額のうち300万円を超える部分については、2分の1を退職所得として課税する平準化措置の適用から除外することとなります。
令和4年1月1日以後の退職手当等にかかる個人住民税の特別徴収において、税額の計算方法にご注意ください。
(注)勤続年数が5年以下の法人役員等の方は、平成25年1月1日以後に支払を受ける退職手当等から平準化措置(2分の1課税)は適用しないこととなりました。
法人役員等とは、法人税法第2条第15号に規定する役員(法人の取締役、執行役等)、国会議員・地方議員および国家公務員・地方公務員をいいます。
文化芸術・スポーツイベントの中止等によりチケットの払戻しを受けない場合の寄附金税額控除の適用
新型コロナウイルス感染症およびその拡大防止のため、国または地方公共団体の要請を受けて、文化芸術・スポーツイベントの中止等(中止・延期・規模縮小)が行われた場合に、令和2年2月1日から令和3年12月31日までの間に、イベントのチケットの払戻しを受けないことを選択(入場料等払戻請求権を放棄)したときは、その入場料等の金額(上限20万円)を寄附とみなして、寄附金税額控除(基本控除額)の対象とすることとなりました。
詳しくは、スポーツ庁ホームページ「チケットの払戻請求権の放棄を寄附金控除の対象とする税制改正」をご確認ください。対象イベントの要件
次の要件をすべて満たし、主催者が文化庁・スポーツ庁に申請して指定を受けたイベント(注)
- 文化芸術またはスポーツに関するものであること
- 令和2年2月1日から令和3年1月31日までに日本国内で開催された、または、開催される予定であったものであること
- 不特定多数かつ多数の者を対象とするものであること(広く一般にチケット等が販売されているもの)
(注)大阪市の個人市民税は、所得税と同じ控除対象となるよう、大阪市市税条例を改正しましたので、下記の文化庁・スポーツ庁が指定したイベントがすべて対象となります。
(注)大阪府の個人府民税についても、下記の文化庁・スポーツ庁が指定したイベントがすべて対象となります。指定イベント
文化庁・スポーツ庁が指定したイベントは、次のホームページをご確認ください。
寄附金税額控除を受けるための手続き
- イベント主催者にチケットの払戻しを受けないことを連絡のうえ、主催者から「指定行事証明書」および「払戻請求権放棄証明書」の交付を受けてください。
- 所得税確定申告書または市民税・府民税申告書において必要事項を記載のうえ、上記1で交付を受けた証明書を添付して提出してください。(所得税確定申告書を提出する場合は、市民税・府民税申告書の提出は不要です。)
(注1)所得税確定申告書を提出する場合は、所得税確定申告書(第二表)の下段「住民税・事業税に関する事項」の「住民税」のうち、「寄附金税額控除」欄の「条例指定分」欄(「都道府県」欄・「市区町村」欄)に、それぞれ控除額を記載する必要があります。
(注2)ふるさと納税(寄附金)のワンストップ特例制度については、所得税確定申告書または市民税・府民税申告書を提出する場合は適用を受けることができないため、ふるさと納税(寄附金)に関する必要事項もあわせて記載する必要があります。
なお、所得税確定申告書においては、所得税確定申告書(第二表)の下段「住民税・事業税に関する事項」の「住民税」のうち、「寄附金税額控除」欄の「都道府県、市区町村分(特例控除対象)」欄に、控除額を記載する必要があります。
確定申告書B様式(抜粋)
住宅ローン控除の適用要件の弾力化(緩和)
住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)について、新型コロナウイルス感染症およびその拡大防止措置の影響により、入居期限までの入居ができない場合でも、一定の期日までの住宅取得等の契約を行っているなどの要件を満たすときは、適用要件を弾力化(緩和)することとなりました。
詳しくは、国土交通省ホームページ「住宅ローン減税」をご確認ください。
[控除適用期間13年間の特例措置の場合]その他の場合は、上記国土交通省ホームページをご確認ください。
緩和内容(入居期限・控除適用期間)
- 基本内容 入居期限:令和2年12月31日 控除適用期間:令和3年度から令和15年度まで
- 緩和内容 入居期限:令和3年12月31日 控除適用期間:令和4年度から令和16年度まで
適用に必要となる要件
次の要件をすべて満たしていること
- 新型コロナウイルス感染症およびその拡大防止措置の影響により、住宅への入居が遅れたこと。
- 次の期日までに契約が行われていること
- 注文住宅を新築する場合:令和2年9月末
- 分譲住宅・既存住宅を取得する場合、増改築等をする場合:令和2年11月末
令和2年度から実施された主な税制改正
ふるさと寄附金税額控除の見直し
令和元年6月1日以降に支出されるふるさと寄附金(特例控除)の対象となる地方団体を、寄附金の募集を適切に実施しているか、返礼品を送付する場合には返礼品の返礼割合を3割以下とし、かつ地場産品としているかなどの一定の基準に基づき、総務大臣が指定することとされました。
対象となる地方団体については、総務省ふるさと納税ポータルサイト『ふるさと納税に係る指定制度について』を参照してください。
(注)非該当団体に対する寄附金については、特例控除部分について対象外となります。
寄附金税額控除の特例控除額部分イメージ図
住宅ローン控除の拡充
住宅の取得等にかかる対価の額または費用の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合において、当該住宅を令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に居住の用に供した場合、所得税の住宅ローン控除の適用期間を3年間延長(現行10年間→13年間)することとされました。
これに伴い、所得税額から控除しきれない額について、現行制度と同じ控除限度額の範囲内において、個人住民税額から控除することとなります。
居住年 | 平成26年4月~令和3年12月 (消費税率8%または10%で購入の場合に限る) | 令和元年10月~令和2年12月 (消費税率10%で購入の場合に限る) |
---|---|---|
控除限度額 | 所得税の課税総所得金額等の7% | 同左 |
控除期間 | 10年 | 13年 |
令和元(平成31)年度から実施された主な税制改正
配偶者控除および配偶者特別控除の見直し
配偶者控除の改正
配偶者控除について、控除が適用される納税義務者本人の合計所得金額に所得制限が設けられ、合計所得金額が1,000万円を超えた場合は、配偶者控除を適用しないこととされました。
また、納税義務者本人の合計所得金額に応じて控除額を逓減することとされました。
なお、改正以前において配偶者控除の対象となる配偶者(「控除対象配偶者」といいます。)については、改正に伴い「同一生計配偶者」と定義されています。
配偶者控除 の区分 | 改正前 (平成30年度) | 改正後(令和元年度以後) | |||
---|---|---|---|---|---|
納税義務者の合計所得金額 | |||||
900万円以下 | 900万円超~950万円以下 | 950万円超~1,000万円以下 | 1,000万円超 | ||
一般(69歳以下) | 33万円 | 33万円 | 22万円 | 11万円 | 0万円 |
老人(70歳以上) | 38万円 | 38万円 | 26万円 | 13万円 | 0万円 |
配偶者特別控除の改正
配偶者特別控除について、配偶者控除と同じ所得控除額33万円の対象となる配偶者の所得階層(改正前:38万円超45万円未満)の上限額を90万円に引き上げるとともに、配偶者特別控除が適用できる配偶者の所得上限額(76万円未満)についても123万円に引き上げられました。また、納税義務者本人の合計所得金額に応じて、控除額を逓減することとされました。
配偶者の 合計所得金額 | 改正前(平成30年度) | 改正後(令和元年度以後) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
納税義務者の合計所得金額 | 納税義務者の合計所得金額 | |||||
1,000万円以下 | 1,000万円超 | 900万円以下 | 900万円超 950万円以下 | 950万円超 1,000万円以下 | 1,000万円超 | |
38万円超 76万円未満 | 33万円~3万円 | 0円 | 33万円 | 22万円 | 11万円 | 0円 |
76万円以上 90万円以下 | 0円 | 0円 | 33万円 | 22万円 | 11万円 | 0円 |
90万円超 95万円以下 | 0円 | 0円 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | 0円 |
95万円超 100万円以下 | 0円 | 0円 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | 0円 |
100万円超 105万円以下 | 0円 | 0円 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | 0円 |
105万円超 110万円以下 | 0円 | 0円 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | 0円 |
110万円超 115万円以下 | 0円 | 0円 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | 0円 |
115万円超 120万円以下 | 0円 | 0円 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | 0円 |
120万円超 123万円以下 | 0円 | 0円 | 3万円 | 2万円 | 1万円 | 0円 |
123万円超 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
配偶者控除等の見直しに伴う調整控除への所要の措置
調整控除は、平成19年の国から地方への税源移譲の際に、所得税と個人住民税の所得控除における控除差に起因する負担増が発生しないように設けられたものです。今回の見直しに伴い、新たに配偶者特別控除の適用を受ける者は、平成19年の税源移譲に伴う控除差を起因とした負担が新たに生じることはないため、調整控除の対象としないこととされました。
一方、納税義務者本人への所得制限の導入により所得税との控除差が減少する部分については、控除差に起因する負担増が減少することとなるため、次のとおり調整控除における人的控除額の差額が見直しされました。
納税義務者の 合計所得金額 | 所得税と個人市・府民税の人的控除額の差額 | |
---|---|---|
一般(69歳以下) | 老人(70歳以上) | |
900万円以下 | 5万円 | 10万円 |
900万円超 950万円以下 | 4万円 | 6万円 |
950万円超 1,000万円以下 | 2万円 | 3万円 |
納税義務者の 合計所得金額 | 所得税と個人住民税の控除額の差額 | ||
---|---|---|---|
配偶者の合計所得金額 38万円超 40万円未満 | 配偶者の合計所得金額 40万円以上 45万円未満 | 配偶者の合計所得金額 45万円以上 | |
900万円以下 | 5万円 | 3万円 | 0万円 |
900万円超 950万円以下 | 4万円 | 2万円 | 0万円 |
950万円超 1,000万円以下 | 2万円 | 1万円 | 0万円 |
少額投資非課税制度(NISA)に関する改正
つみたてNISAの創設
家計の安定的な資産形成を支援する観点から、特に少額からの積立・分散投資を促進するため、非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度(いわゆる「つみたてNISA」)が創設されました。
詳しくは金融庁ホームページ「つみたてNISAの概要」をご確認ください。
非課税期間満了時の上場株式等の移管に係る移管時の価格の上限額の撤廃
少額投資非課税制度(NISA)および未成年者を対象とした少額投資非課税制度(ジュニアNISA)については、非課税管理勘定での保有期間(最長5年)が終了した場合、他の年分の非課税管理勘定に移管することができ、移管できる上場株式等については、移管時における価額(時価)で120万円までとされていましたが、移管時における価額(時価)の上限額(注)を撤廃することとされました
(注)平成30年12月31日以後に非課税期間が満了する上場株式等について適用されます。
詳しくは、金融庁ホームページ「NISAの概要」をご確認ください。
平成30年度から実施された主な税制改正
給与所得控除の上限額の見直し
次のとおり給与所得控除の上限額が引き下げられます。
区分 | 改正前 | 改正後 | |
---|---|---|---|
平成26年度から 平成28年度まで | 平成29年度 | 平成30年度以後 | |
控除の上限額が 適用される 給与収入の金額 | 15,000,000円以上 | 12,000,000円以上 | 10,000,000円以上 |
給与所得控除額 (上限額) | 2,450,000円 | 2,300,000円 | 2,200,000円 |
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の創設
健康の保持増進および疾病の予防への取組として一定の取組を行っている納税義務者が、平成29年1月1日から令和3年12月31日までの間に、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族に係るスイッチOTC医薬品(要指導医薬品および一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した場合において、1年間に1万2千円を超えるときは、1万2千円を超える額(控除限度額8万8千円)を総所得金額等から控除できる医療費控除の特例が創設されました。
(注)従来の医療費控除との選択適用となります。
- 厚生労働省ホームページ:セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について
健康の保持増進および疾病の予防への取り組みとは
納税義務者が次の検診や予防接種等のうちいずれか一つを受けていることが要件とされます。
- 健康検査(いわゆる人間ドック等)
- 予防接種
- 定期健康診断
- 特定健康検査(いわゆるメタボ検診)
- がん検診
(注)申告の際には、スイッチOTC医薬品等の購入費を記載した明細書のほか、検診や予防接種等を受けたこと(一定の取組)を明らかにする書類の添付または提示が必要です。(スイッチOTC医薬品等の領収書の添付は不要ですが、ご自宅で5年間保管する必要があります。)
一定の取組の証明方法については、厚生労働省ホームページ「一定の取組の証明方法について」をご確認ください。
スイッチOTC医薬品とは?
「スイッチOTC(Over The Counter)医薬品」とは、医療用医薬品(処方薬)として使われていた有効成分が、有効性や安全性に問題がないと判断され、薬局等で店頭販売できる市販薬に転用(スイッチ)されたものをいいます。
計算方法
(支払ったスイッチOTC医薬品の購入費の額-保険金等による補てん額) - 1万2千円(限度額は8万8千円)
(注)本特例を受ける場合は、従来の医療費控除の適用を受けることは出来ません。
県費負担教職員制度の見直しに伴う税源移譲
給与負担事務の道府県から指定都市への移譲に伴い税源移譲を行うこととされ、具体的には、政令指定都市の区域内に住所を有する納税義務者に係る個人住民税所得割(総合課税)の税率が変更されます。(平成30年度より適用)
併せて分離課税(退職所得の分離課税を除く)に係る税率の割合および税額控除等の割合についても、原則として市民税と府民税の割合が8:2に変更となります。
区分 | 平成29年度まで | 平成30年度以後 |
---|---|---|
市民税 所得割税率 | 6% | 8% |
府民税 所得割税率 | 4% | 2% |
主な税率等の一覧表
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平成29年度から実施された主な税制改正
給与所得控除の見直し
給与所得控除の見直しに伴い、次のとおり改正されました。
給与所得控除の上限額の引下げ
次のとおり給与所得控除の上限額について段階的に引き下げられます。
区分 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
平成26年度から 平成28年度まで | 平成29年度 | |
控除の上限額が適用される 給与収入の金額 | 15,000,000円以上 | 12,000,000円以上 |
給与所得控除額 (上限額) | 2,450,000円 | 2,300,000円 |
特定支出控除の特例の改正
特定支出控除の特例について、給与所得控除の上限額の引下げに伴い、次のとおり適用要件に該当する場合、申告によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができます。
金融所得課税の一体化
金融所得課税の一体化を推進するため、税負担に左右されずに金融商品を選択できるように税率等の金融所得間の課税方式を均衡化すること、また、損益通算範囲を拡大することとされました。
公社債等に対する課税方式の変更
公社債に対する課税方式を「特定公社債等」または「一般公社債等」に区分した上で、次のとおり変更されました。
- 特定公社債等
国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債など - 一般公社債等
特定公社債以外の公社債など
- 公社債等に係る利子等について
公社債等に係る利子等については、府民税利子割(5%)が特別徴収されていましたが、平成28年1月1日以後に支払いを受けるべき特定公社債等に係る利子等については、府民税配当割(5%)として特別徴収されたうえで、納税者が上場株式等に係る配当所得等として申告分離課税(市民税:3%、府民税:2%)を選択できるようになりました。
なお、一般公社債等に係る利子等については、府民税利子割(5%)の特別徴収のまま、変更ありません。
(注)申告分離課税を選択した場合、合計所得金額に算入され、扶養控除や配偶者控除の適用、非課税判定、国民健康保険料等の算定に影響する場合がありますので、ご注意ください。 - 公社債等に係る譲渡所得等について
公社債等に係る譲渡所得等については、非課税とされていましたが、平成28年1月1日以後に譲渡した場合は、その譲渡益について課税されることとなりました。
- 特定公社債等に係る譲渡所得等
上場株式等に係る譲渡所得等として、申告分離課税(市民税:3%、府民税:2%)とすることとされました。ただし、源泉徴収選択口座内の特定公社債等の譲渡に係る譲渡所得等については、府民税株式等譲渡所得割(5%)の課税対象として、特別徴収され、納税者が上場株式等に係る譲渡所得等として申告分離課税(市民税:3%、府民税:2%)を選択することができます。
(注)申告分離課税を選択した場合、合計所得金額に算入され、扶養控除や配偶者控除の適用、非課税判定、国民健康保険料等の算定に影響する場合がありますので、ご注意ください。 - 一般公社債等に係る譲渡所得
一般株式等に係る譲渡所得等として、申告分離課税(市民税:3%、府民税:2%)とすることとされました。
損益通算範囲の拡大
上場株式等の譲渡損失および配当所得等(申告分離課税を選択したものに限ります。)並びに一般株式等の譲渡損失の所得間における損益通算の特例の対象が次のとおり変更されました。
なお、上場株式等の譲渡所得等と一般株式等の譲渡所得等との損益通算はできないこととされています。
平成28年度から実施された主な税制改正
ふるさと寄附金に関する改正
都道府県・市区町村に対する寄附金(ふるさと寄附金)について、次のとおり改正されました。
ふるさと寄附金に係る特例控除額の控除限度額の引上げ
ふるさと寄附金の一層の活用を促進するため、特例控除額の控除限度額が個人住民税の所得割額の1割から2割に引き上げられました。
ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設に伴う申告特例控除の創設(平成27年4月1日以後に行う寄附が適用)
ふるさと寄附金の申告手続きの簡素化を図るため、確定申告をする必要のない給与所得者等がふるさと寄附金を行う場合、確定申告を行わなくても、特例制度の適用を寄附先の団体に申請することにより、寄附金税額控除の適用が受けられるようになりました。
この制度の創設に伴い、所得税における控除相当額を個人市・府民税から控除するため、新たに申告特例控除が創設されました。
〈申告特例控除の計算方法〉
特例控除額(注)×課税総所得金額から人的控除の差額を控除した額に応じた割合=申告特例控除額
(注)特例控除額の計算方法については、「税額控除額の計算方法(寄附金税額控除)」をご確認ください。
課税総所得金額から人的控除の差額を控除した額 | 割合 | |
---|---|---|
本来の割合 | 平成28年度から | |
195万円以下 | 85分の5 | 84.895分の5.105 |
195万円超 330万円以下 | 80分の10 | 79.79分の10.21 |
330万円超 695万円以下 | 70分の20 | 69.58分の20.42 |
695万円超 900万円以下 | 67分の23 | 66.517分の23.483 |
900万円超 | 57分の33 | 56.307分の33.693 |
所得税の最高税率の引上げに伴う特例控除額の算定方法の変更
平成27年分以後の所得税の最高税率が40%から45%に引き上げられたことに伴い、平成28年度以後の特例控除額の算定に用いる割合が次のとおり改正されました。
なお、特例控除額の計算方法については「税額控除額の計算方法(寄附金税額控除)」をご確認ください。
課税総所得金額から人的控除の差額を控除した額 | 適用割合 | |
---|---|---|
本来の割合 | 平成28年度から 令和20年度まで | |
195万円以下 | 85% | 84.895% |
195万円超 330万円以下 | 80% | 79.790% |
330万円超 695万円以下 | 70% | 69.580% |
695万円超 900万円以下 | 67% | 66.517% |
900万円超 1,800万円以下 | 57% | 56.307% |
1,800万円超 4,000万円以下 | 50% | 49.160% |
4,000万円超 | 45% | 44.055% |
課税総所得金額から人的控除の差額を控除した額 | 適用割合 | |
---|---|---|
本来の割合 | 平成26年度から 平成27年度まで | |
195万円以下 | 85% | 84.895% |
195万円超 330万円以下 | 80% | 79.790% |
330万円超 695万円以下 | 70% | 69.580% |
695万円超 900万円以下 | 67% | 66.517% |
900万円超 1,800万円以下 | 57% | 56.307% |
1,800万円超 | 50% | 49.160% |
(注)所得税額をもとに算定される復興特別所得税についても寄附金控除により一定の額が軽減されるため、平成26年度から令和20年度までは適用する割合が変更されます。
公的年金からの特別徴収に関する改正
仮徴収税額の算定方法の見直し
現行制度では、年金支給額や所得控除額の適用状況の変化により、本徴収税額と仮徴収税額に大きな差が生じる場合があるため、平成29年度以降の仮徴収税額の算定方法について次のとおり改正が行われました。
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
仮徴収税額 | 前年度2月分の本徴収額×3 | 前年度分の公的年金等に係る年税額×1/2 |
本徴収税額 | 年税額-仮徴収税額 | 年税額―仮徴収税額 |
市外転出時における特別徴収の継続
現行制度では、市町村外に転出された場合、仮徴収税額の徴収期間中(4月~8月)または本徴収税額の徴収期間中(10月~翌年2月)の徴収月から、公的年金からの特別徴収を停止することとされていますが、法改正(平成28年10月1日施行)により他市町村に転出した場合においても、次のとおり特別徴収を継続することとされました。
転出した日の属する年度の仮徴収 (4月~8月) | 転出した日の属する年度の本徴収 (10月~翌年2月) | 転出した日の属する年度の 翌年度の仮徴収 (4月~8月) |
---|---|---|
○徴収方法 公的年金からの特別徴収 ○税額 前年度分の年税額の2分の1 | ○徴収方法 公的年金からの特別徴収 ○税額 年税額-仮徴収税額 | 仮徴収は行われません。 |
【例:平成28年10月15日に転出した場合(平成27年度の年税額36,000円、平成28年度の年税額33,000円)】
- 平成28年4月から8月までの仮徴収
徴収方法 公的年金からの特別徴収
税額 18,000円 (4月・6月・8月の各月 6,000円) - 平成28年10月から平成29年2月までの本徴収
徴収方法 公的年金からの特別徴収
税額 15,000円 (10月・12月・翌年2月の各月 5,000円) - 平成29年4月から8月までの仮徴収
仮徴収は行われません。
転出した日の属する翌年度の仮徴収 (4月~8月) | 転出した日の属する年度の翌年度の本徴収 (10月~翌年2月) |
---|---|
○徴収方法 公的年金からの特別徴収 ○税額 前年度分の年税額の2分の1 | ○徴収方法 特別徴収から普通徴収への切替 (ご自身による納付) ○税額 年税額-仮徴収税額 |
【例:平成29年2月15日に転出した場合(平成28年度の年税額36,000円、平成29年度の年税額38,000円)】
- 平成29年4月から8月までの仮徴収
徴収方法 公的年金からの特別徴収
税額 18,000円 (4月・6月・8月の各月 6,000円) - 平成29年10月から平成30年2月までの本徴収
徴収方法 普通徴収(本徴収を停止し、普通徴収へ切替)
税額 20,000円 (3期・4期の各期 10,000円)
特別徴収税額の変更があった場合の特別徴収の継続
現行制度では、特別徴収税額が変更となった場合、公的年金からの特別徴収を停止することとされていますが、法改正により平成28年度以降の公的年金からの特別徴収について、12月分と2月分の本徴収税額を変更のうえ特別徴収を継続することとされました。
国外居住親族に係る扶養控除等の書類の添付義務化
日本国外に居住する親族に係る扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、障がい者控除について、申告の際に親族関係書類と送金関係書類の添付または提示が義務付けられました。
親族関係書類・送金関係書類が外国語で作成されている場合にはその翻訳文もあわせて添付等が必要となります。
なお、親族関係書類等の添付等については、平成28年1月1日以後に支払われる給与等および公的年金等についての「給与所得者の扶養控除等申告書」、「従たる給与についての扶養控除等申告書」または「公的年金等の受給者の扶養控除等申告書」の提出時から義務付けられます。
また、個人市・府民税の申告書を提出される場合には平成29年度の申告時から義務付けられます。
(注)送金関係書類については、申告される年度の前年中の送金等に係るものが必要となります。(例:平成29年度の個人市・府民税の申告時に添付が義務付けられる送金関係書類については、平成28年中の送金等に係るものが対象となります。)
- 親族関係書類
その国外居住親族がその居住者(納税者)の親族であることを証する書類(例:戸籍の附票の写しと旅券の写し、出生証明書など) - 送金関係書類
その国外居住親族の生活費または教育費にあてるための支払を、必要の都度、各人に行ったことを明らかにする書類(例:送金依頼書、クレジットカードの利用明細書の写しなど)
少額投資非課税制度(NISA)に関する改正
未成年者を対象とした少額投資非課税制度(ジュニアNISA)の創設
若年層への投資のすそ野拡大を図るとともに高齢者層から若年層への世代間の資産移転を促すことを目的として、未成年者を対象とした少額投資非課税制度(ジュニアNISA)が創設されました。
未成年者を対象とした少額投資非課税制度の詳細については、国税庁ホームページ「ジュニアNISA(未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置が始まります。)」をご確認ください。
- 非課税対象
20歳未満の者が開設する未成年者口座内の少額上場株式等の配当等、譲渡益 - 非課税投資額
非課税管理勘定の設定年に、次の金額の合計額で80万円を上限
A その年中の新規投資額
B その口座の他の年分の非課税管理勘定から移管する上場株式等の時価 - 非課税投資総額
最大400万円(80万円×5年間) - 口座開設期間
平成28年から平成35年までの8年間 - 非課税期間
原則最長5年間 - 払出制限
その年の3月31日において18歳である年(基準年)の前年12月31日までは、原則として未成年者口座および課税未成年者口座からの払出しは不可
(注)制限に反して払出しをする場合は、過去に未成年者口座内で生じた配当・譲渡益と払出し時点の未成年者口座内の少額上場株式等の含み益について課税されます。
(注)災害等により居住家屋が全壊したこと等の重大なやむを得ない事由が生じた場合には、非課税による払出しが可能。
少額投資非課税制度(NISA)の拡充
少額投資非課税制度(NISA)は、個人の株式市場への参加を促進する観点から導入された制度ですが、さらに投資家のすそ野を広げる観点等から、年間の投資上限額が現行の100万円から120万円に引き上げられました。
少額投資非課税制度(NISA)の拡充の詳細については、国税庁ホームページ「NISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の拡充等」をご確認ください。
平成27年度から実施された主な税制改正
住宅ローン控除の拡充
個人市・府民税における住宅ローン控除について、次のとおり拡充されました。
- 適用期限の延長…個人市・府民税の住宅ローン控除の適用期限について、令和元年6月30日までの入居に延長されました。
- 控除額の引き上げ…平成26年4月1日から令和元年6月30日までに入居された方のうち、消費税率8%または10%で住宅を購入された方は、控除額の計算にあたっての適用割合が7%に、控除限度額が136,500円に引き上げられました。
改正前 | 改正後 | ||
---|---|---|---|
居住年 | 平成25年12月31日まで | 令和元年6月30日まで | |
控除限度額 | 所得税の課税総所得金額等の5% (最高97,500円) | 平成26年1月1日から 平成26年3月31日まで | 所得税の課税総所得金額等の5% (最高97,500円) |
平成26年4月1日から 令和元年6月30日まで | 所得税の課税総所得金額等の7% (最高136,500円) | ||
(注)平成26年4月1日以降に入居した方でも、取得等に含まれる消費税率が8%または10%でない場合、適用される控除限度額は所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)となります。
少額投資非課税制度(日本版ISA/NISA)の一部改正
少額投資非課税制度(日本版ISA/NISA)について、次のとおり改正されました。
- 非課税口座を開設する金融機関等の変更…同一勘定設定期間内(最長4年間)においては、非課税口座を開設する金融機関等の変更ができませんでしたが、一年単位での変更が可能となりました。
平成26年1月1日から平成26年12月31日までは、平成26年に金融機関等において非課税口座を開設した場合、平成30年以降でなければ、他の金融機関等で非課税口座を開設することができませんでした。平成27年1月1日以降は、平成26年に金融機関等において非課税口座を開設していた場合においても、平成27年以降に他の金融機関等で非課税口座を開設することができるようになりました。
- 非課税口座廃止後の再開設…一度開設した非課税口座を廃止した場合、同一勘定設定期間内(最長4年間)においては、非課税口座の再開設ができませんでしたが、可能となりました。
平成26年1月1日から平成26年12月31日までは、平成26年に金融機関等において非課税口座を廃止した場合、平成30年以降でなければ、非課税口座を再開設することができませんでした。平成27年1月1日以降は、平成26年に金融機関等において非課税口座を廃止していた場合においても、平成27年以降に非課税口座を再開設することができるようになりました。
ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設
ふるさと納税の申告手続きの簡素化を図るため、確定申告をする必要のない給与所得者等がふるさと納税(本市では「ふるさと寄附金」と言います。)を行う場合に、ふるさと納税先の自治体が5団体以内の場合であり、確定申告を行わない場合に限り、ふるさと納税を行う際に、各ふるさと納税先団体に特例の適用に関する申請書を提出することで、確定申告を行わなくても、ふるさと納税についての寄附金控除を受けられる特例的な仕組み(ふるさと納税ワンストップ特例制度)が創設されました。
なお、5団体を超える自治体にふるさと納税を行った方や、ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告を行う方は、ワンストップ特例制度の適用が受けられないため、これまで同様に確定申告を行う必要があります。
(注)5団体を超える自治体にふるさと納税を行った方や、ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告を行う方は、ワンストップ特例制度の適用が受けられないため、これまで同様に確定申告を行う必要があります。
平成26年度から実施された主な税制改正内容
東日本大震災からの復興に向けての改正
東日本大震災からの復興を図ることを目的として定められた東日本大震災復興基本法の基本理念に基づき、個人市・府民税および国税について、次のとおり改正・創設されました。
均等割額の引き上げ
東日本大震災からの復興を図ることを目的として、地方公共団体が実施する防災のための施策に要する費用の財源を確保するため、臨時の措置として平成26年度から令和5年度までの個人市民税および個人府民税の均等割額がそれぞれ500円ずつ引き上げられます。
現行 | 平成26年度から | |
---|---|---|
市民税 | 3,000円 | 3,500円 |
府民税 | 1,000円 | 1,500円 |
合計 | 4,000円 | 5,000円 |
復興特別所得税の創設
国税において、東日本大震災からの復興を図ることを目的として、復興施策に必要な財源を確保するための特別措置として、平成25年分から令和19年分までの間、所得税額の2.1%の相当額をご負担いただく復興特別所得税が創設されました。
〔復興特別所得税の算式〕
復興特別所得税の額 = 各年分の基準所得税額 × 税率(2.1%)
復興特別所得税の詳細については、国税庁ホームページ「個人の方に係る復興特別所得税のあらまし」をご確認ください。
復興特別所得税の創設に伴う寄附金税額控除の見直し
都道府県・市区町村に寄附(ふるさと寄附)を行った場合、所得税の寄附金控除と個人市・府民税の寄附金税額控除により、寄附金額のうち2千円を超える額について、一定の額を限度とし、税額が軽減されます。また、平成25年から創設されました復興特別所得税についても、所得税額を課税標準とするため、寄附金控除により一定の額が軽減されます。
復興特別所得税の軽減により、改正前の上限額を超える額が控除されることとなるため、都道府県・市区町村に対して寄附を行った場合の計算方法が見直しされました。
〔寄附金税額控除の特例控除額の算定〕
【改正前】
特例控除額(ふるさと寄附金のみ)= [都道府県・市区町村に対する寄附金の合計額-2,000円]×[ 90%-{所得税の適用税率(0~40%)} ]
【改正後】
特例控除額(ふるさと寄附金のみ)= [都道府県・市区町村に対する寄附金の合計額-2,000円]×[ 90%-{所得税の適用税率(0~40%)} ×1.021]
ふるさと寄附金の詳細については、「ふるさと寄附金について(都道府県・市区町村に対する寄附金)」をご確認ください。
給与所得者に関する改正
給与所得控除の上限設定
給与収入金額が1,500万円以上の場合の給与所得控除について、245万円の上限が設けられました。
給与等の収入金額 | 給与所得の金額 | |
---|---|---|
平成25年度まで | 平成26年度から | |
0円以上 | 変更なし | |
15,000,000円以上 | 収入金額×95%-1,700,000円 | 収入金額-2,450,000円 |
特定支出控除制度の拡充
弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費、勤務必要経費(注1)(図書費、衣服費、交際費)が特定支出控除の範囲に追加されました。また、適用の要件である特定支出と給与所得控除額との比較について、特定支出の合計額が給与所得控除額の合計額を超えた場合から、特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超えた場合に適用されることとなりました。(注2)
(注1) 勤務必要経費は、図書費(書籍、新聞、雑誌等)や衣服費(制服、事務服等)、交際費(職務の遂行に直接必要なもの)で、その支出が職務の遂行に直接必要なものとして給与支払者により証明されたものに限ります。また、勤務必要経費は65万円が上限となります。
(注2) 給与収入金額が1,500万円を超える場合は125万円となります。
給与収入金額 | 適用要件 | 給与収入金額から控除できる額 |
---|---|---|
1,500万円以下の場合 | 特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1の額を超えた場合に適用 | 特定支出の合計額+給与所得控除額×1/2 |
1,500万円超の場合 | 特定支出の合計額が125万円を超えた場合に適用 | 特定支出の合計額+120万円 |
公的年金等受給者に関する改正(寡婦(寡夫)控除に係る申告手続きの簡素化)
公的年金等受給者の申告手続きの簡素化の観点から、年金保険者に提出する扶養控除申告書において、寡婦(寡夫)控除を申告されている場合は、年金保険者から市町村へ送付される公的年金支払報告書により寡婦(寡夫)控除が報告されるため、寡婦(寡夫)控除の申告が不要となりました。
(注)所得税において医療費控除や寄附金控除等により所得税の還付を受ける場合や損失の繰越をする場合、公的年金等以外の所得金額が20万円を超える場合は、確定(還付)申告が必要となります。
(注)公的年金等以外の所得金額が20万円以下の場合は、所得税の申告は不要ですが、個人市・府民税の申告が必要となります。
(注)個人市・府民税のみで医療費控除や寄附金税額控除等の適用を受けられる場合は、個人市・府民税の申告が必要となります。
証券税制の改正
上場株式等の配当所得・譲渡所得等に係る軽減税率の適用期間終了に伴い、個人の株式市場への参加を促進する観点から、少額投資非課税制度が創設されました。
少額投資非課税制度(日本版ISA/NISA)の創設
個人の株式市場への参加を促進する観点から、平成26年1月1日以後に開設した非課税口座内の上場株式等の配当所得および譲渡所得については、開設した年から5年以内に限り、所得税および個人市・府民税が非課税となります。
非課税口座の詳細については、国税庁ホームページ「非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置が始まります。」をご確認ください。
- 非課税対象
非課税口座内の上場株式等の配当所得、譲渡所得等 - 非課税投資額
毎年、100万円まで
(注)新規投資額および保有期間を5年経過したことによる継続適用分の上場株式等の時価の合計額 - 非課税投資総額
最大500万円(100万円×5年間) - 口座開設期間
平成26年1月1日から平成35年12月31日までの10年間 - 保有期間(非課税期間)
最長5年間
(注)保有期間終了後、新たな年分への移行による継続保有が可能 - 譲渡損失(売買損失)
●非課税口座内において発生した譲渡損失(売買損失)は、他の口座(特定口座、一般口座等)での譲渡益との損益通算不可
●譲渡損失の繰越控除不可
上場株式等の配当所得・譲渡所得等に係る軽減税率の適用期間終了
平成25年12月31日までの間、上場株式等の配当所得および譲渡所得等については軽減税率(個人市・府民税:3%、所得税:7%)が適用されていますが、適用期間の終了に伴い、平成26年1月1日以後に適用される税率は20%(個人市・府民税:5%、所得税:15%)となります。
給与支払者等に関する改正(給与支払報告書等のeLTAX(エルタックス)・光ディスク等による提出の義務化)
平成26年1月1日以後の提出分から、国税において給与等および公的年金等に係る源泉徴収票をe-Taxまたは光ディスク等によって提出することが義務付けられた者は、給与支払報告書および公的年金等支払報告書についてもインターネットを利用した電子申告(eLTAX:エルタックス)または光ディスク等による提出が義務付けられます。
国税におけるe-Taxまたは光ディスク等による提出の義務化については、国税庁ホームページ「光ディスク等による支払調書の提出が義務化されます」をご確認ください。
- 電子的提出の義務が課される者
基準年(前々年)の所得税の源泉徴収票の提出枚数が1,000枚以上の事業者(給与支払者・公的年金等支払者) - 提出の方法
eLTAX(エルタックス)または光ディスク等による提出
(注)eLTAX(エルタックス)による提出については、eLTAX(エルタックス)ホームページ「eLTAX(エルタックス):地方税ポータルシステム」をご確認ください。 - 適用時期
平成26年1月1日以後に提出する給与支払報告書、公的年金等支払報告書
平成25年度から実施された主な税制改正内容
生命保険料控除の見直し
公的保障の補完としての性格や納税者の自助努力を支援する観点から、平成24年分以後の所得税および平成25年度以後の個人市・府民税において、次のとおり改正されました。
- 介護医療保険料控除の新設
- 一般生命保険料控除および個人年金保険料控除の計算方法・限度額の変更
生命保険料控除の見直しの概要
- CC(クリエイティブコモンズ)ライセンスにおけるCC-BY4.0で提供いたします。
- オープンデータを探す大阪市オープンデータポータルサイト
- Adobe Acrobat Reader DCのダウンロード(無償)
- PDFファイルを閲覧できない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Acrobat Reader DC をダウンロード(無償)してください。
改正前(旧契約) (平成23年12月31日以前の契約締結分) | 改正後(新契約) (平成24年1月1日以後の契約締結分) | |||
---|---|---|---|---|
支払保険料額 | 控除額 | 支払保険料額 | 控除額 | |
個人市・府民税 (平成25年度から) | 15,000円以下 | 支払保険料の金額 | 12,000円以下 | 支払保険料の金額 |
15,001円以上 40,000円以下 | 支払保険料×1/2+7,500円 | 12,001円以上 32,000円以下 | 支払保険料×1/2+6,000円 | |
40,001円以上 70,000円以下 | 支払保険料×1/4+17,500円 | 32,001円以上 56,000円以下 | 支払保険料×1/4+14,000円 | |
70,001円以上 | 35,000円(限度額) | 56,001円以上 | 28,000円(限度額) | |
一般生命保険料分・個人年金保険料分の保険料区分ごとにそれぞれ上記により計算(合計限度額:70,000円) | 一般生命保険料分・個人年金保険料分・介護医療保険料分の保険料区分ごとにそれぞれ上記により計算(合計限度額:70,000円) | |||
(注)旧契約・新契約両方の保険料がある場合は、それぞれ上記により計算し、すべての控除額の合計限度額は70,000円となります。 | ||||
所 得 税 (平成24年分から) | 25,000円以下 | 支払保険料の金額 | 20,000円以下 | 支払保険料の金額 |
25,001円以上 50,000円以下 | 支払保険料×1/2+12,500円 | 20,001円以上 40,000円以下 | 支払保険料×1/2+10,000円 | |
50,001円以上 100,000円以下 | 支払保険料×1/4+25,000円 | 40,001円以上 80,000円以下 | 支払保険料×1/4+20,000円 | |
100,001円以上 | 50,000円(限度額) | 80,001円以上 | 40,000円(限度額) | |
一般生命保険料分・個人年金保険料分の保険料区分ごとにそれぞれ上記により計算(合計限度額:100,000円) | 一般生命保険料分・個人年金保険料分・介護医療保険料分の保険料区分ごとにそれぞれ上記により計算(合計限度額:120,000円) | |||
(注)旧契約・新契約両方の保険料がある場合は、それぞれ上記により計算し、すべての控除額の合計限度額は120,000円となります。 |
生命保険料控除の申告に関するご注意(各種保険料金額欄が追加されています)
生命保険料控除の見直しに伴い、所得税および個人市・府民税の申告書について、各種保険料支払額の記載欄が変更され、次のとおりとなっていますので、控除証明書の契約内容・契約締結日をご確認のうえ、控除区分・契約区分ごとにそれぞれ記載してください。
(注)介護医療保険料、新生命保険料、旧生命保険料、新個人年金保険料および旧個人年金保険料のうち、支払いのあるすべて保険料について、必ず記載してください。
記載もれがあると、個人市・府民税において生命保険料控除額を正しく計算できない場合があります。
- 「新生命保険料の合計」欄・・・平成24 年1 月1 日以後に契約締結した一般生命保険の保険料支払金額
- 「介護医療保険料の合計」欄・・・平成24 年1 月1 日以後に契約締結した介護保障または医療保障の保険料支払金額
- 「新個人年金保険料の合計」欄・・・平成24 年1 月1 日以後に契約締結した個人年金保険の保険料支払金額
- 「旧生命保険料の合計」欄・・・平成23 年12 月31 日以前に契約締結した一般生命保険の保険料支払金額
- 「旧個人年金保険料の合計」欄・・・平成23 年12 月31 日以前に契約締結した個人年金保険の保険料支払金額
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