第3回 国際水都会議
2019年11月22日
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第3回 ピレウス会議 1997 開催概要
開催都市のプロフィール
ピレウスはギリシャ第一の貿易港、商港としてだけでなく、工業都市としても重要な都市です。機械・化学工業、造船業を中心に一大工業地帯を形成しています。主港(メガロ・リムニ)のカンタロスは、北西を小さなイエティオニア半島に、南をアクティ半島に挟まれ、その南東はムニキア(カステラ)の丘を経て本土に続きます。
会議スケジュール
1997年 | ||
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3月20日 (木) | 午前 | 開会式 |
記者会見 | ||
午後 | 首長会議 | |
専門家会議 | ||
理事都市会議 | ||
夜 | 夕食会 | |
3月21日 (金) | 午前 | 首長会議 |
専門家会議 | ||
午後 | 総括会議 | |
閉会式 | ||
夜 | 夕食会 |
首長会議
<大阪>
大阪市の飯田一根特別顧問は、新・水都大阪計画、“国際集客都市”プログラムを詳しく紹介した。氏はまた、大阪の将来計画についても論じ、環境保全に役立つ水の利用法について有益な情報を提供し、水辺にアクセスするための都市景観デザインの優れた事例を発表した。また、大阪における公共施設整備、ウォーターフロント・エリアのアメニティ開発、ならびに水利用を通した交流の推進コンセプトを紹介した。このようなプロジェクトやイベントを通じて、大阪市は2008年オリンピックの誘致を目指している。
<ピレウス>
ステリオス・ロゴテティス、ピレウス市長は市が取り組んでいるサロニック湾の環境再生、ピレウスのシッタリア島でのバイオ処理施設設置、汚水リサイクルの可能性、観光用ビーチの蘇生などの計画について論じた。
<上海>
上海市総書記代理のハン・ユー・ジン氏は、上海蘇州河の再生計画について詳細な説明を行った。
蘇州河管理計画の実効性を高めるために、上海市は堤防沿いの総合的な土地利用・開発のための特別の覚え書きを準備した。再生事業の成功のためSSCRPHOによる管理は、上海市で一番厳しいものとなっている。
上海蘇州管理基金が創設される予定である。関心を持つ組織や個人は、このプロジェクトに出資することになる。蘇州河の再生には、おそらく200億人民元を越す費用がかかる。上海市は、世界中の政府や銀行、大型金融機関や組織に対して、低金利融資、援助、技術支援、あるいは共同開発を要請している。
上海市のリーダーシップの下に、上海や海外の人々の関心と支援によって、蘇州河の総合汚染規制の目標の達成を確信している。生まれ変わった蘇州河が、次の世紀には現実のものとなるであろう。
<ハンブルク>
ドイツ-ハンブルク州政府の環境省主席、フリッツ・ファーレンホルト博士は、ハンブルクの環境政策の展開と問題点について分析した。
ハンブルクでは社会的、あるいは社会地理学的な分極化傾向が新たな都市問題を引き起こしており、政策的手段による防止が必要である。排気ガスによる大気汚染を少なくすること、工場や汚水処理による影響の削減、水消費の抑制、水浄化リサイクルの促進、地下水保全などの環境政策が展開・推進されている。
<ラルナカ>
ラルナカ市長(キプロス)の発表は、次のような課題を提示した。
1.歴史的特殊性や社会背景、沿岸地域の経済活動を考慮した、統合的な開発計画の必要性。開発計画を適法かつ有効にする制度上の枠組みの存在。
2.港湾の開発計画を推進、実施するための、行政による地元組織への財政支援。
3.海岸地域における観光客の行動と港湾活動の軋轢。
4.量的にも質的も不十分な水供給や、雨水排水処理などの重大な都市問題を引き起こす沿岸部への極度な人口集中。
<タガンログ>
タガンログ副市長のイオノフ氏は、町や地域における技術的な安全性に関わるシステムについて簡潔に紹介した。
<バルナ>
バルナ市長の代理、カンシェワ・イワノワ・マリアナ女史は、汚染の規制の必要性に言及しながら、黒海の富栄養化と変容について論じた。
ラドウル・コバチェフ黒海クラブ長官は、類似の黒海機構の設立について論じた。
<オデッサ>
オデッサの代表、コディスキー氏は、オデッサ地方の水問題を論じた。
全ての参加都市が、共通の関心の対象である高度な技術や事業計画を発表した。
それらの案件は、各都市の専門家自身が詳しく評価することも可能であるし、訪問してその解決策の実地体験を通してさらに詳しい情報を得ることも可能である。
専門家会議
<沿岸地域>
沿岸地域、海岸部に影響を及ぼす自然と社会経済上のパラメーター間の繊細で微妙なバランスが、全ての討議の共通のテーマとなった。それらの要因のうちのどれかが、ほんの僅かに乱されただけでも、取り返しのつかない大きな均衡の変動をもたらす可能性がある。
沿岸地域とそのバランスに関する最新の研究方法、すなわち地理情報システムや自然的、化学的パラメータの野外測定などが、今や地球上のいたるところで実施されている。環境の均衡状態や自然災害等の沿岸地域における危機の数は、着実に増加している。沿岸地域の経済的な重要性を考慮すれば、こうした危機に対処するための適切な観測と必要な計画が、各地区で取り組まれなくてはならない。
地方自治体、専門分野の研究センター、様々な国の大学の研究センターなどの協力が、沿岸地域に関わる諸問題の合理的な解決へと導く道となるであろう。
<水資源-技術的インフラ-洪水-水質-環境-干ばつ>
唯一の国家機関の責任において、技術的構造物に関する最新の判断基準と合理的優先順位に基づき、統合された計画が策定されなくてはならない。これにより、総合計画の実施が可能になり、水の流れを断ち切るような好ましくない現象を避けることができる。
治水計画は都市計画に優先すべきである。それによって、通常の降水にも豪雨の場合にも、問題を合理的かつ本質的に処理することができる。 現象に関してデータを評価しよりよい知見を得るためには、降水量測定に関する分析方法を再検討すべきである。流出係数の高い流域-都市的な環境の中で雨水の流出解析を行うために設定する仮想的な流域-で水を観測すれば、我々はもっと自然を大切にしたやり方の重要性を認識することになるであろう。
都市や産業における廃水処理のように主要な技術プロジェクトの構成は環境に大きな影響を与え、水の化学的な分析結果に見られるように、海や川の汚染を大幅に減少させる。 様々な用途に供される水、ことに人間が使う水の完全で組織的な監視は緊急を要する。必要な技術的、科学的なインフラの整備によって、地表水および地下水の組織的な監視ができるようになる。水質を一定基準値内に維持するためには、水質基準を定め適切な介入を行う必要がある。
発表された論文はこちらのページに掲載しております。
理事都市会議
バーミンガム、ベオグラード、シカゴ、ハンブルク、 メルボルン、モントリオール、ピレウス、仙台、上海、 ベネチア、ウィーン、大阪。
会議は、次回の国際水都首長会議開催都市の選出という議題に沿って進められた。3年おきの開催規定により、次の会議は2000年に開催される。 ウィーン市において第4回会議の開催を要請する動議が出され、ウィーン市は第4回会議に向けて必要な手続きに着手する意向を表明し、動議は満場一致で可決された。
次期会議も再び成功するように、ICAP事務局は必要な準備を入念に進める。また、各位の協力も希望する。
事務局から発行されているニュースレター《Aquapolises》の改善に関連しては、以下のような話し合いがもたれた。
会員都市は、様々な計画の記述や水と緑地に関する情報を通じて、情報交換する。これを実行するため、事務局は全会員都市に投稿を依頼している。また、ニューズレターに掲載を希望する他の項目があれば、大阪の事務局に申し出て頂きたい。
ピレウス宣言
参加都市(順不同)
- ウィーン(オーストリア)
- バルナ(ブルガリア)
- 上海(中国)
- ラルナカ(キプロス)
- パリ(フランス)
- ハンブルク(ドイツ)
- アルゴストーリオン(ギリシャ)
- アテネ(ギリシャ)
- セレス(ギリシャ)
- ヒアバ(ギリシャ)
- ロニオイ(ギリシャ)
- ミロス(ギリシャ)
- ナフプリオ(ギリシャ)
- ピレウス(ギリシャ)
- プトレマイース(ギリシャ)
- スパルタ(ギリシャ)
- 大阪(日本)
- ロストフナドヌ(ロシア)
- タガンログ(ロシア)
- マリウポリ(ウクライナ)
- オデッサ(ウクライナ)
- ベオグラード(ユーゴスラビア)
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