平成22年度バランスシート等財務諸表(財務書類4表)
2018年3月30日
ページ番号:147470
公会計制度改革について
公会計制度改革の意義
現行の公会計制度は、地方自治法に基づき、現金の移動のみを記録する現金主義・単式簿記を採用しています。これは、行政サービスを実施するにあたっては、議会で承認された予算を前提としていることから、予算が適正・確実に実施されたかどうかが重要とされ、現金の動きがわかる現金主義・単式簿記が適しているからです。
しかしながら、現金主義・単式簿記には
・現金以外の資産や債務(ストック)の把握ができない。
・減価償却費や引当金などの非現金情報(見えにくいコスト)が明らかにされない。
・第3セクターなども含めた自治体全体の財務情報が十分ではなく、説明責任が果たされない。
といった課題・問題点があります。
そこで発生主義・複式簿記の考え方(企業会計的手法)を導入し、財務書類の作成・活用を通じて、より詳細な財務情報を公開するとともに、資産・債務の適正な管理を一層進めることを目的に公会計制度改革に取り組んでいます。
総務省からも、地方公共団体向けに企業会計的手法を採り入れた財務書類の作成基準として、「総務省方式改訂モデル」と「基準モデル」が示され、財務書類4表の作成・公表が要請されています。
大阪市の取り組み
本市では決算統計を組み替えることで作成する「総務省方式改訂モデル」を採用し、平成19年度決算から普通会計財務書類4表を、平成20年度決算からは、普通会計に加え、全会計財務書類4表、連結財務書類4表を作成、公表しています。
平成22年度決算については、「総務省方式改訂モデル」に基づき、普通会計・全会計財務書類4表及び連結財務書類4表(大阪市の財政的関与等が高い関係団体も含む)を作成しましたので公表します。
※財務書類4表
・貸借対照表 ・純資産変動計算書
・行政コスト計算書 ・資金収支計算書
大阪市の普通会計財務書類4表(平成22年度) 総務省方式改訂モデル
普通会計財務書類4表(総務省方式改訂モデル)からわかったこと
・資産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8兆5,262億円(市民1人当たり336万円)
・負債・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3兆4,358億円(市民1人当たり135万円)
・行政サービスのコスト(費用)・・・1兆3,403億円(市民1人当たり 53万円)
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貸借対照表
大阪市が道路、建物、お金などの「資産」をどれくらい持っていて、その「資産」を手に入れるために、どうやってお金のやりくりをしたか(将来世代の負担となる「負債」と過去・現世代がすでに負担した「純資産」)を表にまとめたものです。
左の「資産」と右の「負債+純資産」の額は同額で釣り合い、バランスが取れた状態になるので、「バランスシート」とも呼ばれています。
8兆円以上の資産を保有していますが、全体の約8割は道路・公営住宅・学校・公園など行政サービスを提供するために必要な資産です。
昨年度に比べ、資産総額は306億円減少していますが、主に公共資産が時の経過とともに価値が減少(減価償却)したためです。
負債総額は、職員数の削減により将来の退職金の支払いに備え準備しておくべき額が70億円減少したことなどにより178億円減少しており、将来世代の負担が軽減されています。
行政コスト計算書
また、減価償却費や各種引当金など現金支出を伴わないコスト(費用)を計上することにより、これまでわからなかったコスト(費用)が明らかになります。
経常行政コストを行政目的別にみると、生活保護や医療費助成などの社会保障給付が大きい「福祉」が全体の約5割を、次いで減価償却費が大きい「生活インフラ・国土保全」が約2割を占めています。
経常行政コストを性質別にみると、約6割が生活保護などの社会保障給付といった「移転支出的なコスト」です。
昨年度に比べると、経常行政コストは152億円増加しています。これは職員数の削減などを行ったことにより「人にかかるコスト」が66億円減少したものの、「移転支出的なコスト」である生活保護費が196億円、中小企業への融資にかかる代位弁済補助金が197億円増加したことなどによるものです。なお、生活保護については国からの補助金(国3/4)、中小企業への融資にかかる代位弁済補助金については中小企業融資代位弁済補助金返還金の収入があるため、「差引、一般財源等で賄わなければならない経常行政コスト」は、昨年度と比べると横ばいになっています。
純資産変動計算書
貸借対照表に計上されている純資産(過去・現世代がすでに負担したお金)が1年間でどのように変動したかをまとめたものです。
純資産は1年間で128億円減少しました。
これは地方税や補助金受入れなどにより増加するものの、純経常行政コストにより減少したことによるものです。
資金収支計算書
どのような活動に資金(現金)を支出し、どのように賄っているかがわかります。
昨年度と比較すると人件費の削減等により経常的収支が41億円改善しています。その改善で公共資産整備収支を補うことにより、地方債の発行額及び貯金に当たる基金の取崩額を抑えることができました。
年度末資金残高の14億円から翌年度に繰越した事業に必要な資金を除くと4億円(実質収支)となっており、収支均衡が図られています。
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大阪市の全会計財務書類4表(平成22年度) 総務省方式改訂モデル
全会計財務書類4表の作成について
大阪市では、地下鉄網や下水道施設の整備など、昼間流入人口や経済活動の集積に伴う大都市の財政需要に対応するため、受益と負担の関係が明確なものについては、普通会計とは別に多くの特別会計などを設置し、料金収入を活用して事業を行ってきました。
より詳細な財務情報を公開するため、公会計制度改革の取り組みとして、普通会計に公営事業会計(公営企業会計とその他の特別会計)を加えた全会計財務書類4表を作成しました。
全会計財務書類4表(総務省方式改訂モデル)からわかったこと
・資産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11兆8,520億円(市民1人当たり467万円)
・負債・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5兆6,901億円(市民1人当たり224万円)
・行政サービスのコスト(費用)・・・ 2兆 642億円(市民1人当たり 81万円)
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大阪市の連結財務書類4表(平成22年度) 総務省方式改訂モデル
連結財務書類4表の作成について
大阪市では、市民ニーズの複雑・多様化などに対応するため、行政自らだけではなく、地方独立行政法人や地方公社・出資法人等の関係団体も活用して、行政サービスを提供しています。
こうした関係団体のうち、大阪市の財政的関与等が高い関係団体も含めて一つの行政サービス実施主体としてとらえた、連結財務書類4表を作成しました。
連結財務書類4表(総務省方式改訂モデル)からわかったこと
平成22年度貸借対照表の資産は昨年度より減少していますが、地方債残高の圧縮などによる負債の減少が上回るため、純資産は増加しています。
また行政コスト計算書では、経常行政コストが昨年度より増加していますが、これは人件費や物件費などのコストを縮減したものの、生活保護費などの移転支出的なコストが増加したためです。
・資産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12兆2,025億円(対前年度 △937億円)
・負債・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5兆9,164億円(対前年度 △1,376億円)
・純資産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6兆2,861億円(対前年度 +439億円)
・人にかかるコスト・・・・・・・・・・・・ 4,059億円(対前年度 △77億円)
・移転支出的なコスト・・・・・・・・・・ 1兆3,238億円(対前年度 +543億円)
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他の指定都市財政情報
他の指定都市の財政情報についてはこちら(指定都市市長会ホームページ)
関連ページ
〔参考〕過去の財務書類(総務省方式改訂モデル等)
- 平成26年度バランスシート等財務諸表(財務書類4表)
- 平成25年度バランスシート等財務諸表(財務書類4表)
- 平成24年度バランスシート等財務諸表(財務書類4表)
- 平成23年度バランスシート等財務諸表(財務書類4表)
- 平成22年度バランスシート等財務諸表(財務書類4表)
- 平成21年度バランスシート等財務諸表(財務書類4表)
- 平成20年度バランスシート等財務諸表(財務書類4表)
- 平成19年度バランスシート等財務諸表(財務書類4表)
- 平成18年度バランスシート等財務諸表
- 平成17年度バランスシート等財務諸表
- 平成16年度バランスシート等財務諸表
- 平成15年度バランスシート等財務諸表
- 平成14年度バランスシート等財務諸表
- 平成13年度バランスシート等財務諸表
- 平成12年度バランスシート等財務諸表
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